北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年39号の感想

 嫌なニュースが多くてしんどい。

表紙

 『呪術』。9/30の44号が最終回らしく、あと5話(今週を入れるよね?)。突然の合併号がなければ、43号で再びの表紙でしょうね。そのときには同学年のスリーショットが見れるかも。だとすると42号までに伏黒復活が自然な形か? どっかで休載挟むだろうけど、とりあえず次話か次次話で復活が濃厚なのかな。伏黒バッドエンドの可能性は一旦除外するとして。

読者プレゼント

 坂本竜馬。強引ではあるが多様でダジャレが面白い。「夜明けぜよ」を「余ががあげるぜよ」にしてるのとか相当良い。一人称が余なのが面白い。偉そうすぎる。
 プレゼント内容が同盟らしくセットになってるのも面白いというか、そこまでの裁量があったことに驚く。今週は相当強いんじゃないかしら。アワード的に。

巻頭カラー『呪術廻戦』267話

 例によって回想で説明になるんだけど、乙骨と五条が入れ替わってるので笑っちゃった。ややこしすぎる。まぁ、「この話をするにはこのタイミングしかない」という判断なのだろうが、よりによって最悪のタイミングになっちゃった。
 ただ、この五条(中は乙骨)と五条(中は乙骨)の会話シーンめっちゃ良かった。乙骨の表情をする五条が相変わらず好きだし、五条顔になる乙骨も良かった。そして何より、五条(中が五条の意味)がちゃんと「先生」してるのが良い。ただ最強の人じゃなくて、乙骨(中が乙骨の意味)のアイディアに対して先生としての精査、アドバイスをしてる感じがすげぇ良かった。次の場面ではそんな乙骨が後輩の虎杖に対して先輩として助言する立場になってるのがエモ。
 基本的には乙骨のコピー術式の仕様についての説明……と思うじゃん? という構成が面白かった。虎杖が領域展開する回にも感じたが、ブチアゲに向けた助走が丁寧。領域展開も今回のも、ネタ自体は「そりゃ最終章ならいつかやるだろうけど」という内容だと思うけど、曲前のMCからイントロが流れる感じで歓声上げざるを得ない、みたいな気持ちよさがある。
 リカちゃんに体を食わせるくだりで反転術式持ちの同箇所を繰り返し食わせるアイディアには笑った。人の道。というかアレだな。『ファイアパンチ』の冒頭、基本設定がこんな感じだったな。最初の数話しか読んでないけど。
 ということで、最後の指の使い道。虎杖が指を食べることで始まった物語で、直前の話がリカちゃんに食わせる話、からの「彼女」の言及で指を食わない選択肢が出てくるのが最高。平和的(?)かつ持続可能的な指の使い方。とはいえ、あまりに一方的な暴力なのが面白いな。まぁ、「○○したら相手は死ぬ」みたいな能力を互いに延々とぶつけ合うような作品だったので人間サイドが、高専サイドが組織力によってチートみたいなコンボを決めるのは痛快。
 復活。正直最後がどんな状態だったか全然覚えてなかったので、眼帯が「『エヴァ』のコスプレですか?」とか思ったレベルなのだが、エヴァの「呪縛」という意味では結構面白い一致かもしれない。意味全然違うけど。てか、最後は顔をやられたんだっけ? だとしたら割と普通の処置か。
 『ヒロアカ』の内通者が青山だと明かされた回のときにも似た感想書いたと思うんだけど、あんな露骨な匂わせしたらそりゃ結果的には「そりゃそうだろ」としかならない。ただし、匂わせてからの潜伏期間がアホみたいに長いので、ファンは音沙汰もないことに勝手に一喜一憂してしまう。なので、伏線とかそういう意味では全然面白いものではないと思うんだけど、リアルタイムで追ってると「おおっ ついにか……」みたいな感慨はそりゃ湧いちゃうよなぁ。みたいな複雑な気持ち。
 あと、虎杖の地元デートの回で、虎杖の人生観を形成してきた故人たちに彼女のが羅列されてて、虎杖の主観だから別に間違ってはないけど、作品としてはそれはちょっとずるい気もする。ただ、同時に「彼女の死の真相の件引っ張ってるんですが皆さん覚えてます……?」という様子見、及び事前に思い出させる機能もあったと思うので、そういう意味では親切というか、丁寧、誠実と言えるのかもしれない。

