北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年31号の感想

 『鬼滅』の映画は3本でした。先週2本とか言ってたのが恥ずかしい……。

表紙

 『逃げ上手』。アニメ開始でした。深夜という括りかは分からんが意外と夜なんですね。最近は夕方放送の作品も増えてる印象ですが。……と思ったが、よく考えたら本作は結構血みどろになる余地ありますね。納得。

読者プレゼント

 マケドニアとアレクサンダー。せっかく2つネタがあるのにどっちも「アゲル」のダジャレにするのは少しもったいない気がする。せめてテンションアゲドニアとか意味は違うのにすればよかったのでは。
 各商品に添えた遠征先ダジャレ。これはかなり面白い。凝ってるし、私からしたらめちゃくちゃ知的だ……と思ったんですが、ひょっとしたらこの「○○の戦い」すべて創作の可能性もあるな。てっきり元の戦いをもじってるのかと思ったが。

巻頭カラー『逃げ上手の若君』162話

 カラー扉。時期的に七夕。短冊に名前が添えてあるのはメタ的な関係者でしょうね。右ページ、若が持ってるの以外はアニメ、てか声優陣だと思う(声優知識が乏しいので2人しか分からん)。
 本編。前回の予告通り、戦略と情報戦。顕家のハデさを踏まえた内容になってて面白いのだが、巻頭回にしては説明的すぎる。ちょっと地味なので意外。まぁ、2号連続なので本話で助走をつけて来週爆発、みたいな展開だと思うと納得ではある。
 ただ、そんな説明的な話の中でも、変装と高速移動という物理的な活躍がキーになってるのが漫画チックというか、ハデで良いですね。分かりやすいオモシロ。
 ただ、離れたところにいる両陣営が互いの策略について語り合ってるのがちょっと絵面的に間抜けだったかな。今までも「どうやって話してんだよ!」となる場面はあったけど、今回は特に入り組んだ話をしてるので、 “②か!” とか不自然極まりないセリフが出てきて違和感が目立つ。

『夜桜さんちの大作戦』232話

 嫌五とフーラン。もっと長々と回想になると思ったが、嫌五のクチからかなり勢いよく説明されて、半話くらいで終わる。フーランには亡くなった息子がいて、へその緒から彼を復活させるために旦に協力してる。ここで「母」という属性が強調されたのが面白かった。フーランは嫌五にとって師匠だったり初恋だったりするけど、彼女はあくまでも母なのね。
 そして、その目的のために嫌五に近づいた。クソ旦那にされたことを自分が再現してしまう皮肉。この2組の男女を重ねてるのだとしたら、フーランは例の政治家への愛は未だに残ってるというか、当時愛してたのは本当だから、と割り切ってるのかもしれませんね。今の嫌五がフーランに親愛の念を抱いてるのは確かなので。

ONE PIECE』1119話

 ルフィの考えた五老星対策。現状攻撃が利かないのは一旦受け入れて、とりあえず今の問題をクリアするためにはゴムのチカラを活かして相手を吹き飛ばす。めちゃくちゃ理にかなってて感心しちゃった。こんなルフィ見たくなかった……というレベルなんだけど、まぁゴムの使い方とバトルのセンスにおいては普通に頭良いと考えればそれほど違和感もないのか。バトルIQの高さは今までにも描かれてきたと思いますし。
 んで、味方3人の攻撃を一身に受けてその衝撃で相手を吹き飛ばす。うち2人が覇気の使い手なので普通に痛い、というのは笑った。この状況でもふざけたノリなのがニカらしくて良いが、サンジは覇気だけでなく熱いのでルフィの負担ヤバそうw
 ……てか覇気を修得せずに今までやってこれたフランキー相当すごいですね。今まであまり意識しなかったけど、改造のみで悪魔の実や覇気と渡り歩いててかっこいい。

『鵺の陰陽師』56話

 腕一本落ちてもまったく気にしない。むしろ雑魚に腕落とされたことに失望してる。バトルジャンキーキャラって定番だけど、その中でも意外な言動とかがしっかりあるので本作は偉い。ちょっと語りすぎな感じがあって、前話に比べるとバトルが盛り上がらないけど、それでもバトルジャンキー目線の語りが多いことによる学郎たちの頑張り(=サプライズ)が光る構成は良い。
 そんな敵の語りが魅力の一つなんですが、何も知らない幻妖がゲーム由来と思われる「ゼノブレード」の名を当たり前のように繰り返してるのでちょっとおかしかったです。かっこいい名前だとか思ってるのかな。だとしたら可愛い。

