北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年36・37号の感想

 最終回もいいけど『ユアネクスト』もいいぞ。みんな観てくれ。ジュリオ沼でちゃぷちゃぷしようぜ……。

表紙

 合併号なので集合。合併号ということに気づかず今号購入に至ってしまいました。失敬。
 テーマはB-BOY&B-GIRL。特に『ヒロアカ』ネタとかではなかった。とはいえ、最終回で表紙に描き下ろしイラストが載る、というのはレアなので『ヒロアカ』はすごい。計画的に最終回をこの号に持ってきた可能性は大きいし。
 まったく詳しくないんですが、未だに2000年代ヒップホップみたいなファッションなの? という驚きはある。たぶん違うというか、みんなそれほど興味ないし、雰囲気で描いたんだと思う。下手に調べないでくれてありがとうやで。違和感だったり顔が死んでる人いると何だか嬉しい。
 あと、イメージの荒さという意味では、同じポーズの人が大量にいてめっちゃ面白い。「といえば!」が存在するのは良いことだと思うけど、マジびっくりするくらい多いので最高だった。バリエーションが少ないんだろうな。
 オリンピック的なスポーツ全般をテーマにすれば各作品が競技を一つずつ選べて、その方がみんな幸せになれたのではないだろうか。その場合、誰がブレイキンを選ぶのかも気になる。

読者プレゼント

 常夏でココナッツ的な感じ。いやぁかなり苦しいだろう、というダジャレを自信満々に連発してくる感じ、嫌いじゃありません。ただのクソ回とは一線を画す良さがあったと思う。おそらくその一線にプレゼントページの神髄があるのでしょう。明確にそこを意識できるようになったら君も一流だ。ジャンプ編集部に入ってくれ。

巻頭カラー『SAKAMOTO DAYS』177話

 合併号で表紙独占できないし、『こち亀』凱旋だし、何より『ヒロアカ』最終回なので巻頭のバリューが限りなく低い号。そこに『SAKAMOTO』が入るのは納得かな。巻頭をありがたがってないし、比較的にありがたがられてない作品。
 カラー扉。プール掃除だが、シンがサボって『ヒロアカ』読んでる。しかも具体的に今どのシーンかが特定可能ですね。エリちゃんが可愛いです。どこかのブログで未来予知者だからナイトアイの絡むエピソードが選ばれたんじゃないかとか、だから泣いてるとか書かれてて驚きました。すごい。私には「エリちゃん可愛い」が限界。
 本編。キンダカが目覚め、南雲に諸々請求され、金のために懸賞サイトから坂本(デブ)を狙うことに。正直「目覚めました」「坂本と出会いました」「師匠になってくれ」で話としては済むんですよ、本話。それなのにしょうもないすれ違いコント始めて、本調子ではないとはいえキンダカにアクションさせてご挨拶、というサービス精神。巻頭回らしい配慮というか、「みんなキンダカって覚えてます?」という配慮なのかもしれない。電車の上を走るくだりがマジ意味なくて感動した。心底勝敗に興味が湧かない、緊張感のないバトルで最高。この脳天気さが、坂本がキンダカを雑に扱ってる温度感なんだと思う。
 それはそうとマルチバース実写化プロジェクトが実質的に『ベイビーわるきゅーれ』コラボになってるの天才的なアイディアだと思う。『SAKAMOTO』アニメ化までは『ベイビーわるきゅーれ』もよろしくだぜ。映画とテレビシリーズがあるよ。
 てか、『ジョンウィック』シリーズに出演したことのある伊澤彩織が『SAKAMOTO』関連の仕事してるのも感慨深いものがある。

『僕とロボコ』196話

 ゴクウブラックのようにラスボスがマルチバースロボコであることを期待してしまったんですが、全然違った。そもそもラスボスとかそういう危機はまったく存在しない話。ロボコが強すぎるのですべてがギャグになる、という扱いが冒頭から一貫してるのが逆に良かった。
 ゴクウブラックはなかったけど、「シリアスバトル世界におけるギャグ漫画の住人最強説」という、『ドラゴンボール』に出てくるアラレちゃんみたいな話になったのでこれはこれで大好物。それを踏まえて溶鉱炉に沈む『ターミネーター2』ネタに移るのとか見事すぎてちょっと感動してしまったレベル。溶鉱炉って本来「機械の体でも死ぬ」場所なのに、それをギャグ漫画パワーで乗り越えるのが見事だし、サムズアップで誤解ネタを足してくるのとか丁寧すぎて本当に素晴らしい。題材としてベタすぎるので、あの絵をやるだけで何となくパロディギャグとしては成立してしまうんですが、そこに甘えない。ただ、贅沢を言えば、降下スイッチは原作に似せてほしかったな。ロボコが落下するんだじゃなくてちゃんとゆっくり降下するのとか丁寧で良かっただけにさらなる再現を期待しちゃう。
 てか、本作の基本設定のこと『ドラえもん』だと思ってたけど、今思えば『ターミネーター2』も同じですね。少年とロボット。元は戦闘用だったという意味においては『ドラえもん』よりも『ターミネーター2』の方が近いと言える。正直本話は全部『ターミネーター2』ネタやってほしかったくらいだ。そのくらい良かった。

