北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年43号の感想

 現在公開中の映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』は少年漫画のノリがあるかっこいい実写映画なので、時間に余裕があるならばオススメです。

表紙

 新連載。本編を読んだあとだと、左の子がスイクンにしか見えない……。

読者プレゼント

 ブレイキン。オリンピックにちなんでブレイキンだと思うんですが、意外と「ブレイキン」という言葉は使われず、B-BOYなどで済まされてるのが意外。まぁ単にダジャレの都合かもしれないが。
 低レベルなダジャレが多めで嬉しいのですが、開脚した人の写真を逆さにしただけでヘッドスピンを表現する、メインの写真の胆力に驚いてしまった。そんな大胆な正面突破、思いついてもできないよ……。
 『しのびごと』直前ページの4コマ、かなり面白かったです。2コマ目でちょっと落ちる構成好き。

巻頭カラー『白卓 HAKUTAKU』石川光貴

 新連載。今のジャンプには妖怪のHAKUTAKUが複数存在するわけですが、字が違いますね。初回を読んでもタイトルの意味が分からないので今後に期待です。「"白卓" -ジャンプ」で検索したら白子高校卓球部がヒットしました。たしかに、予告でタイトル見たときはちょっと卓球漫画の可能性も考えたな。小野先生の『フルドライブ』は傑作なのでよろしくお願いします(唐突)。
 巻頭カラーのアバン。本編では目デカい子が主人公だったけど、ここではスイクンの方。スイクンの物語が長年続いていたが、決定的なピースが欠けていて、それが埋まることで2人の物語になる、みたいな感じか。
 ……てか、本編読み終わってからアバンを読み返して初めて気づきましたが、このスイクンの子、女性か。「谷間があるってことは……女!?」という我ながら情けない認識能力である。いや、ここまで徹底して女性扱いを排した漫画というのも珍しいと思うし、おそらくこれは本作の独自性、強みに繋がってくると思う。もう1人の主人公はいわゆる陰キャだと思うけど、距離の詰め方が極端な女性にオドオドするギャグがない。意外であり非常に面白い。まぁ、次話以降に出てくる可能性は残るか。
 モノクロ本編。主人公(男の方)の変人性と、それと表裏一体である驚異の才能を示す一連の流れが圧巻。超面白い。主人公が秘めたる才能を見せるオープニングとか定番なんだけど、おそらくこれがゲーム作りのプログラミングの才能とも関わってきそうだし(プログラミング知識ゼロ人間の感想)、学校中を移動しながらいろんな場所、いろんな人をさらっと紹介してるのがお見事すぎる。こういう初回特有(読切でも可)の手際の良さって好きなんだよなぁ。見てるだけでウットリしちゃう。その中に、今回のゲームの主役であるヤニカス先生を出したのも変則的フーダニットって感じで面白かったですね。主人公は真似できないけど、「学校を舞台に面白そうな1人遊びしてんじゃん?」という人物。
 どうでもいいけど、今回、キャラクターのビジュアルで一番好きだったの、この森本先生だったりします。何だろう、漫画の絵としてちょうどいい心地よさを感じる。校内喫煙という、教師として普通に尊敬できない行為だけど、かと言って可愛げを感じなくもないグレーな行為というバランスも面白かった。実際の先生でいたら臭くて嫌いになってたと思うけど、漫画は臭いが伝わらないからな、そこらへんもちょうどいい。
 運命の出会い。ボーイミーツガールだ!(最初女性と気づかなかった人が後から書いた感想) 極端な日常モノとかを除けば、この世の物語は主人公の旅が始まることで動き出すと思うんですが、その始まりが彼女との出会いであり、「いじめられてると気づいてしまった」というポイントオブノーリターン。そんなことある? ものすごく身近なテーマなのにまったく考えてなかった不可逆的な事件なのでマジで笑ってしまった。こんなにも早く主人公の旅が強制的に始まってしまうことの手際の良さにやはり感動もする。この「いじめられてると気づく」は「故郷の村が焼かれる」のと同義ですね。
 初めてのゲーム作り。具体的な行程は一切描かずに完成。さすがに次回以降は細かく説明してくると思うが、初回は漠然とした頑張りのみ。適切な取捨選択って感じのデクだ。そして、完成品の披露。徹夜からの保健室の休憩で爆睡。授業に遅刻、からの教室に入るのが怖い。いじめられてることに気づくことで始まった彼の物語の最初のクライマックスとしてこれまたキレイでしたね。結果を知るのが怖いという壁(というメタファーのドア)を開けることで脳汁噴射。マジで見事な初回だ。とはいえ、「頑張り」の表現を徹夜にしたのは少し安易だった気はする。
 いじめられてても面白いゲームを作れば一発逆転。最初は「いじめられてる子が作ったゲームという先入観があるので面白く感じられないだろ」と思ったんですが、このゲームはあくまでも「佐野の班」の出品なのですね。爆睡遅刻の件もあって完全に “佐野たちがつくったのコレ” という認識でプレイしてもらえる。これは強い。
 そして、ゲームとは1人遊びを他人に体験させるものである、と定義したのも良い。キャラクターの紹介も当然大事だけど、そもそもの「ゲームとは」論も完璧にこなしてくる。ここが緩いと「これ別にゲーム作りじゃなくて成立する話だよね」となってしまい、結構この手のツッコミはありがちだと思うんですが、この初回、そういう理論武装がものすごく硬い。ガチガチである。
 ということで終わり。前号の『しのびごと』の感想でも「プロットに驚きはないが細かいところで良く出来てて楽しい」と書いたけど、本作も似た感じ。露骨に派手で大作感ある『魔男のイチ』も好きだけど、他の2作も好き。現状みんな好き。好き度でいったら過去作の評価も引きずって『しのびごと』が少し抜き出るけど、初回の完成度で言ったらひょっとしたら本作が優勝かもしれない。この流れだと『魔男』も考えないといけないが、なんだろう、「すごいの始まった」感とか。

