現在連載中の作品の主要キャラを中心に、メガネキャラの特徴を考えていきます。ジャンプ作品を通じて、マンガの中のメガネがいかに記号的に扱われているか、という話です。
メガネ人口が増えている現代においてもマンガの中では類型的な扱いが多いんですよね。不思議。
メガネというアイテムからいろいろな想像ができまして、その特徴をキャラクターの説明として利用することで、劇中の言葉による説明を少なくする、という目的が根っこにはあるんだと思います。
まず、メガネキャラで多いパターンの説明。
素人が勝手に考えたヤツなので出来は保証しませんが、大体5つに分けられます。
- 1.ポジティブ(知的)
- おそらく一番わかりやすい、基礎的な、古来よりある使い方がコレ。勉強する→目が悪くなる→知的メガネ、というロジック。現実においては、ゲームのしすぎ、みたいな悲しいケースが多いんですけどね(俺だよ俺)。
- 2.ネガティブ(劣等)
- 理屈としては1と同じなんですが、目が悪いことをその人物の劣等の証として描くパターン。マンガだとこっちのが方が多いかもしれませんね。マンガを読み過ぎてメガネになったリアル読者が肩入れしやすいから、みたいな理由があるかも。
- 3.心の壁
- 1や2とは別のプロセスで考えます。目は心の窓、心の鏡、なんて言い方をよくしますよね。そんな目に1枚のガラスを覆うメガネは、心を閉ざしていることを視覚的に伝えるアイテムになることが多いです。
- 心の壁っていうとネガティブなニュアンスが強いですけど、主人公に対してメガネ1枚隔てた位置にいる、ということからメガネは脇役のアイコンとしても機能します。後述するけど、わかりやすいのは『ニセコイ』でしょうか。
- 4.イメチェン
- わかりにくいですけど、3よりも即物的な扱いです。まぁ、メガネは顔面に装着することが許される数少ないアイテムなのですね。それゆえに現実でもイメチェンの道具になることも多いと思います。それはマンガの世界でも同じ、という感じ。イメチェンを大げさに表現すると変身にもなります。変身、変装というのはメガネの持つ大きな機能なのではないでしょうか。
- 5.その他(グラサンとか)
- その他メガネに類推するもの。
- グラサンのほとんどは「なんか悪そう」というイメージですね。もしくは目が見えないということで3の強化版になる場合も。
てなワケで、以上の4+1=5パターンです。もしくはこれらのパターンの複合。
以下、ジャンプの連載作品から主要キャラの中のメガネキャラに出していきます。
なんですが、ちょっと連載が終了した作品から行きます。
- 『卓上のアゲハ』
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- 主人公がメガネというだけでも希少価値あるんですけど、本作はそれだけじゃないのです。師匠もメガネ。ちなみに、ラスボスもメガネ。そして、最終回には主人公がメガネを変える、というイメチェンまで披露しています。もうメガネ的にはほとんどポルノみたいな作品でした。惜しい作品をなくしたもんですな。
- 主人公の花園アゲハは卓球部のメガネということでこのメガネは、卓球部が抱かれてるネガティブなイメージ、イケてない、運動部最底辺と体現するようなアイテムですね。実際、アゲハくんは運動が苦手で、そんな彼でも活躍できるスポーツが卓球だった、その秘訣は相手の動きを見極める「目」にあった、というエピソードまであって泣けます。どんだけメガネやねん。
- ちなみに、師匠の大塚伊智葉は知識の結晶としての意味合いが強いですね。もちろん目に重きを置いたスタイルの先人ですので、そういう意味でもメガネは重要ですね。
はい、こんな感じで進めていきます。以下、現在の連載陣を作品ごとに進めます。古い順。
- 『こち亀』
- 幸先悪いんだけど、主要キャラにメガネがいないんですよね。なので『アゲハ』を頭に置いた、という裏事情があったりします。
- 強いて言うなら、寺井がメガネですね。名前変えてから全然出てきてないんですけど。「作者飽きたんじゃね?」というのが正直な感想。まぁ、そんな寺井のメガネは単純で、凡人としてのメガネですね。平均的日本人というイメージもあるかもしれません。国際的なイメージですと「日本人=メガネ」という偏見は強いです。最近はさすがに減ったか‥‥?
