北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年13号の感想

 生きてるだけで満身創痍です。呼吸にデバフがかかるのはつらい。鼻水が大人しい日でも普通にしんどい。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。若。初登場時に彼を(本作を)象徴する「逃げ」というワードを口にしてるのは見事ですね。ここらへんの計算美、松井作品らしさを感じる。

表紙

 『ONE PIECE』。ベガパンクもいるよ。カラーで見て初めて気づいたけど、頭部がリンゴになってるのね。知恵の実ってことか。

読者プレゼント

 ひな祭り。今回はプレゼント内容がピンクで統一されててすごい。こういうタイプのこだわりってかなり珍しい気がする。ポケモンも『スカーレット』のみだし、ニンテンドープリペイドカードに関してはデザインがピーチ姫だ。すごい。値段が手頃で良かったなw
 てか、五人囃子として5種のプリペイドカードが並んでるのも面白い。よく見るとウェブマネーだけ2,000円で損なんだけど、たぶんこれもピンクにするためだと思う。
 すごさがちょっと異次元というか、別基準になっててこれは年間大賞でも活躍が期待できるんじゃないかしら。問題はモノクロページの週ちゃんではこの色のトータルデザインを伝えにくいという問題がw
 てか、三ツ森編集優秀説あるな……。

巻頭カラー『ONE PIECE』1076話

 元CP-9との共闘ってのもあるし、ゾロがミホーク(的な存在)と戦うってのもあって最高。「もしもミホークがスパスパの能力を持ってたら」という妄想二次創作みたいな内容になってるのも楽しいですね。足を刀にするミホークに対して、こちらも足を刀にするカクが味方になる、という人選も熱い。まぁ、よく考えたら、ミホークがスパスパの能力を持つメリットってそんなに感じないんだけど、まぁそこはパッと見の印象でアガるので……。
 からのシャンクス、そしてエルバフ。すごい。夢のような要素がMORI MORIだ。かつて(初回)のルフィを彷彿とさせる少年がいると思ったら、シャンクスと同じコマに収まったら実は巨人族で超デカい、みたいな叙述トリックも最高だったぜ。ドリーブロギーの再登場の印象がもはや弱い、とか贅沢な事態になってしまっているw
 さっきの足ソードマン対決もそうだったけど、シャンクスにぶつけるのが同じ隻腕のキッド、というのも良いね。

『SAKAMOTO DAYS』108話

 殺し屋デパート。ほとんど同じ題材を『夜桜さんち』でもやってるんだけど、内容はかなり違ったものになってて面白い。両作品の違いがよく出てる。それでいて、「でかい購買」であるデパートでの経験を経て、坂本は自分の商店を持つようになるのでは……という含みも感じる。
 持ち物検査があるので、武器はナシ。店内のものを使って殺すしかない。この時点で面白そうだし、「何を使うのか」とワクワクしてると、その道のプロである坂本が店内のものではなく、普通に持ち込んだもので殺すので痛快。

僕のヒーローアカデミア』381話

 AFOの言う “僕の黄金時代を知らぬから” 戦える、という言い分が面白かったし、それに対してイナサが教育を通じて知ってると返したのも痛快。新世代らしい明るさで面白いんだけど、まぁ「教育で知るのは違うよ」とマジレスしたくなる気持ちもあるが、この話の通じなさがこの場では重要なのだろうな。
 からのAFOが言う「闇」に対して、今の闇使いが反撃。これも「AFOの言う闇は物理的に暗いって話じゃねぇよ」ではあるし、実際に闇を溜め込む方法にAFOへの意趣返しみたいなニュアンスは皆無なんだけど、話というかテーマがダジャレ的に連結されていく面白さは間違いなくある。
 あと、学生キャラがAFOに攻撃を与えて「いけるかも」と期待できるのってかなり限られると思うんだけど、そのハードルは間違いなくクリアしてたと思う。