『SAKAMOTO DAYS』183話

 B1の看守長は当時ORDERに最も近かったと言われてたくらいの実力者。B2以降順当に強さが上がっていくと思ったけど、案外そうじゃない可能性もある? まぁ、「現在ORDERに最も近い殺し屋」とかの上位概念は存在するか。
 冷凍庫の拷問(拷問ではない)。 “「悪いことをした人が2人いました」” “「でもAさんは身体が弱いので罪が軽くなりました」” がおかしい話として出てくるが、身体が悪いので罰が軽減されることは全然あり得るし、おかしな話ではないと思う。罪は軽くならないが、罰は軽くなる。言い換えがずるいぞ。
 シンのピタゴラスイッチ。偶然ではあるが、直前のシーンで占い師が行った根性焼きによる運気の上昇と同じことだと思う。占い師はそれこそバタフライエフェクト級の連鎖を起こしたが、連鎖を起こして直接の作用よりも大きな結果を生み出した点では同じ。シンの成長の指針として最適な人なのが分かるし、おそらくシンが運命の人なのも分かる。いや、平助になっても面白いけど。

ONE PIECE』1127話

 ナミの大冒険。いや小冒険って感じか。唐突に寄り道に入る感じがアニメオリジナル長編に入ったときのような感覚。「アニメが原作に追いついちゃうんで質は落ちるアニオリ長編やって時間稼ぎますね」というのは伝統だよね。アニメビジネスの方法が変わったので廃れつつある伝統だが。
 ナミとウソップが非力キャラとしてドタバタしてるのは見てて楽しい。懐かしくもある。とか思ってたらイーストブルーメンバーが勢揃いするのでちょっと感動しちゃった。映画『アベンジャーズ』シリーズにおける初期メンが特別扱いされるのと同じ現象。やっぱこの5人なんだよなぁ。まぁ、来週以降にチョニキ以降が出てくる可能性もあるが、しばらくはこの5人でやってほしい。いや、ビビが出てくるなら喜んじゃうかも。

