北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年38号の感想

 初めて牛カツ食べました。おいしかったんですが、肉が真っ赤でビビりました。明日死んだら牛カツのせいです。

表紙

 『ウィッチウォッチ』。アニメ化発表であった。超意外。人気的には納得なんですが、今週とは1ミリも考えてなかった。重大発表みたいな予告、しなくなったのですね。ただ、よく探したら「○○○化する」という本編の予告があって、アニメ化だ。ちゃんと本編がそういう話だし。
 それはさておき、「アニメ化どうやるの?」と以前から気になってる。物語の本筋と日常回のバランスが悪い(別に悪くはない)ので、12話くらいでアニメ化したら普通に日常回まみれで終わりそう。アニメの脚本家(とかシリーズの編成考える人)の仕事大変そうだ。めちゃくちゃ内容が気になるけど、正直なところそこまで熱心にアニメ追いかけたいほどのファンではないんで悩むところ。
 表紙イラスト。ニコが久々に大きいですね。放送開始直前なら分かるけど発表のタイミングでやらなくてもいいと思いましたがアニメ版のキャラデザが大きい方しかないのか。その雰囲気に似せるのもコンセプトだと思うので。

読者プレゼント

 ウェスタンのガンマン。ガンマン的なワードは多いが、あまりダジャレとしては成立してなくて個人的にはいまいち。ぶっちゃけ西部劇っぽさも感じられなかったし、テーマが上滑りしてるような印象。

巻頭カラー『ウィッチウォッチ』167話

 アニメ化する話。本作らしい、篠原先生らしい仕掛けで面白かったのですが、これ電子版だと(一部)カラーになってたりしないのかしら。せっかくだからそれくらいやってほしい気もしてくる。まぁモノクロでも、単行本に収録された元カラーページという雰囲気あるのでお見事なんですが。……というか、アニメ制作陣に描いてもらったってこと? 絵を見るセンスないので自信が持てない。
 世界の違和感に気づくモイちゃん。よく分からなかったんですが、アニメだとボーダーの服って禁止なの? それとも今回発表されたアニメイラストの服が無地だからってこと? ちょっとお馴染みの変化みたいな言い方してて不思議な気分になってしまった。
 世界が偽物なのではないかと察するモイちゃん。『マトリックス』の話からテレビ画面に触れ、そこから現実(漫画)世界へと移行。『マトリックス』だと鏡であった場面ですね。それをテレビアニメ化という扱いにし、さらに貞子ネタに繋がるのが超良かった。発想の膨らみ、連結、連鎖ぶりが圧巻である。まぁ、よく考えたらアニメ化なのに映画ネタばかりなのは不思議な話ではある。
 プリプリ。真っ先に「プリプリのお尻!!」と思ったので(例:散歩中のコーギーのプリケツ)、それをわざわざ “食感じゃないしなあ” と否定しておいて、最後のオチが怒りのプリプリだったのは納得できない。全然うまいオチじゃない。

『カグラバチ』45話

 めっちゃ前の方にいるが、今後の方針を語る説明回でめっちゃ地味。いや、個人的には全然面白かったからいいんだけど。
 所有者と妖刀の設定が組織間の膠着状態を生むが、そこにハクリのワープルールが絡んでくるので、チヒロ陣営がほとんどズルと言いたくなるほど便利。ちょっと難易度の高い話に見えないのでそこはどうかと思うんですが、四天王的な要素はやはりワクワクしますね。その場所もそれぞれインチキジャパン感あって素晴らしい。

ONE PIECE』1123話

 ベガパンクの回想。ちょっとミステリーっぽい要素もあったので、こういう仕掛け面白いですね。そして、読者が知ってるすべての始まりである、ルフィたちの上陸に至って回想が終わり。これにてエッグヘッド編閉幕!!(見開きクソデカ文字) 次の目的地がエルバフなのも含め、なかなかアガるエンディングで良かった。海軍に包囲されたけど覇気爆弾のおかげで一瞬で勝負がつく、というのもメリハリというか、分かりやすく盛り上がれて良いですね。地味かつそれほど危機感なさそうな逃げながらの戦闘とかやっても面白くなさそうですし。
 回想の仕掛けは面白かったが、記憶の消去というのはちょっとずるいというか、オモシロギミックとしてちょっと安直だった気もせんではない。まぁ、世界一の頭脳を持つから成立する、という意味では納得だが。あそこまで細かく見通せるのはベガパンクならではですし。