『あかね噺』51話

 カイセイのオリジン。カイセイママ、大人の女性っぽさ、めちゃ良いな。うらら師匠の直後で属性が被りそうなんだけど、全然違う。むしろ対照的。やっぱ学生と成人女性の描き分けがしっかりある漫画はそれだけで目が楽しい。柔らかく丸い印象だったが、病弱になりそれが一変、というコントラストも良かった。エピソードとしては割と陳腐なんだけど、「ジジイが突然大金くれる」を成立させるロジックも見事だったと思う。

『ウィッチウォッチ』98話

 デート。男子の空虚なマウント合戦をニコが呆れる冒頭が面白かったけど、同時に「いやニコも大差ないだろ」という疑問も湧く。一番普通を知ってる、ということなのかな。まぁ、無駄に見栄を張らないのは大事。それは間違いない。
 んで、モイちゃんデート。自信過剰の独りよがり。詰め込みすぎなのは、気合い入った未経験者故の暴走って感じで可愛くもあるけど、ちょっと趣味の押しつけが強すぎるのが不安になる。ニコはそこが良いと肯定してて、その部分のロジックは分からなくもないけど、このデートをモイちゃん以外の3人がぶつけてきたら、「なんでやねん」とギャグ的に終わるしかなかったのではないだろうか。「好きな人だから許せる」に頼りすぎると、今後長い付き合いをしていく上で大きな問題の発生源になりそうで心配……と感想が完全に老人だな。つらい。
 自然のプラネタリウムオチ。距離感が分からないが、金銭的に、時間的に帰れるのか気になっちゃうな。たぶん東京に住んでる身としては信じられないほど夜空がキレイな田舎まで行っちゃった、という話でしょ? 帰れないので急遽お泊まりとか風紀が乱れてしまいますわ。まぁ、いつもお泊まりしてるんだけど。そういう意味ではシェアハウス設定、健全さが担保されてて便利ですねw

センターカラー『アオのハコ』90話

 カラー扉。小学生になってて笑った。ほとんど扉絵リスエストの範疇だろ。
 本編。ユメカ、 “言えるわけないじゃん!” と本音を吐露する直前、右手でメガネを触る仕草をしてて歓喜。私を狙い撃ちしてくるような展開だ……。
 そんなユメカの真相。真相自体は超普通というか、下手すら肩透かしになってもおかしくない。それこそ千夏とモブ部員の間に発生した確執とまったく同じ理屈。千夏に対する「私はそんなに頑張れない」。それだけ。以前から言及されてた話でシンプル極まりないんだけど、その千夏に憧れの視線を向けられ続けるユメカにとってはそれが特別な重圧となってしまった、という機微が良い。2人はある意味で両思いだったけど、両思いだからこそユメカの方にだけ負荷が生じてしまった。
 そこに、体育館でのコソ練がユメカを突き落とすトドメとして機能してるのも最高。体育館での黙々と頑張る姿を通じて千夏と大喜の交流は始まるわけだけど、その姿によって交流が断絶が決定的になってしまった人もいる。『アオのハコ』のダークサイドエピソードとして秀逸というか、超重要だ。
 すげぇ面白かったんだけど、個人的なワガママを言うと、もうちょっと千夏の闇堕ちみたいなハラハラを楽しみたかった気もするw 結局千夏は超人という話でオチがついてしまったからな。いや、厳密に言うと、千夏にも超人じゃない悩みはあって、そのキーとなるのが大喜、という話。大喜がいなければ千夏はもっと闇堕ちして暗黒アイズになってたのか……と少し惜しい気持ちにもなるな。