ONE PIECE』1122話

 扉が『ヒロアカ』完結ネタなんですが、若干これ尾田っちの自慢っぽい雰囲気もあるのが好きです。あと、おそらく今年『呪術』も終わるだろうけど、そのときはスルーでも仕方ないよね、という一線も感じる。そう毎回やってられんのよ(いやあるかもしれんが)。
 本編。ベガパンク大放送によって海賊王とワンピースのバリュー、海賊王宣言をした海賊のバリューが上がりまくった世界。結果だけ見れば言ったもん勝ち、言ってたもん勝ちなんですが、その「勝ち」を最大限利用するバギーが最高であった。前回とまったく感想になってる気がするが、ただ「前から海賊王を目指してました」という事実をドヤりまくるのが小物って感じで好きなんだよなぁ。
 海賊王の仕掛けた覇王色爆弾。「覇王色って一体何ですの?」と困惑する場面ではあるが、改めてルフィが名乗り、海賊王宣言することで一発逆転という展開は熱かった。五老星に覇王色が効くのはおかしいと思うんですが、謎ワープの方に効果があったと見るべきなのかな。悪魔の実の能力を解除する効果があるのでワープもその場で解除、みたいな。実際は知らん(ルフィはそのままだし)。ともかく覇王色爆弾が効果を生む場面ってかなり限定的だと思うんですが、今回の巨人エメトにその細かい判断ができるとは思えないんですよね。今回の一発逆転、かなりのラッキーだった可能性があるのでは。

『逃げ上手の若君』167話

 顕家最後の一撃、特に意味も理由も盛り上がりもなくスカ。つ、つまんねぇ~。松井先生でもこういう雑な引きってするんだな。前話の段階でかっこよく退場してた方が良かったと思う……が、この点に関してはかっこいい死に際を尊氏に邪魔される、という部分に効果も感じるかも。かっこよかったのが台無しにされた、みたいなメタ的な味わい。好意的すぎるか?
 からの尊氏相手に若が激昂し、勝手に絶望。展開が雑というか急すぎるので見れたもんじゃないな。松井先生変なもんでも食べたか……と思ったが、こっちはしっかり意図的に雑なフリだったっぽいので安心。演技だったらしい。だよね? 「童髪」の解説ナレーションがあったけど、オチを踏まえて読むと「わざと髪がほどけるように逃げた」と分かりますね。これはうまい。ただ、贅沢を言うと、その前の場面で若の心の声で絶望セリフを言わせたのはちょっとずるい。絶望の言葉はすべてクチから出たもので、つまり尊氏に聞かせる意図的なものだった、となるほうがキレイだと思う。まぁ、演技するときはその役の内面から落とし込んで演技するべし、というメソッド演技の理論で言えば間違ってはいないか。……てかこの場面「バカでも分かるように演じろ」そのものですね。ただし、一番のバカはあの作者。
 そもそも演技ではない可能性として、ガチ絶望からの覚醒展開もあり得るが、演技の方が収まりが良いと思う。逃げスキルの一環としてのメソッド演技。

『あかね噺』121話

 あかねの開口一番。娘属性(子供属性)を打ち出した内容であった。これはうまいな。読者が「うまい」となるだけでなく、劇中の客も同じ感覚になってると思う。逆か。劇中の客と同じように読者も感心できる。みんな笑いの先にちょっと涙に近い感覚に陥ってるんじゃないかしら。年輩層からの人気が上がってしまいそうな予感。
 あかねがこういう分かりやすく可愛いを武器にしてくるのが珍しくて良いし、それがちゃんと彼女の成長だと感じられる。その成長がまさしく「師匠のおかげ」と結ぶ。