センターカラー『しのびごと』2話

 オペさん、9号という名前らしい。匿名性の高い名前だからしばらく顔は出てこなさそうですね。やはりそっち系で行くのか。楽しみ。
 コミュニケーションが苦手な人の根っこにある心理、 “…ガッカリされるのが怖いんです…” 。分かる~!! “ガッカリするほど人はお前に興味がない” という言い分も知ってはいるし、それを頼りに成長していくしかないのも分かるんですが、そう簡単に割り切れないよなぁ。この端的さには痺れた。漫画としては面白いが、耳が痛い。
 からのカツアゲされてるとこを見られる、という “ガッカリされるぞぉ!!” な事態に巻き込まれるのも面白い。興味はないのにガッカリされるパターンもあるんかい。
 そこへの救いの言葉としての “恥ずかしくないよ?” も素晴らしかったし、何も言えなくなった輩が苦し紛れに暴力に出たのも大変リアル。そこに比較にならないレベルの暴力で解決するのはファンタジーだけど、3人ともキャラクターの解像度が高くて非常に良いエピソード。
 暴力ではあるが、「恥」を与えることで完全勝利するのも前述の「恥ずかしい」の話へと繋げてて見事でした。正直良く出来た話すぎると思うんだけど、そこに “…尻は出たがな” としょうもないギャグを入れることで臭すぎないバランスになってて良い。好みのバランス。やはりオペさんが強い。

『アオのハコ』165話

 千夏組にお化け大喜が接客。小さいコマだけど “びっくりと恐怖は違うでしょう!!” がめちゃくちゃ分かるので笑った。ホラー映画におけるジャンプスケア問題だ……(急に大きな音を立てる古典的なホラー手法)。
 驚くほどにイチャイチャする大喜と千夏パイセン、からのうまいこと行かなかったり、露骨にギスギスしてくる周辺カップル(未満)。最高である。大喜の物語はもう終わったんじゃないかと思えてしまう。
 扉から「可愛い子には怖い格好をさせよ」が一貫してた本話ですが、一番怖いのは普通の格好をしてる人で……と登場するラスボスで笑った。登場の仕方が軽くホラー演出なんだよな。
 貞子菖蒲に気づかず、(美的感覚とは別に)いつものがいいと言う匡と、菖蒲だと気づき “どんな守屋さんも可愛いね” と言う高砂くん。こじれてて良いぞ。特別匡が悪いというわけではないが、この対比においては高砂くんの勝ちですね(だと思う)。高砂くん、安易なかませドッグになってなくて良いぞ。

『呪術廻戦』270話

 戦いで死んだ人と生き延びた人の区別が正直よく分からん。日車は「非戦闘員なはずなのに死んじゃって地味に可哀想だよな」とか思ってたのに生きてるし、ある意味一番可哀想な人がそのまま死んでるし。
 いろいろあって、三馬鹿が小さな事件に向かってエンド。そのまま次回最終回。完全に最終回の序章という感じの話でしたね。そういうパターンもあるのか~と面白かった。事件自体にはそれほど興味が湧かない(少なくとも表面上は)引きだったのも面白い。このままシンプルな事件なのかは知らんが、戦いが終わってかつての日常が戻ってきた感としてもなかなか感慨深いものがある。大人たちが奔走してるのが描かれただけに。ここらへんの子供(学生)扱いを徹底するところ、本作でかなり好きです。……いや、仕事してるのが学生の日常ってのもおかしな話ではあるんですが。