『アンデッドアンラック』148話

 不減のヤバさが改めて丁寧に描かれてて面白かった。が、丁寧に描かれたことで「目の前の物質が減らない(=無限に増える)」のあり得なさも同時に目立った気もする。多くの否定者は何かを操る方向性だけど、不減はそのままズバリ物質が湧いて出てくるわけだから少し毛色が違うというか。
 不減の悲劇。「弾を撃ちきったらゲームクリア」というミッションがちょっと不減ありきに思えたんだけど、ああいう指令ってミリタリー関係だと割とあるあるだったりするのかしら。そこらへんのリアリティに詳しくないので、あそこで「まだ弾あんじゃん」と帰って行くのがアホみたいにも見えてしまった。
 本編関係ないけど、不減が「日本には銭を投げて戦う歴史ヒーローがいるのか」と知ったら小銭の無限増殖が可能になりそうだよな。小銭だったら番号もないから増やし放題だし。

『呪術廻戦』214話

 キレた虎杖がスクナに挑む。徹底してフィジカルなのがやはり楽しい。本作の真骨頂という感じだ。ジャンプでこちらに移動してくる場面もいいし、その後もその場にあるものを利用してきて楽しい。『SAKAMOTO』ほど大喜利感がないという感じですかね。
 スクナとのタイマンではないよ、というラスト。理屈としてもめちゃくちゃ良いな。「さすがに虎杖が普通に戦ったんじゃ勝てないでしょ」が第一にあって、「伏黒と協力しても勝てないでしょ」にもなるんだけど、伏黒がスクナの中にいることを考えるとひょっとしたら……と一気に印象が変わる。

センターカラー『僕とロボコ』126話

 弱体化しても今のロボコは強い。ファミチキ先輩の教えは偉大という話なんだけど、思ってた以上に『ベストキッド』だったな。ワックスオン、ワックスオフだったよ。イエスセンセイ!(それはコブラ会)
 それはそうと、やっぱファミチキ先輩が出てくると面白いよな。ロボコがツッコミに回るのが新鮮で好きというのもあるけど、ギャグ漫画としての基礎が感じられる面白さというか。
 敵側が部下を貫いて不意打ち。『人造人間100』パロディじゃん、と思ったけど、さすがに早すぎるか。まぁ、あれ自体はよくある話ではあるから事故。事故にしてはめっちゃ似てて面白かった。ただ、100はあれでも普通に回避してたので怖いな。冷静な状態だと「空気読んで攻撃食らってあげてよ!」とか少し思う。

『逃げ上手の若君』99話

 戦で手の指を失った女性が登場。正直あまりに突拍子もない登場だったので「もうちょっとウキウキ鎌倉ライフを見たかったな……」とテンション落ちたんだけど、正宗によるスーパーオリジナル武器人間化でブチ上がってしまった。ああいうの好きな人はかなり多いじゃろ。指を刀にするのはまぁそのまんまなんだけど、サプライズとして足まで刀になるのが熱い。『キングスマン』でこんなのあったな(あれは肉体の足自体がない)。

『夜桜さんちの大作戦』167話

 父からのメッセージを探してホームビデオガチャ。キャラ萌えを誘発する各ホームビデオが意味なく羅列されたと思ったら、そこに共通の秘密があって謎を解いていく。序盤のギャグである、長男が編集して捏造した六美の “凶一郎兄ちゃん超大好き” が実は伏線というか、ヒントのような意味合いをかねていた、というのは見事ですね。長めのエピソードをやると隠れがちだけど、本作、こういう一話完結の中の伏線が得意なんですよね。久々に見れたし、それも兄弟ほぼ全員のキャラ萌え要素もあってすごい回だったと思う。本作の真価を感じる。

『暗号学園のいろは』13話

 いろは初の出題。結果的には瞬殺されたけど、話は勝敗から大きくそれるのでいろいろとイベントの多い回だった……と不思議な回。いろいろあって面白かった気もするけど、同時に「結局何もなかった(すぐ負けた)」にも思える。まぁ、いろはが初めてなのに難問出せちゃったらそれはそれで都合を強く感じるので、勝負としては散々だったが様々な寄り道によって得るものは多かった、という決着はなかなかうまいというか、納得できるバランスになってたと思う。いろはの強すぎないさじ加減とかかなり良い。
 あとは、解説の中で関西弁のこと引きずってるのは笑った。まぁ、ネタにしてるくらいなので大して気にしてないんだろうけど、あの感じ結構好きです。実際どのくらい問題のあるミスだったのかが私としてはいまいち実感できないので、フワフワした印象のみの感想になってしまうんですが。