センターカラー『僕のヒーローアカデミア』430話

 最終回でごわす。センターカラーが横長ポスターで、それとは別に堀越先生からのメッセージカードがあって、人気作の最終回名物の複製原稿プレゼント企画もある……と思ったが複製ではなく「デジタル原稿プリントmini」だった。名称がややこしい。たしかにデジタルだとそっちのが適切なのかもしれないが、別にデジタルのプリントも複製の一種ではないかと思う。まぁどうでもいいか。いつから使われてる表現かも分からんし。
 んで、最終巻では描き下ろしがあるのと、ファンブックが出るのと、画集が出るのと、原画展やるのと、ツイッターで人気投票の発表。これはジュリオ優勝しかないよなぁああ!!! と思ったら除外されてたので憤怒。てか、他の映画キャラは入ってるのに酷くないか? まぁ本編に登場したか否かってのは分かるけど。あとネタ票対策としての完全選択制だと思うんだけど、おかげでジュリオに入れる余地がなくなってしまった。何てこったい。

 本編。8年後。まぁそうなるよなぁ。それは分かるのだが、この手の最終回でお決まりの、みんなの進路とかの細かい情報がひたすら詰め込まれるのでちょっと大変。そういう意味では『ハイキュー』は面白い手でしたね。まぁあれも進路の羅列すごかったけど。
 8年後、教師になったデク視点で初回の再現。これもベタだなぁと思ったんですが、対AFOでハッピーエンドを迎えてから8年後の世界なので、ヒーローの役割もかなり減少傾向で、他の選択肢も増え、ヒーロー業界は逆に先鋭化しガチの人しかいない。すごく面白かった。シミュレーション的な面白さがある。減少するのも分かるが、ゼロにならないのも分かる、だから先鋭化するという点がマジで目から鱗。何なら本話で一番面白かったところかもしれない。
 なので雑魚個性持ちはヒーローを目指しにくいご時世。雑魚個性という次世代の話もベタというか、こないだ『マッシュル』でもやってたよね(洗濯バサミ魔法)。ベタだからそりゃ被りもするって話ではあるものの、これだけのお祭りとなってる『ヒロアカ』最終回と同じネタを先んじた『マッシュル』すごいと思う。
 そんな雑魚個性の子に “君はヒーローになれるよ” と言ってエンド。『ヒーローズライジング』で観たやつだ。やっぱり活真くんがナンバーワンだぜ。というのは3割くらい冗談で、その前にデクが教育者になったけどヒーローとしての衝動は残っている話を持ってきたのがめちゃくちゃ良かった。これまた1話の再現。無個性の証は足に宿るけど、デクのヒーローとしての資質も足に宿る、とした初回感動的だったんだよぁ。いつの間にか手にばかり興味が移っていった作品だけど、デクの足も好きだぜ。
 オールマイト。8年で老けすぎ。正直また別の理由で死に近づいてるんじゃないかと少し怖い。とはいえ、役目を終えた先代が、これまた初回の再現としてデクにヒーローになるチカラを授ける。なるほど、ここでオールマイトのアーマーの件が関わってくるのか。これはマジ唸った。あのときのオールマイトはほとんど死ぬ気だったと思うからここまで先のことは考えてなかったと思うけど、オールマイトの頑張りが結果的に無個性デクを支える手段の実験として機能してたのは話としてキレイ。
 それと、「結局『ヒーローズライジング』でやったやつやないか」の件。あの嘘エンディング演出は(考えすぎかもしれないけど)、『ヒーローズライジング』でやった「当時考えてた最終回」を意識的になぞったもので、それをプルスウルトラしてデクがさらなる先へ旅立つ、という終わり方だったのではないか。ただ、そこでキーになるのがメリッサなので「結局別の映画やないかい!」とはなる。メリッサ好き。メガネかけて……。
 ちょっとマジで映画に重要なネタ卸しすぎてた疑惑はありますね。まぁおかげで面白くなったんだけど。だったらジュリオも出したげてよお!!(どこに?)
 メリッサの件。デクのアーマーなんだからそりゃメリッサが関わるのが適切なのは分かるんだけど、8年も経ったなら父親のデヴィットの方が関わった可能性も考えたいというか、その後が気になってるんだよな。オールマイトのアーマーのときに獄中のデヴィットが協力した、みたいな可能性も考えたけど、どうやらあれはメリッサで確定っぽいんですよね。
 そもそも、映画『2人の英雄』及びメリッサの物語って、読切『僕のヒーロー』とほとんど同じで、実質リメイクみたいなもんだと思うんですよ。『ヒロアカ』連載を考える際に雛形となった読切であって、いわば『ヒロアカ』のオリジン。無個性者がどうやってヒーローになるか、という話であり、サポートアイテムがキーになってくるわけですけど、今回の最終回が結局そこに行き着く、というのがなかなかキレイな話だったのではないでしょうか。まぁ、その大事なネタを映画で一回やっちゃってるというのが堀越先生の出し惜しみ(計画性)のなさ。愛おしい。
 これは冗談ではなくマジな話なんですが、ジュリオのせいで「おおっ デクのアーマーかっけぇぇ!!!」という最後の興奮が5割くらい減りました。無個性者がサポートアイテムを駆使して戦うというテーマにおいても正直もうそれジュリオでいいじゃん、という話ではある。むしろジュリオは被せてない分メカアームのロマン度が高い。ジュリオのメカ趣味はどうやら監督や脚本の方の影響も大きいらしいので、奇しくも「堀越先生vs映画制作陣」の図式も感じる。せっかく成人したんだからデクもバイクにも乗ってほしいぜ。
 終わり。お疲れ様でした。最終回に映画(オリジナル)公開をぶつける展開、お祭り感が強くてなかなか楽しかったですが、映画が良すぎると肝心の最終回の印象が弱まる、という思わぬデメリットも感じました。欲を出すなら、アニメシリーズが最終回を迎えたあとに、もう1本映画やってくれないだろうか……。デクがヒーロー続けるなら不可能でもないでしょ。そこまでちゃんとした話じゃなくても歴代の映画キャラの同窓会みたいなやつでいいから。8年後のジュリオを下さい。メリッサその他も欲しい。