センターカラー『僕とロボコ』202話

 200話突破記念と映画公開日決定記念のカラー。一瞬なんで『時をかける少女』やってんのかと思いましたが、映画ってことなのね。劇場版映画ではない作品を持ってきてるところに妙なこだわりを感じる。あと『時かけ』は100億なんてとてもじゃないが行ってないです。興行収入なら『ロボコ』普通に勝てる可能性あるぞ。
 カラー裏。公開日が後ろ倒しになった件について主演のロボコにインタビュー、というのが載ってるんだけど、これを誰が書いたのか知らんけど、撮影がうまく行かなかった映画の例として『地獄の黙示録』を出しててちょっと渋い。あまり本編で出るタイプの作品じゃないと思う。
 本編。アカネちんのホラー回。お馴染みではあるが、今回面白いのはロボコが完全に同行する点。いくら怖くなってもロボコがギャグ漫画の住人としてギャグで落としてくれる。超頼もしい存在である。本格ホラーとロボコのコテコテのギャグが食い合わせ悪いんだけど、振り幅大きくて面白かった。
 前号の『超巡』のセクシー人参に続き、 “ヒトみたいな大根のことじゃない?” と出てきたので笑った。謎の根菜ブーム来てる。前号でバッティングするとこが見たかったぜ……。

『魔男のイチ』3話

 雷の狐を退治する。ここに来て日常回、日常の狩りって感じのデクだ。こんな簡単に第二の魔法をゲトるのは少し意外でした。習得された狐も喋り出したらさすがに渋滞するのでウロロだけ特別で喋れるってことなんだろうな。
 んで、狩りの説明。実在の獣の習性が魔法に当てはまりすぎててちょっと都合の良さも感じるんだけど、「狐は北東にジャンプするのが得意」という情報が興味深すぎるので正直それどころじゃなかった。軽く検索したらホントに出てきたけど、何のためなのかはよく分からない話だ。磁気を感じて方角が分かる動物ってのは聞いたことがあるけど、北東の意味とは。
 んで、狩りができた証拠を手土産に首都へゴー。でエンド。どういう理屈で学ランを着ることになるのかが気になる。女装への前フリという目的もありそうだが。

『逃げ上手の若君』173話

 顕家が死んでも顕家パパがジェネリック的に出てくる。実戦には出てこない顕家って感じで良いバランスだと思う。顕家というキャラクターの特徴に改めて気づかされる意味でも良い。勉強させるの好き、とか「顕家といえば」で出てくるの結構後ろの方だと思う。
  “おじさんの詰め合わせです” 自民党総裁皆殺しで笑った(そういう意味ではない)。いや、かなり唐突なので、うまいギャグではないと思うんだけど、強引さも含めて笑っちゃった。新総裁が決まる週にぶつけてきてて、タイミングが完璧なんだよな。
 次の戦い。今度は海戦だ。そもそも逃げづらいフィールドという意味も含めかなり面白そう。歴史モノにここまでバリエーションがあることにも驚く。まぁ、本作の神力システムにはかなり興味ない、というか期待してないので比較的サクッと終わりそうな雰囲気も含めて面白そう。

『カグラバチ』50話

 契約者2人目。盲目(グラサン)剣士だ。良い。ロマンだ。激細グラサンがずれて目(閉じてる)が見えちゃってるのも良い。盲目剣士設定とこの顔だけでもう満足みたいなところある。『ONE PIECE』みたいに「座頭市ですけど何か?」とならないのが偉い。あれはあれで大好きだが。初対面で顔ベタベタ触るも常識外れではあるが、まぁ理にかなってるのでそこらへんも良い。現実的な論理と漫画的な飛躍(デフォルメ)が良い案配。
 視覚以外が優れてるのはこの手の作品では定番すぎて「当たり前でしょ?」みたいなところあるが、嗅覚メインになってるのが珍しい。いや、嗅覚剣士だと某長男が若くしてレジェンドの風格ですが、明確に描き方が違うというか、炭治郎の嗅覚はほとんど第六感みたいな扱いなので、普通にやったらそんなに被らないか。
 嗅覚が自慢ならタバコは吸わない方がいいと思うのだが、自分を中心に強烈な匂いを発し続けることで、その領域内に入った人物をマーキングする、みたいなバトルロジックが出てきたら嬉しくてオシッコ漏らしちゃう。

