北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年14号の感想

 花粉症がちょっと落ち着いてきたかもしれない。杉だったのかしら。もしくは体が順応してきた。花粉症との付き合い方が分かってきたというか。私の場合、寝起きが一番ヤバいので、そこをどう乗り切るかが重要なんですよね……ってこういう話始めるとキリがないので終わり。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。ニコ。そういやニコってこの黒のワンピースがデフォ衣装だったな。本編の衣装は全然固定じゃないが。

表紙

 『呪術』。キメキメ虎杖の後ろでネクタイが結べないポーズはあざとい。踏み台にされる虎杖くん……。

読者プレゼント

 『どうする家康』。元ネタがオモシロバイブス放ちすぎ問題ってのはあるだろうが、いくらなんでもタイトル文が手抜きすぎる。もうちょっとダジャレ仕込んでくれ。
 グッズ紹介アオリの「楽しいゲームライフに きよす るぞ」は結構好き。清洲を入れたいがために文章がかなり苦しいw

巻頭カラー『呪術廻戦』215話

 真希先輩到着。頼もしいフィジカルお化け。直近に大幅なパワーアップイベントがあったというのもあり、実際の強さ以上に頼もしい印象がある。これが本話の序盤にすぐに出てきたのが意外であり、そこが良い。一話のラストに到着してもおかしくないんだけどね。
 2人がギアを上げていき、スクナも伏黒対策を試行錯誤していき、まだまだ盛り上がっていく……というところでもう1人追加。フィジカルお化けの真希先輩とは対照的な搦め手というか、初見殺しかつ足止め特化という感じ。ということで完全敗北。ケンジャクも勝ち逃げしてしまったし、いよいよ状況がヤバいですね。デスゲームとか米軍とかが吹き飛んでしまったような印象すらある。
 あと、キャラクター人気投票をやるらしい。ハガキ限定とはまた意外。てか、過去2回(+1回)ってどれも優勝キャラが違うのね。ただ、ほとんど3人でトップ3を回してる状況なので、このままその誰かが次も優勝する、と考えるのが自然だろうか。超新星的な新キャラもあまり思い浮かばないな。映画があったとはいえ、あれは古い作品の映画化だからそれほど影響なさそうかな。行ったとしてもトップ3に入るくらいなのではないか。

『SAKAMOTO DAYS』109話

 ORDERのキンダカ。とにかく速い。スピードスターってこの手の漫画だと定番だけど、「足が速い」というニュアンスなのが面白い。まぁ、実際にバトルが進んだら普通に速いキャラという感じに落ち着くんだろうけど、本話の段階ではまだかなり「徒競走が速い」に近いイメージに留まってるのがすごい。なにその個性w
 ちなみに、「オンソク」ならぬ瞬足に、直線ダッシュをサポートする機能はなく、左カーブを支える機能に特化してるらしいので(徒競走のためのアイテムなので)、今回のキンダカの使い方とは何もマッチしないはず。まぁ、これが念とかだったら愛着とか制約で意味あるんだろうけど、本作の設定だとマジで意味なさそう。むしろ左カーブ特化だと邪魔にすらなりそう。左に回り込むときだけスピードが上がるので予測しにくい、とかなるのも面白そうだけど、そこまで細かくするとは思えない。

僕のヒーローアカデミア』382話

 冒頭の場面のセリフ「最高」「最悪」の傍点をド派手にミスってるので笑った。こないだの『呪術』でも「呪い」でミスってましたね。このミスって作者とはまったく関係ないと思うんだけど、デスマーチしてると発生しやすい、というのはやはりあるのだろうか。
 お茶子はトガちゃんの涙を見逃さない。おおっ、こういうヒーローとしての資質みたいな話良いね。超好き。デクでは頻出する話だけど、お茶子だったのが新鮮。デクが弔に対して救いの手を差し伸べようとする話と呼応してそうですね。
 んで、マキア登場、からの心操くん登場エンド。最終章だから仕方ないが、この手の「○○登場」でインスタントに盛り上げる、という手法は連発しますね。まぁ、普通にアガるからいいんだけど。『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』もかなりこの傾向あったよね。最終章あるある。