- 寺井よりは出番が多いのが大阪のハルの相方、芦原レイ。コイツは活発で運動的なハルとの対比としてのメガネですかね。メガネは「脇役」のアイコンになることも多いです。
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- キングオブジャンプの『ONE PIECE』にはグラサンが多いです。フツーのメガネが少ないんですよね。
- 強いて挙げるならたしぎでしょうか。たしぎのメガネは「あの女とそっくりだけど別人」ということの象徴としてメガネが機能してますよね。同じ顔なのにメガネがあるだけで決定的に違う、というのはメガネというアイテムの強さだと思います。
- フランキーとドラフミンゴのグラサンはどちらも「悪そう」というイメージですよね。フランキーの場合は大人感も象徴しているかもしれない。ドフラのグラサンは目が見えないことが彼の底知れなさ、本音が見えない感じも表現しているのではないでしょうか。ドフラの過去が描かれた最近は特にドフラの複雑な心理を象徴してるような気がしてなりません。
- 『HUNTER×HUNTER』
- 一応ね。毎週目次に休載のお知らせ書いてあるし。
- 『HUNTER×HUNTER』でメガネといえば、やはりレオリオでしょうか。これまたグラサンですね。これまた「悪そう」の記号だと思います。うーん、単純なグラサンが多いなぁ。連載開始の古い順でやったのは失敗かもしれんw
- 超特例ですけど、クラピカはカラコンしてますよね。少なくともしてた。コンタクトというのはメガネの拡大解釈でいける‥‥か? まぁ、あれは本当の自分(緋の目)を隠す変装のアイテムですので、実にメガネ的な使い方だと思います。
- 『BLEACH』
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- やっとフツーのメガネが来ました。こっからが本番でしょうかw
- 石田雨竜。最近の雨竜のメガネは「何を考えてるかわからない」という機能があると思います。これはドフラとも少し通じるかもしれない。メガネの持つ即物的で他を拒絶するイメージが活きていますね。威圧感というのもメガネの大きな特徴の1つです。知的なイメージと心の壁のメタファーの複合技ですね。
- 昔の話になりますけど、『BLEACH』のメガネといえば藍染惣右介でしょう。「変装」「本音を隠してる」という意味では現ジャンプ最強のメガネキャラだと思いますよ。メガネを捨てて髪型を変えるだけで大変身を遂げるんですから、メガネがいかに効果的なのか、わかりやすいですね。
- 『銀魂』
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- ジャンプのメガネキャラというと真っ先に志村新八を連想する人多いんじゃないですかね。多分ジャンプ読者全体にアンケート取ったら1位になると思います。新八が他のメガネキャラと一線を画してる点はその度を超えたイジられ方でしょう。「メガネが本体」「メガネかけ器」と呼ばれるのはメガネの印象が新八自身を飛び越えてしまったことの証明でしょう。
- 基本的に新八のメガネは凡人の象徴ですよね。あくまでも他の2人と比べたら、ですが。そしてオタクとしての意味も兼ね備えているのが大きい。意外と「オタク=メガネ」という描かれ方をされてる主要キャラって少ないですよ。まぁ、主要キャラに絞るからなんでしょうけど。また、メガネは他キャラから一線引いた位置にいることを示すアイテムとして機能することがあります。これは新八が稀代のツッコミキャラであることと非常に相性がいいですね。
- 他にも、『銀魂』にはメガネキャラがいて、現在の本編的に無視できないのが、佐々木異三郎。まぁ、メガネというかモノクルという感じなんですが、メガネとしての理論は充分に通用します。エリートの象徴としてのメガネというのはよくあるパターンなんですが、佐々木はそれだけではなかった。本音を隠す意味もあったんですよね。その証拠として、最近描かれた佐々木の過去では、彼はメガネをかけていません。つまり、あの妻とのメール、のぶめとの出会いの一件の後、メガネをかけて今に至る、というワケなのです。そのメガネは彼の長期的な思惑、計画をひた隠すことを象徴してますよね。
- 『トリコ』
- 今回のメガネ研究で一番厄介な作品が『トリコ』。全然メガネがいねぇんですよ。おそらくマッシブな世界観とメガネは食い合わせが悪かったんでしょう。