『SAKAMOTO DAYS』178話

 キンダカ、師匠の件をあっさり受けてくれる。一応先週の戦闘でシンと平助のことを気に入ったから、という前提があるのか。先週「このバトル丸々意味ないよね」とか思っちゃったけど、一応あったわ。ごめん。
 2人はいいが、坂本は現状めっちゃ強いので、そう都合良く師匠になれる人がいるはずもない。ということで実戦あるのみ。経験値稼ぎみたいなノリでORDERと戦うことになるので笑った。まぁ、ORDERといっても入りたてなのでそういう意味ではちょうどいいバランスか。強さ的にも、ドラマ的にも適度にどうでもいい。ギターの方はもうちょっと強さのキャラが立ってるので温存、という判断も分かる。
 からの夏満喫アクション。電信柱のセミも良かったし、トルコアイスの「のび~る!」も笑った。看板を擬音の代わりにするんじゃないよw

『僕とロボコ』197話

 合併号明けであり、そこに『ヒロアカ』ロスが加わって最悪。もうすぐ『呪術』終わるっていうのにどうするんだ。本作的には『ヒロアカ』より『呪術』の方が重要だからそっちもネタにせざるを得ないと思うけど。まぁ「頻発しすぎじゃない?」的な言及をすれば済む話か。便利だな。
 OFA再現の独り言。精神世界イジリが面白かったんですが、たしかに『ヒロアカ』最終章はちょっと精神世界の要素多すぎた気はするな。独り言しすぎ(違うが)。『呪術』も絶賛精神世界だし、大変だな。
 『ロボコ』にしては最終回についての具体性がないので、最終回を読まずに描いたってことでいいんですかね。たぶんだけど『ユアネクスト』もまだ観てない気がする。どうせなら先に最終回見せてあげれば良かったのに。面白く調理してくれそう。
  “それに連載は終わっても アニメに映画にヒロアカはまだまだ続きます!” というロボコの発言、「映画はまだ続くってこと!?」と一瞬驚いてしまったんですが、文脈的に『ユアネクスト』のことらしいので残念。『ユアネクスト』の方が最終回より先なんだからややこしいぜ。宮崎先生が秘密の情報ポロリしてしまったんじゃないかと期待してしまった。いやしかし、マジで映画もう一本やってくれないかなぁ。

センターカラー『あかね噺』122話

 あかねの落語ヴァース。具体的にどういう落語になってるのかイメージしづらい部分もあったんですが、今回の描写と説明はかなり分かりやすかった。フリースタイル落語というのに集大成感があり、それが師匠への感謝の表れとなってるのも良い。良いが、正直この落語って落語知識がないライトファンは全然ついていけないんじゃないかと少し心配にもなる。『デッドプールウルヴァリン』観て「ネタが多すぎたけど大丈夫だった?」ってなるのと似てる。まぁ、これもあの映画と同じで「何かいろいろ楽しそうなネタがあったのは分かる」くらいの伝わり方でも全然楽しめるのかもしれない。

『夜桜さんちの大作戦』238話

 お次は四怨と七悪。さすがに二三みたいな1話完結は無理でした。単純に戦闘に時間がかかるってのもあるけど、登場キャラが多いという点も大きい。金級の人裏切ってばかりだったけど、ここでようやく普通の仲良しが出てきたのも嬉しい。そしてやはり四怨にはショタをあてがうのが決まりなのですね。3カ所も配備されてるので笑った。
 んで、四(敵の名前)。こいつが珍しく自らの意思で旦に協力してて面白い。家族論のぶつけ合いになるのがバトル漫画らしくて良いですね。まぁ、一番幼いから旦の邪悪さを知らず、盲信してるだけな気もするんですが、一応彼が超人だからこそ家族大好きに至った、というような扱いではあった。
 四怨変身。一度全裸を経由するのが趣味丸出しで笑った。嫌五の全裸は自己愛由来の変態だと思うけど、今回の四怨は少女(アニメ)趣味の発露としての全裸。微妙にニュアンスが違う。全裸の機微。
 魔法少女飛び越えて神になっちゃう感じで『魔法少女まどかマギカ』を連想したんですが、あれの新作映画、まさかの1年延期なんだってね。延期はいいけど、丸1年も延びるのはちょっとショックであった。コロナ禍かよ。

