- 背表紙
- 表紙
- 読者プレゼント
- 巻頭カラー『ウィッチウォッチ』196話
- 『魔男のイチ』28話
- 『ONE PIECE』1144話
- 『アオのハコ』190話
- センターカラー『カグラバチ』73話
- 『逃げ上手の若君』197話
- 『SAKAMOTO DAYS』207話
- センターカラー『斬吸血鬼譚ザンキ』深森象
- 『しのびごと』27話
- 『あかね噺』152話
- 『悪祓士のキヨシくん』38話
- 『ひまてん!』36話
- センターカラー『キルアオ』95話
- 『僕とロボコ』227話
- 『Bの星線』8話
- 『シド・クラフトの最終推理』18話
- 『エンバーズ』9話
- 『願いのアストロ』47話
- 『超巡!超条先輩』56話
- 『鵺の陰陽師』92話
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 目次
- 愛読者アンケート
- 総括
『デアデビル ボーンアゲイン』5話がマジ面白い。完全に独立したエピソードなので、何も知らなくていいから「目が見えないけど他の五感が鋭い弁護士が銀行強盗に挑む」くらいの認識で観てほしい。ディズニープラス入ってたら。
背表紙
「毎週月曜! 元気になれる一言コレクション」。個体差かもしれないんですが、ひまりのセリフが読み取れない。印刷が潰れてるというか、欠けてる?
表紙
『ウィッチウォッチ』。アニメ放送直前記念。知らんかったんですが、夕方なのですね。『夜桜さんち』に続いて非深夜アニメの流れが来てる。
読者プレゼント
ポップコーン。映画の連想がしやすいんですが、映画への寄り道は一切ナシ。ポップコーンで1本行けますよ、という謎の気概を感じる。まぁ、最近は映画館文化とは別のポップコーンも人気だったりするか。うまく説明できないけど、やけに整った球体のやつ。名前は知らないけど、おいしい。
巻頭カラー『ウィッチウォッチ』196話
ボーイズの喧嘩。マジでしょうもないきっかけ、かつしょうもない内容の喧嘩。この生々しさが絶品。こういうのマジでうまいですね。感心もしたし、何ならちょっと感動してしまった。リアルすぎる。喧嘩を止めるための壁だが、4人の分断をより強固にしてしまって逆に仲直りしづらくなる……みたいな話になって面白いと思ったら、そんな話ではなかった。
からの良い話。ちょっと強引じゃない? そして、ペット文脈における「虹の橋」は、死んだペットが天国へ繋がる虹の橋の手前で飼い主を待ってて、飼い主が死んだら一緒に橋を渡る、という話なので今回の話は少しズレてる。シンプルに間違い。むしろ逆の意味なので「薄情な猫だな」ってなっちゃう。そもそもバーサンの目の前で劇団的に再現するのが良い話なのかが少し疑問なのですが。
バーサンは悩むくらいだったら元ネタくらい調べてくれよって話だし、言い伝えじゃなくてペットと死別して悲しんでる人に対して「再会して一緒に天国行けるよ」と慰める目的の詩だから二重におかしい。てか、元の詩を教えてあげるだけで今回のお悩みは解決だった可能性……。
あと、今のジャンプ的に「虹の橋」といったら北欧神話ですね。
『魔男のイチ』28話