 本編後に人気投票の結果。事前に「スクナが伏黒票奪って優勝してほしい」とか思ってたんですが、2人の票数を足しても順位が微動だにしなかったです。悲しい。いや、良かった。
 もう一つややこしいとこだと、4位が夏油で異常に人気。本作開始時にはもう故人なのに? ケンジャクは22位なんだけど、ここは逆にケンジャク人気(あるのかは知らない)の一定割合が夏油票に入ってる気がする。

『あかね噺』123話

 志ぐまの本領。なるほど、「死神」か。だよね? 私でも知ってる。伊集院光が、円楽(『笑点』司会の方でめちゃ怖い)が「死神」やるときに緊張で座布団の位置間違えてしまい、緞帳がギロチンみたいに円楽の首に落ちてきたエピソードで有名なやつ(知識の偏り)。たまたま先週の『テレ東批評』のラストでその話またしてたから、興味あったら観てみて。金曜までtverで観れると思う。志ぐま師匠もバイバイオチやってくれないかな……。
 知ったか知識で語るなら、「死神」はオチ(サゲ)の種類がいくつかあるらしいので、今回の志ぐまが、てか末永先生がどれを持ってくるのかめちゃくちゃ楽しみです。珍しくウィキペで予習しようかな。
 強者の落語は領域展開して客を作品世界に引きずり込む、みたいなバトル漫画的な描写は過去にもあったけど、作中最強格が本気出すと引きずり込んだ果てに “落語で人を殺せる” となるので笑った。笑ったけど、落語が怖すぎて死ぬとかではなく、外的な死の要因に気づけなくて最悪死んでしまう、という間接的な理屈。かなり強引ではあるものの、 “落語で人を殺せる” の一文のインパクトは素晴らしくて、正直ワクワクした。いや、「志ぐま自身は警報音聞こえてるだろ」とは思うので、ちょっとどうかと思うところもあるんだけど、人情噺の名手による「死神」が人を殺すという結論に至るのがめちゃくちゃ面白かったので好き。

ONE PIECE』1124話

 エッグヘッドのエピローグは前回がかなりキレイな形だったのでもう終わりだと思ったら、今回も全然エピローグだった。面白いは面白いし、話としてやらなきゃいけないのも分かるが、情報量があり得ないほど多いのが当たり前になってる本作の特殊性を感じる。まぁ、明るい気持ちで宴して、いざ出航とならないと次に進めないというのは分かるし、しんみりしたまま終わらないのは良かったと思う。前回だとベガパンクの話すぎたってことなんだろうな。あくまでもルフィが直情的に動いて、そして行く先を決めてこその『ONE PIECE』なので。ベガパンクの手厚いサポートが目立ちすぎるのはちょっと違う。

『SAKAMOTO DAYS』179話

 トーレス戦。サクッと勝って経験値ガッポリだと思ったら全然違った。ギャンブル狂いが放つ世迷い言を修行の指針として受け取る話になるのでマジでビビった。これはすごいな。ちょっと坂本に都合良すぎる話なんだけど、坂本の懸賞金が育つのをトーレスは待ってるので、という最低限の理屈があるのも良い。弟子の成長を待つ、という意味ではトーレス、普通に師匠してる。マジで師匠じゃん。
 バトル自体はトーレスサンドブラストがかっこいい。ほぼ手からビームだけど、コンプレッサーによる圧縮空気を使う殺し屋と聞くとどうしても映画『ノーカントリー』を連想してしまうな……。まったくバトル漫画的な殺し屋ではないので、別にジャンプ読者にオススメはしないですけど、映画史に残る殺し屋だと思います。アントン・シガー。
 ただ、 “銃は高ぇ!” と言いながら特殊コンプレッサーを使うのには「そっちのが高そう……」と思わざるを得ない。おそらくコンプレッサーで飛ばす研磨剤は雑多なものでいいから、と言いたいのだと思うが、コンプレッサーの維持大変だろ。てか、ORDERになっても銃弾とか支給されないのか……。

『僕とロボコ』198話

 麻雀及び麻雀漫画。何も知らないのでマジで今週何も分からなかった。将棋はまだ分からないなりに雰囲気が分かったのですが、麻雀は基礎用語がマジで呪文なので目を、耳をすり抜けていく感覚。ジャンプ読んでて滅多にない虚無感。
 それはさておき、私は宮崎先生の描く実在の人物が好きなので、今回は女性有名人(プロ雀師)が2人も見れて嬉しい。実際は片方知らない人だったので、調べることになったのですが、やはり良い。ひょっとしたら今の連載陣で最も魅力的に女性有名人を描く作家は宮崎先生かもしれない。単に描くというよりは自作の中に登場させた際の絵の魅力。