- 主要キャラという縛りを無視するならば、珍鎮々とかが一番思いつきやすいですかね。食義を教えてくれた師匠キャラですので、これは『卓上のアゲハ』と同じですね。先人の持つ知識の結晶としてのメガネ。
- ちなみに、ジャンプ史上最も有名な師匠キャラは『ドラゴンボール』の亀仙人だと思いますが、彼もメガネかけてますね。グラサンだけど。また、『ドラゴンボール』でかめはめ波と肩を並べる有名必殺技「元気玉」を授けてくれた界王様もグラサンかけてます。他にも、『ONE PIECE』のレイリーもメガネ、『HUNTER×HUNTER』のウイングもメガネ。師匠キャラとメガネっていうのは相性がいいことがわかりますね。
- 『ニセコイ』
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- 『ニセコイ』は意外とメガネ意識の高い作品だと言えます。まず、単純にメガネキャラが多い。宮本るり、舞子集、奏倉羽と3人。その他にもクロード、キョーコ先生(前担任)まで揃ってますからね。マジ充実してる。
- キャラが多いだけでなく、メガネキャラに共通項があるんですよ。どれもメインの人物関係(楽ハーレム)から一線引いたキャラなんですね。俯瞰視点を持ったキャラだったり、見守るようなキャラで共通してます。「羽姉ちがうだろ死ね」と言われると怖いんですけど、羽姉は楽に近づく時はメガネ外しますから。メガネはあくまでも教師としての姿ですよね。勘弁して。
- まぁ、るりちゃんも集もメガネの持つ意味はほとんど同じだと思います。一線引いた位置からメインの恋模様を観察してますよ、という。冷静さ、客観視のアイコンでしょうか。るりちゃんは小野寺さんの、集は楽の本心を知っていて、それを見守る立場ですよね。そして深すぎる干渉は避ける、というスタンスだったと思います。要するにこれは読者と同じですよね。
- また、ほぼ同じ距離にメガネが2人いることによって「2人は対になる存在」という印象が強くなる効果もあると思います。コイツらの役割は同じだと読者が自然と理解しやすくなるワケですね。
- ちなみに『ニセコイ』には単行本やらジャンプ+にて魔法少女モノという二次作品、シリーズがありますけど、その世界におけるヒロインはみんなメガネかけてます。これは『ONE PIECE』たしぎのメガネと同じで「同じに見えるけどまったくの別人」ということを示すためのメガネですね。メガネがあるだけで「パラレルでっせ」という説明になってしまう。
- 『ハイキュー!!』
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- 潔子さんの画像、古舘じゃなくて佐伯版でごめんなさいね。潔子さんを象徴する1コマだと思ったのでこっちを使ってしまいました。
- 『ニセコイ』はメガネに統一性があると言ったけど、『ハイキュー』は逆。多種多様なメガネが存在します。
- 月島蛍と清水潔子、両者に共通するのはクールさでしょうか。ツッキーの場合は心の壁感がより強く、潔子さんは感情を表に出せてない感ですね。
- ツッキーのメガネ、最大の特徴はなんといってもスポーツグラスな点でしょう。フツーのメガネじゃ飛んだり跳ねたりしにくいでしょ、というリアリティーを補強する意味もあり、因縁の兄から贈られたというドラマ性もバッチリ。ここまでメガネに重きを置いたメガネが存在したであろうか、いやない。
- ツッキーのメガネは基本的に心を開かない、他人を拒絶するタイプの典型的な心の壁タイプですよね。ただ、スポーツグラスを兄からもらったことで、バレーに対しては能動的になったぜ、という変化があるのですよ。メガネだけでドラマが語れる。兄曰く「ガッカリするくらい冷静」な性格をしているワケですが、その冷静さの象徴がこのメガネだと言っても過言ではないと思います。一線引いた位置からみんなを見てる、客観視してる、という感じですね。ここらへんは『ニセコイ』集るりと同じ理屈。
- 今回のメガネ研究において、萌えの属性としてのメガネという観点はあまりにサンプルが少ないんですが、潔子さんはその貴重な1人。他人(男)と距離を置いてることをメガネが如実に表現していて、その距離感がミステリアスな彼女の魅力に繋がっているのですね。メガネの他にも潔子さんってヨダレぼくろがあったりして、意外と顔面がゴテゴテしたキャラデザだったりします。やはりかつて紅一点だったことを踏まえて過剰に女らしさを強調されたデザインなのかもしれませんね。メガネで距離を取り、ヨダレぼくろで興味を引く、その微妙な駆け引きが「なんか今までで一番エロい……!」と賞される所以なのではないでしょうか。現在のジャンプで一番エロい『食戟のソーマ』作家陣に「一番エロい」と言わせるんだからスゴイ存在ですよ。