『アオのハコ』160話

 水着の続き。水着をエロとして認識する大喜と、「いやエロじゃなくて可愛いだろ?」となる千夏パイセン。18歳の理屈も面白かったけど、この2人の温度差もなかなか楽しかった。いや、真面目に考えるならば、大喜に若干逃げ癖を感じて不穏ではある……と思ったら本話のラストで頑張ってるので良かった。
 と思ったらガチで遊泳するので心配。夜の海は危険だと何度言ったら……。いや、さっきから感想が老人視点すぎるな。けど、危険なのはマジなのでやめてね。
 そんな大喜の頑張り。前から狙ってたのではなく、パイセンの “他のどんな願い事も” “叶いそうだね!” という屈託のない笑顔に誘発されたっぽいのも味わい深い。主従みたいな優劣を2人の間に作らないように工夫してるのが感じられる。

『呪術廻戦』265話

 海デートの次は地元紹介デートだ! なぜか本作の方が結婚を意識し出した熟年カップルみたいな雰囲気あるな……。
 んで、地元仙台デート。領域内に地元を再現、にしては歩き回る距離がありすぎるのでマジで謎現象。謎現象のまま終わるんだとしたら結構イヤだな。謎の精神世界展開、かなり苦手な部類。
 とはいえ、虎杖の良い奴感のみが出てくる感じは久々で、そこは良かった。忘れてたけど本作の良さってこういう面もありましたね。最終決戦前の確認であり、スクナへの情けであり、自分自身の殺意の再認識みたいなことでもあったのかな。日車のときの「ウダウダ言ってないで早く戦え」というスクナのスタンスが好きだったので、今回の地元デートに黙って付き合ってくれる姿が間抜けに見えたところもあるが、良かったっちゃ良かった。スクナへの情け(同情)というのは五条先生も近い境地になってたし、最終的にはバトル当事者2人のコミュニケーションの話になっちゃうのでしょうね。

センターカラー『カグラバチ』44話

 柴さんテレポートで退散……かと思ったら力士ゾーンへ誘拐。これは良い引っかけ。テレポートではないけど、その場から消えるという意味では外からの見た目は同じ。
 そんな外からの視点に終始して、柴さんの元へ戻ってくる場面に移り、そのままワケが分からないまま「閉幕」。からのエピローグ的に中での話し合い。良い構成でした。ただ、三つ巴の戦況がかなり好きだったので、今回のチヒロの決断はちょっと話が単純になって今のところ、そんなに刺さらない。まぁ一時的に利用するだけみたいな話の可能性もなくはないし、よく考えたらこの手の組織に途中から入る話、ジャンプ漫画だと結構定番だとも思う。