センターカラー『悪祓士のキヨシくん』9話

 2度目のセンターカラー。棺くんそのポジションなんだ。意外だが、銃持ちは絵になりますね。
 本編。カラー扉でも感じたことですが、裸にジャケットいかつすぎんだろ。正直彼のキャラクター的にそこまで衣装でカマすイメージが湧かないというか。タトゥー入れたときとは今の環境まったく違いますし。
 話としてはネハンが仲間入りして、組織の説明。説明するときのイメージでだけメガネをかけるアカリさんが素敵だ。安易なメガネ好き。
 そんな組織のランク。改めて見ると最強スタートなのでバランス崩壊してるよな。最高ランクだと魔王を祓える、と言われても初回から祓ってますし。まぁ、ただ強ければいいわけじゃないと痛感したことが前回の学びで、それを踏まえてリスタート、という話。海賊王におれはなる。
 説明だけじゃなく、所信表明として気持ちいいアクションがあったのが良いですね。一方的かつ遠距離すぎてほとんどバトルではないのだが、スーパージャンプして上空からドン、という内容が見ていて気持ちいい。

『カグラバチ』46話

 チヒロの面接。そもそも息子だと納得してもらってないスタートなのでちょっと笑った。忘れてたが、そんなにデータなかったか。親子関係くらい証明すぐだと思いますが、それを待つほどの猶予もない、とどんどん話が性急になっていく。なっていくというか、性急な状況だと明かされていく。先週の段階では「ハクリの存在がずるすぎてゲームバランスどうなってんだよ」くらいのこと思ってましたし、今週劇中でもそんな言及されたけど、ハクリがいてもまだまだ安心できない逼迫した状況。
 と思ったらマジでヤバい事態になってしまう。面白くなってきたじゃないの。ここまで忙しく展開していくとは思わなかった。ハクリは数日使い物にならないらしいが、それでも旅には同行するらしい。移動に数日かかるとは思えないので、ハクリワープが使えるようになるまで、というのがクリア条件になるのかな。

『ウィッチウォッチ』168話

 天才子役。何かの能力を有してるが、能力のバリエーションが豊富なので魔女とは別の超人なのか? 子役がひっそりヒーロー活動してるのとか超面白いじゃん!! と結構マジで前段に心躍ったんですが、意外と「○○の魔女」に落ち着いてしまった。いや、その内容自体は意外だったし、面白そうではあるんだけど、普通に知り合いで特に敵対もしない、というのは少し残念だったかもしれない。勝手に孤高のヒーロー的なキャラクターを期待しすぎた……。
 意外すぎるニコの弟子入りは面白そう。『SAKAMOTO』といい、意外な師匠キャラが魅力的ですね。ただ、ニコが元の大きさに戻ったら年上の師匠が年下のガキンチョになるってことですよね。気まずそう……。ニコの場合は精神年齢も変動するから余計に。