- 他にも、嶋田マートもメガネ。これは前述した師匠メガネの系譜でもありますね。そして、解説キャラでもあるのでメガネは知識の結晶。
- 一方、バレー部顧問の武ちゃんもメガネ。これは未熟さの象徴と捉えて間違いないと思います。『れっつ!ハイキュー!?』だと幼くデフォルメされてますけど、そういうことです。メガネは幼さの象徴にもなります。幼女、ショタにメガネを。
- 『斉木楠雄のΨ難』
- 『暗殺教室』
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- E組のメガネといったら、竹林考太郎と奥田愛美。正直どちらも類型的極まりないメガネなので少し残念だったりします。ガリ勉、オタク、地味とかそういうなんともわかりやすいイメージですね。
- メガネがここまで単純化されてる理由はクラス全員に名前が付いてることと関係があるのではないか、とか思ったり思わなかったり。クラス全員に名前が付いていて、1つのクラス全体がここまで描かれてる作品って意外と少ないですよね。少なくともこれまでの作品の中では唯一。大体主人公と面識のあるキャラだけに個性があって、他は皆モブ。つまり、バランスなんですよ。クラス全体のことを考えながら作られたキャラクターなので、「クラスにこういうヤツ1人はいるよね」という類型的なキャラになりやすい。そのためメガネはいかにもメガネらしいメガネになってしまうのではないか、と。
- 『食戟のソーマ』
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- 今の本編を考えると本作で印象的なメガネは四宮小次郎でしょう。登場当初は、威圧感と実力(知識)を象徴するアイテムだったメガネですけど、今はすっかり師匠キャラに。師匠とメガネは相性がいい、という話は既にしましたね。
- あとは寮友達の丸井善二。これは『暗殺教室』で書いた理屈、「クラスに1人はこういうメガネいるよねー」という類のメガネだと思います。竹林くんよりもイジられキャラという色合いが強いですが、これは間違いなく新八フォロワーでしょうね。やっぱ新八はジャンプのメガネ界におけるレジェンドですわ。
- そして主要キャラではないけど、葉山くん愛しの汐見教授もいますね。このメガネは幼さの象徴ですかね。「目が悪い→未熟→幼い」という連想です。『ハイキュー』の武ちゃんと似た使われ方ですね。もちろん教授職とメガネが相性がいいのは言わずもがなですが。
- 『ワールドトリガー』
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- メガネにホレるメガネということで↑のコマは看過できませんでしたw
- 『ワールドトリガー』のメガネといえば三雲修。「メガネ+汗=オサム」です。主人公がメガネってのはマジ貴重っす。オサムは委員長タイプのメガネなんですけど、何よりも凡人としての意味合いが強いでしょうね。ここまで凡才であることを強調された主人公も珍しいですよw
- 作品全体に言えることですけど、メガネいじりが多いのも特徴的でしょうか。オサムが入隊する時に宇佐美先輩(メガネ)に「メガネ人口増やそうぜ」って言われてましたよね。他のメガネキャラを意識するメガネキャラ、というのは本記事的には大好物ですよw
- オサムのことをメガネキャラとして認識してるメガネキャラといえば他に某実力派エリートがいますね。迅。彼は常時メガネを着用してるワケではないのでポイントが低いんですけど、メガネをたまにかけることによって二面性を表現している、とも取れるかもしれないです。また、メガネは未来視というサイドエフェクトとも関係があると思われます。これは『卓上のアゲハ』と似た感じですね。
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- マニュアリスト中島襄。なんでも本の知識に頼りがち、というのはメガネにふさわしいキャラクターですね。磯兵衛と同レベルのクラス最底辺というイメージも含まれているかもしれない。一応江戸時代ということで、現代のメガネとはデザインが違うのが特徴です。
- 統計的に丸メガネはダメキャラ、イジられキャラになりがちです。
- 『火ノ丸相撲』