『イチゴーキ!操縦中』12話

 夏祭り。会長が勝負を仕掛けてくる。ただし3年の夏だw 平然と日常っぽい回を始められるとそれはそれで違和感があって面白いな。前回の衝撃を引きずってしまう。
 会長の変人性を愛でる回かと思いきや、イチゴーキが全力で誤解して暴走するのですれ違いコントみたいな味わい。ただし、イチゴーキの暴走ぶりがかなりぶっ飛んでるので、もはやそっちがメイン。ミサオがツッコミに回ってるのが新鮮で面白かったですね。
 暴走ぶりを楽しむのがメインっぽかったけど、最後には伏線を使うようなオチになっててキレイでした。いきなり宇宙まで行っちゃうのにはやっぱ笑うんだけどね。

センターカラー『マッシュル-MASHLE-』145話

 マッシュが死にそうなので時間稼ぎをして逃げる。オチョアが良い子にならなくて安心しましたw 普通だったら「友達のこと殺せねぇよ……!」とか土壇場でなりますけど、 “死んでるから…… よし!!” となるので最高。
 オチョアはずっとその調子で、イノセントさんはずっと深刻ぶっててそのギャップも面白いんだけど、水と油の状態のまましっかり話がサスペンスフルに進むので見事。まぁ、救援の到着という無理矢理にでも盛り上がる展開ではあるんだけど、それをキャラの魅力で支えてる感じ。
 面白かったが、サスペンスの基礎となる「さすがに心臓なかったらマッシュ死ぬ」が「マッシュならギリ死なない」と変更されてしまったので、そこはちょっと残念だったかな。そこにどう理屈つけるかが楽しみだったので。

『一ノ瀬家の大罪』14話

 母親が思い出したらしいので、それをすぐに翼と共有しないのは読者としてストレス……と前回思ってたんですが、今回最短で翼がそのように詰め寄ったので良かった。そして少しは教えてもらうが、同時に「思い出したくなかった」という翼の基本方針を否定するリアクションがあり、新しい父親からも同様の主張をぶつけられる。なるほど、これは面白いな。各人何を思い出して、何を思い出しきれてないのか、そもそも何なのか、みたいな部分が複雑になりすぎて「なるほど……もう知らん」と投げ出しそうになる(クソ読者の鑑)んですが、ものすごく単純に「翼は思い出そうとするから主人公」と物語の基本というか、背骨みたいなものを改めて強調される。主人公の行動に乗っかれる、というのは当たり前のようでかなり大事だと思う。
 ラスト。母が闇堕ちというか、過ちを犯す。最低の行動を始めてしまったが、まだ「誘拐」それ自体は描かれてない瞬間で終わるのがラストの切れ味として最高だったので、アオリが “次号、子供を攫った美奈子に翔は…!?” と断言してしまったのがすげぇ野暮。あくまでも「もうこれ誘拐じゃん」となるのが今回面白いのであって、誘拐だと過去形で語られちゃうと結構萎える。

『人造人間100』11話

 アバン。ちょっと混乱したのだが、次の人造人間コンビという感じか。また人間とのコンビが出てくるとは思わなんだ。
 んで、話としては入隊して、初めての任務。同行者がいるのだが、こいつが非常に敵対的。入隊試験的な話がなくてこの反発だったら分かるけど、それなりにボリュームのあるエピソードをもって「これで入隊!」となったので、その上で理不尽な反対に遭うのは結構ストレス。今の『ギンカとリューナ』でもある反発し合う即席コンビってのは定番だけど、本作は前回からの流れとちょっとかみ合ってないような印象。定番だからそれ自体が悪いとは言わないが、今の本作においては。