僕のヒーローアカデミア』426話

 連載カウントダウンがない。マジか。まさか誌面ではカウントダウンしないまま進めるつもりなのか? 外部の情報ありきになりすぎてて少し寂しいな。
 本編。最後の轟くん家。感動的ではあるが、最終章のときにも感じた、やるべきことリストを粛々とこなしてる印象がやはりある。まぁ残されたテーマに真正面からぶつかってるという意味では誠実と言えるのかもしれない。
 好きな食べ物は蕎麦。蕎麦!! マジでか、かっちゃん。先週『ヒロアカ』が休載してなかったら週ちゃん(蕎麦特集)とぶつかってたじゃん。惜しい。あまりに惜しい……。

センターカラー『悪祓士のキヨシくん』2話

 2話にしてめちゃくちゃ話が、世界が広がる。まさかの学園展開であった。しかし卒業式。卒業後の話になるが、同期の概念が生まれるので、その人たちと仲良くなりたい、と繋がっていく。めっちゃ良いじゃん。「そう広がるんだ?」と驚いたし、普通に面白そう。
 んで、遅刻。首席のプレッシャーで寝れなくて、徹夜しようと切り替えたが、出発前に眠くなって仮眠。あるあるだw
 第二の魔王。先週の魔王が親友だったので即カチコミ。魔王に友達という概念があるのが緩くておかしいんですが、本話で「友達を作りたい」という動機に至る主人公との対比になってて良いですね。ギャグなので場当たりな印象もあるけど、意外と良く出来てる。
 主人公の到着。先週ちょっと気になってた主人公の必殺技、先週が「ムーンライズキングダム」だったんですが、今週が「リトルミスサンシャイン」。まさかの名作映画タイトル縛りなのか?? それもミニシアター系。中二感もある名作映画のタイトル、今後も気になってしまうぜ……。
 んで、瞬殺。それよりも友達が作りたいのだが、ナンバーツーのメガネくんに対して主人公が憧れてるのが良いですね。メガネは名門の出なのでエリートとして振る舞いに慣れていて、そこに主人公は憧れる。主人公は実力と言動が見合ってないので納得ですね。これは良い化学反応。

『アオのハコ』155話

 大喜と遊佐兄。特にこれと言った話すキッカケもないけど普通に会いに行って普通に話す感じなのね。「なんで負けた」とか「やりたかったな」とかも特に言わない感じも含めなかなか良い。やはり遊佐くんが好きだ。本作の中でもかなり上位に好きだと思う。厳密には大喜と遊佐くん。
 お好み焼きで慰労会。スポーツ漫画では定番の楽しいやつや。本作では各所で彼女持ちイジリがされてるのがフレッシュで良かった。なかなか見ることのない光景だけど、高校生の生き生きした姿としてリアル(重言)。
 そんな楽しい光景もこれが最後なので当然エモくなるが、選手よりも先に泣き出すのが彼女。これまた最高であった。彼女(持ち)のいる当たり前の光景って感じでものすごく好き。「そこは部員が先泣きなさいよ」という話ではあるんだけど、好感の方が先に湧きますね。
 からの帰宅。そろそろ親バレ不可避、と土台は作られてたけど、まさか父親から単刀直入にぶっ込まれるとは。かなり驚いたが、こないだはたまたま母親にフォーカスしただけであって、同じくらい父親も考えてるって話ですね。納得もあって良いサプライズ。「察する」は母親の役割と思いがちだけど、メガネの観察眼ナメんな、ってことですね。てか、大喜からしたら年上な千夏パイセンも、両親からしたらまだまだ子供なわけで、十何年続けてきた親の注意力侮れないw

『あかね噺』116話

 結果発表。序盤から想像できないほど巻き返した、というのを示すために冒頭用意された寝落ち客の演出も良かったんですが、その客を指して「まだ掴めてないぞ」となるクソジジイの展開が見事すぎる。やっぱ末永先生すげぇや。ただ、客席の審査の行程を無視するクソジジイはやはりクソジジイですね。ああいう人嫌いだわぁw
 救いの手ではないが、粛々と進行する一剣師匠も良い。相変わらずの外面担当というか、中間管理職み。
 気になる全生。先週の段階でかなり気になってたが、やはり涙がキーになってくるのか。あそこまで号泣しちゃっては嘘つきようがない。ここにもしっかりとしたロジックが通っててすごい。てか、ひょっとしたら一剣師匠は、全生の涙が引く前に審査させるために進行をアシストした可能性もあるかもしれませんね。いや、これは私が一剣師匠好きだから良く受け取りすぎるのかもしれないが。
 先週も書いたけど、全生が泣きながら「認めない」と言う姿もちょっと見てみたかったです。客席が「嘘つけーい!!」ってなりそう。急にドタバタ感。