『僕とロボコ』127話

 温泉旅館での卓球。商店街の福引きが当たったらしい。こないだ週ちゃんで特集してたやつだが、本作のはマジで簡素なので笑った。投げやりという印象すらある。「とにかく温泉行ったんだよ」という。
 この手の身内バトル回。割と既視感あって、発生する笑いも大体いつもと同じ気がするんだけど、それでも満足してしまうな……。「否死」のやつとかパロディの題材として擦られまくってるんだけど、直前のレイザーからなぞってくるのには笑ってしまった。フォームが無茶なんだけど、ちょっと卓球っぽくも見えてしまうw

『アオのハコ』91話

 ユメカズダディ。親がここまで大きな存在として出てくるの意外だったし、それがその子供に深い傷を残すことになる、というのも新機軸。まぁ、よく考えたら千夏も親の都合で結構大変な目には遭ってるんだけど、あれは若干「お約束」として無思考で受け入れてしまっていたというか。
 バスケ部で苦悩するユメカにとって息抜きである自宅でさらなる苦悩。発生するイベント自体は(フィクションにおいては)よくあるやつで、それ自体が「そう来たか!」と驚くものではないんだけど、その周囲が丁寧に描かれてるので十分面白くなりますね。運動部の苦悩と親の離婚って別の問題で、別のストレスだと思ってたけど、それを「好きを失う」で結んだのも良い。好きでいることの幻想がユメカの中で崩れてしまった、最後の一押しとして見事であった。
 そして、やってきました、我らが主人公大喜。ここでの大喜の活躍が完全にサポート、ケアに徹してて良い。滅私というか。極端で雑な比喩にはなるけど、百合に挟まれそうになるのを辞退する。
 省略されたからこその驚きであり、良いシーンになったと思うけど、「なんで大喜勝てたの?」というのはよく考えると少し気になるかな。あんだけ勝つのは難しいと説明されて、そこに説得力があって面白いと感じていたので。ただなぁ、話の流れ的には「もうこれユメカが主人公じゃん!」というターンのまま進んだ方が熱いよなぁ。

センターカラー『あかね噺』52話

 カイセイは特別。一生が自身の理想である、脱年功序列実力主義を実現するためのコマだから。たしかに、言われてみれば現状ジジイでトップである一生が「これからは年齢の関係ない実力主義」とか言っても説得力ないわな。そのためには実力のある若者が業界をぶち壊すしかない。そのために育てられたのがカイセイ。
 理想の体現者とはちょっと違うけど、うらら師匠が自身の目的のためにあかね(などの若手)にツバつけてるのと似た話ですね。業界の上の人たちによる代理戦争という様相。若手の成長物語として、業界全体を描く上で、この構図は見事だと思います。
 てか、それにしても一剣師匠、良いな……。ヘラヘラしつつ厄介な雰囲気を漂わせつつ、モンスタージジイの近くにいて割と取っつきやすい存在でもある。キャラクターもそうだし、ビジュアルも最高ですね。やはり本作のオジとジジイは強い。だからこそまったく比較にならない若い女性を主人公にしたのかもしれない。