『ひまてん!』5話

 しばらく叶さん相手にサスペンス的な場面が続くと思ったら即ひまり。しょうもないトイレの話で一瞬気づくのが遅れるのとか愉快であった。そこでうまい嘘でごまかすとかでもなく、バイブスのみで乗り切るのも妙にリアルというか。「結局何だったの?」とは思われても、直接それを聞かれる前に退散する。
 通行人ファンからの逃走。たしかに読んでて被害者はひまりの方だと思いこんでたので、 “家守に迷惑かけるとこだった… でしょ!!”目から鱗。そもそもひまりの立場的に恋人の存在自体は別にタブーでもないのだが、それに巻き込まれる存在がいるのは困る(困らせるのが困る)。意外性あって面白かったし、結局ここも「仕事」に着地するのが良い。マジで徹底しててすごいな。そっから仕事のターンが相手に移り、片膝立ちの決め絵に繋がるのも笑った。そうはならんやろ……いやなるのか? という絶妙なライン。

『ウィッチウォッチ』166話

 ミハルがラブカとフランの間に挟まれ、新聞を作る。険悪な女子2人の共同作業、『ルリドラゴン』でもやってたな。やってた気がする。かなり雑に読んでるので記憶が定かではないが、何かギスギスしたり仲直りしたりしてた気がする。やけに人数多い割にそこまで特徴が尖ってないので人物を覚えられてない。雰囲気で読んでいる。
 詰まるところ本題は4コマ漫画。フランの作ったクソ4コマをミハルが手直しするが、これまたクソ。なのでラブカが頑張る。「何食べたい?」「何でもいい」となったときにクソみたいな提案をすると相手が積極的になってくれる、という現象だ。まぁ仲悪くなる可能性も普通にある。
 間に挟まったミハルの案もクソ、という展開が意外で面白かったんだけど、最終的に出来上がった、再編集によって何とか形になった4コマというのが正直よく分からなかった。あんだけ絵がしっかりしてたらクソみたいな4コマでも全然アリだと思う、というのもある。最後の4コマも別に大して面白くないから五十歩百歩なのではないか。

J新世界漫画賞大募集中

 8月は馬上先生。まいけるの色気論が面白かった。色気を醸す絵的な記号というのも勉強になったし、モデルというわけではないが金子ノブアキオダギリジョーみたいなイメージで描いたという話も個人的に嬉しい。たしかにめっちゃ分かる。

センターカラー『こち亀

 もはや何度目か分からない凱旋読切。2024ということで日暮ネタだが、これが比較的すぐ終わる。せっかくの読切がいつも日暮だともったいないと思うので嬉しかった。毎週掲載された上での4年に1度が面白かったわけで、たまにしかないと「いつも日暮じゃん」となって良くない。
 第二の話題。こち亀記念館。来年の3月らしい。その時期にも読切期待してよさそうですね。待ってる。映画を観るためにあの近くのアリオにたまに行くので、時間の都合がついたら外観も見てみたいな。
 第三の話題。話題変わりすぎだろう。ただ、このパート、完全に「いつもの一話」なのでちょっと感動した。スペシャル感のない、連載してたらときに載ってそうな一話。正直こういうのが一番読みたかったので嬉しい。そしてやっぱり面白い。時代性とかが注目されがちだけど、『こち亀』の普通の回は普通にめっちゃ面白い。マジで連載してた頃と何も変わらないレベルなので感動した。ありがとう。「絵が違いすぎるだろ」という(たぶんアシスタントの)モブ女性絵も懐かしすぎて涙が出そうだ。
 昭和に取り残されてる部長だが、趣味人としてはむしろ注目されてる。両さんとの対比は笑った。いや、実際は両さんのテリトリーでもっと時事性のある趣味あると思いますが、時代的に孤立しがちな趣味が多いのも分かる。城とミリタリーって発想はかなり近いと思うんだけど、ミリタリー趣味が若い世代に注目される展開は今後もないだろうなぁ……と謎の説得力。
 通りすがりの輩に絡まれるインスタントな展開があるものの、「正当防衛」を意識した展開になってるのには普通に感心してしまった。両さんだとそういうのなさそう、という一線も感じられる。城の話から木刀が繋がってくるのもうまいし、その活躍も相手の攻撃待ちに徹してるのが見事だ。いや、修学旅行生以外がああいう木刀を買うのかは少し疑問ではある。

『悪祓士のキヨシくん』7話

 最高位の人。世界に5人しかいないらしい。魔王は10人だったと思うからから格上感ありますね。いや実際は何の意味もない比較だけど、印象として。
 変則的な三つ巴だが、キヨシとしては徹底的にどちらとも戦わない。「これで勝ったらトップ5確定じゃん」とか思いながら読んでたので意外で面白かった。面白かったし、最高位の格は落としすぎないように、という計算も感じる。
 しかし、筋の通し方みたいな話になるとどうしても『ONE PIECE』みが増してきますね。本作といい『アストロ』といい、謎の『ONE PIECEリバイバルの波が来てる。

