北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

コミックメガストアα 2019年3月号の感想

 先日「コミメガα」という略称を知りました。便利。
gohomeclub.hatenablog.com

「表紙」魔太郎

 チョコに埋もれた女の子がラッピングされてる。バレンタイン仕様ですね。バレンタインネタは他誌でもやっていたのですが、こうもアプローチが違ってくるものかと興味深いです。
 あと、魔太郎先生といえばkomiflo登録画面の脱衣女子ですが、あの子がフィギュア化されるそうです。すごい。ただ、私はスマホで登録したのであの有名な脱衣を体験してないのです……(後悔&羨望)

「目次」

 ホットミルクに続き、komifloでも目次解禁。嬉しい。
 最終回な作品が複数あるんですが、これはやっぱ新年度に向けて一区切り、という感じなのだろうか。

『淫魔の甘い罠』釜ボコ

 フルカラー8ページ。サキュバスを召喚しようとしたら、実は罠で主人公がサキュバスに召喚されてしまう話。この捻りは面白いですね。普通サキュバスって「来る」ものですけど、本作は「来させる」という新機軸。ただでさえサキュバスは優位性の強いキャラだと思うんですが、この逆転の設定によってそれがより強調されるというか、もう1ミリも優位に立てる余地はない感じが出てきますね。エロを堪能した「最高じゃん」と満足してると、ふと「あれっどうやって帰るの?」と冷静になるオチが面白かったです。このオチはこの設定ならではですね。
 カラーということで、サキュバスの角の赤が映えてて良かったです。角、好きなんだよなぁ。

『誘惑らすとらっぷ』みかわや

 マジメ先生が誘惑される話。誘惑というか、逃げ場を塞がれて精神的に追い込まれる先生のリアクションがなかなか辛気臭いというか、悲壮感があるのが特徴だと思います。支配される、という味わいが強いです。ヒロイン相当な女王様気質だなぁ、とか思ってると最後の最後にひっくり返されるので見事です。やられたわw 悲壮感あったのは主人公がマジメだからこそ、でそこにヒロインはホレたわけですね。マジメじゃなかったら「まぁこれはこれで」とかエロを堪能しちゃうので。そして、秀逸だったのはエックスデーが卒業式だった点ですよ。「やっと彼女から解放される」という安堵感からの絶望……という話だと思ってたけど、オチを知ったあとだと卒業式までセックスをしなかったのってひょっとして彼女の優しさなんじゃない?? とか思えてきます。彼女なりの誠意だったのかも……と思うとハッピーエンド感が増します。最後の1ページですべての印象がガラッと反転するのは読んでて本当に面白かったですね。まぁ、そんな印象すらも彼女に支配されてる、という風にも考えられるんですがw
 ただ、序盤の辛気臭いパートも結構好きなんですよね。あの切羽詰まった心理描写が読み応えあったと思います。特に好きだったのは、初日の誘惑が終わり家に帰って自分でシコろうとしたら……の場面。主人公の脳内が彼女によって浸食されていく感覚がものすごいリアルでした。めっちゃエロい気持ちと、それに対する嫌悪感。生々しかったです。直接エロいことをされる場面ではないんだけど、それだけに心理的な影響を如実に感じられました。