リチアによる “お友達ね!” 。普通に可愛いのですが、姉弟の話を一致させてることを考えると、ここでの「弟に友達ができて嬉しい」というのはデスカラスと重なる話ですよね。あの可愛いポーズ取って興奮してるデスカラスちゃんが見たいぞ。
そんな微笑ましい会話から、彼女は微笑ましいままなのに、「微笑ましいのがおかしい」という話になる。この流れるような不気味さ素晴らしいですね。その不気味さを通じてバクガミの魔法の正体が一気に明らかになる、という語りが見事である。映画『インサイドヘッド』だと悲しみの感情の重要性が物語のキーになるんですが、本作も同様。人間性の根幹としての悲しみ。『インサイドヘッド2』は共感性羞恥の絨毯爆撃みたいな話なのでそちらもオススメです。
ゴクラク。イチに秘密を知られてしまったのでなりふり構ってられない。のだが、イチとしては秘密を知ったことでゴクラクの仕事にめちゃ前向きになる……というのも良い着地であった。本作やっぱ話が面白いな。一話区切りの語りがとてもキレイというか。
『ONE PIECE』1144話
“この世の不思議はまず「悪魔の実」と考えるのが早い” という仮定から策を練り出すジンベエが頼もしい。知将タイプとは微妙に違う、経験値を感じる頼もしさというか。そこにブルックが口を挟んで予想される情報の精度を上げてくくだりも良かった。年長者の魅力。
矢印輸送中の子供たちを何とか止めようと奮闘するサウロ。正直、読者の立場からすると「いやそれはもう止められないものとして次の話に行った方が……」みたいな気持ちになるんですが、たしかに実際にあの場にいたら目の前の子供たちを止めようと諦めずに、しつこく試行錯誤を続けますね。サウロたちの奮闘が眩しい。
一方怪物たち。こちらは腕力で何とかするので笑った。まぁ、倒せる戦力はエルバフの中でも限られるのでしょうが、ちょっと意外で面白かった。ひょっとしたら子供たちも強引に止める方法あるのかもしれない。まぁ、あっちは子供を傷つけずに止めるのが難しいので、違う話になるとは思うけど、何か知略を巡らせるとクリアする方法もあったのかもしれない。
『アオのハコ』190話
もしも大喜がバスケを選んでいたら、という世界線。『ホワットイフ…?』だ。どこかでウォッチャーが見守ってるぞ。
バスケ大喜、千夏パイセンとの出会いは早いが、絶妙に仲良くはなれず、なぜか演劇部へ。演劇部のくだりが急に強引に感じられた。まぁ、あの程度でバスケをやめてしまう程度のものだった、という話なのは分かる。それはいいんだけど、演劇部に対するイメージが悪すぎるというか、「運動部はすぐ文化部のことバカにしやがってよぉ……」みたいなキレの感情が湧く。別に大喜は演劇部で青春を謳歌すればいいじゃん。千夏パイセンと結ばれなかったという話にすればいいだけのことなので。マジで感じ悪い。三浦先生は去年の読切で美術の青春を描いてたので文化部に対する蔑視があるとは思えず、そこまでは疑わないんですが、今回の話は普通に感じが悪い。千夏視点で考えると「私と結ばれなかった大喜は不幸せ」みたいな感じになるので、それはそれでイヤな感じ。「私以外の人と結ばれて幸せになってたかもしれないけど」みたいな話で良くない?