『デッドライン』峯内一新

 読切。ジャンプショートフロンティア。作品掲載ページには書いてなかったけど、目次にはショートフロンティアと書いてあったでござる。こういうパターンになったのか。何度か見落としてそうで怖いな。
 漫画家漫画。ではあるものの、担当編集が変人(悪魔)というのが新鮮であった。ジャンプの作家で、3巻完結の名作がある、というのもとても良い。打ち切りという言葉を使ってないのがスマート。私が悪魔だったら担当になりたい3巻完結作家は誰だろう……とそれぞれ考えてみるのも一興ですね。私は考えるまでもなく決まってます(Y宜先生)。
 担当の変人ぶりに振り回され続け、特に話が進まないまま振り回され続けるので、「あっ これはこのまま終わるパターンだな」となったんですが、その振り回されっぷりが十分楽しかったので大いにアリ。担当のキャラクターもそうだけど、主人公のリアクションが良いんですよね。優れたツッコミってのもそうだけど、限界漫画家としての悲壮感が常に漂ってるのが好き。その悲壮感が解消する、というラストで一応物語的にオチがつく。急ではあるけど、感情の動きとしてはしっかり満足感が得られた。
 変に気の利いたショート読切持ってこられるよりも、本作みたいなキャラクターと掛け合いが楽しい、それだけでいいじゃない、みたいなショート読切の方が作者に対する関心が高まるというか、どんな話をやってもある程度は面白くなるんじゃないかという信頼感が湧く。そんな気がする。そんな気が。

ブラッククローバー』352話

 天眼通で情報処理&指揮。すべてはアスタの一撃のために。
 前回までも巨龍表現が見事だったんですが、本話でも田畠先生の見開きコマ割りセンスがほとばしっててホント最高。本話だと、ページを跨がない通常のコマ割りの見開きは一度しか出てこない。ものすごいアバンギャルドなんだけど、不思議とコマの順番は混乱せず、縦横無尽のスケール感で迫力がすごい。そして、最後の最後はシンプルに右端から左端までまっすぐ延びる見開きのコマで絶天が横に一閃。5本の首を横に並べて、という準備段階からのワクワク、そしてラストの絶天での爽快感。圧巻でしたね。

『「ブラッククローバー」ミニキャラ4コマ劇場』田代弓也

 日ノ国編その2。なんですが、田代先生の描くミニキャラ一花が可愛すぎでは。衝撃であった。直前の原作にも出てきて、デザイン的に大きな変更があるわけでもないんだけど、異様なまでの魅力が生まれてしまっている。何だろうか、目つき悪いキャラってミニキャラとの相性が良いのだろうか。原作だと「普通に好き」くらいの印象だったんだけど、今回のミニキャラによって見る目が変わってしまいそうだ。

『大東京鬼嫁伝』24話

 いざ異界。異界に行かないかい……ごめんなさい。
 移動の切符を使うのは四方を囲まれたエレベーターが適してる。こういうちょっと理屈、良いよね。好き。
 んで、可愛いと思ったら集団で食べようとしてくる怖いやつ。『ジュラシックパーク』とかでお馴染み、という感じだろうか。もっと分かりやすい例がありそうな気もするんですが。
 からのそれらを監督してるっぽいカンダタ。「許してくれよ! な! な!」と無限ループの2択を強制してくる難敵ですね。普通にかっこいいので、ただの初戦にするのはもったいないな……と思ったら話の通じそうな奴だったので嬉しい。こういう類のキャラデザが出てくるのは予想外だったので、これは嬉しい誤算。

