北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年39号(紙版)の感想

 映画『バレリーナ The World of John Wick』超オススメです。漫画的な荒唐無稽さと、実写の迫力と重厚さが理想的なバランスで融合してる。というか、今のバトル漫画にも影響が大きいと言わざるを得ないレベルだと思うので、ジャンプ読者で映画に馴染みない人には本当にすすめたい。ただ、R-15で人がよく死ぬのでそこは気にしてください。映画館行ったら死ぬ病の人は元の『ジョンウィック』シリーズでもいいのよ。ただし、そっちは1作目で犬が死ぬので、犬が死ぬと死ぬ病の人は要注意です。1作目はおそらく世界一有名な犬が死ぬ映画。2作目以降はずっと元気です。3作目だと逆に人を襲い始める。

表紙

 『イチ』が1周年。おめでたいノリが全開でめでたい。イチデスで仲良く「1」ポーズなのですが、おかげで11周年に見えなくもない。真ん中に文字の「1」があるので111周年でもいい。

読者プレゼント

 ルーブル美術館モナリザがメインではありますが、その他にも彫刻などをテーマにしたグラビアが大充実の回。これはシンプルに一見してすごいと伝わってくる。数も多いし、バリエーションも豊富、体も張ってるし本当に見事だ。何かの手違いで予算とスケジュールが普段の倍になってるんじゃないかと疑ってしまうレベル。
 というか、ルーブルハンムラビ法典があるのを知らないので勉強になってしまった。悔しすぎる……。

巻頭カラー『魔男のイチ』47話

 巻頭カラーの見開き扉でも「1」ポーズ。
 1周年企画の中の一つとして、デスカラス人気投票があるのには笑ったんですが、まぁ普通に「師弟血判状」の家族宣言のやつだろうな。ピンポイントで無料公開してるので。他に何かミーム的に人気のあるやつがあれば別だけど。

 本編。クムギちゃん頑張る。毒姉の毒性が全開ですわ~! と思ったら案外打たれ弱い。まぁ今まで反発してこなかったから納得ではあるんだけど、全開のモラハラっぷりが(悪役として)魅力的だったので少し拍子抜けではある。あそこまでやっといて「悪い人ではないんです」的な余地を残してくるとは思わなかったな。結局実の家族は大事って話に落ち着くのだろうか。まぁ、ここらへんの良い人感が本作の魅力の根底にあるのだろうとは何となく思う。割とてらいなく良い人というか。いや、スピカは相当こじれてはいるんだけど。性善説的な世界観とでも言おうか(誤用です)。

『ウィッチウォッチ』214話

 ニコ不在で男子グループの生活が壊れる。基本設定を忘れてたけど、「シェアハウス」の話だったね。久しぶりにシェアハウスらしい話になるのでちょっと驚いてしまった。男子のシェアハウスの惨状というのが面白かった。どこまで「あるある」としての強度があるのかは知らないけど、生々しい迫力を感じる。
 さすがに着る服がなくなるのが「数日後」では早すぎると思うんだけど、まぁこれが1週間くらい経ってるなら全然ある話なのかな。裸じゃなくて「洗わずにまた着る」とかなりそうだけど。ある意味で裸は不潔感を避けるためのギャグだったのかもしれない。
 魔法のアロマ。男子特有の悪いノリがブーストされるのでおかしい。そこに一押しすると簡単にBL空間が完成してしまうという表裏一体も、ギャグとして楽しいと同時に男コミュニティとしてリアルな話だと思う。今回の魔法は基本的に感情や感情表現を極端にするものだったと思うので、ゼロから何かが生まれたわけではない。何かのブレーキが外れると簡単に転ぶ。ホモソーシャルあるあるとしての説得力がすごい。
 BL的な話になるとミハルがどう考えても強いというか、最もハマると思うんですが、あの中では唯一脱いでない。これはやはり年齢的な配慮だろうか。急にまともな価値観ぶっ込んでくるのねw まぁ、1人だけ白シャツでいる方がセクシー、ということなのかもしれないが。
 香水なので当然ツッコミ役として現れたモモチも危なく、このノリでモモチは本当に危ないんですが、香水全混ぜとなるので優しい世界。ギャグ的に加速させることで危ないところを華麗に回避する、というのは見事なバランス感覚だったと思います。何気に見事だったのではないか。