『ひまてん!』11話

 ひまりの芸能人としての後輩登場。露骨にハーレムラブコメの新キャラって感じのデクだ。マジでストレートすぎて驚くんですが、さすがに今の時代何かしらの捻りが加わる可能性もあるのではないかと少し疑ってるので判断に困る。安直なやつだと、ひまてんの2人は最強のビジネスパートナーになって恋愛ではない、みたいな。今回の人は「推し」で繋がる、とか。
 出会い。殿一が学校でも、仕事でもないときに出会うのが良い。ここらへんは明確に差別化されてますね。そこで「とにかく良い奴」という出会い方をする。以前からの知り合いでもなく、仕事のスキルで魅了するわけでもない。
 とにかく巨乳のインパクトが強調されるが、決して乳袋にはしない。小野先生の強いこだわりを感じる……と思ったらラストにグラビアアイドルと判明するので、「乳袋どころじゃない乳そのもののシルエットが明らかになる」の前フリだったか。たしかにその意味だと乳袋でデカさを示すのは向かないわな。ハーレムの中に芸能人キャラがいるのもそこそこ定番ですが、このグラビアアイドルと明かされるまでの助走はなかなか面白かった。
 グラビアアイドル観も今っぽいというか、ただの「男子学生の欲望の体現者」という感じではない、と結構無理ある流れで強調されたのも興味深い。最近のグラビア業界のことは知らんが、たぶんこういう感じの人が多くなってるんだと思う。グラビアが芸能人としての最終目標ってわけじゃ今のところないが、それはそうとやらされてるわけじゃない、というややこしいが妙にリアリティも感じるバランス。
 それに対する殿一のグラビアアイドル観、露骨に言うとおっぱい観も下品すぎず、それでいて「性欲ないの?」というほど清廉でもない。ここらへんも今の男子学生のリアル……なのかは知らないが、まぁ良いんじゃないでしょうか。
 超どうでもいいけど、サインのデザイン見るのが超好きなので、劇中にめちゃくちゃ凝ったデザインのサインが出てきて嬉しいです。「A」なのか「a」なのかは分からないけど、それをハートにしてるのがポイント高い。「kanna」だけかと思ったらアイザワの「az」もあるよね。ただ、「n」が3つある気がしてそこは引っかかる。

『ウィッチウォッチ』172話

 チャミーの料理番組。チャミーもサイン見せてくれ。
 漠然と「まいんちゃんという人物が人気だったらしい」くらいの知識しかないんだけど、おそらくその番組を踏まえてるんだと思う。実態を何も知らないので「ホントに作るの!?」と驚いてしまった。
 スランプズルをして面白い事態になるが、結果オーライ的に人気が出る。道中は普通に面白かったのだが、オチの「ツッコミスキルが評価されてバラエティ番組に呼ばれるようになった」の部分、本話で描かれるツッコミは本作においては割と普通のものなので、本作の住人みんなバラエティ番組に通用するのではないか。今更ではあるが、「テレビで通用するツッコミ」というのを漫画で自信たっぷりに描いてるの結構すごいな。いや実際面白いと思って毎週読んでるけど、何か急に社会一般的な評価軸を持ってこられたので不思議な気持ちになってしまった。

『あかね噺』127話

 モヤモヤするあかねの、自身による脳内整理。夢想するキャラクターとしてからしが出てくるの、思春期だったら普通に恋心に発展しちゃうやつだよな。夢に出てくると好きになっちゃうパターン。それと、相変わらず「おっ父死んでる気がする」があかねのイメージとして描かれるので笑ってしまう。
 悩んでるように見えたあかねだが、その実態は芸の継承について悩んでるのではなく、過剰に気を使って回りくどいことをしてきた師匠に対して「水臭い」。過保護にされてたのが信用されてなかったみたいでモヤモヤしてた。継承について悩んでたわけじゃないのが良いですね。あかねのギャルマインドを感じる。大勝負前の気持ちの整理として結構珍しいタイプの話でめちゃくちゃ面白かった。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』243話