センターカラー『超巡!超条先輩』20話

 ローボ、グレる。そんな彼をすくい上げるのがヒュージ。公的機関に見捨てられても珍宿のストリートには彼がいる、的な話で意外とちゃんとしてる。普通に感心したのだが、ローボ回かと思ったら今回もヒュージだったので少し可哀想ではある。まぁ、既存キャラと新キャラを絡ませて化学反応させるのは鉄板ですが。
 そんなローボの更生。そもそもグレた理由が「探してくれないなんて!」だったのに、帰るキッカケが「探してくれてる!」なのでここは正直緩すぎたな。マジで意味が分からない。まぁ、最初の3日間はローボが観測しない範囲を捜索してた、あたりが落とし所だろうか。理屈は通るが特に面白くはない。

『ウィッチウォッチ』162話

 ケイゴのサブカルクソ野郎回。久々で嬉しいぜ。ネムが出てきたので「結局ラブコメかよ」と一瞬なりましたが、ネムすらも「○○クソ野郎」の騒動に巻き込まれることになるので笑った。
 そんなネム。ケイゴの雑多な部屋を肯定的に受け取ってるのが良かった。好意があるから都合が良かった、という前提を抜きにしてもニワカとかカブレにしても好きなものに囲まれてる部屋ってのは魅力的だよね。自意識で悩むケイゴの気持ちも分かるが、モノを集めるという具体的なアクションを起こすまでに至ってるので充分すぎるというか、何でも「○○道」みたいになっちゃうモイちゃんと同じくらい尊敬に値する趣味だと思う。まぁ、「高校生の経済力どうなってんの!?」とか少し思ったけど、まぁこれは考えない方がいいと思う。
 ミニマリストに目覚めるが、髪を脱色するのは違うだろう……と真面目に思ったのだが、ああいう見てくれを最重視する感じがケイゴの「クソ野郎」イズムなのかもしれない。行動力は尊敬に値するが、方向性を見失うのが早いw
 そんなこんなでクソ野郎だが同時に愛おしいぞ、とか高みの見物を決め込んでたんですが、最後の最後に「水出しコーヒー」が出てきて冷や汗。最近暑いから水出しコーヒーでも始めようかと先日スーパーをふらついたばかりなんですよね……。急に予想外の一撃飛んできたのでビビる。水出しコーヒーくらい許してよ……。

『SAKAMOTO DAYS』172話

 新スラーの日常。タカムラが制御不能で全方位的に厄介。カナグリがかなり情報通というか、現スラー一派を裏でコントロールする幹部的な役割を担ってそうで意外。
 んで、赤尾復活。頭の中でタカムラを殺すと出てくるってことなんだろうけど、頭の中ではタカムラを奇襲できるってことなのかしら。もしくは警戒されたら真っ向勝負しないといけないのか。さすがに赤尾がそこまで強いとも思えないので気になるところではある。
 おそらく本話で最重要だったのは赤尾から語られた人格コピーの正解発表。有月の記憶由来だったら辻褄が合わないと思ったら、裏の裏でその通りだった。有月と赤尾には秘密の過去があるので仕方ないよね……って展開はずるいぞw
 ただ、タカムラが殺気に反応してカウンターすることを有月は知ってるはずなので、今回クマノミを攻撃したのはおかしいんですよね。謎は残るのだが、正直これ以上引っ張るとも思えないので今回の赤尾が正解なんだと思う。タカムラが喋り出してからの無双モードを見て認識を根底から改めた、とかで納得するしかない。