『旅籠幻想』ムサシマル

 旅館って良いですよね。非日常感がエロとの親和性高いんだと思います。温泉という否が応でも裸になるのもありますし。浴衣という妙にはだけやすい衣装も大きいのかな。そんな魅力が本作には詰まってました。旅先の不気味な旅館で薄幸美人と出会って……というのが良い。旅館もいいし、旅先での出会いってのもなぁ、憧れますねぇ。
 身近な異世界としての宿。オンボロなのに客室露天風呂があるのが謎なんですが、これはエロのための設備なんですかね。女将さんの趣味として使うこともあるだろうし、風俗店から派遣する場合にも重宝しそうですし。このエロへの敷居が異常に低い感じ、異世界としての田舎宿として魅力的だと思います。勝手ながらリアルと感じてしまうというか。
 薄幸美人感。地味に思えた人がエロに対して躊躇がない感じとか意外で良いですし、そこから主人に脅されているという設定(嘘w)が入ることで「エロを享受して人助けになるとか最高じゃないですか」と主人公の心理的な障壁を少しずつ壊していく。援助交際という言葉の「援助」に相当する欺瞞というか。女将さんの「こんな私でよかったら」みたいな控えめ感も燃えますよね。設定、シチュエーション、キャラクターの魅力が合致してて最高だと思います。
 エロで好きだったのは女将さんのクチ。大きくクチを開けたときに、やたら奥まで見えるんですよね。野暮なことを言うと薄暗いだろうからそんなに見えないと思うんですがw ただ、あの奥まで見える口内というのが女将さんの秘めたる積極性を象徴してるようでめちゃくちゃエロいんですよね。内気で可哀想な薄幸美人かと思ったら……という意外性。
 オチ。女将さんの意外な正体というか「そもそも女将さんだったんかい!」というのが最高。よかった、病気の子供はいないんだ……的な良さもありつつ、明るくアイコンタクトを送る女将さんが可愛すぎてホント好き。分かった上でまたお願いしたい。てか、あのウソは主人公がなかなか折れないから「しょーがねぇから背中押してやるよ」みたいな女将さんの計算だったんですね。そういう頭の良さ、手の上で踊らされてる感も魅力的です。自分で意志で選んだつもりが、そもそもその選択肢が恣意的に限定されてた感。チクショウ、あのコワモテ受付まで羨ましく思えてきたなw

『ロイヤルお嬢様とラブラブ?無人島生活』ニム

 あれからどうやって続けんの?? と気になってた続編。
 そんな続き。「ええええっ 仲直りすんのおおお!!?」と驚きましたw あんだけ壮絶にレイプしたらもう無理だと思ったんですが、まさかの雨降って地固まるパターン。「レイプ魔」がちょっとしたあだ名っぽくなってるのがスゴイですね。まぁ、無人島に2人きりだから協力する以外に選択肢はない、という前提もあるんでしょうが。それにしても、主人公の “レイプして良かった?” は笑いました。反省しろよw
 前編でのお嬢様の黒ギャル化もそうだったんですが、本作は時間経過による見た目の変化が見所だと思います。仲良くなったあと、主人公が髪を切ってサッパリしてましたが、印象としてナイスガイになった感ありますよね。ヒロインの髪型もシンプルな変化ですが、大事だと思います。単純に見た目が変わって楽しいというのもあるんですが。
 せっかく仲良くなっても変態プレイは止まらない。飲尿で再開するとはw リアルにサバイバルを考えたら絶対ダメだと思うし、そのあと回復してセックスするのも怖すぎるんですが、前回のレイプのエキセントリックさを考えると「仲良くなれたんだな……」と妙な感慨があります。
 んで、エピローグ。髪切ったお嬢様可愛いな、とか思ってると “レイプするぞ” で終わるので笑った。2人の間では気さくな冗談なのか……すごすぎる関係性だ……

『アメーバは生殖行為をしません。』おじょ

 8ページ。なんですが、結構読み応えあるのですごい。物語とは直接関係がないタイトルなんですが、導入の部分に関わってるので「とりあえずココ乗り切ったら大丈夫だから」と勢いで押し進んだ感じあると思います。
 ソファーの上という限定されたシチュエーションも良かったんだと思います。日常から地続きでエロに突入する良さもあるし、エロに入る前のおしりをフリフリしてるのもすげぇ良い。あのだらけきった日常の中に垣間見えるエロ、めっちゃ好き。冗談っぽく誘ってくる感じも最高です。

『オトナの少女マンガ』Rico

 ガチロリ。ファッションのおしゃれロリ感がすごいですね。ぶっちゃけマンガはデフォルメされた世界なので、ロリ顔、ロリ体型でロリじゃない年齢のキャラとかいてもおかしくないし、実際よくいると思うんですが、本作は一目見て「これはガチロリ」となる説得力がある。やっぱファッションなんじゃないですかね。独自のファッション文化ありますね。考えたことなかった……
 少女漫画家がロリコンとかかなり闇深いと思うんですが、 “初めてのキスは唇だけじゃなく僕の心ごと奪われた…” で爆笑してしまいました。なんで男の方が攻められてんだよというのもそうですが、妙に冷静でロマンチックなこと言うので最高です。ワガママを言えばもっと「少女漫画脳」なネタ見たかったですね。直後にもモノローグがやたら詩的になってたんですけどね。当の相手があっけらかんとしてるギャップが楽しかったので最後まで見たくなってしまったというか。まぁ、そんな余裕なくなったってことなんですかね。