センターカラー『カグラバチ』73話
モブ妖術師殺されコンテスト。3人をカラー1枚で処理するのはちょっと無理があったと思う。まぁこれは募集段階で分かっていたことかもしれないけど。あと、本編にオモシロ能力を持った妖術師がそれほど出てこないのでそこらへんも少しチグハグに感じる。募集段階ではもっと強い妖術師を出す予定だったのだろうか。
本編、の前にカラーの裏に扉があるので面白い。本作そんなに扉を入れたがるタイプの作品じゃないと思うので。
サムラの子育て奮闘記。ナデナデからたんこぶ発見とか鮮やかすぎる。今まであまりなかった全盲ならではの話の展開が盛り沢山で、「外薗先生も『デアデビル ボーンアゲイン』を観て刺激を受けてるのかな?」とか勝手にウキウキしてしまう。あのドラマだと、事件の至る所にとあるタトゥーをした関係者が現れるんですが、主人公は全盲なのでそれに気づけない、というハラハラ要素があって面白いです。そのマークがプリントされた銃弾を手に取って初めて気づける、というのも良い。
全盲の悲劇として、1ヶ月気づけなかった。既出の家の落書きという情報をこういう形で出すことでサプライズ要素にするのが見事ですね。例のタトゥーに気づけないデアデビルと同じだw
そんな迫害はフェイクニュースによるもの、という情報戦の要素を入れてきたのも面白い。やることが姑息すぎてちょっと別の意味で面白いが。まぁ、秘密を暴露しようとしてる側が「証拠はなくてもダメージは与えられる」と考えるのは自然なことではあるか。ただ、そこで暴露したい情報が間違った形で伝わっても構わない、とするのがいかにも悪役らしい。
自殺の妄想、からの泣き声で安心……はできない。という場面も良かった。良かったが、よく考えたらこれは全盲関係ないですね。普通の親心。いや、だから悪いという話ではなく。
『逃げ上手の若君』197話
塔の屋上へと登ったのは、どこまでも登り詰める野心のメタファー。な、なるほど……。これは先週の時点で気づくべき話でしたね。先週の屋上の登る場面、ちょっと間抜けに見えたのだが、別の意味もあったのか。野心に従って登り詰めたがどん詰まり、というのが吹雪の現在地としてものすごく象徴的。てか、クソ親の崖から突き落とす試練も「野心=登る」の法則に合致しますね。全然気づかなかった……。
手首からの出血が止まらないので吹雪は捨て身で殺しにくる。からの遠距離、中距離、至近距離の3択のくだりとか面白かったんだけど、右手首から出血してるのに右手で大技を放つなんて無理じゃない? 人体の仕組みに詳しくないから自信ないけど、手首の切れてるのが手のひら側なら刀を強く握ることも可能(少なくとも理論上は)、ということなのだろうか。
『SAKAMOTO DAYS』207話
ORDERのOGたち、キンダカの話しか出てこなくて、四ツ村は放置したままお開きになるので泣いた。シシバしか四ツ村のこと気にかけてくれない。悲しいけど好き……(シシバと四ツ村が)。
延命措置としてスラーと組んだ沖と、 “ジタバタするのはよそうぜ” なキンダカ。旧世代としての話が掘り下げられそうですね。ここはかなり面白そう。坂本もシンたちを相手にすればもう親世代と言えるので、坂本が今後取るべき道としての指針にもなるのではないか。
葵さん、南雲かと思ったら普通に本物だったw マジか、疑ってごめんよ……。ただ、家族を失ったかもと一瞬でも思ってしまった、実感してしまったことで坂本の心がポッキリと折れる。メンタル面で追いつめる話になるとは思ってなかったのでめちゃくちゃ面白い。家族の死を考えてしまった時点でアウト、というのは今週の『カグラバチ』とも通じますね。そして、その指摘を四ツ村がしてるのが良い。
センターカラー『斬吸血鬼譚ザンキ』深森象
読切。9連読切企画の7/9。作者は初めまして。動物の象がペンネームの由来らしいが、読み方はショウ。