センターカラー『どくどく』三浦糀 松浦健人

 世にも珍しい連載を休む代わりの特別読切。作家はそれぞれ原作と作画。ガリョキン出身の原作ってなんだよ。これまた珍妙である(先週も書いたっけ)。
 読み終わってもタイトルの意味が分からなかったんですが、改めてカラー扉、てかタイトルロゴ周辺を見たら心拍の音ってことですね。ごめん、本編読み返したら終盤めちゃくちゃドクドク言ってたw そして冒頭の場面の衣装。
 本編。大学進学と共に始めた独り暮らし。隣には同じ大学の美術学部の人が。同居で体育館の次はお隣さんでベランダである。徹底してるな。というか、振れ幅を見せたいというより、意図的に『アオのハコ』と似た雰囲気をやってるのかもしれない。
 そしてハンバーグ。ジャンプでラブコメをやるとハンバーグ作りがち、と先週今週のジャンプ限定で成立するあるある。先週の『ひまてん』は難易度的にちょうどよかったからだと思うが、本作がハンバーグになったのは割と謎というか、偶然すごい。まぁ、ここで2人の初めての交流が部屋越しのハンバーグの音と匂いだったのは結構重要。クライマックスは視覚(景色)と聴覚(心拍)だったわけで、それに向けた助走としての味覚と嗅覚だったのでしょうね。途中で油絵の匂いも出てくる。触覚だけないですが、2人は一切触れ合うことなく心の交流を完遂したのが感動的なのでまぁ触覚は意図的になかったということでひとつ。強引だな。
 ……てかアレか。最初にハンバーグの空気を抜く「パンパン」という音が心拍に繋がるのか。すごいな、めちゃくちゃハンバーグがドラマチックな漫画だ。オチでビブラスラップを叩きたくなる。
 クライマックス。徹夜明けのベランダで、文学部と芸術学部の2人が予期せぬエンカウント。そこで夜明けの街並みを見てエモい気持ちになるが、そのエモの表現がそれぞれ違っていて……という部分がとても良かった。贅沢を言えば文学部の前フリがもうちょっと欲しかったけど、とにかくこのシーン、このワンアイディアのためだけに作品が存在する。このあからさまな感じは短めの読切ならではの魅力だと思います。好き。
 んで、夜明けの景色、世界の見え方、感じ方において2人が超深いところで結びついてエンド。「バケモノ」のイメージは事前に見せない方が絶対に良かったと思います。可愛くて好きなんだけど。景色であり絵の話なんだけど、彼女にとって重要だったのは「心拍」だったという意外性も良かったですね。
 それはさておき、主人公が運命の一枚を見つける話なので、『ブルーピリオド』っぽくもありますね。実写映画めっちゃ面白いのでオススメです。漫画やアニメ知ってても知らなくても楽しめると思う。
 終わり。やはりショート読切は良い。これ以上長くなると「無駄な場面が一つも存在しない」という贅肉ゼロの構成美みたいなものが難しいんだと思う。

『キルアオ』66話

 新しいクラスができるらしい。ユニコーンを消化しきってないというのにユニコーンが拡張されてしまった。まぁ、今までのユニコーンは殺し屋の話と乖離した存在だったが(獅童で初めて少し重なる)、ここで完全に殺し屋の話とユニコーンが重なることになるのですね。おそらくだけど、年齢はちゃんと学生の範囲を守ってそう。よく考えると謎の縛りだが、本作のver.2的な土台作りとしては面白そう。
 んで、次はタッグマッチ。空手と、もう一人は傘を剣のように使うから剣道もしくはフェンシングか。後者だろうな。ただ、フェンシングのサーベルってかなり特殊な作りなので傘で疑似的にフェンシングすることって可能なのだろうか。ものすごくしならせて戦うわけじゃん。そういう意味では剣道のが面白そう。まぁ傘はそこまで重要じゃないって話かもしれないが。

『ひまてん!』7話

 叶さんのターン! どうでもいいけど毎回カノウで変換してます。ごめんなさい。
 そんな叶さんの友人。すごい極端な人が出てきて驚くが、ひまりのキャラクター的にも小野先生は極端なキャラの方が得意なのか好きなのか、って感じじゃないかしら。そういう意味ではおとなしめの叶さんのターンは楽しみでもある。まぁ彼女も十分極端なリアクションしてるのだが。
 ということで殿一をお笑いライブに誘うの巻。失敗するが、すかさずひまり。恋愛がどうこうではなく、あくまでもフラットな友人として背中を押すひまりがナイスであった。ここでも「頼む」「誘う」などのキーワードが仕事中心の発想をしてるのが彼女らしい。ここの徹底ぶりはホント面白いですね。叶さんはこの仕事要素が弱い(バイトはしてるが)ので、その公私の対比がどう光ってくるか楽しみです。
 ひまりによるヘアアレンジ。図書室での秘密の関係が、第三者とのデートの話になっても活きてくるのが面白い。ひまりの善意という意味でも良い場面だが、たぶん男の髪をイジる機会少ないので面白がってる側面もあると思う。勘ぐりすぎかしら。
 と思ったら叶さんの髪にもひまりが関わってくるので笑った。ひまりとひまりのデートじゃん。やっぱ善人性もあるけど、好きだからイジりたいって気持ちも少なからずあったんじゃないかな。もしくは「私ならうまくやれる」というスキル由来の軽い使命感。
 マジでどうでもいい話だが、高校生同士で、デートじゃないにしても遊びとしてお笑いライブ行くんだ……とカルチャーギャップを感じた。ジェネレーションギャップも含まれてるのかもしれない。映画の代替物ってニュアンスもあるんだろうな。映画だと「泣くところが一緒」みたいな展開が定番ですが、お笑いライブだと笑うところの一致にときめいたりするんだろうな。笑いの趣味が合わない場合は映画以上に断絶が生じそう。逆に「こういうのが好きなんだ……」もありそうw