『アンデッドアンラック』217話

 不触の壁にビビらない風子の根性、という話は面白かったが、正直絵的に間抜けに見えてしまった。その後の鼻血は普通にかっこよかったのだが、仁王立ち風子に壁が迫って……という絵面は難しいんだろうな。話としては分かりやすいのでかっこよさそうだが、絵としてかっこよくするのが難しい。
 からのタチアナの措置。ホログラムであった。見えない壁に囲まれた服を着たタチアナ、というビジュアル面でのver.2感は良かった。理屈面はそこまでだったというか、前ループでも出来そう。あと、タチアナ本人の認識としては終始全裸になるので、慣れるまで大変だろうな。知らない人たちが見えない壁に飛び込んでくるし。

『夜桜さんちの大作戦』237話

 旦の使う「切断」。斬撃とは違う分離という回りくどい説明がちょっと『呪術』っぽいな。『呪術』のあの切断の説明、未だによく分かってないです(スーパー切断くらいの認識で乗り切りました)。
 旦の目的は夜桜の科学的な管理。そのためのチカラとして歴代夜桜のチカラを使えてる、という流れは良かった。目的と強さが一致してる。そしてそれが生まれ持ったものではなく、すべて選択し獲得したもの、というのが良い。天から奪い取った才能。
 残り半分くらいの尺で二刃。強すぎるので笑った。本気出さずに半話で終わってしまうとは。前回も書いたけど、この手の幹部戦って一つ一つをじっくり描いて回るのが定石だと思ってたので意外であり、同時に実力差を考えると「そりゃそうですよね~」と納得。
 とはいえ、ケモミミは物語的に(ひふみ的に)最重要なキャラだとも言えるので、こんな簡単に問題が解決していいの? とはなる。このまま何もなく終わるとも思えないので、マジで先が分からなくなってきたな。味方の最高戦力の一角がほとんど消耗せずに勝ち上がってくるのも意外というか、頼もしくもあるが、今後どのように絡んでくるのか想像の外に行ってしまったw

『鵺の陰陽師』61話

 鵺さん、飯食って回復だった。そんなルフィみたいな……。
 ということで鵺さん出陣。前もそうだったけど、壁パリィィンみたいな登場演出がゲームっぽくて良いよね。そして今回は衣装も素敵だ。見慣れなくて本気モードを感じる。やたらデカい武器と、やたらデカい左腕(の装備)も良い。バトルの最中では普通のサイズの日本刀を使ったりするのも良い。おいしいとこ取りって感じのデクだ。デカい腕で普通の日本刀を振るうのもロマン。本作のこういう美意識はとても良いな。まぁ、端的に言うと中二なんだけど。好きなんだからしょうがないじゃないか。

『超巡!超条先輩』25話

 初の『こち亀』掲載号でしたが、両者ともに言及することはなかったですね。何かしらあると思ったのに。目次コメントも『ヒロアカ』統一だし。
 超能力抑制チョーカー。この手の超能力モノだと必ずと言っていいほど出てくるアイテムだけど、超巡の嫌われぶりを考えると「最初にやれ」感も少し。まぁ、ローボが、超巡のためを思って作った、というのがポイントなのかな。ローボの判断と行動が少し極端なのだが、そういうのは「心がない」で説明できそう。
 日頃読心術が浸ってる超巡はいざ防がれると普通の人に戻るのではなく、他人の感情、存在に怯え続けることになる。超巡がオカルトにハマったり、裏のない好意をぶつけてくる花屋に為す術もなく洗脳されていく回と同じで、超巡という中心というキャラクターが確立してるが故の「たしかにコイツならこうなる」という快感。
 からの反転。というか起承転結の転。読心はないけど、ポンさんの悲しみには気づく。この展開マジで見事でしたね。人の感情を察する能力、広く見れば共感能力を善人の根拠として描く。読心できなくなり疑心暗鬼になってたのは、過敏に他人の顔色をうかがい、被害妄想に陥ってたのであり、それと同じ方向性として “何か悲しいことでもあった?” がある。ひたすらネガティブになってるからこそ他人のネガティブに寄り添える。『インサイドヘッド』みたいな良い話になってしまったな……(1作目の方です)。
 からの読心解除で自殺阻止。 “俺にはわかるんだ” は読心があるからこその説得力だけど、そもそも読心がなくても彼は人の悲しみに敏感である、という前段が利いてくる。マジでめちゃくちゃ良い話だったな。前半のギャグパートからの急展開に驚くが、根底に流れてるものは同じ。