本編。話はかなりシンプルで、吸血鬼がいる世界の吸血鬼ハンターという感じ。最初から最後まで主人公が最強で楽勝。バトルの内容も攻防とかロジックではなく、決め絵主体で見せる感じ。この決め絵がバシバシ決まって話が進行していく感じ、特に前半はすごく良かった。何ならジャンプに載る読切の中でもトップ層の輝きだったと思う。
からの後半、というか終盤、どんどん粗が見えてくるというか、粗じゃないにしてもちょっと乗り切れない要素が目立ってくる。ワンパンで勝負が決まるバトルは面白いんだけど、それなりにバトルが長引くことになるとその過程や流れを説明するのがうまくないというか、分かりにくい。もっとシンプルに言うと位置関係だろうか。店内の全体像もよく分からないままゴチャゴチャとしたバトルが始まって、決め絵的なアップで展開していくので、マジで分からん。そのくせ、庇護対象の女の子が店の外に逃げて、それを吸血鬼が追って、主人公が間に入って、という位置関係がかなりややこしい展開になるので、すっごく分かりにくい。話のテンションが盛り上がるのに比例して「いやちょっと分かりにくいかな……」という引っかかりが大きくなっていく。店のある外観、通り、街の様子もゴチャゴチャして魅力的ではあるんだけど、実際に何がどうなってるのかよく分からないまま話が進むし、バトルの中に「店外に出る」という要素があるのでつらい。そこでバトルが最高潮に盛り上がり、背景のない決めゴマが来たりするので「かっけぇ~!」となりづらいんだよな。位置関係の他にも、バトルの最中に細かく何やってるかが分かりにくい、というのもあったと思う。必殺技のないバトルで勝負するのは大歓迎だが、それをやるには分かりやすさが足りない。
これは私の思い込みのせいかもしれないが、主人公が攻撃を受けた場面で「吸血鬼になっちゃうじゃん」と誤解した。厳密には「からの既に吸血鬼パターンか?」とまでなった。実際は噛まれない限りは大丈夫らしい。まぁたしかにそういう説明ではあったが。
終わり。何とも感想に困る作品であった。いや、感想自体は普通に書けるが、総合的な結論が何とも。「良いところの良さ」はめちゃくちゃレベル高かったと思うし、本当に心躍ったんだけど、「足りないところの足りなさ」が終盤にかけて目立ちまくるので読んでる際のテンションや、読み終わった直後の印象がとても良くない。じゃあクソだったかと思って読み返すと前半部分はやっぱ普通に面白くて「全然良いじゃん!」ってなるし、話を追うことを無視してパラパラめくりながら絵だけ楽しもうとするとこれまた「めっちゃかっこいいじゃん」ってなる。結論として、総合的に良いか悪いかで言ったら、良くはない……。
『しのびごと』27話
エピローグかつ誕プレの結論。オペさんが反省しつつヨダカのメンタルケアしてるのがめちゃくちゃ良かった。こういう仕事の内容、バトル漫画や少年漫画だと珍しいと思う。ヨダカの「マルチタスクが苦手」設定によって、そのメンタルケアが直接的なヨダカの強さに繋がってくるのが秀逸ですね。
誕プレ。ポンコツチョイスかと思いきや4人中2人が賛なので笑う。笑ったが結論としては「何でもいい」なので、案外ここで賛否が分かれたのもある意味正しかったと言えそうですね。いや、チョイス自体間違ってはいると思うのだが。
んで結果発表。アオイさんの視点で「何が欲しいか」「何を欲しがればいいか」という問題を出してからの “でも…なんでもよかったのか” と落とすのが良い。ヨダカのポンコツが肯定される話が理にかなってるし、普通に誕プレ論として真理だと思う。 “きっと… 絶対大切になる” も素晴らしかったですね。アオイさんのこういう殺し文句はいつも殺傷力が高いが、今回は普通に良い話でもある。
『あかね噺』152話