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』239話

 カラー扉。既存の開花春来組。とはいえ四怨が特大。あのオーラは開花春来共通のもので、白らしい。改めてになるけど、金剛力士像みたいな辛三のデザイン好きだなぁ。
 本編。四怨のバトル。思ってたよりもめちゃくちゃ戦うので面白い。ゲームのバグ(技)モチーフが徹底してるのも良いですね。彼女らしさもあるし、バトル漫画のモチーフとしての新鮮さも感じる。
 まぁ、 “あたしのバグは仕様” の文章はちょっと何言ってるか分からないというかバグの定義が崩壊してるんですが、とはいえ生まれつきの四怨と仕込まれた相手では決定的に違う、というのは分かりやすい。
 んで、四怨の決め技。先週『魔法少女まどかマギカ』っぽいと思ったんですが、本当に『まどマギ』だった。急にゲーム関係ないのだが、単に好きなんだろうな。四怨と権平先生が。みんなで新作の公開延期を嘆きましょう。

『鵺の陰陽師』63話

 冒頭、あっちもこっちもオラついたジジイが出てきて大変よろしい。思わぬ金脈というか、本作の伸びしろだと思う。強いジジイ。
 ライセイ、先週「元カレ」という感想を書きましたが、そいつが今の恋人を紹介してきて大逆転。鵺陣営大ピンチかと思ったら、そこに学郎が到着。こっちも今カレじゃん。熱い。いや、契約という話なので別に恋人モチーフと考える必要はないんですが、少なくとも鵺さんとライセイの関係にはその匂いがあったし、意図的な作りだと思う。
 それはそうと、最終ページ。見開きがかっこいいのですが、下段の中央左に謎のスペースがあって気になる。ちょっと不自然じゃない?

『逃げ上手の若君』169話

 顕家の最後。「まだ死んでねぇのか」みたいな印象は正直ある。漫画的な都合は分かるのだが、先週の尊氏の逃走が漫画的な都合よりも歴史的な都合を優先した印象にあるのでチグハグというか。
 顕家最後の活躍が味方を逃がすための奮闘だったのは良い。そこで2つの矢を放つのも良い。折れた矢というポンコツで若に矢を当てるのは無理のある話だと思うが、若が敵の殺意を察知するタイプの逃げスキルだと考えればまぁ納得。というか、ここは漫画的な都合で全然飲み込める。顕家の死を経験することで若が大人になる、というのが感動的ですらあった。
 ただ、正直な話、もう一矢の方がチンプンカンプンだった。「いや花は咲かんでしょ」と冷静なまま終わってしまったというか。花が咲いて感動的なのは分かるが、若はともかく配下たちが冷静になって退却に転じるのもちょっとピンとこなかったというか、イメージしづらい。そもそもあんだけゴチャゴチャした戦いが行われた場所では踏まれて花も咲く元気ないでしょ。イメージしてた人口密度と食い合わない。

『願いのアストロ』18話

 寅三到着の秘密。先週の段階では「そりゃ気合いと根性で余裕でしょ」とか思ってたんですが、しっかりした理屈が用意されてるので意外でした。ただ、人も転送できるならもっと前の段階で他の作戦もあり得たんじゃないかと気になってくる。便利の度合いが桁違いである。
 シオウのアストロ。作中の推測ではあるが、普通に念動力っぽい。シンプルすぎてバトル漫画だと逆に珍しいですね。あくまでもガレキ経由で防御したり攻撃したりしてるので、人体や敵意のある人を動かすのは不可能なのかな。
 そんな念動力の能力とも関わってくるが、とにかくシオウは動かない。本人はかっこつけた立ちポーズのままで、こちらがなりふり構わない奮闘。この対比が面白くもあり、同時に「シオウを動かしたら勝ち」みたいな印象も湧いてくる。そんなシオウを最初に、ほんの少しだけ動かしたがヒバルの「10%」発言。攻撃ではなく、ヒバルのポテンシャルに動揺する、というのが最高でしたね。最近ずっとヒバルの王としての資質が語られてるけど、ここも「俺よりも格上……?」という動揺。ビルの屋上でガレキを操ってる状況で「ビルごと」というスケールの話を持ってきたのが見事ですね。まぁ、あのときのビルは今回ほどの高層ビルではなかったと思うけど。
 キンパ。透明なので不意打ちは分かるが役回りが怖すぎるので同情するわ。初めて攻撃を当てて動かした大活躍なんですが、「見えたぞ」と睨まれるコマが怖すぎる。映画『ジャスティスリーグ』のスーパーマンだ。
 そんなキンパの危機でヒバルがさらに加速。いよいよシオウの対応もギリギリになってきた……というのを彼のポージングで見せてるのが良い。シオウのかっこつけ度合いで戦況が分かるw 掴んでたキンパを離すことになったのもそうですね。まぁたしかに、ヒバルのパンチとの間にガレキを高速で持ってこなきゃいけないので、結構しんどそう。咄嗟に反応できるように常に周囲にガレキを漂わせておく(転がせておく)、みたいな準備があるとより強そうだが、シオウはたぶん「ただ突っ立ってるだけなのに強い」というかっこつけ込みの存在なので(ヤクザだから自分を大きく見せる必要もあると思う)、そういう実戦的な、慎重なアイディアは嫌うのかもしれない。