『夜桜さんちの大作戦』168話

 扉が良すぎる。ゴリアテとアイさん。優勝! 優勝! とテンション上がったんですが、本編はまったく関係ないので泣ける。いや、本編に出す余地がないからせめて扉で、という人選なのでしょうね。そういう意味ではやはりありがたい。
 録画だけど、100%リアクションを予想できるのでライブのように会話ができる百。なるほど、面白いな。漫画としては普通にライブとして話してるように描けばいいだけのことなんだけど、一つ理屈が加わることで圧倒的な強さ(父親としての)表現にもなるし、しょうもないギャグみたいな部分も予想して独り相撲してるんかい、と変なおかしさも出てくる。ただ、たしかに仲の良い友人との会話で「こういうボケをしたらお決まりのツッコミ入れてくれるんだろうな」みたいな瞬間はありますよね。それのレベルアップ版ということで、意外とリアリティを感じられる話なのかもしれない。
 んで、個別の手紙にそれぞれのパワーアップの方法。刈り取りを予告されたが、その上位的な存在に対抗すべくチーム全員にパワーアップを施す。『サイボーグ009』でいう「天使編」だ。驚くほどに一致。これから導き出される本作の今後は……打ち切りです(未完の完結編なので)。マジで天使編はもうこの直後くらい中断される。

『ウィッチウォッチ』99話

 オフ会。そろそろ未成年が迂闊な行動して大人(教師)として心配、という話が全然なくなってきたな。未成年がカラオケでオフ会とか超怖いんだけど。過激派(イメージ)な人も参加するわけだし。まぁ、「未成年とオフ会」に関してはネットやSNSとの付き合い方で随分と価値観の違いがあるんだろうな。世代間でもヤバそう。私はオフ会といったら財布から免許を抜いたり、靴の中に現金入れたりするイメージだが、さすがに古いとは思う。あと、過去に何度かオフ会したことあるけど、実践はしてませんw
 実際に会ったらイメージと違ったの件。これは以前にあったおじさん構文のキャラの方がインパクトあったので今回のは縮小再生産っぽくてどうかと思う……が、まぁ普通に面白いのも事実ではある。ただ、事前のイメージを絵にして見せたのはさすがにやりすぎ。サンプルツイートをいちいち読ませるのは現実的じゃないという判断なのかな。こういう細部の再現レベルの高さこそ篠原先生の真骨頂という気もするが、たしかに文字だけで4人も表現する(読ませる)のはハイカロリー。
 ネット上では根明だが、実際の見た目は根暗っぽい人が、こちらの人見知りを乗り越えてコミュニケートしてきてくれる場面は良かった。実際の見た目をギャグにして終わらせるのではなく、「やっぱりあの人だ」と伝わってくるのがとても感動的。何ならオフ会の醍醐味と言えるかもしれない。知らない人の顔から超お馴染みのキャラクターが伝わってくる面白さ。
 からの先生とエンカウント疑惑。正直話しかける選択肢が1ミリも湧かないので話についていけなかった。羽虫というわけではなく。顔が分かってる芸能人でも話しかけないのに、疑惑レベルでああいう話にはならないでしょ。さらには、話しかけるのを内気の成長物語として描くのも全然分からん。それとこれとは話が別。そもそもの被り物設定が今回の「あの人作者かもしれない」という状況を作り出すためのものにしか思えなくて無理があったと思う。