決まりごとメガネの真価。正統派な雰囲気で品格を感じさせる佇まいを利用してものすごく下らないギャグを放ってくる。本作はこういう「なぜウケたか」の部分がしっかり納得できるようになってるから良いよね。本作読むのに慣れたから当たり前になってるけど、劇中の笑いを読んでてちゃんと笑える、もしくは納得できる(冷めない)のは意外と難しいと思う。扇子のくだりの “十年は持つ” のコマ、顔を振った直後ということもありメガネがちょっとだけズレてるのですごい。もうちょっと分かりやすく、大げさにズラせばいいのに……と思ってしまうくらい、微妙にズレてる。違う作品、新人の読切とかだったら絵が下手なんじゃないかと疑ってしまうくらい。
爆笑派かと思ったら作品主義。そして異常なのは客のリアクションも含めて完全にコントロールしてる点。ここはさすがに漫画らしい誇張を感じる。まぁ、方向性としては分かるので超人としてのキャラ付けとして分からんではないが。
関係ないけど、ネタ帳(台本?)に時間が秒単位で指定されてるやつ、『ドラえもん』の「スケジュールどけい」を思い出した。ものすごく偶然なのだが、こないだ観ました。ドラがトイレに行く回。
『悪祓士のキヨシくん』38話
黒鐘凶華のバトル。鐘を出現させ、その鐘が鳴った回数が多いほど威力が上がる。ゲーム性があってなかなか面白そうな能力。『HUNTER×HUNTER』のぐるぐるパンチと同じと言われれば、それはそう。まぁ、腕ぐるぐるを急いだり加減できない本作の方がフェアかもしれない。フェアとは。
そんな鐘パンチの名前が「ゴーンガール」。女が鐘をゴーンと鳴らすからゴーンガール。バカすぎるネーミングで笑ってしまった。もうダメだわ。今週の優勝である。面白すぎる。映画『ゴーンガール』は鐘をゴンゴン鳴らす映画ではないです。「gone」だから「どっか行っちゃった」「いなくなった」ですね。行方不明の妻の話。ちょっと信じられないくらい面白い映画です。鐘は突かなくてガッカリしない人にはオススメ。あと15歳以上。
先週の『ベイビードライバー』といい、映画のチョイスがちょい渋めなのが良いよね。なのに本編との関連がほとんどダジャレっていう。そのギャップが良い。あと、ちょい渋めではあるが、比較的最近の作品なので若めの人が自分の好きな映画から選んでる感が伝わってくる。まぁ、どっちも世間的な評価めちゃくちゃ高い作品ではありますが
ほとんどダジャレって書いたけど、結婚式で夫を殺され、 “普通の幸せは捨てた” と戦士の道を選んだ話は、「かつての少女はもういない」という意味合いも感じられ、そういう意味ではめちゃくちゃ正しく『ゴーンガール』ですね。てか、マジでめちゃくちゃ面白いんですよね。観たくなってきちゃった。20世紀フォックスだからディズニープラスで観れるか……。
『ひまてん!』36話
塾。叶ポニーテールに興奮する殿一がキモくて良かった。ポニーテールに大興奮してるのが最高にキモいんですが、まぁこれで興奮する対象がもっと分かりやすくキモいものだったら笑えないので、ここらへんのバランスはやはり良い。うなじでも本作的にはちょっと怪しいラインだったかもしれない。本話のメインテーマは、そんな叶さんのビジュをホメる話。かわいいと思われたい人に対して素直にリアクションしないのは失礼、というものすごくまともで、それでいてレベルが高い(気がする)話をしてるのが良い。ラブコメ的なテーマではあるんだけど、同時にものすごく基本的な対人コミュニケーションの話になってるというか。事前に「塾で爆モテ」という話が出てきたのも良い助走ですよね。客観論として普通に可愛い、と確認を挟むことで殿一によるビジュホメのいやらしさがなくなる。それに、客観的にかわいいけど、私的にもかわいい、と段階を踏むことでシンプルな話に深みが生まれてる。
あと、殿一が決心して “叶さんはかわいいよ” と告げる場面で電車が通り過ぎるのも良い。ラブコメの定石では「今何て言った?」ですけど、そうではなく、殿一の決心、エモの高まりの表現として高速の電車が通り過ぎ、それによって発生した風で叶さんの髪がふわっと舞い上がる。つまり、殿一の高まったエモが叶さんに伝わる。すごく良かったと思います。