『アンデッドアンラック』219話

 風子が右手の手袋を吹っ飛ばしてロケットパンチのように不滅を上空に吹き飛ばす。いや無理でしょ。普通のパンチを直接当ててもそこまでの威力出るか怪しいのに、手袋放っただけで。不運関係ない強さの描写がどんどんロマン重視というか、荒唐無稽な方に突き抜けている。
 空中戦を経て東京へ。要するに初回の再現ということなのでしょう。正直細かくは全然覚えてないけど、新宿で自殺しようとしてて……くらいは覚えてる。
 不滅の街ごと吹き飛ばす巨大攻撃。 “ボクの作った影に入ったからね” とわざわざ太陽との位置関係をを意識させる影という言葉を持ってきたのが良い。いや、厳密に言うと、攻撃範囲の説明で影を持ってくるのはちょっと強引だとも思うんですが、太陽からこちらに向かってきてるアンディのことを思うと全然飲み込めるレベル。
 んで、アンディが到着してすぐさま攻撃。ここで風子がアンディの手を握って不運を付与する絵面が感動的なんですが、その前フリとしての手袋攻撃だったのですね。流れとしてはめちゃくちゃキレイだ。手袋攻撃の威力はどうかと思ったけど。
 ……まったく作品とは関係ないですが、『ドラクエウォーク』の新しいガチャ武器の内容が、敵に「不運」のデバフを付与するものだったので「おいおい 風子かよ」とちょっとテンション上がりました。欲しいけど、この次のガチャが本命(周年のタイミングは強い)のでステイ。

『超巡!超条先輩』27話

 沼先生のガストでのお供、うな重が有力視されてるらしい。意外なのが来たな。ちなみに私のお供はマヨコーンピザです。バカみたいなメニューの割にしっかりとうまい。
 本編。超巡イメージアップのためにテレビ撮影が入る。送り込んだのは警視で、超巡が引き受けるのはポンちゃんを不憫に思ったから、という準備段階が丁寧。変人たちが変人なりのロジックでふざけたエピソードが成立してしまうのが毎度毎度見事ですね。
 それはそうと、ポンちゃんが「美少女」と呼ばれてるのは違和感だった。若いとはいえ現役婦警に使う言葉ではないよな。まぁ「美女」っぽくもないので他に適切な言葉がなかったという感じだろうか。あと、ポンは「可愛い」より「美」の方が喜びそう。
 クソダサ演出が加わっていく、という話の流れは理解できるし、実際面白かった。笑いもしたのですが、オセロを一斉にひっくり返して「クロだ」という決めゼリフには不覚には「普通にかっこよくない?」と心が動いてしまった。幼稚な演出と言いたいのは分かる、分かるのだが、かっこよかったんじゃないかな……。
 演技な下手なポンちゃんを補うためにロボ設定を加える。脱線ですが、当時訛りがきつすぎたため役者として苦労していたアーノルド・シュワルツェネガーは『ターミネーター』でロボ役をやることでセリフ量がそもそも少なく、訛りのきつい英語も「逆にロボっぽい」という説得力を獲得したんですよね。つまりポンちゃんシュワちゃん
 ディレクターが改心することで、番組は「とても丁寧に作られた」ものになるんだけど、例のオセロ演出は使われてるようで、ちょっと具体的にどういう番組だったのか知りたい。オセロ演出した時点で丁寧もクソもないと思うのだが。ただ、キッズ人気が高まる、という点では分かります。実際心躍ったし。