センターカラー『プラリネ・プラネタ』生明生成

 読切。作者名は、あざみきなり。読めない……。特に苗字。それでアザミは無理っしょ……と思ったら実在する名前だったので驚く。全国に290人ほどいるらしい(本名かは知らん)。
 ここまで書いてアレだが、初登場ではない。以前に一度、手塚賞受賞のときに掲載されてる。自分のブログ掘り返したら普通に読み方書いて終わりだった。もっと興味持てよ!
 そんな前作、すげぇ良く覚えてる(作者名は別)。あれは面白かった。そうか、新作楽しみだなぁ……と思ったら全然違うタイプの作品なので驚きました。これは調べないと絶対に結びつかないな。前回は賞で、今回はジャンプ掲載用なので、内容に多少の違いはある、というのは感じる内容であった。本作、終盤に驚きのツイストがあるんだけど、ツイストの果てに「ジャンプで良くある感じのやつ!」となるのが面白い。ツイスト自体は驚くんだけど、驚いた先にお馴染み感。まぁ、要するにバトル漫画。裏の裏は表みたいなもんで、ものすごい意外な展開が起きたはずなんだけど、最終的にはめっちゃ知ってる。そこが面白かったですね。
 そのフリとしての、地球部。不思議ちゃん(死語)の女の子が3人、個性豊かにダベってるともうそれだけで漫画として成立するというか、自然と「あーこういうやつね」ってなるじゃないですか。本来だったらおかしいんですよ。ここまでおかしい人がいたら不気味さが勝つんだけど、漫画だと「そういうやつ」として魅力的なものだと受け取ってしまう。その先入観を利用する。
 日常系だが、その中でも大きめなイベントとして生徒会長への恋心が出てくる。これも「そういうやつ」ではあるんだけど、同時に恋する乙女描写されたらその人はもう100%善人じゃないですか。肩入れしたくなるというか。そしたら、そもそも対等な立場とは一切考えてなかった、というオチが後味悪くて好き。地球人視点の相対的な評価ではあるけど、実は悪で、悪が悪のまま、微笑ましい(彼女たちが支配する)日常が続く形でエンディングを迎える。
 あとは、発射角度高めのツインテールの子が、擬態が下手な宇宙人に対して “地球人は頭から触覚なんて生えてないっての!!” と言うのもすごい良かった。ああいうキャラデザが一種の伏線として機能する仕掛けは好きです。
 逆に、ちょっと悪い意味で予想外だったのは、大きく口を開ける特技のくだり。あれ、人を食べると思うじゃないですか。「赤ずきんちゃん」のパターンを考えたんですが、口からビーム出したので、ちょっと予想より大人しいオチになっちゃった印象。
 終わり。びっくりツイストが目立つ作品ではあったけど、各キャラも魅力的で良かったと思います。特にタダオミくんが絶品。真面目で良い人という描写が的確だったし、最終的に「読者が肩入れすべきは彼だった」と彼との向き合い方が大きく転換するので、そういう意味でも彼のキャラクターはとても重要。

ブラッククローバー』353話

 打ち上げ。まだ登場して日が浅いワノ国(違うよ)の面々が、飲みの席での振る舞いによって一気に魅力が上がるというか、お馴染み度が増すようで面白かったです。
 酒の席の新鮮さという意味でもアスタも結構驚きでしたね。酒も似合うっちゃ似合うんだけど、不慣れで心配になる感じもあって、それが振り回される魅力に繋がってる。
 ものすごいベタなラブコメ展開で落ちるのも意外性込みで笑った。今時本職ラブコメ漫画でもあんなことやらない恐れがあるんですが、それが本作は結構ハマる。
 さらなる修行!! というワクワク感から、その次のコマでは修行が終了してるのは少しずっこけた。いや、サクサク話が進んで贅沢ではあるし、さらに成長したアスタの活躍を次の実践でお披露目になるワクワクってのもあるんだけどね。

『「ブラッククローバー」ミニキャラ4コマ劇場』田代弓也

 扉のアスタめっちゃ良いですね。かっこいいし、田代版の個性もしっかり感じられる。
 4コマだと、最後の団長のネタが好き。ちょっと原作に対するツッコミというか、批評という側面が生じちゃうのがこの手の二次創作の醍醐味だと思うんですよ。

センターカラー『一ノ瀬家の大罪』15話

 3度目のセンターカラー。やっぱあの新しい作品の中では本作が頭一つ抜けた人気があるって感じなのかしら。他の作品にも2度目のセンターカラーは回ってくると思ったけど、それすらなかったし。
 本編。誘拐からの殺害……を(事故的に)踏みとどまる。誘拐だけでなく殺害まで含めたのも後半の展開に繋がって見事でしたね。殺害までいったらただの記憶喪失では説明がつかない。一気に世界がループしてるとかそういう類の話になる。正直、そこまでフィクショナルな設定ぶっ込まないでくれた方が現状の印象としては好みなんだけど、まぁそれはそれで面白くなるのだろうと思いたい。
 前回に続いて、最後のアオリが説明しすぎ。説明というか、断定しすぎ。「えっ どういうこと? 消えたの?」と困惑する感覚になって、それが楽しかったのに、アオリに「消えました」と明言されると萎える。そうか、サブタイの「美奈子の消失」って子供を誘拐した彼女が消えたことではなく、最後の場面における消失を意味してたのか、やっぱ消えたで正しいのか……みたいな奥行きがない。