『呪術廻戦』266話

 あと5話なんだって。『ヒロアカ』はあと5話の段階で誌面でひっそり発表されてたから、さすがに『ヒロアカ』の方が扱いは上と言えそうですね。そりゃそうか。なんで映画の売上がこんなに違うのかは謎です。オリジナル4本も作ってる方が偉いと思うので報われてほしいのですが……。それはさておき、最終決戦の内容的にカウントダウン宣言されると、『ヒロアカ』よりも本作の方がテンションが落ちる。『ヒロアカ』と違って本作はラスボスが1人で、それとずっと戦ってたので、「あとはもう倒すだけぁ……」というRPGのラスボス直前でやる気なくなるのと同じ現象が強い。ただ、最終章自体は本作の方が面白かったと思う。というか『ヒロアカ』があまり……。
 本編。必中と言ったがスクナはほぼエンドレスで時間稼ぎができる。ので「結局殴り合うんかい!」というのが本作の愛嬌。ただ、ここでスクナの4本腕にフォーカスしたのは面白かったな。フィジカル面の重要性が徹底してる。から殴り合う。要は『ドラゴンボール』でいう両腕使わないであげるやつ。フリーザだっけ?
 せっかく思い出の地で戦うので背景をもっと見たい気持ちもあるが、漫画だと難しいのだろうな。ここはアニメだと映えると思う。てか『シンエヴァ』ですね。アニメで観れるのは何年先の話だろうか。てか、先週の感想で仙台って書いちゃったと思うんだけど、後に仙台に移ると名前が出ただけで現在の地名は出てないんでした。どっかで見たが岩手らしい。読み方が雑。知らない土地から知らない土地だったもので。申し訳ねぇ……。

センターカラー『アオのハコ』161話

 本編ではちょっとだった水着がカラー扉だぞ。よかったな。下も少し見えるし、昼間なのでイマジナリー水着ショットだ。
 本編。3年との挨拶と新学期。エモめな場面はあるが比較的サクサク進むというかセリフナシでダイジェストっぽい進行の場面もあって、大喜のキス後故の心ここにあらず感もちょっとあったんじゃないかな。
 からの匡、からの菖蒲。菖蒲のヘビヘアーが似合ってなくて可愛い。というかキレる女性のイメージとしてメデューサになるのでよく分からないというか、ふんわりしてますね。
 そんな菖蒲の “恋愛のイヤなところ” 。最近忘れてたけど、そうだった。この視点面白いよね。掘り下げられそうで楽しみ……と思ったら早速デカいのが来るので笑った。突然すぎるだろ。いや、この突然来る感じが菖蒲の日常なのかもしれない。クラス替えで別のクラスになって焦ってたところで遭遇してしまったので「今しかねぇ!」と張り切っちゃったのかな。恋する男子の顔を見せて事前に菖蒲が察するのが面白い。緊張が伝わるとかではなく、「はいはい知ってる」という感じ。

『鵺の陰陽師』62話

 鵺さんの元カレ登場。気まずいぞ。若干『呪術』っぽい話にも思えるんだけど、男女ということで元カレ的な見立てを楽しめるのが良いですね。
 感情に敏感な子ガラスたち。キョトンからの爆笑とかちょっと可愛いじゃないか。からの圧死。鵺さん相手の噛ませ犬かと思ったら第三者だったという意外性もあり、扱いが極端でちょっと好き。
 見開きで増援。右ページに2人、左ページにジジイが1人。横に広がるジジイのポーズや謎の4本刀もかっこいいんですが、その後の空中でのウンコ座りが良かったなぁ。強キャラ(てかイキリ)のポージングとしてウンコ座りはまぁ定番だと思うんですが、空中からの見下ろしウンコ座りというのが良い。別にだから何という話ではあるが、パッと見のワクワク大事。

『悪祓士のキヨシくん』8話

 キヨシに打つ手ナシでどうするのかと思ったら、上司。よその上司とのトラブルには直属の上司をぶつけんだよ、というめちゃくちゃ現実的な落とし所だ。感情論みたいな話からの急に現実的に有効な展開に繋がるので面白い。
 そんな味方上司、「最高位も一目置く」という謎のランク付けなのも面白い。いきなり最高位出したのはいいけど、いろいろバランスが大変になってきた感。
 そんな味方上司が、強さとはまったく別の評価軸の事務手続きによってネハンとジャックジョーを救ってくれるのも良かった。頼れる上司って感じのデクだ。この話の流れでここまで上司感を徹底してくるとは思わなかったよ。
 一件落着。板挟みだった同期の猿芝居も可愛いし、それを真っ直ぐ受け止めて感動するキヨシも良い。大人のしがらみも感じるどうしようもない問題だっただけに、2人のピュアさが光る。
 てか、ネハンが結構強そうな魔王と契約結んだので今後もバトル要員として関わってきそうですね。これは朗報。『鵺』の膳野パターンからは回避。本当に惜しい人だったよな……(死んでないよ)。