『堕妻ノ情乱』すぎぢー

 第1話。団地のセックスサロン。サロンとか言うなw ただ、団地の閉塞感ある暮らしの憂さ晴らしとしてこういうグループが出来るのはちょっとあり得るのかもな……みたいな説得力は感じてしまいました。もちろんここまでのはフィクションですが、大なり小なりあり得る話なんじゃないかなと。
 団地のよく知ってると思ってたけど全然知らない世界(部屋)が残されていた、という感じ、良いですね。ちょっとした魔窟感というか、団地という小さな宇宙の最もアングラな部分、みたいな不気味さが面白いです。
 んで、チンコ役が少年というのがまた闇深い。ママ友会という体裁なのにその相手役が息子くらいの年齢ってヤバイ。てか、これ、主人公の息子もひょっとして……みたいなこと考えちゃうよなぁw
 最後に語られましたが、仮面が象徴的なアイテムになってますよね。匿名性を得ることで普段押し殺してる欲望が剥き出しになる。ネットとかでも良くある話だ……。相手の少年も仮面をしてるから現実的なことを考えづらくなってるんでしょうね。ここまで壮絶じゃないにしてもマスカレードとか実際にありますし。心理的な方面ではペルソナ。団地という日常から切り離す儀式として仮面が用いられてるんでしょうね。欲望が煮詰められてる感がすごい生々しかったです。

『ミルクまみれ』復八麿直兎

 最終話。完全に調教は終わったのでひたすら楽しむ回。ここまで突き抜けてくるとは。とにかく享楽的。物語的な展開やツイストは前回までで済ませたのでもういいです、みたいな。宿題は早めに終わらせるタイプだw
 コマ割とかいいからぶち抜きでエロ絵どーん!! と突き進むスタイル。以前までにもこの感じは各話のクライマックス、エロが盛り上がってくるとそうなってたんですが、今回は最初から最後までその感じ。全32ページでそれなんだからホントすごい。圧巻。
 当たり前ですけど、ずっと腰振ってるわけないので、しっかりエロとしての展開があるのですよ。アクションでいえば殺陣、振り付け。よくもまぁこんな長尺で成立しましたよね。最初からすごいテンションでそれが最後まで持続するので驚くばかりです。動きを意識させる場面もあれば、止め絵としてバッチリ決まってる場面もあって、それでいてミルクなどの液体まみれで一貫もしてる。特に最後のページの構図とか驚きました。物語的な理屈というよりは、絵としてラストショットにふさわしい説得力がある。

『淫雨に濡れて』DYTM

 中編。特に一区切りとかつかずに前回からの地獄がそのまま続く。マジかーw
 前回、「こいつはまともなのか?」と淡い期待も抱いたデブが壮絶な過去背負ってるのもビビりました。リーダー格の男の鬼畜っぷりが想像以上って驚きもありますが、あんなことの後にデブが仲良く行動を共にしてるってのが闇深すぎてもうw
 そんなリーダー格の男、今回は大人しいんですが、代わりにメガネの女の子について少しずつ核心に迫ってくるので面白い。実質的な主犯はこっちなのか? みたいな雰囲気が良いですね。よく考えたら、本話におけるエロは彼女の合図によって始まってるのもすべては彼女の手の上、という感じがあって不気味です。
 おまけに、娘の存在があるのがねぇ、逃げ道塞がれてるというか、地獄度が跳ね上がってる。今回なぁ、ついに直接被害が出ちゃったもんなぁ。まだ主人公がそのことに気づいてないのがギリギリの幸いというか。ただ、ラストの寝てるショットで、主人公に縄の跡があるのがまたイヤですねぇw 消せない過去としてくっきり残ってる感。

『パイチャレ!!』立川ねごろ

 「真エロマンガ道場入門」入選作品。前回も思ったけど、本編も面白いがそれと同じくらい編集員コメントを読むのも好きなんですよねぇ。マンガの講評って意外と読む機会がないと思います。マイナス評な部分とか言われるまで意識してなかったので、見てるところが違うんだと実感します。言われてみればと納得もあるので、二重に面白いです。まぁ、面白かったよなぁ(バカ舌感想)。
 本編。おっぱいチャレンジ。ありましたねぇ。主に海外での流行なんでしたっけ。日常に潜むエロ、普段何も感じてない日常が薄皮一枚でギリギリ保たれてるんだなぁとか考えさせられるようで面白いです。単純にエロい。露出と違って写真撮ってのSNS投稿がメインになるから、一瞬を切り取った感じも良いんですよね。
 個人的に話的にもエロ的にも大好きだったのはファミレスでの場面。露出とか痴女モノの作品でたまにあったりするシチュエーションですけど、本作はおっぱいチャレンジの経験者という設定があるので「だから店員や他の客に見られないように脱ぐのがうまいのか!」と納得できるのが新鮮。たまに「バレなかったからいいけど何であんなに危ないこと動じずに出来たの?」とか思うことありますけど、本作はその問題をロジカルにクリアしてるのが良い。恥ずかしいのは主人公だけで、ヒロインは見られない自信があるので余裕綽々、というコントラストも最高です。