センターカラー『アンデッドアンラック』212話

 最終対決。めんどくさいので1曲を交互に歌って決着を決める。「いやいや それは無理があるだろう……」と思うんですが、まぁたしかにターン制で2曲やるのは漫画としてタルい、というのは分かる。
 正々堂々戦いたかったのにソウルさんからの指令。急に『ベストキッド』みたいな話になったな。脚を狙え。
 急にかめはめ波対決みたいになったので困惑するんですが、まぁこれも漫画的に分かりやすく、サクサク進めるための妥協なんだろうな。
 が、パパが不貞をはねのけた部分のロジックがいまいち分からん。別に素敵な歌を歌ってるから魅了されるのではなく、単に否定の能力で記憶が上書きされるって話なのに。単に「愛が深かったから」にしか見えず、それだと先週まんまと不貞が刺さった旦那たちの立つ瀬がない……。不貞と同時に本妻が魅力的なムーブをかませて不貞発動直後に再度上書き、ってことなのだろうか。だとしたら先週、ビリーあたりはすぐにホレ直しそうな気がする(私ならホレる)。
 くるるスカウト……てか拉致。問答無用でやっちゃうのが怖い。普通にアウトだよ。説明すれば分かる、自分たちは正しい、ってスタンスが逆に怖い。

『カグラバチ』39話

 父親ではなく、 “漣家当主だ” 。めちゃくちゃかっこよかったし、話的にも腑に落ちて最高。そっからハクリが家族のしがらみではなく当主を目指すようになる、という流れも熱い。クソ家父長制エピソードとして何気にかなり丁寧に作られてるというか、重要なポイントをしっかり押さえてるように見える。まぁ、家族ではなく家に執着する、というのは「ハクリ大丈夫?」とか少し思うが。まぁ、結局ハクリは父親を嫌いになりきれなかったという話なので、そういう意味では筋は通るのか。
 逆転のロジックが荒唐無稽なまでのハクリの成長に頼ってるのは正直どうかと思ったんだけど、蔵の能力の一つにホログラムがあるので……としっかり本話の前半で説明したことをしっかり活かしてくる構成には痺れた。
 てか、すべてのオチを知った上で読み返すと「転送できるなら刀を投げた先に置いておく意味ないじゃないですか~」ってすんなり分かりますね。初読時はまったく疑問に思わなかったが、ホログラムがなかったとしても、投げた先に刀を留めるのはリスクしかない。

『キルアオ』59話

 野球対決。解説は野球大好きおじさん十三。十三のおじさんキャラの一環として野球好きを持ってくるのは見事だったなぁ。意外な展開なんだけど、1コマ説明されると一瞬で納得できる。
 んで、比喩ではないライズボール。現実的な理屈を説明しつつ、「理論上は」現実で起こり得る魔球としてライズボールを持ってきたのが良かった。荒唐無稽な話をやってるのに、大事なところでウソがない。
 異世界帰りの女性陣は笑った。超ギャグなんだが、武器とか衣装とかちょっとだけサバイバルしてきた経緯が垣間見えるので面白い。普通にギャグとして終わらせてもいいけど、できれば来週異世界の様子を回想で見せてほしいなw

『願いのアストロ』11話

 長兄のシマである六本木へ。ここでは使い勝手もなさそうなアストロも処理される。世紀末すぎるのですが、「アストロの所持は許されない」というシステムを敷くのが優先なのかな。
 困る幼女を前に迷う余地のない任侠バカたち。「任侠バカ」という括りが良い。 “野々が困ってんのに突っこまねー理由ある?” と、幼女相手に呼び捨てになっちゃうのが良いね。ヒバルとはまた違ったハードコア任侠バカというキャラクターを感じる。

『僕とロボコ』191話

 将棋回というか『将棋ウォーズ』回。お金もらってんのかよ。もらってるならちゃんと本編前か本編後に宣伝ページでも作ればいいのに。もしくは柱とかにQRコード載せるとか。
 ガチで将棋やること考えたら安いのは分かるけど、小学生がやるゲームに月額600円、ましてや1,200円は高いよな。習い事としては安いから親の説得が不可欠という感じか。進研ゼミの漫画みたいな話になってきたな……。
 案件風ギャグはいいんだけど、その後の展開に案件ならではの自由の利かなさみたいなものも感じた。実際に案件かは知らんけど、実在のゲームを扱う以上、自由にはなりきれなくて、自由になるにはゲーム外に寄り道しなくてはならないけど、その寄り道も多少はゲームをなぞる形になるので結局型ありきの大喜利の繰り返しになっちゃう、みたいな。何か違和感が強かったというか、まぁ端的に言えば普段よりは面白くなかった。