センターカラー『幼稚園WARS』千葉侑生

 久しぶりのジャンププラスからの出張版。何となく人気なんだろうなぁ、とサムネを見る日々でした。2周年記念でいろいろ企画やってるんですが、サイン会が結構驚き。本誌の作家だとサイン会ほとんどないよなぁ。羨ましいです。
 簡単なあらすじと人物紹介。先生の紹介しかないのでたまげた。漠然としたイメージで、幼稚園児が銃持って暴れるのをもっと強い先生たちが振り回される、みたいな話だと思ってました。まさか大人キャラ中心で園児がほとんど背景扱いとは。てか、サムネでぼんやり見流していた主人公のリタ先生、これが園児だと思ってた。申し訳ねぇ……。
 本編。要人の子供を狙う不届き者が幼稚園に来るので先生たちがお出迎え、という感じ。なるほど分かりやすい。良い出張版だ。めちゃくちゃ良かった。面白そうだし、キャラの人気もありそう、とか勝手にイメージできる。ただ、本編内での先生たちの細かい説明がないまま4人くらい一気に出てくるので割と名前は混乱する。ぶっちゃけ男性陣の顔似てるし、敵が男2人だし。男性陣がイケメン扱いされるのも面白いし、漫画の絵として説得力もありつつただのキラキライケメンではない漫画の絵の魅力も感じられて好きは好きなのだが。さすがに名前の把握は無理。させるつもりもないだろうが。
 細かい紹介や掘り下げはしないけど、ラブコメ的な人物相関図の面白さが一発で分かる「○○を見てドキドキしてる××」の連鎖のコマは素晴らしかったと思います。出張版としての仕事を完璧にこなしてる。直接矢印が向くわけじゃない観察者的なポジション(それでいて外から性的に見られてる)のルークが一番人気というのも何となく分かる、というか人気が想像しやすい。
 アクション。日常にあるモノを使ってオモシロアクションをするのを「殺し屋アクション」とする傾向、なぜかありますね。銃社会じゃない日本ならでの現象なのかな。こういうアクション、古い有名所だとジャッキーチェンだと思うけど、あの人は別に殺し屋ってイメージないよね。最近の大手だと『ジョンウィック』シリーズだと思うが、武器がオモシロ化するのは2作目以降(3作目以降かも)だと思うし、本当に起源が分からない潮流だ。
 そんな謎潮流のオモシロアクション。面白いは面白かったのだが、オモシロ方向の煮詰め方が今週の『SAKAMOTO』が強すぎるのでちょっと印象は薄い。世はまさに大殺し屋時代。今週は特にギャグのニュアンス強めのアクションだったからなぁ、さすがに分が悪い。
 楽勝からのラブコメで苦戦。なるほど、このシステムは面白い。女性殺し屋が出てくる余地がないのが残念ではあるし、みんな同じ顔なので連載が心配になるが大人気で2周年なので大丈夫なのか。顔が同じだからこそ「属性」が際立つというメリットはありそう。
 面接。ここでジャンプ本誌ネタを入れてくるのも出張版らしくて楽しい。作者が「やったぜ本誌だ」と喜んでるのが伝わってくる。少なくともそう装ってるのが伝わってきて面白い。正直 “週に2回は買うぜ?” が超面白かったので、オチより好きだな。というか『名探偵コナン』はプラスの俺ちゃんもこないだネタにしてたし、プラス勢、コナンくん好きすぎだろ。どちらも「禁断のネタ」的な扱いなんですが、『名探偵コナン』だったら『キルアオ』だし、『ロボコ』は骨組みが『ドラえもん』だし、みんな小学館好きすぎるので全然禁断感がない……。とはいえ、漫画とか興味ない人が挙げる有名な漫画タイトルとしては『名探偵コナン』は結構リアルですね。てか、恋愛脳のリタ先生は『コナン』結構好きそう。
 もっと掘り下げると、リタ先生が挙げたジャンプ作品3つ。『ONE PIECE』『呪術』は分かるのだが3つ目が『ロボコ』なのが不思議というか、ここにめちゃくちゃ個人の意志が現れてる気がする。まぁ最初は順当に『ヒロアカ』を入れるはずだったが「えっ 載る頃には終わってるんですか!?」ってなった可能性もありそうw
 終わり。良い出張版でした。久々に出張版読んだこともあり、出張版ならではの自己紹介っぷりにちょっと感動したというか、沁みたぜ……。下手にキャラを掘り下げたりせず、作品のシステムとざっくりとした主要キャラの雰囲気だけ示したのも良い判断だったと思います。プラス勢の出張版の中でもかなり良く出来た方なんじゃないかと思います。もちろん作品としてのやりやすさとかもあるんでしょうが。