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- メガネ不足が嘆かれていた本作にも最近メガネキャラが増量中です。なんと言っても主人公チームにメガネが加入したのがデカイでしょう。相撲というメガネにとっては相性の悪いスポーツにおける、メガネのポジション、それは監督です。プレイヤーたちから一線引いた位置にいる、インテリな役職、実にメガネらしい役回りです。付いたあだ名は「ハカセ」。カンペキすぎるw
- ちなみに、プレイヤーとしてのメガネは大河内くんがいますね。
- そして、個人的にメロメロなのが柴木山親方です。現在のジャンプ屈指の萌えメガネだと思います。基本的には「怖そう」という類型的なグラサンの使い方なんですが、そこから親しみやすいキャラクターを描くことでギャップが生じ、それが爆発的な萌えとなるワケです。パジャマにグラサンとかあざといわぁ‥‥。
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- メガネvsメガネとか、鼻血が出そうな対戦カードです‥‥。
- 『暗殺教室』に続く「クラス全員に名前が付いてる」系の作品。E組のメガネは2人とも冴えないけどこっちは委員長だぜ。真面目すぎる委員長はメガネかけてるんですよ。「ガリ勉」というイメージは「真面目」にすり替えることが可能ですよね。
- そして、発目明。かわいいですね。正直彼女の画像を意味なく2、3枚追加したい‥‥。萌え属性としてのメガネという意味でも非常にありがたいキャラです。潔子、奥田、発明、とメガネ女子は三者三様の魅力があるのでおもしろいですね。一口にメガネといってもどれだけ奥が深いのか、というのがわかりやすいと思います。
- そんな発明ちゃん。最大の特徴はメガネを自作している点。そして「ドッ可愛いベイビー」とメガネ(を含む発明品)を溺愛してる点。当然読者はメガネ大好きじゃないですか(強制)。となると、同じものが好きな彼女に対して肩入れせざるを得ないのですよ。これは同じヒーローオタクであることに共感を抱くデクとも同じですね。
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- 『僕のヒーローアカデミア』のメガネで見過ごすことが出来ないのが、ヒーローの多くがかけてるドミノマスク。正体を隠す目的と、常人とは一線を画したスーパーヒーローに変身したんやで、という印象が増しますね。まぁ、ミッドナイトは単なる女王様なだけですけど。
- 『僕のヒーローアカデミア』に限らずヒーローの中には、素顔のままで戦うタイプ、顔の一部を隠すタイプ、顔全体を隠すタイプの3つがあると思うんですが、メガネが関わってくるのは一部を隠すタイプ。日本ではあまり馴染みがなくて海外ヒーローの方が多いイメージあります。本作はアメコミの影響を多分に受けている作品なので出てくるのも納得です。あと『レディ・ジャスティス』も同じ理屈ですね。
- 『カガミガミ』
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- こっから連載期間が一気に短くなるのでメガネキャラがいるか不安だったんですけど、『カガミガミ』にはいたぜ。あざす。
- なんだけど、まだあまり出番が多くないんですよね。もちろん、現場には出ないサポートキャラ、デスクワーク感という意味でメガネが非常に効果的なので、出番が少なくてもどんなキャラだかは理解できるんですが。類型的なメガネには「はいはいメガネキャラね」という理解を促すので非常に便利です。
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- 『暗殺教室』『僕のヒーローアカデミア』の時にも書いたけど、「チームに1人はメガネっているよね」枠。それがマグナ スイング。通称、野球部の先輩。
- メガネの意味合いとしてはグラサンなので単純ですね。やっぱり「悪そう」「怖そう」のイメージ。
- 主人公が入団後、最初に絡むのがこのグラサンなのですが、このグラサンがもたらす不良感というのは「黒の暴牛」全体にも当てはまると思います。
- 『Ultra Battle Satellite』
- 『NARUTO外伝』