『極東ネクロマンス』10話

 覚醒した薫が無双する話かと思ったら、その最中にもしっかり敵意もしくは覚悟の有無みたいな話に徹底してる。心の持ちよう、心のセットの仕方が最初は難しい、という話が初期にあって感心したんですが、本話の問題にもそれは通底してる。
 具体的なバトル。動きをすべて見切ってしまえば、透過能力に何のメリットもない。という理屈をアクションのみで説明してるのが素晴らしかった。後ろからの一撃をかなり不自然な格好になって止める、という絵的なインパクトも良いですね。無理のある体勢(おそらくチカラは入りづらい)でも余裕、というのが不気味。
 まぁ、マウント取ってからの連打に関しては「透過すればとりあえずセーフじゃね?」とは思った。思考が追いつかなくて初撃を食らう、初撃の衝撃(ダジャレみたいだ)で能力を発動できない……みたいな理屈だろうか。
 んで、救出部隊。マンソンさんで笑ってしまった。マリリンってことかw

『さいくるびより』8話

 巨大展示用の花を替える。素晴らしくどうでもいい。日常って感じのデクだ。今思うと先週の歓迎会はちょっと劇的すぎましたね。家の定期的なちょっとした変化、というルーティンもしくはシステムが紹介されてるのが良い。毎日でも毎週でもないが定期的というのが絶妙。
 ただデカくすると自重で倒れちゃうのでネットを通して支える。この細かすぎるリアリティが相変わらず最高だし、その難しさを「15年生きてると自然と身につく」というテクニックで済ませるのも良い。理屈は面白いけど、実行する難しさまでリアルに描かれると面倒くさいので……みたいな折り合い。
 そこから鯉のぼりの話になり、今年はもう過ぎたので来年。来年もことねがいるかは不明、という大事な話に繋がっていくのが見事ですね。自然すぎてナンセンスな流れにも思えたが、しっかりと逆算して組み立てられてたのが分かる。緩い日常を描く作品だけど、決して「終わらない日常」みたいな緩さにしたいわけではない、という牽制球になっててめちゃくちゃ面白い話でした。

『ミーミアの杖』大久保凜汰朗

 読切。ジャンプショートフロンティア。作者名、読みは普通にリンタロウなのですが、漢字がすべてマイナーな方なのですごい。
 本編。暴走魔法使い少女が杖を作ってもらう。おむすけ作品の直後に箒で暴走する場面から始まるので「おいおいケンカ売ってんのか?」と少しヒヤヒヤしましたが、話のメインは箒じゃなくて杖でした。
 ものすごく漫画的なデザインの少女と、激渋ツンデレおじさんのコントラストが良い。正直このデザインの時点で勝ちというか、話はかなりシンプルなんだけど、この2人のビジュアルとキャラクターが良いので全然楽しめちゃう。
 職人肌のツンデレおじさん、天真爛漫な少女を前にコロッと陥落する。マジでこれだけの話なのだが、2人の表情の機微が丁寧に描かれてるのでそれだけで面白いんだよね。少女の方がただ可愛い顔をするのではなく、 “知らねぇとは言うまいな?” “落ちこぼれが杖を握るということを” と言われた際には、自身の心の傷を思い出して暗い表情を見せてるのが良い。ちゃんと振り幅があるし、もちろんその心の傷を乗り越える話に繋がっていく。
 可愛い系の場面だと、職人おじに “魔法を愛してる奴に テメェの杖握られてぇだろ?” と言われた直後に無言で「私のこと?」的に指を指すのが可愛かった。ただ喜んでパァっとなるのではない、という少しの意外性。からのブチギレおじに呆れる少女、ととにかく2人が表情豊か。
 ラスト。真に喜ぶべき場面で少女は逆に静かに泣く、という着地も良かった。マジで話はシンプル極まりないのに2人のリアクション、特に表情の変化が見事な作品でした。

