映画観ました。『ツーリスト』。観たって言っても実際に観たのはかなり前のことなんだけど。
ジョニー デップとアンジェリーナ ジョリーという大スター2人の共演作でございます。キャストのネームバリューのおかげで話題騒然。逆に、ネームバリューだけ1人走りしていて、勘のイイ人だったら地雷臭に気づいてることでしょう。
まず、今回のワタクシのスタンスとして・・・・つまんなかったです。もちろん、楽しかった部分はありますが、「おもしろかった?」と聞かれても「いやぁ・・・・・」としか返せません。
しかし、ジョニとジョリが大好きで、この2人(もしくはどちらか一方)を見ているだけで幸せになれる人がもしいたら、オススメです。どちらかというと、ジョニのファンの方がオススメかなぁ。ジョリだったら去年の『ソルト』の方がジョリを堪能できると思います。
あらすじ
マフィアの金を盗んだ泥棒アレクサンダーはマフィアに追われてる
脱税でユーロポールにも追われてる
ジョリはその恋人
アレクサンダーは整形によって顔を変え、ジョリですら知らない顔に変身
ジョリとの再会の日
ジョリに指令「俺と背格好の似た男に近づけ。そいつを俺だと思わせて、そいつを囮にする」
指令通り、ジョリは見ず知らずの男ジョニに近づく
すると、なんと、ジョリはジョニに恋に落ちてしまった
さて、どうするジョリ。アレクサンダーを選ぶのか、ジョニを選ぶのか
誰も知らない顔になったアレクサンダー、というだけあって、いわいる大オチ映画なんですよね。「結末は誰にも言わないで下さい」系の作品。
この後、オチ書くんで、気をつけて下さいね。
この作品の大問題がこのオチの部分。「誰も顔を知らない男」なんてあからさまなクイズを出されたらさ、誰だって映画観ながら推理というか予想するじゃないですか。
「既に映画に出てきてる中の人にアレクサンダーがいるんでしょ?」 「意外なあの人がアレクサンダーなのかな?」
「・・・・・・・まっ どうせジョニだろ」
はい、禁句です。
そもそもね、「ジョニとジョリ、奇跡の共演」が売りの映画で、ジョニとジョリ以上に目立つ人が出てくると思いますか?
ジョニとジョリというこのキャスティングがもうダメなんですよ。だって、この作品を作るような人の中にジョニ以上の男を描くことなんてできないもん。
この映画ってフランス映画のリメイクらしいんですが。
知らない俳優ばかりが出てる状態で観たらもう少し邪推せずに観れたかもしれませんね。
ジョリのイメージってさ、『トゥームレイダー』とか『Mr.&Mrs.スミス』『ウォンテッド』の感じが強いと思うんだ。さらには『ソルト』ね。ドギツイ顔してなんか滅茶苦茶強いパワフルな女性ってイメージが。本作でもそのイメージを踏襲。映画冒頭から完璧レディーの雰囲気がプンプンしております。
そういう意味では、みんなの求めるジョリが楽しめる、っていう良さはあるんだけど。やはりどこか新しいジョリが観たいじゃない。
それがないんだよね。完璧レディーのジョリは最初から最後まで完璧レディー。ここがすげぇ残念。
それを象徴するかのように、本作でジョリはドレス姿しかありません。常に世の男性諸君を見下すかのようなドS目線。
自分はファンではないけどさ、ドSなジョリがたまぁに見せる女性らしさとか、弱さにキュンとくるワケでしょ。ギャップって大事じゃん。映画冒頭と映画ラストで人物の印象がまったく変わってない映画って総じてつまんないじゃん。
その点、ジョニはよかったと思うよ。なにせ、役が「旅先で出会った冴えない男」ですから。
まぁ、本作は「ジョニとジョリ、奇跡の共演」が売りの映画だから、それでもジョニは冴えてるようにしか見えないんだけど。
それでも一応は冴えない男なワケで、ジョリの強引な誘いにカッコイイ受け答えができなかったりするシーンもあるんですよ。さらに、ジョリにキスされた夜、ベッドに行けると思ったら、ジョリに部屋から追い出されて1人ジョリを抱く妄想するシーンとかあって、なかなかのボンクラっぽさはあるんですよ。
しかもこのシーンでのジョニはパジャマですからね。いわゆるパジャマ。縦縞の。もちろん、後半はキメにキメた姿のジョニも拝めるワケで、このギャップにはファンはたまらないんじゃないんすか?