『愛玩男子』かーうち

 こちらも入選作品。
 講評の感想。ここに限らずたまに人のマンガ感想読んでて思うんですけど、背景の話とかする人いますよね。私には全然ない視点なので毎回感心してしまいます。そんな余裕ないというか、一応無意識レベルで背景によって印象が左右されてるんだとは思いますが、意識して見てる人すごいよなぁ。作り手からしたら背景もめっちゃ大変だと思うので、なんだか申し訳なくもなります。
 本編。タイトルの時点で「これ好きなやつだ」という感じだったんですが、やっぱ男の子が可愛くて良い。ゴリゴリのショタという感じでもないのがまた良いです。
 当然ヒロインの方も可愛くてですね。ビジュアルから言動からだらしないのが伝わってくるのが最高です。大人としてダメダメなんだけど、なお君からしたらその隙から生じるエロスにクラクラきてしまい……というのが大好物です。2人のキャラの相乗効果ですね。やっぱキャラの魅力が1つのエロに向かって合致したときの破壊力やばいなぁ。たまらんものがある。
 あと、妙に好きだったのはアナル広げたらオナラが出る場面。別にそれが直接エロいとかそういう話ではないんですが、「人間ってこんな反応するのか」と知らない世界に足を踏み入れたような感覚がするんですよね。実際にセックスしてああなるまで知る由もなかったわけですし。ヒロインのだらしなさの魅力と相まって最高、というのもあります。

『底なしの双性欲』NAZ

 性欲が底なしな援交少女が運命の出会いを果たす。ギャルというよりはロリなのにエロにそんなに積極的なのか……という意外性が良いです。実はこういうもんなんだよな、みたいなリアルを感じてしまうというか。
 エロ的な強者だったヒロインがさらなる強者と出会い屈服する……話ではないんですよね。オッサンがあまりの強者で壮絶なことにはなるんですが、それがヒロインにとってはこの上ない幸せという結論なのが良い。ものすごく捻れてはいるけど、結局のところ運命ので出会いになっている。最初のヒロインの語りの部分からして、エロ行為がマウントの奪い合いみたいな感じあったんですが、オッサンとのエロは意外とそうでもないんですよね。バトル的な雰囲気も一部ありましたけど、オッサンが鬼畜性を発揮するわけではない。ヒロインもそうですが、互いに互いのことを味わい尽くそうとしてる。ここらへんのバランスが意外でもあり、めっちゃ好きです。

単行本『真理亜さんのお気に召すまま』宣伝漫画(高崎たけまる

 宣伝漫画2ページ、と宣伝が1ページ。お坊ちゃまがめっちゃ可愛いやつだ……とワクワクしてしまいましたw 学ランで短パンとか良いよね。好き。メイドの方の衣装もすごい可愛かったと思います。はだけた状態でキレイに決まってる。

『ぐーたら芽衣とお兄ちゃん2』宮原歩

 続編。お兄ちゃん大好きな妹が可愛い。大好きというか、若干の依存も感じるバランスが面白いですね。特に今回は、兄がケガしたので妹が家事を頑張るんですが、それがことごとくダメ。とにかくダメなんだけど、エロがあるから別にいいよね、と開き直る感じが魅力的です。そこがエロいし、依存も感じる。他はダメでもお兄ちゃんがいれば何でもいい、お兄ちゃんとエロを満喫できれば人生バラ色みたいな感じが不安でもあり、そこまで全力でもたれ掛かってくる姿はどうしても愛おしく見えてしまいます。ダメな子ほど可愛い、みたいな感覚。
 あと、頭巾にエプロンという格好がめちゃくちゃ良かったです。好き。家事で結局のところ役になったのはビジュアルが可愛くなっただけかよ、という話なんですが、そこが良い。バカな子が伊達メガネかけて頭良くなった気分になってる、みたいな可愛さがある。