『ひまてん!』6話

 明日の調理実習でハンバーグ。明日というタイムリミットがシビアすぎて笑ったのですが、とりあえずハンバーグだけ出来るようになればいい、というのは案外現実的なラインだったとも思う。ギャグっぽさとリアリティが絶妙。
 真っ先に休むことを考えたんですが、劇中でもその案は出た上で却下。「ファンの気持ちはムゲにできねぇだろ」という仕事論で乗り越えるのが相変わらずだ。そんで、その2人に対して “正直プレッシャー感じてたー!!” と打ち明けて終わるのが何気にめちゃくちゃ良かった。すべての秘密を明かすわけではないけど、ウソではない明確な本音で2人と向き合うことになるのが地味に感動的。ひまりのキャラクター的にも本音で動いてる方が魅力的なんですが、その姿がそのままファンの2人にも向くことになる。
 正直このファンのくだりだけでお腹いっぱいだったんだけど、叶さんも出てくるし、最後には師匠へのお礼のハンバーグまで出てきて話のボリュームがすごい。てか、この話でハンバーグ師匠の話出さなかったの偉いと思う。私だったら言いたくてむずむずしちゃう。ビブラスラップ叩きたい。
 それと、ひまりがエプロンをスカートにインするのはエプロンのアイデンティティクライシスなのでどうかと思う。まぁ料理下手かつオシャレな人の表現としては正しいのかもしれない。劇中でツッコまれてほしかったが、今週は詰め込みすぎなので無理ですね。

『願いのアストロ』17話

 シオウ登場。テラスシールドの位置絶対おかしいと思うんだけど、ギリギリのタイミングすぎてヒバルが助かる確率が少しでも高い選択をしたってことなのかな。
 光堕ちっぽかったギドウが殺されるのだが、死に際の表情は意外と晴れやか。シオウへの絶望って感じじゃなかったのが良いね。あくまでもヒバルに殴られて彼の心の闇が晴れただけであって、それとシオウへの忠義心は別ってことなんでしょう。
 シオウ。よく分からんけど、そこらへんの建物やガレキを操って戦う。テレキネシスでいいと思うけど、ちょっと謎を残すような言い方してたのでもうちょっとワンロジック入るんだと思う。磁力操作が定番だけど、たぶん鉄骨以外のコンクリートも操ってるので違いそう。とにかく「自ら手を下さない」のが最高でしたね。最短距離で向き合い、自らの腕を犠牲にしてでも触れようとする(殴る)ヒバルとは対照的。
 とにかく自らは一歩も動かず他人に暴力を振りまくシオウ。そこに参戦するのがヒバルと同じくらいシンプルなステゴロ能力というのがまた最高。徹底してますね。

『アンデッドアンラック』218

 不死じゃなくて不滅さんが登場。なかなか絶望感ある登場でかっこよかったが、風子が掲げる今ループのテーマ上、味方に死亡者は出ないと思うなぁ……と考えてしまったのが少しノイズだった。あと、ビリーが普通に超危なかったのが少し面白い。死んでもおかしくなかったように見えるのだが。
 からの本気風子かっけぇ。拳銃で首チョンパするのはよく分からないが、勢いで全然アリ。ただ素手で触る(殴る)よりも200年ものの手袋を置き土産にすることで不運アタックを強めるアイディアも良かった。とはいえ、200年使い込んだ手袋は汚そうだ。
 煽る不滅に対して、不滅を送り込んできたこと自体が “奴らが焦ってる証拠” と返す風子も痛快。今回の不意打ちは本当に危なかったが、それだけ危ないこと自体がなりふり構ってられない証拠でもある、というのが良い。決して風子の防衛が甘かったわけではない。まぁ事前に説明してもいいとは思うが、そういうこと言い出すとキリないか。
 ということで最後の1人が到着しそうでエンド。ワクワク展開だが、同時にマスターさんたちを止める役割がなくなるので、単に朗報とも言い切れなさそう。まぁ話が激動で面白そうなのは間違いない。

『逃げ上手の若君』168話

 若の泣き演技について思ってたよりも細かく説明してきたので嬉しい。それでも心の声はやりすぎだったと思うけど、まぁ顔文字おじさんのことを考えると、そのくらいの演技も納得なのかな。 “持てる北条の力を全て使い” というのも熱い。てか、やっぱメソッド演技だったのですね。メソッド演技上手の若君。
 若にしかできない偽装退却によって形勢逆転。逃げスキルの攻撃への転用というアイディアが素晴らしかった。究極の一手という説得力。そこが良かっただけに、最終的に痛み分けとなる部分を “尊氏もまた逃げ上手の英雄だった” だけで済ますのが残念。追い込む部分の説得力が完璧なだけに、そこからさらに逃げる部分の説得力が弱すぎる。結局「尊氏はまだ死なないって歴史が言ってるんです」という印象になってしまって悲しい。それはつまらないのよ。

