北区の帰宅部の意訳

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映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語』の感想

テレビ版でよくね?

 しかし、タイトルなげぇな。『スターウォーズ エピソード1 ファントムメナス 3D』ばりに長いぜ。「劇場版〜〜[前編]」か、「〜〜始まりの物語」、どっちかにしてほしいものです。

 えーっと、『まどマギ』はワタクシ、後追い組でして。レンタルで一気見したクチです。ですので、今回の話もそんなことが前提になってます。
 テレビシリーズは大好きですよ。「こんなおもしろいもんテレビでやってたのか!」とたまげたものですよ。
 とはいえ、劇場版。前編後編はただの総集編だそうで。まぁ、リアルタイムで乗らなかったという後ろめたさもあってか、御布施感覚で2作に2千円(割引料金)を払うのは惜しくない! そう思ってました。
 んで、観たんですが・・・・千円返せ。


 ↑後編鑑賞時に特典のフィルムコマと交換してくれるというカード。知らなかったんでビックリしました。いるいらないに関わらず、もらえるんなら嬉しいです。
 映画泥棒のコマ当たらないかなー。

 あらすじ
まどか、なかなか契約しません

 結論なんですが、本作は観なくていいから、ツタヤ行ってテレビ版1〜8話観るのがオススメ。それでおもしろかったら、そのまま9〜12話もレンタル。劇場版にはない要素があるはずです。それで、おもしろかったら、映画の『後編』だけ観ればいいんじゃないでしょうか。
 そのくらいに本作『前編』に魅力を感じませんでした。多分、『後編』は少しマシになってるとは思いますが‥‥(と信じたい)。

 本作は、テレビシリーズの各話をムリヤリ繋げただけです。テレビ版観るとわかるんですが、途中から怒濤の展開に入って、そこからは毎話のラストにクリフハンガー的な仕掛けが用意されてるんですね。だから観終わる度に、「うわっ! マジかよ!」 と言いながらエンディング曲を聴きながら呆けてしまうことが多いです。「わっ 死んだ!」とか、「死んじゃう!」とか、「死んだぁ〜!!」とかとか。
 もちろん、その驚き、そのフックに該当する展開は、本作にもありますよ。1〜8話といったら、そらもう様々な事件が起こります。その事件が起こった瞬間の衝撃は初見時と同様です。映画館で観てる分より衝撃的に感じてもおかしくないです。‥‥が、直後に次のシーンが続くんですね、当たり前ですが。んで、この次のシーンというのが結構テンション冷めたような展開になってることが多くて。せっかく盛り上がったのに何度も冷めてしまう。盛り上がったまま劇終を迎えたいじゃないですか。それが何度も萎える。
 「驚きのラストどん!」って展開が多いから編集して繋げちゃうとイビツな代物になってしまうんですよ。一発ギャグでしか笑いを取らない長尺のコントみたいな。穴に落ちない「細かすぎて伝わらないモノマネ」みたいな。要するに、あの腰を抜かしながらエンディング曲をぼんやり眺めていたあの時間、そそくさとディスクを入れ替えていた時間が大事なんですね。それが本作にはない。衝撃の展開の余韻に浸れない。

 30分区切りで観るとあんなに飽きずに没入してしまった『まどマギ』だけど、本作では中盤からだれまくりでした。何度も「あとどれくらいかな‥‥」と考えたものです。
 というのも、30分区切りのテレビシリーズだと各話で衝撃的な展開があるから、目が離せないんだけど、繋げて全体を観てみると、意外と大して話が進んでないんですよね。本作を観て思いました。まぁ、まどかは契約しませんし。その場その場で厄介なトラブルが生じるだけです。
 話がどこに向かってるのか、なにが目的なのか、なにしたら終わるのか、全然わかんないです。終盤になってようやく「ワルプルギスの夜」って単語が出てきて、時限装置っぽく扱われてますが、意外とワルプル関連の話はなにもないですからね。
 12話あるテレビシリーズを映画2作で描く、というのはいいですよ。前編後編というのは最近多いんで少しは慣れました。けど、分けるならば、それぞれの作品に起承転結を用意してくれないと。本作にはケツがないよ。誰か、大ボス用意して!
 ‥‥規模が違うし、正確には総集編ではないから比較しても仕方ないんですが、『エヴァ序』でいうヤシマ作戦みたいな盛り上がりが本作にはないんですよ。「魔法少女はいずれ魔女になる運命なのだー」ってキュゥべえがクソ丁寧に口頭で説明してくれて、終わりですからね。「えっ‥‥これで終わり‥‥?」って状態でエンドクレジットです。

 悪口ばっかりですので、よかったトコ。結界シーンがマジサイコー!!
 視界いっぱいに広がるあの悪夢的な空間、そこに迷い込んだゆるふわな絵柄の少女たち‥‥たまらん!!
 今回の劇場版用に新たに用意されたシーンもあるそうですが、そうでないテレビシリーズそのままの結界も十二分にスクリーン映えする素晴らしい出来でした。テレビシリーズの時は取り立てて好きなワケではなかったんですが、今回の映画でハマりました。『後編』も楽しみだけど、ワルプルは結界の外だからなぁ〜、と肩を落とすレベル。
 とにかくラスト、さやかが魔女化するシーンの高揚感ったらないですよ。あのシーンのためだったら、さやかが死んだって構わない。

 テレビ版との変更点について。
 一番の変更点はやはりオープニング曲でしょう。あのテレビ版10話を観終わった時の、「こ‥‥この曲の歌詞ってまさかぁ〜!!」って例の仕掛けが使えない、ということです。まぁ、映画だと主題歌がかかる回数が少ないので、泣く泣く放棄、ということでしょう。残念だけど、頷けます。けど、ワタクシが『まどマギ』で最もアガった瞬間は10話のラスト、オープニング曲が流れた瞬間なので、映画に対する期待値は下がらざるを得ないです。
 それと変わった新オープニング。各主要キャラの幼少時代を描いた「あの頃はよかったなぁ‥‥」的な作りで少し泣けます。「中二になったら大変だよ‥‥」と心配してしまいます。
 オープニング曲と似た部分での変更というと、映画のド頭。まどかの夢a.k.a.過去から始まらない。夢の話はするのに。「テレビ版の10話のケツ=1話の頭」ってネタを使わないことを意味してますね。ほむらちゃんの過去をどうやって描くのか、『後編』の楽しみなところでもあり、ハードル上がりまくりなところですね。

 突然ですが、『後編』のイントロ予想。
 その1、「ほむら(過去)転校」。要するにテレビ版10話の頭。「エピソードの切れ目」がない映画版だと話の途中で20分以上も時系列が過去に飛ぶのは悪手かな、と思いまして。
 その2、「ほむら(病弱)起床」。同じことですが、『前編』のイントロが鹿目家の朝だったので、それとの対比。テレビ版だと「夢じゃない」ってセリフでまどかと呼応してましたが、『前編』では「夢オチ?」がなかったので違う形で呼応させるのではないか。
 まぁ、要するに『後編』はほむらちゃんの大フィーチャーしか考えられないよね、という考えです。まぁ、フツーに続きから始まったら笑えるけどねー。多分外れるよー。


 最後に予想なんかしちゃって、「結局楽しんでじゃねぇか」って思われるかもしれませんが、心外です。ちょーつまんなかったよー。
 マジで覚悟した方が、期待はしない方がいいと思います。
 30点。

ルミナス(期間生産限定アニメ盤)

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あの頃はよかったね〜(遠い目)