『オッドマン11』道満晴明

 リアルでも寒いので、冒頭の寒空の説得力がやばいんですが、そっからいきなり全裸なので笑う。 “メト○イドか” も最高ですね。言われてから気づく良さ。
 からのラストで再び寒空、を通り越して雪で結ぶのも展開としてキレイ。暗い中の雪って幻想的ですよね。そんな中、先輩呼びを喜ぶという俗っぽさ全開なのも楽しい。

『カフェハメしちゃお!』ゆうみゃご

 飲み会の帰り、憧れの先輩と2人になったが先輩が泥酔してて……というシチュエーション好き。もう好き。最高。普段はしっかり者の先輩がひどい状態になって逆転する感じも良いし、日常からエロの異世界までシームレスな感じがすげぇ好き。ずるずるとエロい世界に入り込んでしまった感。
 あと、全体的にですけど、コマ割がすげぇ変則的で楽しい。酩酊感の方言としての効果もあるし、突然のエロで混乱する主人公の心理とも合致すると思うんですが、単純に見てて楽しい、という良さもある。マンガの良さを遺憾なく発揮してるというか。リズムよくカットを割っていく映画を観てるような気持ちよさというか。そこで描かれるのがエロってのがまた良いんですよね。
 バイトの店でやっちゃったので、エロが終わったらそのまま日常が始まる、というエピローグも良かったですよね。賢者タイム的な後悔にまみれながら掃除はするんだけど、とはいえ幸せだったよな、みたいな晴れやかな気分が最高。

新刊『トキトメキ-止まった世界で交わる吐息』紹介漫画(田中エキス

 紹介漫画2ページ、と1ページ宣伝。その名の通り時間停止モノ……なんですが、2人で時間停止するのが面白いですね。止まった世界で2人きり、というのがめちゃくちゃロマンチックな予感します。やってることは露出ですけどw この広い世界でこの2人だけが特別な存在、というのが如実に現れてて最高だと思います。

『私の旦那(ファラオ)様っ!』高津

 ファラオシリーズ。ファラオ女子というあまりに特殊な設定なのに夫婦喧嘩の内容がめちゃくちゃ俗っぽいのが最高ですね。結局はただの夫婦なんだなぁ、という実感。単なるイチャイチャだけだとエロによって結ばれてるのと区別がつきにくいですが(エロがある前提なので)、喧嘩が一度挟まれるとそれだけじゃない関係の深さを感じるというか。
 それを打破するのがエロ香水。媚薬で無理矢理みたいな話ではあるんですが、アバンタイトルで夫婦としてのイチャイチャを見せられてるのでかなり味わいは違いますよね。強制的なエロで屈服させてやるとかではなく、あの日の輝きを取り戻そうみたいな印象が強い。今回は香水によって行われてるけど、仲直りしたあとだったら香水ナシでも同じようなことにはなるんだろうな、みたいな感覚。
 とはいえ、ちょっと調子に乗った部分もあるのでそのしっぺ返しが最後に出てきてオチ。ひょっとしたらコレで死ぬ……? みたいな緊迫感w

アダバナノソノ』天太郎

 アダバナとは実を結ばない花のこと……って最近別の作品で知りました。勉強になるなぁ。
 大正ロマン百合姉妹が美しく、可愛くて最高なんですが、そっから最低なことになる。ド級のクズが2人の幸せを崩す話ではあるんですが、あの男が元凶ではあるんですが、同時にあの時代の闇を感じさせるのが面白いですね。最初にのんきに「大正って良いなぁ」とか感じてしまっただけに、「大正ってやぁねぇ……」とわずか数ページで印象が逆転する。
 クズ単体がどうこうではない話としては、最初は良識的だと思われたもう1人の男の存在がデカいですよね。助けになってくれるかもと期待したら……ですよ。あそこまで簡単に堕落してしまうとは。外部から「酷いことをしてもいい」と教えられたら抵抗なく黒く染まってしまう。ちょっとリアルを感じてしまうのが余計にイヤですねぇw
 とことん最悪なことになるんですが、 “私を見て下さい…” から一筋の光が射す。地獄のような時代、社会にいるけど、視野を狭くして目の前の愛する人だけを見ていれば……という小さな抵抗。大きな流れには逆らえず、悲劇で終わるのは間違いないんですが、その中に小さな美しい光は残っているというのラストがめちゃくちゃ感動的です。からのタイトル『アダバナノソノ』ですよね。ある意味、2人が勝利したとも言えそうなくらいの味わいがありますね。このラスト、良かったなぁ。