『極東ネクロマンス』17話

 薫の死亡は確定。ただし、死者蘇生の術が存在する……ということで話が始まる。これは面白かった。バトルは完全に終わったと区切りを入れて、非バトル的な話に特化する。薫が助かるというのは話的に都合が良いが、死者蘇生は禁忌なのでその罪を耀司に押しつける、という「悪あがき」という扱いなのが良い。
 ただ、悪あがきというのはただの体裁っぽくもあり、「急に同窓会始めんなよ!」と言いたくなるくらい仲良しな雰囲気になっていく。急でびっくりはするんですが、戦う体力を失い、2人にとっては部外者である薫が一旦退場したことで敵対関係から解き放たれた2人の仲良しタイムが始まる、というのはちょっと理にかなってる気もしますね。「それどころじゃないだろ」というのはさておき。
 さらに、ここで久々に耀司の小説家設定が遺憾なく発揮されるのも面白い。バトルも面白いは面白かったが、正直今回の仲良し同窓会っぷりの方が好きかもしれない。バトルを経た2人の魂の会話という感じでめっちゃ良い。
 ちなみに “何かの匂いを嗅ぐと不意に 昔の事を思い出したりしない?” という現象は一般的に「プルースト効果」と呼ばれ、これは小説『失われた時を求めて』の作者の名前に由来する。要するにトークテーマそのものが文学要素たっぷり。耀司ならプルースト効果知らないわけがないので、劇中で説明してもおかしくないんですが、ちょっと脱線感もあるので意図的に省いたんだと思う。薫という名前がこんなところに結びついてくるとは意外で、かつ本作らしくてめちゃくちゃ良かったです。てか、今週のジャンプ、『どくどく』といい本作といい、文学ネタが多めですね。

『さいくるびより』15話

 読心の共有。超能力が成長したとかではなく、 “22歳で能力に目覚めてから” “人と手を繋ぐとかなかったし…” となるのめちゃくちゃ面白いな。大人あるあるでもあるし、理屈の細かさが本作らしくて好き。
 読心の共有を使った勉強法。イメージとしてインストールされるのではなく、あくまでもテキストが流れ込んでくるので勉強できないサイドの役には立たない。ゲームうますぎる人のプレイ動画を見ても参考にならないのと同じというか、判断や選択が速すぎて理解が追いつかない。
 なので、逆に勉強できない人の思考を読むことで分からないポイントを正確に把握でき、正しく最短の方法で教えることができる。相変わらず細かい話をやってるが、その理屈がめちゃくちゃ面白い。よく勉強を教わる際に「何が分からないのか分からない」となりますが、これは真理だったわけだ。
 という勉強を教えて補習を回避するのは前段。本題としては、ことねの母が意識不明なことの理由が分かる。真相は夢のサイクで、夢の中で起きたつもりで幸せに暮らしてる。出た、みんな大好き『インセプション』だ!! 夢の世界に入る実際の理屈は違うが、「共有」を介して夢の中に入るのもちょっと『インセプション』っぽい。
 漫画としては、重要エピソードの途中で長い回想シーンに入った物語の根幹部分の真実を知る、というかなり定番の展開なんですが、その回想シーンそのものの存在が物語上大きな意味を持つというか、本作らしい設定を使って描かれてるのが面白い。
 最高に面白くなってきたのですが、先週も感じたけど、ちょっとことねにつらい物語を背負わせすぎ……みたいな気持ちにも少しなってきたw まぁ、今回の夢がつらい話と確定したわけではないけど、わざわざ夢の中に囚われる、それもおそらく本人の意志で閉じこもってるわけだから良い話ではなさそうよなぁ。