 太陽と旦の決戦。割と出たとこ勝負な印象もあったが、かなり詳細に、勝てる可能性を具体的に考えた上での作戦だったのが良い。もちろん太陽のリスクは大きく、それを心配する家族も多いのだが、現在手元にある選択肢の中では最も妥当な作戦と言わざるを得ないので、それを実行するまで。太陽の「俺にやらせてください」的な暴走では全然ない。あくまでも家族会議で導き出された「作戦」だったのが最終章っぽくて良い。
 そんな家族会議が回想として差し込まれる構成だが、クライマックス直前で百のメッセージも差し込まれることで、百も家族会議に加わってたみたいな感じになっててこれまた面白い。敵陣が百の能力を土台に作られてるのも含め、退場したはずの百が重要人物として居座り続けてるのが良い。やはり夜桜家の外様である婿という立場なので、ある意味凶一郎とよりも関連が深い人物と言えるのかもしれない。

『願いのアストロ』22話

 海上プラントに行くが、ヤクザの事業みたいな話ではなく、基地の一つが敵に襲われたのでその形跡から情報を見つける、という比較的シンプル、というか割と他の作品でも成立しそうな話でした。ちょっと残念だが、そんな複雑な話になるはずもなかったか。
 キンパが重要人物。銀次と似てないという話から “2人は本当の親子じゃないし” とヒバルが言う。一見すると超感じ悪い発言。兄弟姉妹の中で唯一の実子が言うのはデリカシーを疑ってしまう。その場でぶん殴られてもおかしくないレベルだと思うんですが、おそらくヤクザとしての親子の契りを交わしてないので、みたいな前提があるんだと思う。
 レリ姉の時間逆行弾。要はサイコメトリーなんですが、「時間逆行弾」という字面を見るとどうしても映画『テネット』を連想してしまう。ぶっちゃけ未だにあれがどういう意味、理屈だったのかよく分かってません。雰囲気で楽しむ映画という認識でいいよね、と開き直ってる。

『鵺の陰陽師』67話

 超偉い人登場。緊張感が走ると同時になぜかリラックスしてしまうらしい。『鬼滅』のお館様だな。1/fゆらぎがどうのこうのって設定だった気がする。何がどう1/fゆらぎなのかは全然覚えてない。
 超偉い人が出てきて緊張するべきだが、鵺さんだけ相変わらずマイペース、という話なのは理解するのだが、学郎に対する小さいツッコミなど(軽い説明など)私語が多いのであまりうまく行ってない気もする。学郎が隊長らしく構えていられるか、という話は面白いし、 “おどおどすんじぇねぇ” のくだりとか良かったんだけど、周囲の私語が普通に多いので別に多少おどおどしてもいいんじゃないかなって見えちゃう。

『キルアオ』70話

 空手の受けが強すぎるので攻撃ができない。ので、武器を使って戦う。空手の道に執着するような相手に対して、多彩なアプローチで活路を見出そうしてて面白い。いや、武器を使うのも全然武道に含まれると思いますが、あくまで対比として。
 そして、シンの強さは多彩な攻撃の手段、武器を扱うスキルではなく、殺気すら自在にコントロールする点にあった、という逆転。ヤムチャになるおしゃぶりとか笑ったんですが、やってる作戦自体はプロとしての格の違いを見せつけるような内容でとても良かった。器用さというか、何にでも対応できるというのがちょっと大人っぽい印象ありますね。
 んで、敵の腕の装甲を破壊することに成功。いや、装甲ってことはやっぱ装備の持ち込みしてたってことなので、ルール的にまずくないのか? いや、それだとおしゃぶりも議論の余地があるかもしれないが、おしゃぶりは小石を投げるとかでも代替可能だろうし。

『悪祓士のキヨシくん』13話

 戸坂さん、ニワトリ出すので笑った。トサカってそういうことだったのか。しかも下の名前はザンギだったので、すべてがニワトリ。北海道はでっかいどう……!
 そんなトサカ。まともな良い人が加わることで、無意味にかっこつけたがる若者2人の異常性が際立ってて面白い。強くて頼もしいが、コミュニケーションに無駄が多すぎる。そこを大人が大人らしいバランス力でカバーする、というのが良いチームワーク。
 前回「2人が頼もしすぎてトサカが足を引っ張る状況が想像できない」みたいな感想を書いたんですが、他チームがわざわざ拉致して攻撃してくる。これはまったく考えてなかった。あまりに不毛な手間なので気づかなかった。別に生き残り戦とかじゃないからそこまで妨害に必死にならなくてもいいのに。てか、森の試験のこと誰も気にしてないですねw