『アンデッドアンラック』149話

 アンシーンのショーン。こないだのボイドのときもそうだったけど、話も大事だが、お馴染みではあるが実際のところよく知らないキャラの掘り下げ、というかキャラを立てるという作業が丁寧に行われる。それ自体は分かるんだけど、正直ボイドほど魅力的ではなかったな。これは単純にキャラクターの好みという問題もあるかもしれない。
 透明にできる範囲を拡張できるようになる、というのは前半の段階から分かった。予想できてガッカリというよりは、私が本作のルールに慣れてきたということも大きいのだと思う。前半のバッジが消えないというイベントも象徴的で良かったですね。「まだ仲間ではない」という話。ああいうの好き。

『マッシュル-MASHLE-』146話

 ドミナvsパパ。壷から闇が溢れて厄介なので、とりあえずあの壷を何とかしよう。さすがに勝てないのは分かってるけど、とりあえずの目標は坪、と明確に設定されるのが良い。分かりやすさって大事。感情の乗りやすさでもあるので。
 攻撃はまったく効果をあげないが、本当の狙いは水を死角に送り込むことだった。なるほど、この水魔法ならでは感は良いな。魔法ならではの特殊設定がどうこうって話ではないけど、しっかり伏線回収したような気持ちよさがある。 “君とだけは誠実でいたいんだ” のコマも超良かったですね。瀕死で動き自体に力強さはないんだけど……というかっこよさであり感動。

『逃げ上手の若君』100話

 100話記念とかないのですね。まぁ、2周年であるのか……と思ったらもっとすごいことがあるのであった(未来人の感想)。
 本編。正宗の試練……と思ったらマジで「想定」だけですべて見破るので面白い。そういう目を極めたらたしかに刃を交える直前の構えだけで分かってしまうんだろうな、という説得力がある。
 からのオモシロ武器もやはり楽しい。鈍器だが四隅に刃がある。横幅がありすぎて実際に何かを斬るイメージはさっぱりできないのだが、まぁ殺傷力はあるだろうからいいのか。そもそも「フル鈍器でよくない?」とは思うが。
 武器人間のシイナ姉さん、戦わないらしい。普通にガッカリというか、結構な意味不明だ。どういうタイミングなら出番が成立するのだろう。

『暗号学園のいろは』14話

 将棋も分からん……と思ったらチェスでもっと分からん。からのマダミスはちんぷんかんぷんという三重苦なので笑った。いや、飲み込むのは大変だが未知の世界をざっくりとでも知れる楽しさがあるのもたしかだな。チェスの世界ではナイトは騎士だけどNとか、その世界では常識なんだろうけど、常識を知らなかったということも含めて面白い。まぁ「そんなふざけたことがあってたまるかよ」的な気持ちも少し湧いたけどw
 対戦相手選びの場面。謎ポーズを決めてるみなさんが魅力的。ダンス描写もそうだけど、こういう一枚絵が本作は面白いな。日常を切り取るだけじゃ絶対にあり得ないポーズ。
 問題のマーダーミステリー。こんな形でマダミスのことを知りたくなかったw 本作が無駄にややこしい形にしてるので、本来のマダミスがここまでややこしいのかが分からない。さらには物語の中でマダミスに興じる話で、いろは視点だが、いろはは朧を演じて、設定上の秘密の情報やら何やらがある。と思ったらいろは役の人の設定も読者には公開され、この2枚でスパイと殺人犯が明らかになる。めちゃくちゃ変則的かつ、情報が複雑で、何層にも分かれてて正直イヤになるんだけど、ひょっとしたら極端な2人の立場を通じてマダミスを描くことで、案外マダミスの醍醐味が伝わりやすくなったりして……という期待も少しある。
 あと、次次号にマダミス導入漫画(でいいのか?)が本誌に掲載されるという未来情報があって事態は混沌である。