妖怪ハンター村上』10話

 総大勝争いとしてドラゴンの元へ向かうが、イルカ。この回が先週載ってたらショートフロンティアとのバッティングが面白かったでしょうね。どっちもドラゴンの話なのにドラゴンがまったく出てこない。
 自称ドラゴン、ふざけた奴だが、事実を認めず嘘を言い張るのが意外と村上に刺さる。論理の土台が存在しないので論理もクソもないw
 そんなふざけた話の途中で、村上の「言霊使い」設定が明らかにされるので笑う。しばらくは匂わすだけで放置すると思ったら早速、それもすげぇ軽いノリで確定する。これ自体は面白かったが、正直なところ村上にはただの中学生のままでいてほしかった気持ちもある。まぁ、これは『ヒロアカ』を読み始めて「デクは無個性のままの方が良かった」となるのと同じ現象かな。最終的にデクは無個性に戻ってその上で最高のヒーローになったから良かったね!!
 紅院のサポートからの村上でフィニッシュ。自分をドラゴンと言い張るからこそ成立するワンクッションが面白くてちょっと感心してしまったのですが、よく考えたら紅院の攻撃の時点で「イルカが嫌がる音声のはずなんですけどね」とか言えば効果はあった気がする。
 んで、紅院が「海賊王におれはなる」構文を放ってエンド。 “総大将には僕がなる” という言葉の順番が丁寧になぞってるので良い。さすが『恋するワンピース』作者である。話としても熱いんだけど、今回の敵が結局のところ「ただのイルカ」だったのも利いてますよ。イルカなのに四天王まで上り詰められたわけで、それならただの人間、言霊使いですらない人間が総大将になるのも夢ではない。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 8月のネタハガキ東西戦。お題は「『夏を制する者は受験を制す』…みたいな格言を考えよう!」。ネタの内容とは別にちょくちょく「制する」で締めてる人が発生してる現象が面白かった。お題から逸脱してるとも言えるのだが、文章の流れ的に「制する」で締めた方が面白い、というのは間違いなくあるよね。語感大事。
 東。照りさんの「赤羽と池袋を制する者は埼玉県を制す」。実質埼玉県みたいなネタ、以前は池袋だけが定番だと思ってたんですが、いつの間にか赤羽も仲間入りしたのですね。池袋と肩を並べるのは恐れ多い気もするんですが、ありがたいです(北区民視点)。
 たてぶえサックスさんの「川上のポジションを制する者は流しそうめんを制する!」。お題の夏はあくまでも例であって求められてるわけじゃないんですが、夏感あって好き。制するという言葉を使うほど大したものではないところも良い。
 西。ゲインズさんの「先生のモノマネを制する者はスクールカーストを制す」。これは間違いなくそう。今回の中で一番格言感があったというか、納得してしまった。学校の外ではまったく効果を持たないのが儚くてまた良い。
 ブルーブルーさんの「YESをSAYする者はチャゲアスをせいいえす」。制するの部分で遊んでくるとは……。反則スレスレな気もしますが、上の句の時点でもう笑ってしまったので負けだわ。かと思ったら下の句でもしっかり捻りが入ってて強い。強引さもありつつ、思わずあのリズムで言いたくなってしまう気持ちよさもあって最高。

次号予告

 『カグラバチ』が1周年で表紙。何か賞を取ったらしいですが、タイムリーですね。てか、『ツーオンアイス』と『魔々勇々』も1周年ってことですね。めでてぇぜ。
 あとは『ひまてん』がセンターカラー。まぁそりゃそうか。『村上』は巻末固定だから例外ということで。
 あとは手塚賞準入選のが掲載。ゾンビらしい。ふざけたタイトルにも見えるが赤塚賞ではないのね。
 個人的な楽しみとしては『ひまてん』だろうか。映画館デートの代替物としてのお笑いライブ、意外なほど興味が湧いてる。

目次

いつか原作と作画でできたら楽しいね~と話してたのがこんなに早く叶うとは! <健人>
(『どくどく』)

 そんな交流があったとは意外。

メガネを外して目薬持って蓋開けてまたメガネ外そうとしちゃうの笑っちゃう
(『さいくるびより』)

 メガネをかけたまま目薬しようとするのは比較的あるあるだと思うんですが、二度外そうとするのは珍しいケースだと思う。

愛読者アンケート

 ナツコミ。知ってるが買ってない。映画『ユアネクスト』。1回観た。入場者特典。満足。観た感想。非常に面白かった。ジュリオという奇跡に感謝。

総括

 1日遅くなりました。やはり合併号でリズムが崩れたというか、気持ちの作り方が崩れた。このまま木曜更新になっちゃうと、週のうち4日もジャンプに費やす、ジャンプ記事の借金背負いながら過ごすことになるので、さすがにそれは勘弁です。頑張る。

 今週のベスト作品。やはり『どくどく』だろうか。特別読切ながらショート作品らしい凝縮感があって面白かった。
 次点は『呪術』『ウィッチウォッチ』『極東』。

 ベストコマ。『アンデッド』のラスト。『ダブルアーツ』みも感じた。例えが古い。

 ベストキャラ。これは『SAKAMOTO』のトーレス。釘崎ではない。そこまで熱狂はしてない。むしろ「お前が師匠ポジかよ!」というトーレスの方が気持ちの良いサプライズだった。
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