『子噺:竜の落とし子』都沢南風

 読切。ジャンプショートフロンティア。元剣豪が竜の落とし子を拾って育てる、という小噺。それ自体『のび太の恐竜』みたいで面白かったんですが、その物語が最後まで語られないまま現実に戻る。すると、現実での「宴」の真相が明らかになって……という話の階層がどんどん変わっていく転換が鮮やかで痛快。一番面白かったのこの2ページだな。家の中しか見せないオープニングに何の疑問も抱かなかったが、たしかにこの宴のことを何も知らなかった。騙される快感。
 ということで現れる竜彦くん。まさかの美青年で驚くんですが、たしかに言われてみれば竜の姿の描写は語り部の言葉に全然なかったですね。 “手足が生え立てるようになった頃” とあるくらいで、おそらくここが唯一のウソ。元々手足はあって立てるようになったというだけの話。てか、だとすると “私はまだ生きている” は「オギャーオギャー」か。そんな小さい子を海で見つけたのかと思うとちょっとゾッとしますね。てか、そもそも男に竜が戦い方を教わるというのが現実的に考えたらおかしい。あそこで教わったのはただの剣術。抽象的な小噺だと思ったら現実的な昔話だった、という転換の気持ちよさ。
 すげぇ良かったのだが、出来れば竜彦にはツノくらい生やしててほしかったw もちろん元々竜なんかじゃないただの孤児ってことなんだろうけど、漫画的なハッタリとしてツノに該当する何かしらの記号が欲しくなっちゃう。鱗柄の着物とか、竜のヒゲっぽい髪留めとか凝ってて良かっただけに。一番欲しいのはツノじゃないですか。
 あと、強いて言えば語り部が思わせぶりだっただけで、マジでただの語り部だったのはちょっと肩透かしかもしれない。まぁ一応目が見えないからこそ小噺の中の竜のビジュアルに惑わされたというのはある。まぁ、彼女も話を聞いただけだから見えても関係ない、というのはある。
 終わり。無知だったのですが「落とし子」を辞書で引くと「正妻ではない女性に生ませた子」と出るのですね。ただの答え合わせになってしまった。母親とか他の竜ってのはつまりそういう。となると父親への復讐譚も欲しくなってしまうな……。

『キルアオ』65話

 新校長の所信表明演説。ノレンを狙うのはシンプルに金。金の使い道は政治で、愛国者故に日本をどうにかしたい。どうにかするためには日本を銃社会に。何を言っているんだ……という感じで素晴らしかった。狂った悪役が掲げる日本征服。銃という本作ではお馴染みの、本作における非日常を象徴するアイテムを掲げたのも良かったですね。あとはアメリカの政治で必ず議題にあがる銃規制の話が狂った形で日本に導入されてるのも面白い。「話の流れ的には銃規制の方向じゃなかった!?」みたいな主張の人、アメリカには多いよね(てか共和党)。ただ、あれは全米ライフル協会からの献金とかが絡むので、言うなれば金のためにそういう主張をする人も多いって話なんだけど、本作では銃のために金を集めようとしてるわけで、逆。より狂ってる。
 ミツオカの薬という本作の基本設定に関わる部分にはまったく興味がなかったのも面白いポイント。極端な見方をすれば、十三の物語的にはそれほど重要じゃない、関わりのない敵役ってことですよね。何かいろいろ言ってるけど、結局はノレンに群がる迷惑な男の1人に過ぎない。今んとこラスボスっぽい雰囲気あるけど、実際のところはラスボス的な重要度は全然ない薄っぺらい悪役、というのが面白い。まぁもちろん急遽終わることも考えられるので、その場合はラスボスという扱いで終わるんですけど。