『砂時計』clone人間

 最終話。どうしても『ミルクまみれ』と比較してしまうんですが、こちらは物語的な要素がめちゃくちゃ濃いですね。2、3話分くらいの展開が詰め込まれてるんじゃない?? シチュエーションもすげぇ変わるし、「3ヶ月前」のくだりも面白い表現だったなぁ。衝撃の真実が、みたいな感じで過去を出す作品はありますけど、それともちょっと違いますよね。
 そんな「3ヶ月前」の特徴がメガネ。先生の先生らしさ、理性の象徴とも言えるメガネが失われて、ラストには代わりに別のメガネ少女が現れる、という展開も最高。こういうメガネの使い方好きなんですよねぇ。メガネの継承によるクライマックス感。やるなぁ。大好き。
 んで、ラストが圧巻ですよね。タイトルについて言及されるのもそうですが、シチュエーションのルックの強さがすごい。あの校舎に囲まれ、衆人環視の状況は見事でしたね。この連載はコレがやりたったんだろうなぁ、と勝手ながら思ってしまいました。

『たえちゃんとじみこさん』玄鉄絢

 第9話。今気づいたけど、枠外の人物紹介がちょっとしたショートストーリーになってるんですね。雪をテーマにちょっとした日常風景が見えてくる。うまいなw
 前話ラストで “次来た時まだ私のこと友達だと思ってたら…” “その時はお口でさせてね” で終わったんですが、今回はお口から始まる。えっろ。前回もそうだったけど、エロが始まる前、始まった後で変わらずしゃべり続けてるのが良いんですよね。ペースがまったく乱れてない感。
 んで、盗撮、バレ。徐々に百合が伝播していくのが良いですね。世界が徐々に改変されいってる感。先ほどはエロが始まっても一切動揺しない強キャラ感だったんですが、今回はエロが始まると異様にテンション上がってるので面白い。キャラクターのコントラスト。そんな姿を見て、なかば脅されてたはずなのに冷静になっちゃって、というアクションとリアクションの関係も素晴らしいと思います。

コアマガあほすたさんあほすたさん

 中古車感覚で自分を査定するあほすたさん。行動力もすごいけど、発想がすごすぎるw まぁ、一般的な仕事だとヘッドハンティングとかの際に自分の価値が金額で評価されますけど、それの女版ってことなんですかね。ただの1人の女性として査定したら安いけど、その査定に「属性」を持ち込むと激変する。あほすたさん、属性てんこ盛りなので笑った。強い……
 育児マンガ書いてる→人妻&子持ち確定→評価アップ、の方程式は笑ったわ。そんな加算も知らなかったし、まさか育児マンガがそんな形で役に立つとはw

「読者ページ」

 ホットミルクに続いてkomifloに登場。コアマガありがとう。
 ただ、ものすごーく贅沢なことを言いますと、文字の書き込みの細かいハガキがたまにアップにしても読めない……(紙版で読めないってんならまた別の話ですが)
 しっかし、ここの読者ページもめちゃくちゃ盛り上がってるので驚きます。ページ数、コーナー数、投稿数、投稿へのリアクション。密度がすごい。読者コーナーというか投稿コーナー好きとしては漫画雑誌かくあるべし、みたいな印象すら。割と廃れつつある文化だと思ってたんですが、ホント良かった。元気に続けてください……(視点がおかしい)
 「αコミュニティ」のコーナー、最初に三峰御大タッチのイラストが目に付いたんですが、このコーナーすげぇな。雑誌内でマジでコミュニティ作ってる。それが成立してるのもすごい。投稿の母数が頭おかしいレベルじゃないと無理な気もするんですけどね。
 大喜利チックなコーナーもあるので個人的には嬉しいところです。少年漫画雑誌で好きだった読者コーナーが廃止になったときには泣いたぜ……
 ホットミルクでも驚きましたが、コミメガαが同じくらい驚きました。コミュニティがとにかく衝撃でした。


 終わり。電子アンケートはありませんが(多分)、記事のまとめとしてお気に入りの作品3つ選びます。
 『旅籠幻想』『愛玩男子』『カフェハメしちゃお!』になるかな。komiflo組としては読者コーナーが最大の衝撃だったんですがw
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