センターカラー『キルアオ』95話
生徒会長を目指すからにはまず部長の座を狙わなければならない。極上紅茶に砂糖を入れる脅し、めちゃくちゃ良かったなぁw 時間経過で無慈悲で高級な紅茶が台無しになっていく。改めて決意した十三がその紅茶を飲み干す、という着地も含めてギャグっぽいけど普通に良い演出。んで、まずは裁縫対決。勝負割烹着の時点で十分面白かったんですが、からの “あの眼の光何!?” で爆笑してしまった。本作でたまにある藤巻先生が過去作(主に『黒子のバスケ』)をネタにするやつ。おそらく勝負割烹着を着るという行為がゾーンに入るためのルーティンだったのでしょうね……。
というか、マジで勝てる気がしないんだけど、どうなるのだろうか。部長は諦めて委員長を目指すのか。もしくは対ノレンに特化した戦術で勝つとか。ゾーンなれるなんて聞いてないからさ。まともにやって勝てるはずがないのよ。
『僕とロボコ』227話
作詞ロボコ。と思ったら喫茶店でどこかから聞こえてくる会話が気になりすぎる、というロボコのツッコミ回。ツッコミに回るロボコ好きなんですが、この「聞きたくないのに」というシチュエーションも良かった。あるある的な共感もありつつ、つい聞いちゃうというツッコミの距離感も良い。モッコス博士のイケメン言動も超面白かったんですが、 “そいつに「リンリンはオレのだ」って言っていい?” はちょっとイケメン言動とは違う路線に思えたというか、ギャグじゃなくてこんなこと言う人いたらちょっと怖いというか、「WE ARE NOT THINGS」って言いたくなるよな(突然の『マッドマックス 怒りのデスロード』)。
『Bの星線』8話
ベートーヴェンとのほのぼの日常コメディが始まったと思ったら、突然画風の違う後輩キャラが出てきたのでクラクラする。もう8話だっていうのに、本作がどこに向かってるのか全然分からない……(けど面白い)。
『鵺』だったら自然に受け入れられるけど……というベタすぎる後輩キャラの子。転校前の学校での後輩ということで、ヤソーにおける非ピアノ人生の人間関係なのですね。これはかなり面白そうな立ち位置。今後の出番は分からないが、極端な話、本話限りでもう二度と出てこなかったとしても、ヤソーのあり得たかもしれない人生の一端が垣間見れたという意味でものすごく面白い。
急にバトル漫画の雰囲気になり、「死者蘇生の指輪」とか言い出す。8話も付き合ってきたけど私『B線』くんのことば何も分からないの……!! と離婚間際の限界を迎えた妻みたいな気持ちになってしまった。話の急転換に「テコ入れかな?」と感じることはまぁなくはないんですが、本作のはちょっと違うよね。マジで不思議な読み味。
『シド・クラフトの最終推理』18話
『ポケモン』のゲームやアニメの最新事情に詳しくないので先日『ポケポケ』で知ったんですが、ニャオハの最終進化がモロ女怪盗なのですね。「ほとんどルルじゃん……」と今更ながら愕然としました。「ちょっとケモナーの心盗みすぎじゃない?」と少し心配にもなる。私はニャローテくらいが好きかな……。調べてみたらマスカーニャ、怪盗じゃなくてマジシャンらしい。見る目がなかった。とはいえ、『ポケポケ』で2枚引けたのでこれからお世話になると思います。ニャローテが通過点なのが残念ですね(ニャオハは超使う)。exデッキ流行ってくれ。
本編。ルルの義賊の側面。そういやルルも猫ですね。
孤児院。怪盗から寄付されてるという事実はオープンなので施設の人はファンを公言してて、探偵を敵対視。例によって事態がややこしくて面白いな。秘密と誤解、オープンの情報が捻れておる。
孤児院ということで夫婦の見立てになるのはまぁいいんですが、ルルの実家を紹介することができないので、その代わりとなる場所って感じで良いですね。ルルの私的な、人間性の根っこが見える場所。そこでシドが順調にルルに惹かれ始めてるので面白い。牛歩ではあるが、確実な一歩が見れたというか、ここまでの好意を抱いたのって3人の中でも初めてじゃない? そのストッパーとして機能するのがエリオの誤解。なかなか面白そう。