『超巡!超条先輩』31話

 動物園から逃亡したゴリラとポンちゃんの区別がつかない。ちなみに、扉でドラミングしてる霊長類はドラミングがグー(ゴリラはパー)なので人間、つまりポンちゃんだと推測できます。
 あの手この手で区別がつかないので笑うんですが、前提として超巡とローボなので仮にゴリラが近くにいても安全面での心配は不要、というのがありますね。いや、そもそもローボは分かると思うんですが、機械特有の論理性が疑念を深めていくので笑う。
 ゴリラの表情。3種類くらいしかないんですが、それで事足りるというか、どんな状況にも当てはまるように見えてしまうのでずるい。アルカイックスマイルってことなのかな。たぶん本人は何も考えてないのに、あの顔を見るだけで無限の情報を勝手に読み取ってしまう。

『アンデッドアンラック』223話

 前回の感想で「時間がいじれるならわざわざクエストの形式守る意味あるか知らんけど」的なことを思ったんですが、今回の本編がまさにそのものズバリなので感動した。いや、感動もしたが、同時に本作のことを信じきれなくて何か申し訳ない。前回は「マスターさんと戦う方が面白いからこれでいいよね」的な感想だったので。ちゃんと作品とコミュニケーション取れてたのに、勝手に私が引いてしまった。悲しい。
 マスターさんたち全滅。ものすごく打ち切り作品終盤みたいな雰囲気あるんだけど、まぁ今後まだ活躍する予感が残ってたので案外これがベストな選択だったんだとも思う。マスターの能力はスケールが大きすぎるので多人数が同時に参加するバトルを描くのも難しそうだし、一旦「神被害者の会」に入ることで話が円滑に進みやすくなった気がする。そもそもマスターの後ろに神がいるのは決まってたので、「四天王キャラ多すぎねぇ?」という話でもありましたね。

『妖怪バスター村上』14話

 村上が、ヘンゼルとグレーテルの悪夢に囚われる。悪夢幽閉とか急に『ONE PIECE』と同じ話始めてるので驚いた。こちらは一話で解決するので頼もしい。まぁたしかに、夢特有の不条理感と、村上の屁理屈スキルは相性が良かったと思う。
 こないだの運転回で明らかになった法律に精通してる点を踏まえて話、というか事件の解決が構築されてくのも面白い。あくまでも「法律を無視してる」だけに過ぎない魔女よりも、何かの考え(シナリオ)に囚われて謎の行動を続けるグレーテルの方が狂人としてのレベルが高そうなのは笑った。シンプルながら本作の魅力が詰まった良い回でした。お手本みたいな回。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。9月のお題は「米に関するあるあるをみんなで発表しあおう!」。結論から言うとめちゃくちゃ面白かった。やはりあるあるネタは最強。
 東。照りさんの「銘柄の名前、Vtuberみたい」。すげぇ良かった。いやよく考えるとVtuberの具体例を全然知らないんですが、それでも何かありそうだと納得してしまう。個人的には「ゆめぴりか」が一番いそうなイメージ。
 ひまわり戦車さんの「同じ冷やごはんなのにおにぎりにしたヤツがおいしい」。そりゃそうだろ的な話なんですが、おにぎりと冷やごはんを比較する発想がなかったので好き。塩のおかげだと思うんですが、こう考えると塩のありがたさがスゲェ。
 サカナデさんの「冷たいわかめご飯おにぎりウマすぎる」。内容が似すぎてるんですが、それ故にちょっと連作みたいな印象でどちらも好き。冷たいご飯のことこんなに考えたことなかったよ。
 ねこってかわいいさんの「炊飯器のタイマー忘れて水に浸った米出来がち」。あるあるの強度が高い。映像が鮮明に浮かんでしまった。夕飯どうしよ……みたいな絶望感込みで。
 ぺんぎん機長さんの「赤ちゃんみたいに抱いて帰る」。個人的に優勝。あるあるとして圧倒的に分かる。あの謎の抱き心地の良さ、歩いてるうちにちょっと母性みたいなものが芽生えてくる感じがものすごくリアルに脳内を駆けめぐった。文章のシンプルさも含め、とても好き。
 西。ゲインズさんの「親知らずを抜いた穴に米粒がシンデレラフィットする」。あのめちゃくちゃウザいストレスがあるあるとして強度が高いのに、それをなぜかキレイな表現で包んでるので笑った。ストレスの種が急にキラキラした雰囲気になってくる。
 半額カーネルさんの「イギリスの国旗って『米』国っぽい」。マジで感心してしまった。どちらの国も米のイメージは全然ないのも含めて好き。
 未完の貴公子さんの「親がこめ太郎に精米に行くのでコンバイン袋の車への積み荷を任される」。シンプルさとは真逆のアプローチなんですが、それ故に小説の書き出しみたいな世界の広がりが感じられて好き。「米」を介した親との交流が食事じゃないというのも意外な発想で良いですね。
 なおとも母「手巻き寿司 ご飯なくなり 再度炊く」。不意のトラブルに慌てながらも空間全体を幸せな雰囲気に包まれてるのが伝わってくる良いネタ。文字が直接的に示してるのはトラブルというネガティブな情報なんだけど、その裏には大満足の食事というポジティブな空気が流れてる。素晴らしい味わい。てか、よく考えたら575になってるので普通に良い川柳。