『願いのアストロ』16話

 ヒバルパンチで回想突入。ちょっと『ONE PIECE』のワポルっぽいが、実際のところはヒバルの一撃で心の殻みたいなものが粉砕し、彼の心が剥き出しになる、という話だと思う。そこで簡単に光堕ちするのではなく、自分のルーツを再確認したことで彼にとって原初的な暴力に行き着くのも良い。
 それに対するヒバルの男気。完全に『ONE PIECE』のアーロンだが、これまた実際の中身は全然違くて、ヒバルの他人と真正面から向き合うことの強さ。それこそが王の格としたのがキレイ。やってることはテラスの回想とまったく同じ。ヒバルは常に同じだが、ヒバルを拒絶する側の拒絶ぶりが今回はちょっと度を超してて、それすらのも乗り越えてこちらを見てくるヒバル、というちょっと常人とは思えず、畏怖の念が湧いてくる。野良犬とか野犬を手懐けるのうまそう……。

『キルアオ』64話

 夏休み明け、新しい先生が大量投入。文字通り十三の日常の世界が浸食されていくわけですね。びっくりしたし、物語的な進展としてもめちゃくちゃ面白くてワクワクした。ちょっとこちらの心の準備ができてないレベルで物語が大きく進むので揺さぶられる。本作はたまにこういう展開があって絶品ですね。学園モノと殺し屋モノの二本柱が理想的に機能してる。
 あと、水泳帽かぶってんのに担当科目が理科なのは笑った。体育だろ。

『さいくるびより』13話

 初回で万引きされてたコンビニのおっちゃんから超能力犯罪の捜査以来。急にジャンルシフトみたいな話になったな。日常感は皆無だが、本作の理屈の細かさを考えたらハマる題材だと思う。
 もちろんちゃんとした捜査も依頼するが、それまでの間素人が協力する、という形。妙に細かい。「高校生探偵だから警察もペコペコしてくるんだよ」という謎の世界が当たり前に存在する世の中なのに。いや、マジで高校生探偵って何だよ。敏腕探偵とかのがまだマシというか、高校生にすごい要素が皆無なのがすごい。
 透明人間と判明。店内に閉じこめたはいいが、透明のまま硬直状態、でエンド。対透明人間だと水とか煙が定番なのでスプリンクラー作動が真っ先に思いつく方法だけど、店側の被害もありそうなのでもっとスマートな方法があるのかもしれない。ねむるが巨大化して店内のスペースを埋め尽くすも思いついたが、こっちのが酷いですね。床をモノで埋め尽くす(ことね)、は比較的マシかも。理想は粉だが、粉だと掃除が大変そうだ。掃除もことねパワーで済むならかなり良い案な気がするが、粉だと「触る」の判定がよく分からなくなりますね……。

『極東ネクロマンス』15話

 ミッション通り逃げるが、逃げるのはダサい。漫画的な都合も感じる薫の言い分も理解できるのだが、マンソンの動揺ぶりが可愛い。意外と大人としての一線、仕事としての一線を守ってるのが良いな。本作の魅力だと思う。
 からの「手立てはある」とシシ。逆境での覚醒ではなく、事前に相談した上での覚醒なのが良い。話した上で大人たちがサポートに回ってくれるのとかも感動的。丁寧ながら、それ故のクライマックス感が出てる。
 ということで禁じ手的な一手。死霊を使役して強くなるのが基本設定だが、その主従を逆転することで死霊のチカラを100%引き出す。理にはかなってて良いな。いかにも暴走って感じのデクだが、事前に相談したりやけに丁寧なのが面白い。いや、何かしらリスクはあるから今までやらなかったって話なのだが。