『エンバーズ』9話
初の公式戦。堅守で有名なチームらしい。ただし、キーマンはフォワード。チームの中で紹介されるキャラが1人だけってのが作劇の都合って感じで良いですねw
極端すぎるキャラクターと極端すぎる因縁。ちょっと自分でも予想外なくらい楽しい。本作のこの温度すごく好きかもしれない。マネが作ってくれたノートを踏みつけられるのは結構ハードな事態ではあるが、正直勉強の成果はあまり期待できないので……。大事なものではないとは言わないが、デクのノートほどの深刻さではないのかな。ガチで落ち込む話といううよりは、ちょっとギャグっぽいテンションというか。もちろんそこで全力でブチギレる灰谷は良い。サッカーだから殺しちゃダメだよ。
守備の灰谷が攻撃の要。ボールを奪うところから攻撃は始まる、的な話だと普通に思ったので、すっとぼけてる部長がちょっと安っぽい。ただ、それをたまたま聞いてしまった灰谷が全力で誤解して「攻撃参加」を意識しまくる、というのは良い展開ですね。面白そう。例の勉強もそうだけど、「まだ難しく考えなくていいんだけど……」というすれ違い。
『願いのアストロ』47話
ヒバルvsシカバ。ヒバルの全力パンチをシカバが無敵回避、逆にヒバルの背中を取って勝負アリ……と思ったらヒバルがそれを読んでてついに一撃が入る。無敵化能力に対して「攻撃時は無敵じゃない」と看破するバトルロジック、正直これ自体はかなり手垢の付いたものなんだけど、ドハデパンチとその回避、顔のアップのコマを並べるだけなのに背中を取ったと分かるコマ割りと配置、カメラアングルが最高すぎる。やはり本作のバトルシーン、謎にうますぎるんだよな……(人気作家だから当然なのだが)。位置関係の分かりやすさもそうだけど、2人の周りをカメラがぐるっと回り込むことになるので、ヒバルの右手アストロパンチ、そして反対向いて左手常人パンチ、このどちらもページ上は「←」の向きで描かれてるのが良い。疾走感。
からのステゴロで決着。互いに心が剥き出しになり、 “人の願いなんか背負うな!!” “オマエの本心をみせろ!!!” というヒバルで結ぶ。もう何度目か分からない「ルフィじゃん……」となる瞬間なんですが、ここで「願い」というキーワードが出てくるのが良いよね。あと、先ほどの左手パンチが、このステゴロに向けたフリにもなってて、こういうのは全身ゴム人間にはできない演出。能力ではないただの殴り合いになるのは『FILM Z』なんかを連想するけど、あの左手パンチがあるおかげで本作はさらに一歩踏み込んだ出来になってたと思います。
んで、天道のジーサン。このまま直接対決になるかは分からないけど、今の天道の強さは世剣金剛の強さなので、ヒバルの父殺し的な意味合いも出てきて面白そうではある。ただ、今のヒバルはもう全力出せないと思うので、ちょっと違う話になるかも。
『超巡!超条先輩』56話
珍宿の隣駅、珍大久保にホッさんカレー2号店。珍大久保まであるのか……。今後、珍大阪とかいろいろ出せそう。
そんな2号店を超巡が任される。実力は普通にあるので順調に思えるが、極度のコントロール主義なので当然パワハラ待った無し。なまじ自分で全部できてしまうからこそ精神が歪む……というのが妙にリアルだ。超能力者あるある、みたいな説得力を感じる。
からのワンオペ超巡。ワンオペができてしまうのだが、今度はコントロールの矛先が客にも向かい始める。選択の余地はあるのだが、選択した実感がないのはイヤだな……。
食み吉先生がお灸を添える話で終わるのかと思ったら最終的にはK-9が極めて現実的な判断によって店長の職を失する。こないだのセクハラもそうだけど、急に現実的な指摘をしてくるのが面白すぎる。
