『#長ぐつをはいたネコと9つの命』
— ドリームワークス公式 (@Dreamworks_JP) 2023年3月17日
◢◤プスVS巨人⚔️本編映像解禁◢◤
これぞレジェンド😼ˎˊ˗#長ぐつネコ プスが街を襲う巨人と対決💥
楽器の弦をバネに空中に飛び出したり🏹
巨大な鐘を使って縦横無尽に動き回る🔔
ぜひ、劇場の大きなスクリーンで
お楽しみ下さい👀✨ pic.twitter.com/XwfZW9wqvB
ネコちゃんがバンデラスよりもド派手に登場する映画、観てきたよ。予習のために『シュレック2』以降を見返したんですが、『シュレック2』があまりに面白いのでぶったまげました。あれは本当にすごい(なお一作目はもっと好き)。
『シュレック』シリーズとの関係が明確
前作である『長ぐつをはいたネコ』は劇中の情報だけでは『シュレック』シリーズとの時系列的な関係がよく分からなかったのですが、本作は明らか。9つある命の最後、という設定なので当然本作が最も新しい。8回の死をプレイバックするくだりで、シュレックたちは出てこないものの、お馴染みの顔がチラホラするので嬉しかったですね。特にピノキオは『シュレック』ファミリーであるものの、単独のおとぎ話ネタでもある(ジミニーが別に出てくる)ので見事だったと思います。知らなくても普通に見れるし、気がつくとニヤつく。
FAR FAR AWAY
逆に知らないと混乱しそうに思えたのがラストのアレ。「遠い遠い国(FAR FAR AWAY)」という名前の国が存在する、というギャグなんですが、知らないで、特に吹替版で観たら、突然クソデカ日本語で「遠い遠い国」と表示されて意味不明なのでは……と心配にもなる。ハリウッドサインのパロディでもあるので、そういう機微をすくい取っていただけると幸いです。
本作のヒットを受けて、このまま『ネコ』映画の3弾の舞台が遠い遠い国となったりしないかなぁ……と淡い期待をしてしまう。『シュレック フォーエバー』は完結編として傑作だと思うけど、観れるもんならまた観たくなってしまうのがファン心理ってもんですよ。
DWA古参が最新スタイルのアニメーション
前作から十年以上のスパンがあるので、お馴染みのキャラクターではあるが、アニメーションとしてはかなりの変化がある。平面的な表現のミックス、コミック(もしくは絵本)的な止め絵、そして効果線、さらにはコマ落としなどなど。『スパイダーバース』以降のアニメーション手法のトレンド、というのが多くの人のしっくりくる表現だろうけど、ドリームワークスアニメーションはすっかりその手法を我が物にしてる感がある。去年の『バッドガイズ』でもアニメーション的な楽しさにぶっ飛ばされたけど、本作では全編アクション活劇なので、アニメーション的な楽しさはより全開。テーマ性とかストーリー的な感動では『バッドガイズ』が勝るかもしれないけど、本作はとにかく楽しい。圧倒的な楽しさでぶん殴ってくる。『スパイダーバース』の続編がまだ公開されてない状態でここまでのレベルに到達してしまうんだから進歩の速度が恐ろしい。とにかくアクション、アニメーションの楽しさ、気持ちよさが圧巻で、それがひたすらずっと続く。ただ、ストーリーは「死」からの逃避と直視なので意外とずっしりしてたりもする。そこが良い。
てか、今のこのスタイルで作られる往年のDWA作品の新作をどうしても妄想してしまう。まぁ、『カンフーパンダ』あたりはマジで実現しそうなので楽しみで仕方ないです。これまたアクション偏重の作品で、中華ファンタジーの世界も相まって絶対にハマるじゃん。
『シュレック』本シリーズに負けない密度のおとぎ話ネタ
本作の悪役の中で、最も悪い存在と言えそうなビッグ・ジャック・ホーナー。様々な魔法生物、魔法アイテムの収集家ということで、彼がカバンから取り出すものがいちいち楽しい。良心のツッコミ役として例のコオロギが出てきたのも笑いました。『シュレック』シリーズでピノキオはお馴染みだけど、こういう形でコオロギ出てきたか。
終盤に巨大な敵が現れるのは前作でもあった展開ですが、本作では一度負けた悪役が巨大化するというニチアサスタイル。それを成立させるのが「私を飲んで」「私を食べて」のアレ。『不思議の国のアリス』ですね。キャラクターではなくアイテムのみを出すのが今回新鮮で面白かった。抜けないアーサー王の剣とかも面白かったですね。『マイティ・ソー』のムジョルニアもあの理屈でなら振り回せそうだw
クマ娘
正直全然期待してなかった部分なんですが、クマと犯罪家族を形成するゴルディがめちゃくちゃ良かった。チームのシルエット、各キャラクターや言動、ドラマ、決着まですべてが刺さった。正直一番感動した(泣きそうになった)のはコッチかもしれない。長尺の棒アクションもいちいち気持ちよかったし、中川翔子の吹替も最高だったぜ。
そんな満足感に浸りながらエンドクレジットを眺めてると、原語のゴルディ役がフローレンス・ピューだと知る。そっちも聴きたかったなぁぁ!! てか、マジな話、フローレンス・ピュー役に中川翔子を当てるってかなりどうかしたキャスティングなのではないだろうか。不思議なことにめちゃくちゃハマってるように思えたのですがw 原語だともっとハスキーで生意気な娘みたいな感じなのかな。いつか字幕でも観なくては。
吹替
そんなわけで吹替だったんですが、やはりシリーズのファンとしてはキャストの変更が非常に寂しい。ネコのスペイン訛りを竹中直人が味濃いめの演技で表現してるのがめちゃくちゃハマってたと思うので、今回の山本耕史はかなり大人しくなった印象も受けてしまう。ただし、めちゃくちゃうまい。やはり舞台でブイブイ言わせてるような人はアニメの吹替もうまいのだろうか。てか、最近はタレント吹替みたいなものが普通にレベル高くなりましたね。『バッドガイズ』も言うことなしだったし。
竹中直人は味濃いめでそれが良かったという話なんですが、本作の土屋アンナ(サルマ・ハエック)は味濃いめ、クセ強めの声で良かったと思う。思うが、山本ネコが「普通にうまい」系なので、全体の中では土屋アンナが少し悪目立ちした印象も少しある。単独では好きです。てか、サルマ・ハエックに土屋アンナを当てるのは、フローレンス・ピューに中川翔子を当てるのより遙かに納得できるじゃんw