『超巡!超条先輩』26話

 ヒュージとメイドカフェ。本編の登場は1コマなのに扉でメイド服を着るポンちゃんが偉すぎて泣いた。
 (元)ヤクザとメイド喫茶。カルチャーギャップで笑わせるギャグが、結構な細かさで映画『ベイビーわるきゅーれ』と同じ。初読時マジでギョッとしたレベルで似てる。いやギャップのある組み合わせという意味でそこまで独自性のあるシチュエーションとは思わないので、それ自体は驚かないんだけど、オムライスに書いてもらう字が完全に一致することある? すごくない? ただし、正確には『ベイビーわるきゅーれ』で要求した字は「仁義」で、「義」の画数に苦戦しオムライスがべちゃべちゃになる、というギャグ(そしてブチギレ)なんですが、本作のヒュージは「仁」のみ要求し、しかもそこから彼女の不出来と成長を愛でるようになる。ケチャップ文字でキレるところまでは同じなので「おいおいメイドさらおうとして殺されることになっちゃうじゃん」とハラハラしたんですが、ちゃんとヒュージらしい独自展開へと分岐していくので良かった。そもそも「義」は無茶だと察して要求しないところが優しい、というか常識的。ここらへんのキャラクターの確立っぷりは本作の魅力ですね。「たしかにコイツならこうなる」という納得度。あまりに勝手な読み方になりますが、『ベイビーわるきゅーれ』と同じすぎたが故に、その後ルートが分岐していく際の理屈に濃密なヒュージらしさが感じられて面白かった。
 そんな(元)ヤクザがメイドカフェに入れ込む理由。面倒見の良い兄貴気質だから、という説明が端的ながら痛快。メイドに(元)ヤクザが転がされてるのとか笑ってしまうし、他のヤクザを追っ払う仕事をするのもある意味ヒュージが用心棒として仕事したのと等しいので、ある意味ヒュージが事前にみかじめ料を取っていたのと変わらない話。もちろん金は取ってないのだが。
 あと、何気に重要そうなのは、ヒュージだったらメイドのまゆゆんに恋愛的に入れ込むことはなさそう、という一線じゃないですかね。今度もたまにまゆゆん出てきてほしい気持ちもあるけど、まぁ今回きりの後腐れのない関係でも全然成立するバランスが良い。

『極東ネクロマンス』16話

 シシ薫、シンプルに超強いのが良い。特殊な能力ではなく、単に膂力で圧倒する。そして時間制限もあるので、相手の魂に一直線……だが相手はそれをワープさせて回避。反撃をしてくるところを耀司が切り刻んで防ぐ。切り刻まれた肉片から魂を探して掴み、ワープ、切り刻む……のループ。勝負というか勝利条件がシンプルで、相手の対抗策も時間稼ぎに徹してて分かりやすい。ここにきて決戦に原始的な雰囲気すら生じてきたのがすげぇ良かった。そもそも、この「とにかく突っ込む」が若くて良いねぇ、という感じなんだけど、既に魂の消費がレッドラインを越えてるのに続行するのも若くて良いねぇ。同じことが劇中でも言われるw 明確に薫の子供性が出た話になってるのが良いですね。耀司においても同じで、彼も薫を子供扱いして「俺に任せろ」と言いたかったが、ギリギリのところで薫のサポート役に回る。魂の消費を心配しブレーキをかけようとするシシも同じで、とにかく大人たちの中に子供が1人、という構図。やたら仕事論が緻密だった本作らしいクライマックス。

『さいくるびより』14話

 袋のネズミの透明人間の捕まえ方。前回がちょっと謎解きっぽい雰囲気だったからいろいろ考えてしまったんですが、その部分はかなり緩く終わってしまった。残念だったというか、クイズと受け取ってしまったのが空回りで恥ずかしいw
 悪に入る超能力者の主張。最初は “何かちょっとイタイコ” と受け取られてたが、次第に同じ犯罪に手を染めたことねに響いてしまう。ここすげぇ良かった。単にことねが反省する話ではなく、幼稚で愚かな主張をする悪役と共鳴してしまう。居心地の悪さが素晴らしいし、そっからの奮起が熱い。それでも反省しない透明人間にキレてる2人、というの構図も良い。ことねの犯罪の被害者が一緒にキレてる、というのがめちゃくちゃ良いですね。優しい世界。
 逃げる透明人間をことねが触れたので勝ちは確定。あとはどう安全に処理するか。ここで2人が協力し、それでいて絵的にハデなことになる決着が良かった。痛快。ちょっとことねが強すぎるとは思うが。
 てか、今回のことねの役割、ほとんど『カグラバチ』のハクリと一緒ですね。触ったら自由に取り寄せられる。便利すぎるのですが、だから本作の方は細かいルールを付けたのでしょうね。逆にハクリはやっぱ便利すぎるので「外薗先生大丈夫!?」と少し心配にもなる。大丈夫なんだろうけど。