次号予告

 『アオのハコ』がアニメ開始直前で表紙巻頭。『呪術』は最終回なので当然センターカラー。特大。改めてだけど、今号カラーじゃなかったのが意外だ。今号表紙でもおかしくないと思うくらいなんですが。
 個人的に楽しみなのは『呪術』ですね。当たり前すぎますが、まぁしゃーない。

目次

グラビアのってないジャンプも好きだけど、僕はグラビア大好きです。
(『ひまてん!』)

 グラビアのないジャンプの漫画でグラビアアイドルを扱うのはちょっとだけ抽象性が高まりそうで面白い視点かも。
 あと、ジャンプでも長期連載になるとコスプレグラビアみたいなレア企画が実行される可能性もなくはないです。『ロボコ』はやったし、過去には『ゆらぎ荘』もありましたね。『勉強』もやってたかも。今の連載陣的に『アオのハコ』がちょっと邪魔だが、あちらはイメージ的にグラビアと食い合わせ悪いので案外マジで本作あり得るかもしれない。

愛読者アンケート

 新連載についてと、コミックスを書店で買うともらえる無料のノベルティノベルティきっかけで買ったこと、ある。とらのあなとかメロンブックス限定で何かがついてくる、みたいな企画を好きな漫画がやってたら寄り道してでも買う。……いや、「ノベルティきっかけで買う」の意味とはちょっと違うか。買うつもりがなかった漫画をノベルティによって買うようになったことはないです。買うかどうかは別の軸で既に決まってる。

総括

 遅くなりました。しんどかった。マジでつらい。三連休が2週連続するのはありがたいけど、ジャンプ記事的には困った話だ。

 今号のベスト作品。新連載。すげぇ良かった。
 次点は『ONE PIECE』『しのびごと』『ロボコ』あたり。

 ベストコマ。『アオのハコ』より、背景に映り込む咲季。完全にホラーで『ロボコ』よりも怖かった。最悪のタイミングで登場し、最悪の話を持ちかけてくる。

 ベストキャラ。『カグラバチ』もしくは『ひまてん』の新キャラ。どちらも新キャラ紹介回として魅力的だった。初登場回としてキレイなのは後者だと思うのだが、盲目の侍とグラビアアイドルだったら前者の方にときめいてしまうのが中二心というものでしょう。なのでベストは前者。
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