細かいことは覚えてないけど、『こち亀』の両さんはなんで超神田寿司で働けてるんだっけか。名前変えればok、みたいな感じだっけ。
『鵺の陰陽師』92話
転校生。ラノベみてぇな、ラノベ原作アニメみてぇな制服着やがってよ……。とはいえ、本作名物とも言える、クラスでのトンチキなやりとりが堪能できて最高でした。ラブコメ展開ということもあり、女子陣も巻き込まれることになるのが楽しい。突然の敵ではあるが、来ること自体は予期できてた敵。なので、学郎が相手の恋心を利用して情報を引き出す話になるのが面白い。 “もうモテんなよぉ…!!” と言いたくなる話ではあるが、モテたその先の戦略に発展してるのが最高。お約束的なノリもあるが、学郎はラブコメ面でも成長し続けている。
相手も強敵で、いきなりのキス。それも連続。なるほど、これまた成長した学郎にふさわしい強敵の一手という感じで面白い。キス的なものの経験はあるし、前回まさに純潔改札口を振り返る話をしてたが、恋愛感情の発露としてのキスは初めて……だっけ? 極端な一手ではあるが、学郎の成長の道に沿った、現在地ちょっと先にある一手という感じで良い。とにかく本作は学郎が急成長し、その成長に対応してきた敵の想定を越える成長を見せることで勝利する話ですね。
学郎、床ドンで逆転。こうなるともう視点が逆転するというか、 “負けるな私…!” に肩入れは言い過ぎかもしれないけど、ちょっとそっち寄りの気持ちになってくるので面白い。
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
4/6がサンシャインの開業日ということで、ジャンプ漫画に出てくる池袋特集。
とにもかくにも『アオのハコ』に出てきた池袋水族館デートが偉大すぎる。豊島区から感謝状もらってもいいレベル。あの一作で池袋のイメージがかなり良くなったと思う。ただ、サンシャインの水族館はかなり歴史深いところでもあり、その昔、ヤンキー漫画にも出てきているので笑った。変遷と反転がでかすぎる。知らなかったけど、ヤンキーが回遊魚に自己を投影する場面、めちゃくちゃ良いですね。不良のポエジーって感じで好き。
現実の池袋の、近年の大きな特徴って女性オタクの街という側面だと思うんだけど、これが出てきてないのはちょっと意外。まぁ、『こち亀』みたいな作品じゃないと扱いにくいのかな。
次号予告
紙版限定の全員プレゼント企画が始まるらしい。来週から始まる、目次ページにあるチケットを集めて応募する形。最近は電子版を推進してると思ったら紙版限定企画なのでちょっと不思議。4月だから新生活的なことなのか? あと、切っていいページとして目次に着目したのは面白い。
愛読者アンケート
漫画アニメのグッズ購入。全然買わないな……。場所を取るとか捨てるときのことを買う前から考えちゃうので良くない。その葛藤を乗り越え、モルカーの抱っこぬいを数年前に買ったのですが、未だに愛用してるので大満足です。ついでに買い足した。
総括
木曜更新でした。来週もそうだと思います。いや、来週は同じペースだけど、更新は木曜か金曜。1日遅れた進行になると思うので。
今週のベスト作品。『アストロ』かな。今週の読切でモヤモヤしたところがキレイに描かれてるので余計に良かった。
次点は『魔男』。『カグラバチ』『シド』も良かった。
ベストコマ。『鵺』の腕を心配する先輩。本気の殺意が感じられる良いコマでした。ちなみに、これは右ページの右上にあるのですが、その左ページの左上には逆向きの視線の藤乃さんが配置されてて芸術的です。電子で1ページずつ読んでる人は、そこだけ見開き表示にしてみるのがオススメ。
ベストキャラ。『キヨシくん』の黒鐘凶華。『ゴーンガール』のダジャレが良かった。黒鐘の名前の時点でこのダジャレを準備してたのかもしれませんね……。
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