『妖怪バスター村上』9話

 最弱の四天王を倒したことで総大将争いに巻き込まれる。総大将になると霊玉がもらえ、それで紅院を強化できると知って村上は俄然やる気。紅院のためだが、紅院が望まない暴走に至ってるのが面白い。
 次の四天王、メリーさん。そんな凶悪な存在なのか疑問ではあるが、それは小豆洗いも同様だったな。とにかく、小物妖怪の河童を除けば、紅院も天狐も陰キャなので、メリーさんからのLINEに激しく動揺するが、コミュニケーション強者の村上はむしろノリノリ、という図。バトル的な話なのだが、あくまでもコミュニケーションの話。
 紅院にLINEが届いたので、村上がいくら乗り気で行動してもあくまでも返事をするのは紅院。謎のブラックメール構造が無駄にややこしいと思ってたんですが、メリーさんが紅院にホレる(殺意は残る)ので笑った。そこで紅院が気づき始めた自らの才能であるご機嫌取りを意識的に行ってるのも面白いですね。紅院が振り回されるギャグのはずだが、気づけば彼の成長物語として機能してる。成長した結果妻を娶る、という古代の英雄譚みたいな話……。
 すべて村上のおかげに思えたけど、最後の最後、メリーさんの足の怪我に気づいたのは紅院であり、そのことがキッカケで “今あなたの後ろにいるの” というキレイな着地に至る。村上が紅院に女をあてがう話になりきらず、ちゃんと紅院が自身の善人性でメリーさんを落とす。てか、気づけば人間の2人、それぞれ女性連れててすごいな……。
 すげぇ面白かったし、これからも楽しみになったんですが、本話以外でメリーさんがメリーさんらしい言動を取ることって可能なのか? ここは少し心配。まぁ紅院が振り回されてれば一定の面白さはあるんでしょうが。てか、振り回されてることに快を感じてるのには笑った。激重彼女にふさわしいのはこういうタイプなのかもしれない……。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 8/19はバイクの日ということで、バイク特集。「おいおい 8/19は『ハイキュー』の日だろ~?」とか思ったんですが、今のジャンプでバイクと聞くと「バイクキャラといったら『ヒロアカ ユアネクスト』のジュリオしかいないよなぁ~!?」という別の気持ちが湧いてしまうので我ながら忙しい。真面目な話、バイクとしても、バイクキャラとしてもジュリオが優勝だと思います。圧倒的。
 ジュリオ中心に見てしまうんですが、デザイン面で凝った作品は多いけど、機能面でバイクに活躍させる作品ってほとんどないんですね。ちょっとこれは意外。バイクアクションって漫画でやるの難しかったりするのかな。単にデザイン的に作者の趣味が発揮されるだけで終わってしまうバイクが多い気がする。バイク多いのに、どれも「かっこいい移動手段」止まりなのが意外ですね。

次号予告

 表紙と巻頭、そんで人気投票の結果が『呪術』。おそらくカウントダウンも誌面で発表かな。人気投票に関しては、伏黒票が丸ごとスクナ票としてカウントされて伏黒ファンから大炎上、ってなってほしい。
 あと『キヨシくん』が2度目のセンターカラーでめでたい。『村上』は巻末固定で特殊だけど、同じく同期の『ひまてん』も2度目はよほどのことがなければセンターカラーもらえるんじゃないかしら。まぁ編集長変わったし、最近の傾向に意味があるのかは知らん。逆に言うと、『村上』『ひまてん』にカラー来なかったら『キヨシくん』の人気は本物ってことになりそう。
 そして、特別企画の読切。三浦先生と松浦先生という謎豪華タッグによる大学生の話。三浦先生が謎仕事すぎるが、まぁ大学の話もやりたくなったんだとしたら発表の場があるのは健全ですね。恋愛なのかはまだ分かりませんが、だとしたら松浦絵の恋愛モノってのにも興味がある。てか、三浦先生そもそもガリョキン出身なのになんで原作で新作やることになるんだよ。すごい話。
 個人に楽しみなのはやはり三浦読切。それはさておきミウラ師匠の新作も読みたい。

愛読者アンケート

 『ウィッチウォッチ』の付録。買うきっかけにはならない。応募者全員サービスも応募しない。応募しないのは興味ないからだけど、ネタに走ってるのが「人気作でいいわね……」とちょっと冷めた気持ちになった。

総括

 1日遅れました。たぶん合併号明けで気持ちに持っていき方が分からなくなったせい。毎週、こんな手間と時間のかかることをやっていたのか……? とちょっとだけ正気に戻ってしまった。戻ったら終わりだぞ。

 今週のベスト作品。『幼稚園WARS』かな。キレイな出張版読切にちょっと感動すら覚えた。
 次点はもう一つの読切『小噺:竜の落とし子』と、連載だと『キヨシくん』と『キルアオ』かな。

 今週のベストコマ。『SAKAMOTO』のトルコアイス。のび~る。よりによって『幼稚園WARS』出張の号にぶちかましてるのが余計に面白かった。本誌の殺し屋(ギャグ)強い。

 今週のベストキャラ。『キルアオ』の桜花陽一郎。日本征服を狙う悪役っぷりと、金にしか興味がない薄っぺらさが魅力的な悪役でした。前から好きではあるが、より好きになったというか、やっぱり外さないな。
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