『ギンカとリューナ』23話

 子供を救うリューナ、という絵を冒頭からかっこよく見せてくれるので最高。躍動感ある決め絵は本作の魅力だけど、そこにリューナの圧倒的善人性というもう一つの本作の魅力が加わる。ひたすらこれを繰り返すような作品と言えるけど、それが私はとにかく好きなので、私は本作のことが好きなのである。分かりやすい。
 本筋としてはギンカとノスフェラトゥの対決。そこに「息子」「父」という要素が足されるのが良い。元々本作はリューナの娘属性が核となる作品で、そう考えるとギンカは当然父なんだけど、本話では息子に対する父という属性が付与される。お父ちゃんのかっこいいところを見せるために娘が杖をパスする、という儀式が激アツであった。
 そんな杖。おもくそ物理攻撃なので笑う。笑うと同時に痛快。どこまで行っても本作はフィジカルの楽しさに溢れた作品だなぁ。ある意味「安心した」と言えるのかもしれない。

『PPPPPP』70話

 最終話。キリが良かったですね。
 調べてみたら61話がセンターカラーで、そこで新章開幕とか言われててさ、素直に「今度はどんな話になるんだろうなぁ」とか思ってたので、「最終章だったんかい!!」というのが正直なところ。変な煽り方をしたジャンプ編集部が悪い。新章だと思っていろいろなイベントに対してワクワクしてたんだけど、蓋を開けてみたら単に終わりに向けて身辺整理のような話であったわけで。風呂敷が広がる楽しさを感じていたら、真逆であった。完全に読む姿勢を間違えた……。ラッキーと楽音との対峙とか「どうなっちゃうんだよー!!」とか思ってたけど、出会って作品が終わるとはね。まぁ、全70話なのにラスト10話を最終章(エピローグ的な内容)として費やす、というのはかなりのレアケースだったと思うので、その特殊性は素直に面白い。英断だったとも思います。
 ただ、それ以前の本編で感じてたラッキーと天才ラッキーの人格争いみたいな部分に関しては、単にラッキーの主人公としての求心力がなくなる側面が大きかったと思うので、それが終盤のストーリーで描かれ、最終話で再びその話、というのは個人的にはあまり盛り上がらないというか、関心の低い話であった。まぁ、とはいえ、主人公の超重要な話なので、最終話でそれやらないのもおかしいんですけどね。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 2/27はパリコレクション、ウィメンズAWの日だったそうな。誕生日なのだが、そうだったのか。とにかく、そういうことで、ジャンプの作中ファッション特集。
 『SAKAMOTO』カジのフライトキャップはオシャレアイテムであると同時にバトルロジックを含むアイテムになってて面白かったですね。私が中二だったらカジごっこしててもおかしくない。
 あと、初回のみに出てきたリューナ(子供)。完全に忘れてたけど、たしかにあの民族衣装みたいなのめっちゃ可愛かったよね。初回限定なのがもったいない。急に大きくなったから驚いたものだぜ……と記憶が甦って楽しい。
 話がそれるけど、『ギンカとリューナ』と『あかね噺』ってジャンプでも珍しい「娘」属性を持つ主人公なんだけど、そのどちらもが初回で幼少期を描いてるってのは興味深いですね。などと思いついた。子供時代を見せることで読者に親目線を印象づける、という分かりやすい効果がありそう。

愛読者アンケート

 ジャンプGIGA、買ったか。買った。上木先生の新作が目当てだ。
 書店。行く頻度。月に一度から週に一度の間あたりだろうか。1年前と比べて頻度は変わったか。減った。チャンピオンREDを月に一度必ず買ってたけど、今は読む作品が掲載される号だけ買うので、その分減った。
 色の印象について聞いてきて、なんか役に立てようとする意志が直接的すぎて面白い。

総括

 何だか随分と久しぶりのジャンプ記事更新になった気もするが、まぁいろいろあるので仕方のない話です。また借金が溜まってしまったのが悲しいばかりだ。あと3。

 今号のベスト作品。『夜桜さんち』。本作の良さが詰まった回だったと思います。
 次点は『ブラクロ』と、その4コマと、読切。あとプレゼントページも入れておきたいな。今号のはすごい。
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