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- フィクション上のメガネを語る上で外すことが出来ないテンプレが「あの子がメガネを外したら超かわいい!」というもの。正直古臭すぎてまともに扱いにくいとは思います。この手が有効だと思ったら大間違いですよ。ほぼ間違いなく「だせぇ‥‥」となります。さらには、現在ではメガネの市民権は上がってますからね。別に珍しいものでも特別なものでもありません。なので「メガネがない方が好ましいとは何事だ」という意見が生まれるのは不可避だと思います。工夫がなければやらない方がいい、悪手なのではないでしょうか。
- 本作はどんな工夫をしているかというと、先にメガネを外した姿を見せて「エロい!」という印象を抱かせてるのですね。その後、部室に入ったらメガネ姿とコンニチハ。「こっちが本当の姿だったのか‥‥」となる。メガネと非メガネの順序が逆なのですね。この一工夫はホント大事だと思います。
- 『レディ・ジャスティス』
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- メガネがドミノマスクを救うの図。
- 本作のメガネ、丸藤円太は「冴えないメガネ」と自称している通り、自虐感が強いです。つまり、このメガネは凡人の象徴ということですね。
- また、本作のメガネを語る上で外すことが出来ないのがスーパーマンをモチーフにしてる点。スーパーマンは一般人のフリして新聞社で働く時はメガネをかけるのですよ。そして『レディ・ジャスティス』のメガネくんは新聞部、さらにヒロインはスーパーマンがモチーフですからね。これはスーパーマンにおける新聞社で働くクラーク ケントが丸藤くんなんだと思いますよ。スーパーマンの超人性と常人性を分けると『レディ・ジャスティス』のアメリちゃんと丸藤くんになる、というスンポー。
- こないだコメントでもらった情報なんですけど、「丸藤円太」って名前は日の丸、富士山、円(通貨)を合わせた名前ではないか、という説。ヒロインの名前の元ネタがアメリカ(もしくはアメコミ)だと考えると非常に説得力のある話だと思います。これが正しいとすると、丸藤くんのメガネは「日本人といえばメガネだよね」という国際的なイメージに沿っているのでしょうね。
- 『デビリーマン』
- メ、メガネがいねぇ‥‥。HAHAHA これはしょうがないですよね。まだ2話しかないですもの。別に罪はないんやで。こんな中途半端な時期にこの記事を書いたワタクシが悪い。
ということで、終わり。
サンプルはジャンプ作品ですけど、大体のマンガに当てはまる考え方なんじゃないかな、と思います。「優等」と「劣等」とか、「大人っぽい」と「子供っぽい」それぞれどっちも当てはまりますからね。コジツケ感ハンパないっすわ。ワタクシの好きなマンガを羅列してもいいですけど、統一感がないので、ジャンプの現在の連載陣に絞りました。今後、マンガを読む時にメガネのことを気にするキッカケになれば幸いです。
サンプルがジャンプ限定というのは偏りがありまして。雑誌の特性上、女性キャラが少ないんですよね。なので、萌えの属性としてのメガネについてなかなか語れなかったのがネックでしょうか。まぁ、大体のキャラについては、こじつけることが可能なのではないかと思ってます。
まぁ、パッと思いつく、今回なかったタイプはオシャレ目的のメガネですかね。こういう分野はやっぱりジャンプ弱いっすね。
最後にベストメガネ作品とベストメガネキャラを決めてみましょうか。
ベストメガネ作品に関しては『NARUTO外伝』で決まりだと思います(既に終了してる『卓上のアゲハ』は除きます)。ここまでメガネに重きが置かれた作品があるとは思ってもいませんでした。ブログで感想は書かないけど、こっそり読んでいこうと思います。
ベストキャラは難しくて、1人に絞るには個人の好みという要素が大きくなると思います。候補としては、メガネ界のレジェンド感溢れる『銀魂』新八、メガネ自体にドラマがある『ハイキュー』ツッキー、がんばる凡人メガネ『ワールドトリガー』オサム、自作メガネを愛しすぎてる『僕のヒーローアカデミア』発目明あたりでしょうか。個人的にはツッキーを推しますね。
あなたのハートには、どんなメガネが残りましたか?
超余談だけど、個人的に印象深いメガネ映画がコチラ。一応アニメだし、二次元繋がりで許してください。くもりときどきミートボール コレクターズ・エディション [DVD]
- 発売日: 2010/08/25
- メディア: DVD
「あの子がメガネを外したら」のアンチテーゼとだと思うんですよね。メガネの意味を考えながら観るとおもしろいですよ。もちろん、メガネ関係なく傑作だと思うんで、よろしければ。