『妖怪バスター村上』3話

 今週から巻末固定らしい。そう来たか。この伝統をすっかり忘れてたのでマジでびっくりしちゃった。たしかに、初回のときからやけに小さいスケールの作品だとは思ってたけど、巻末固定だとピッタリだわ。予想できて然るべき。
 てか、前に巻末固定だった作品が何なのかも思い出せない。『磯兵衛』は覚えてるけど、その後にも何かあった気がする。『高校生家族』……は違ったかも。『しゅごまる』か? どれもピンとこない。
 本編。カラオケに行くはずだったが、ぬりかべに妨害される。初手の「どこまで壁続いてるのか」で笑ってしまった。屁理屈のようだけど、結構大事なアプローチだよね。 “海沿いに住む人は通れちゃうよ” のイメージ図が間抜けすぎるのも好き。
 村上の理詰めにめんどくさくなった紅院が嘘をついてしまうのも良い。妖怪バスターとしての資質はあるけど、同時に紅院バスターでもある。大好きなのに悲劇だ。
 ランクAの先輩退魔師。「固有魔力」とかいう広がりのある設定よりも紅院の小物ムーブが楽しい。なぜか妖怪のフォローに入ったりするのも面白かったが、それと同系統ならまた別の方向に広がりを見せる。先輩も言うてまだ高校生なのでメンタルのダメージは人一倍喰らってしまう、というのも可愛らしい。妖怪よりも分かりやすいというか、反応に思春期っぽい自意識が感じられる。
 ぬりかべ。タヌキの陰嚢説は初耳だったわ。勉強になってしまった……。紅院を女性にしなかったのはこういう下ネタのやりやすさとかを考慮したのかもしれませんね。あとは村上の紅院大好きキャラにも支障がありそう。女同士にしても女子高校生が同性の友達に臆面もなく好きと伝えるのは割と普通というか、男子高校生のときほど「ピュアすぎない!?」という驚きは発生しないと思う。何はともあれ紅院が可愛いので私としては満足です。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 7/2はうどんの日ということで、予告通りうどん特集。先週のそばとの比較もできてめちゃくちゃ面白い。
 うどんは比較的庶民派。そういう使われ方が多いイメージ。まぁ作り方もシンプルなのでそりゃそうか。病人食というのも大事な一面ですね。職人的なイメージはうどんでもあるのだが、こちらもそばに続いて女性キャラだった、というのも興味深い。男がやると暑苦しいってことなのかなw とはいえ、やはりそばよりうどんの方が職人キャラにも庶民派のイメージが強かったと思う。
 時代劇の記号としてのそば、ではなくうどん。こちらは『鬼滅』が担当。なるほど、たしかにあったな。屋台うどん、何気に珍しかったと思う。ワニ先生さすがだぜ。
 あとは、ご当地色の強いうどんが多かったのも特徴か。そばだと江戸一辺倒になりがち(実際はいろいろあるけど)。

次号予告

 1週焦らされたけど、いよいよ小野先生の新連載だぜ。前からそんな予感はしてたけど、今回の予告ページで「ラブコメ」だと確定。『アオのハコ』以降のジャンプのラブコメという意味でも興味深そう。
 来週楽しみなポイント。新連載はもちろんですが、『ヒロアカ』のカウントダウンがマジでされないまま進むのかも気になる。あとは『村上』のページ数。

目次

 JUMPマニアッククイズ。ロボコの鉄板一発芸。いろいろありすぎてこの問題文で特定できるものなのかと結構驚いた。きっと “町内で大人気” が決め手なんだろうな。

『新宿区立左門公園』という場所をFLで教えていただきました。きっと良い公園。
(『超巡!超条先輩』)

 すげぇ。聖地すぎる。下手に劇中に出てくるよりも聖地だ。

愛読者アンケート

 タテマンガ。最近ジャンプ系列が始めたらしい、とサクライタケシの漫画で知った。読んだことないし、正直興味ない。あとあのサイト、異世界系の作品とかあって雰囲気がジャンプっぽくないのも興味湧きづらい理由かもしれない。
 「コミックスのお知らせ」ページについて。めちゃくちゃニッチだ。あと、基本的にジャンプは「おしらせ」の表記で統一されてる(たぶん)ので、このアンケートの質問文はミスだと思う。質問については、全部読んでるけど、特に満足も不満もないです。凝っててたまに面白いので縮小はしないでほしい。見てるぞ。

総括

 なかなか順調だったと思う。あともう少しで水曜24時以前に更新できそうだった。惜しいけど、この壁は結構でかい。

 今週のベスト作品。『あかね』。
 次点は読切、あと『キヨシくん』。

 ベストコマ。『カグラバチ』より、爆発を見届ける京羅。爆発には背を向けるのがセオリーだと思うんですが、バックショットもかっこいいやんけ……と新鮮でした。まぁ展開としては「やったか!?(やってない)」のやつ。

 ベストキャラ。『アストロ』よりクラン。出会ったばかりの幼女を「野々」呼びしてるのがかっこよかったし、少し面白かったので好き。荷台見張り係だったので車内で交流したわけでもないのに、直接的な交流がまったく描写されてないのに突然「野々」呼び。良すぎる。
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