ちなみに、ワタクシはジョニもジョリも特別好きじゃないんで、この2人よりも、振り回されっぱなしのポール ベタニーの方がキュンキュンきました。
またジョリの悪口に戻るんだけど。
ジョリって終始スーパーレディーなんですよ。なんだけど、その割にはスーパーっぷりが発揮されるシーンがないんだよね。ジョニ以外の男を全員小バカにしたような振る舞いを続けるんだけど、意外と役に立たない。困ったジョニもスマートに救えない。
というか、よく考えたら、本作のジョリは実は大したことない。特別スーパーな存在ではない。なのに、ジョリはスーパーなオーラを出しまくりなんだよ。ややこしいよ。スーパーな女じゃないなら、もうちょっと女々しくしてろよ。そしたらかわいいものを。
意外とスーパーじゃない、っていう意味では本作の肝、アレクサンダーについてもそう。
もちろん、マフィアにもユーロポールにも追われてるスーパーな男なんだけど。このスーパーな男としてのスーパーっぷりがまったく描かれない。
アレクサンダーはマクガフィンだから説明は無用、ってことなのかもしれないけども・・・。だとしたら、あのオチはダメでしょ。ジョニがアレクサンダーというブランドを引き継ぐんだから。冴えないと思っていた男が、実はスーパーなアレクサンダーだった!って話なんだから。やっぱりアレクサンダーの活躍は描かないと。
ジョニが冴えない男を演じているからスーパーな活躍をしないのはわかる。そこはいいよ。けど、そことのギャップを作るためにもアレクサンダーのスーパーっぷりは描かないといけないと思う。
あとね、まだ悪口だけど。
顔のわからない男アレクサンダー、というのが描かれる以上、最後のあの人がアレクサンダーだという証拠が必要なんですが。
その証拠ってのが金庫のパスワードを知ってるってだけなんだよね。
これがちょっと弱い気がした。ぶっちゃけた話、あの証拠にあのオチだと、
「本物のアレクサンダーは別にいて、ジョリのことを捨てるために知り合いのジョニにパスワードを教えて、ジョリに恋させた」
ってオチだったとしてもおかしくないんだよね。
だから、この映画のラストが全然ハッピーエンドに思えない。アレクサンダーがアレクサンダーであることの証拠ってすげぇ大事だと思うから、そこはかなり引っかかった。ベタにジョリとの思い出とかのがよかったんじゃないかなぁ、って。
最後に。悪口だけど、好感を覚えたシーン。
映画の冒頭も冒頭、イントロの部分で、ジョリのことを追跡するユーロポールってのが描かれる。ユーロポール目線でジョリが描かれる。そこで、ジョリを監視してる2人の男の会話。
(ドレス姿のジョリを見て)
「クゥ――ッ、相変わらずイイケツしてやがんぜ」
「オッ オイ見ろよ! パンティーラインが見えないぜ。まさかノーパンじゃねぇのか!?」
「ウッヒョォ―――ッ!! たまんねぇ―っ!!!」
・・・・・・コレ、言い回しこそテキトーですけど、内容に誇張はないですからね。
おかしくね?
しかも、コレ、映画のオープニングシーンですからね。オープニングっていうのは、映画の世界観や、設定、方向性を印象づける映画の顔でしょ。そこでこのボンクラな会話。
本作にこのノリは絶対にダメだと思うんだけど。好感を持たざるとえない。
ちなみに、ジョリのノーパンといったら『ソルト』ですね。あの映画でジョリはノーパンで大活躍してますから。コレも誇張ナシです。できる女はノーパンも厭わない!
ということでした。
まぁ、最初に書いたけど、ジョリとジョニが好きで好きで仕方ない人にとっては至福の映画だと思いますよ。特にジョニファンの方。パジャマ姿はオススメです。
スター共演のゴージャスなミステリーを期待してる人は、ダメゼッタイ。
映画秘宝で読んだんだけど、小林真理がこの映画を端的に評してた。
「裏の裏は表です、とうヒネリがあるようでまったくないストーリー」
まったくその通りだと思います。
50点。
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