北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の感想

トーはどこへ消えた?

 3D字幕で観てきました。3Dは普通でしたね。これくらいなら2Dでもよかった‥‥というレベル。久々に「エンドクレジットが一番3Dだった!」という感想を覚えました。『グリーン ホーネット』の時代に逆戻りですね。

 『スタートレック』シリーズに関しては完全に門外漢です。J.J.エイブラムス版しか知らないです。リブートと思ったら時間旅行をキッカケに分岐した別の時間軸、という設定は心底スゴイと思うんですが、ファンの人はもっと驚いたんでしょうね。
 本作の肝であるベネディクト カンバーバッチさん。有名なのも人気なのも知ってるけど、作品は全然観たことないです。『裏切りのサーカス』は観たんですが、あの映画は話に付いていけず頭真っ白でしたからね。覚えてるはずがないです。

 本作の中に出てくるクラブでかかっている曲を中田ヤスタカが手がけ、きゃりーぱみゅぱみゅがゲストボーカルしている件(日本版限定)。知らなきゃ気づかないレベルでした。ていうか、ぱみゅさんの声は探したんですが、気づけませんでした。「これ‥‥ぱみゅぱみゅか?」ってレベル。マジでまったく気にしなくていいです。逆に言うと、やらなくてもよかったです。

 あらすじ
敵国だけどテロリストさえ匿ってれば関係ないよねっ

 前作では新シリーズの幕開けながら旧シリーズとの辻褄も合わせるという、他のリブート作品と一線を画すウルトラCを見せたのですが、本作では旧シリーズでの超名物キャラが出てくるのですね。
 ただ、ワタクシはエイブラムス版しか観たことないので、「本当の名前は‥‥xxxだ!」と言われてもピンと来なかったです。「いやいや知らんし‥‥あっ 旧シリーズの人?」って感じ。終盤で旧スポックが「彼は強敵だった」みたいなこと言ってるのを聞いて初めて確信が持てた感じです。ファンだったら失禁モノだったんでしょうねぇ‥‥(羨望)。

 カンバーバッチさん。予告の段階では、「ガトリング持ちながらスーパージャンプとかカンバーバッチさん強すぎww」とか思ってたんですが、本作観たらそのまんまでした。カンバーバッチさんは超人類でした。比喩とかでなく、身体の作りが違いました。立ち振る舞い、表情から何となく説得力を感じてしまったんだからスゴイですね。ラストの疾走シーンとかウットリするくらいにカッコよかったですよ。
 カッコイイ時点で魅力的な悪役だったワケですが、「クルーを救いたい」という行動原理がカークと共通しているのもよかったですね。主人公と表裏一体というのは名悪役の条件の1つだと思います。
 カンバーバッチさんレベルになると人の殺し方もひと味違って。両手で相手の頭をグググググ‥‥ブチュッですよ。あのゆっくりとした殺し方が恐ろしくてゾクゾクしました。あれだけ印象的な殺し方を一度見せられたので、スポックに対してあの構えをした時に「あっ スポック死んだ‥‥(イイヒトデシター)」って思っちゃうんですよね。そっからのスポックの切り返しもサイコーだったワケですが。記憶の同化すると一瞬ふらつく、っていう前作ヤツ。
 カンバーバッチ関連ですと、血液のくだり。スーパー血液なので輸血すると何でも治せる、っていう『バビル2世』みたいな血液なんですが。観客に対しては血液の秘密をすぐに明かすんですよね。なのに、エンタープライズのクルーが気づくのは終盤も終盤。この時間差が少し気になりました。カークが死にかけた段階で血液で治すと予想が付いたので、「えっ まだマッコイは気づいてないの?」って肩すかしを食らったというか。

 カンバーバッチさん以外の話だと、話の流れがよく練られていたと感じました。いつもはこんなこと考えないんですが、ラストのクライマックスの連続には心底たまげました。「ふぅ 危なかったぜ‥‥えっ まだ続くの!?」っていうのが何度も続くんですよね。『ワイルドスピード ユーロミッション』でも「終わったと思ったらまだ見せ場あんの!?」って展開がありましたが、本作のが手数では上。敵船への侵入、カンバーバッチさんの裏切り、カンバーバッチさんvsスポックの知力戦、エンタープライズを救うために自己を犠牲にするカーク、ロンドンの大破壊、カンバーバッチさんvsスポックの肉弾戦、と立て続けにも程があんだろ!というレベルでした。満腹感ったらないですよ。サービス過剰。
 小さい伏線回収とかですと、終盤落下するカークを救ったロシア訛りの彼が序盤に、「お前は赤い服着てて」と言われてたトコとか、パズル的快感でした。カークを掴んだ腕の服の色が見えた段階で誰が救ってくれたかピンと来る、という。


 といった感じで、悪役が魅力的だわクライマックスの連打が過剰だわと大満足な作品でしたよ。書かなかったけど、クルーの楽しそうな感じ、部活感もずっと見ていたいくらいに魅力的でしたしね。エンタープライズの面々に会えるなら今後のシリーズも絶対観るよ、ってレベル。
 90点。

スター・トレック イントゥ・ダークネス (角川文庫)

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スター・トレック イントゥ・ダークネス(OST)

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To LOVEる -とらぶる- ダークネス (1) (ジャンプコミックス)

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