『妖怪バスター村上』8話

 妖怪学園へ潜入。の前に突然の村上のオリジン。詐欺被害者の母を救うために勉強して論破野郎になったらしい。努力してなるものなのかw いや、この手の話、バトルモノでは定番ではありますね。
 まったく役に立たないが、一応ガイド役として天狐がいるのも良い。最低限の説明はしてくれるが、仕事はしてくれないし、頼る気もしない。それどころが村上が動く動機になる。作劇上あまりに便利な存在。動機となる役割、紅院でもよかったと思うけど、紅院に対してはやや過保護なので村上の反応が過剰みたいな別のニュアンスが生じてしまうんだろうな。
 小豆洗い。小豆洗いってそんなに凶悪な妖怪だったの……? 調べてしまったが、一部の地域では縁起の良い妖怪らしい。まぁ、真面目に考えると、某鬼太郎の影響で知名度はやたら高いので、そのせいで『村上』の世界での強さが増してるんだと思う。
 そんな小豆洗いに対する、「洗う必要がない」。これは笑った。「布団叩きは無意味」と同じで、科学的アプローチによる身も蓋もない結論。ただ、細かいことを言うと、それは論理力ではなく、ただの物知りだと思う。母親に小豆関係の詐欺にかかった過去でもあるなら別だが、小豆関係の詐欺って何?

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 8/17,18がサマーソニックということで「ベル・アンド・セバスチャン」特集。『虎に翼』でも話題らしい。知らないし、観てないので困った。あとサマソニとロックバンドにも興味が……。村越編集の趣味らしいが、今までと違って「名前くらいは知ってるけど」という前提がないので、マジで読む気が起きないページだ。一応読むが、読んだところで特に感想がないんだよな。
 コラムがコラムとしてちゃんとしてるというか、音楽コラムとしてちゃんとしすぎてるため、興味ない人の入り口になりやすい「バンド名の由来」が抜け落ちてるのが面白い。言われてみれば、音楽としてはマジで意味のない情報だよな……。
 個人的にはジャケットのイラストが大量にあるのが一番嬉しかったです。暗くて見にくいのが多いのが少し困るが。

次号予告

 表紙巻頭は『ウィッチウォッチ』。あと、プラスから久々の出張。タイトルとサムネだけはお馴染みで、ぼんやり「人気なんだろうなぁ」と思ってましたが、ラブコメらしいので驚いた。初期『SAKAMOTO』みたいな殺し屋モノとコメディの折衷だと思ってた。ラブあるんかい。
 あとはショートフロンティアがあるのが嬉しい。嬉しいが、読切が2つのあるのは少しめんどい。
 個人的な注目点としてはプラスの出張だろうか。勝手な想像がマジで的外れだったので急に興味が湧いてる。ラブコメに惹かれてるわけではない。

目次

 例によってコメントが『ヒロアカ』一色なのだが、こういうときに「お疲れ様」コメントが8割くらいで止まってるのを見たことないんで、普通に「みんなでコメント統一しましょう」という連絡網が回ってると想像してしまう。

三作品で誌面ご一緒させて頂き勝手にですが光栄でした。堀越先生お疲れ様でした。
(『キルアオ』)

 そんな中藤巻先生の特殊な接点が面白かったし、エモ。そもそも、10年という期間、誌面上で付き合いのある作家が今のジャンプには全然いないという事実にも改めて驚きますね。松井、篠原先生あたりはいるが、尾田っちは世代が上すぎて君付けだし……。和久井先生は特殊。連載デビューが『ヒロアカ』開始後の作家がほとんどという事実に震える。
 まぁ、堀越先生の連載デビューで考えたら、まだうちのブログも始まってないわけなので、普通にベテラン作家ってことなんだろうな。ベテラン感がない。堀越先生に限らず、ここらへんの世代特有の現象な気もする。

愛読者アンケート

 「購入のきっかけになりましたか?」の質問が6つも連続するので面白い。どんだけフックがあるんだ。まぁ半分『ヒロアカ』だが。
 「呪術廻戦展」について。行ってない。

総括

 計画的に更新を遅くしたのですが、最初の数日間は「書かなくていいのか?」と不安になる。その次に「焦る気持ちから解放されて書く楽しみだけが残った」という最高の状態。このフェーズの後ろの方で実際に書き始めたのですが、すぐに「今更書いてもねぇ……」と落ちる。ちょうどいいタイミングで書くの難しいです。

 今週のベスト作品。『こち亀』。後半のいつもの回が予想以上に面白かったというか、予想以上にいつもの回なのにそれが面白いことに感動した。未だに『こち亀』の当たり前が染み着いてることを実感した。
 次点。『ヒロアカ』と『超巡』と『アストロ』。

 ベストコマ。『鵺』の鵺さんが登場してすぐの1ページ丸々。巨大武器のロマン。

 ベストキャラ。『ヒロアカ』のメリッサ。劇場版大好き勢として嬉しいってのはあるけど、同時に「せっかくの最終回に重要な役担いすぎじゃね?」と何か申し訳なさにも包まれた。最終回は活真と見せかけてメリッサ。
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