『人造人間100』12話

 今度の人造人間は目。さらには子供を育てる。前回は「また人間とコンビかよー」とか思いましたが、ちょっと違った。言うなれば、あしびたちよりも邪悪な結びつき。より一方的で支配的、管理的。肉の質が必要になってくるので、合理的な判断ではある、というのが設定の掘り下げの面白さですね。この「理屈は分かるけどさぁ」というライン。とても良い。
 狙撃手相手にふざけたノリで距離を詰めたと思ったら、急にシリアス。この緩急は良い。そして、人肉育成とはまったく別のロジックで強者のロジックが出てきて、それがあしびにとっての因縁。本作の初回、てか読切の段階の穴というか、「ちょっと考えれば分かるよね?」と読者に対して煽ってくるような内容で大変面白かった。読切の頃から「100が最強なら今後苦労しないじゃん」と思ってたんですが、「そんなことはないぞ」という理屈が次々と出てくるのが面白いなぁ。

『ギンカとリューナ』24話

 マガラカ復活。冒頭の場面でギンカが即時に手を打っててずっこけかけたんですが、そこからの復活が良い。復活を悟ったギンカがすぐにリューナに指示を出すのも良いし、そこからリューナが傍観者になってしまうのも良い。タイトルの通りこの2人の視点が交互することによって話がグイグイ進んでいく。
 なかなか顔が見えない演出も良かった。不死身なので首が吹っ飛んでも平気、というのは割とよくあると思うんですが、そこから顔を隠しながら首をくっつけて……という一連の流れが良い。まぁ、上空に投げるのはさすがに無駄がありすぎるというか、漫画的なハッタリが優先しすぎてる気もしますが、「どうせ首が取れたのならくっつける前に」という心理が余裕の現れってことなのでしょう。
 リューナが傍観してる間に大人たちがどんどん話を進めていって、頭がついていかないうちに敗北。からのリューナに興味を示してギンカがブチギレ。リューナとの関係性ありきの本気バトルなので面白くはあるが、このままリューナが部外者の娘としてギンカを怒らせるためだけの存在になっちゃうのはイヤだなぁ。さすがにないと思いますけどね。

『大東京鬼嫁伝』25話

 愛火の過去を教えてもらうが、その過去の場面が切り絵風。めっちゃ良いね。最近のアニメ映画(アメリカの)だとこういう劇中でアニメーション手法そのものが変化する演出が取られがちで、こういう過去とか伝承の場面はより顕著だと思うんですが、本作にもその流れを感じる。昔話感とか、伝説感が出るので良いですよね。単純に目が楽しいってのもあるけど。てか、ジャンプで分かりやすい例だと『あかね』の落語描写か。
 んで、奪還作戦。異世界転移の方法の関係上、愛火に会えればその時点で勝ち。ここまで簡潔だと拍子抜けも感じてしまうくらいなんだけど、この「簡単そうじゃん」という印象がちゃんとフリとして機能する。早速廊下で愛火を見かけて終わりかと思ったら……のっけからヤバい。まぁ、もちろん読みながら「すぐ見つかってよかったじゃん」なんて真に受けたりはしないんですが、それでもやっぱホラー演出にワクワクしてしまう部分がある。
 愛火のおばさま登場でエンド。角なげぇ~。

『イチゴーキ!操縦中』13話

 最後の文化祭。バンドにいそしむが、ライバルバンドによる妨害。それがスキャンダルというか、イチゴーキの正体に関する文春砲。開幕2ページ目で作品を根底から覆すような、不可逆的な事態になるので笑った。いきなり3年になったのもそうだけど、思い切りが良すぎる展開にはやっぱ弱いわ。どうしても変わらない日常を考えながら読んでしまうというか。
 んで、バンドが崩壊。 “なんで殴った方が痛ぇーんだよ…” は笑った。たしかに、あの流れでまともな喧嘩が成立しないのはつらいなw
 からの文化祭本番で和解。キレイな話として「まぁそうなるでしょ」的な展開ではあるんですが、 “あ 本当にやる気なかったんだ 今日…” となるのがリアルで良い。ちょっとしたギャグでありながら、それが次の展開、それもイチゴーキが人間じゃないからこそ取れる一手に繋がってて見事。人間やめすぎててハードなギャグなんだけど、同時に良い話でもあるので感情に困るw
 そのまま伝説になって終わり……と思ったら最後の1コマでひっくり返るので笑った。「激ウマプロ路線バリバリメジャー級バンド」という文言が容赦なさすぎるし、そのビジュアルがあまりに地味だけど、「まぁ普通に本気でやってたらこうだよな……」という感じで最高。よく考えたらライバルがデスメタルってのが特殊すぎるって前提はありましたね。
 そういえば、私が経験した文化祭(後夜祭)にもああいう激ウマ路線のバンドが演奏してました。それなりに有名らしくステージでもその時間だけ別枠みたいな特別待遇だったけど、ステージに上がってからチューニングをめちゃくちゃ時間かけてやってて、最初は「動じずにチューニングやるとかすごいな」とか思ったんですが、その時間があまりに長いので「ただのだらしない人たちでは……?」となったのをよく覚えてます。演奏が始まったらすぐにやり直しで、最初は「こだわりが強いとこうなるんやな」とかなったけど、すぐに「普通にダメな人たちなんじゃあ……」となって飽きました。たぶん普通に大したことない人たちなんだけど、バンド憧れの強い周囲の人たちが過剰に持ち上げすぎたんだと思います。まぁ、あの強靱なメンタルはすごかった。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 4ページスペシャル。前半2ページは好きな曜日人気投票のお知らせ。がっつり漫画なので嬉しい。普通に企画が面白いと忘れられがちな毎日がアニバーサリーズにスポットが当たる企画で面白いけど、少し冷静になると「曜日の人気投票!?」とはなるな。しかも、投票はハガキ。ハーコーだぜ。
 普通に考えたら日曜が圧勝だと思うんですが、ジャンプなので月曜も強かったりするのかしら。もしくは休みの直前金曜というのもあるか。結構結果が楽しみになってきました。まぁけど、日曜だよなぁ(予想)。

 後半2ページは消印選手権の結果発表。この企画にはガチ勢がいる、という紹介で始まったのが面白すぎるんだよな。
 というのも、集英社から400kmのAコース、100kmのBコース、優勝が同じ人。地域格差を少しでもなくす配慮として2種類用意したと思うんですが、それを同じ人が制してしまうという。しかも大阪と茨城で優勝。全然違う場所なのですごい。もはや恐ろしいわ……。昔のネタコーナーみたいに優勝者インタビューを載せてほしいw

目次

ブラスト公論の豪邸の回、今みたいな時代にこそ読み返していきたいですね…。
(『大東京鬼嫁伝』)

 『ブラスト公論』ってマジか。まさかジャンプでこの名前を目にすることになるとは……。

愛読者アンケート

 読切について。この作品を連載で読みたいか、という定番の質問もあったが、読切ならではのサプライズだったと思うので、これが連載になると大きく作品の印象が変わりそうだな。まぁ、初回限定のトリックというのもあるが。

総括

 今号も書くのに時間がかかってしまったな……。やっと更新できたと思ったらもう月曜でまた借金が1つ増える。あとちょっとまで来たんだけど、難しいですね……。

 今週のベスト作品。『人造人間100』かな。読切の頃からの付き合いだけど、読切の段階から分かってる情報に対する切れ味鋭いアンサーが出たのが面白い。読者としてかなり貴重な感覚になれた。
 次点は読切と、『ブラクロ』の4コマ。
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