『カグラバチ』91話

 ハクリのイソウが弾き返される。まぁ踏ん張ってる感じはあったので吹っ飛ぶことは分かるけど、トータルでどういう物理現象なのかは少し気になる場面。「弾き返される」がよう分からん。
 んで、 “キル・ユー” の人も登場。字幕がダサすぎるので笑ってしまった。ダサかっこいい……。いや、ダサ面白い。字幕のデザインがちゃんとしてるというか、しっかりと雰囲気あるのが良い。
 からの合流してエンド。ここまで加速というか、事態がややこしくなるとは思わなかったな。混戦すぎる。というか、こうなると新キャラ2人がどうしても見劣りしてしまう気もする……からトンチキ字幕でキャラを立てたということなのか。キャラの立て方はあれでいいのか?

センターカラー『SAKAMOTO DAYS』226

 カラー扉。南雲。腕にもびっしりタトゥー入ってたんすね。ちょっと意外だったが、単に私が忘れただけだろうか。まぁ、作画が大変だから本編では長袖着用が義務づけられるのかもしれない。タトゥーだらけのラッパーがテレビ出たら長袖着てるのと似てて面白い。
 本編。明らかに敵2人のが強いが、そんな強い2人を足止めできてるので平助の勝ち。煉獄さんは勝ったんだ理論みたいな話だが、平助自身が言ってるのが面白い。いや、厳密にはピー助に言われたことに同意してるのだが。
 そんな平助のナイスガイぶりにレスラーが感化される……というか、自身のヒール性を思い知らされる。この戦況でもしっかり平助の「良い奴」性にフォーカスした話になるとは思わなかったので面白い。ここらへん本当に見事だと思います。
 一方シンたち。検問を宮バアの死んだフリで乗り切ろうとするも宮バアが危篤。花ちゃんが演技してくれてるのが微笑ましかったんですが、直後に葵さんが演技から抜ける。よりによって医者が病人役やってるので詰み、というのもなかなか良いですね。
 そんな危機をまさかのルー。数年ぶりにルーが戦った!! と変な感動に陥るんですが、先週平助を置いていったことについてシンと口論してたのが前フリだったわけですね。置いてくことに反対だったルーが、今度は自身が足止めのために車から飛び出る。めっちゃキレイな展開なのですが、そもそも車を動かせないという問題は何も解決してないので「そう言われても車出せないんですけど……」ってボイルがなりそう。

『あかね噺』171話

 了見はその人の内面をトレースして、それが自然と所作に染み出る。メソッド演技法ってやつだ。売ってない某ジャンプ漫画でお馴染みの。それに対してからしは徹底的にガワの情報を積み重ねることで同レベルの境地に達する。メソッド演技法は万能ではなく、普通に「あんなのバカのやることでしょ」と言われることも多いのでね、それはそう、と言わざるを得ない。有名なアンチメソッドアクターとしては人喰いのレクター博士役でオスカー取ったアンソニー・ホプキンスだけど、人肉どころかあの人ベジタリアンですからね。一方、レオナルド・ディカプリオはバイソンの生肉を食べて念願のオスカーを取りました。そこまでしなくても……と呆れるのが反メソッド演技で、今回のからしはそっちのアプローチですね。
 芸達者、俯瞰、効率主義などのからしの要素が今回の「外形の極意」に繋がるので見事でしたね。そのまんま演技を武器にするひかるとの対比も生まれてくる。そもそもこの2人はからしのこの話をやるために組み立てられたキャラクターだったのですね。ひかるはメソッド演技というよりは、自分のキャラクターに役を寄せるアプローチだったので対照的。アイドル演技、もしくはスター演技という感じか。

『アオのハコ』208話

 晴人、雛に一旦振られる、という認識でいいのだろうか。強めの牽制球ぶん投げられる、くだりかもしれないけど。雛の意思をまるっと無視して考えた場合、晴人的には雛を兄貴に取られるのが一番地獄なので、是非ともそうなってほしい気持ちがある。ついでに菖蒲も取っていろんな人の脳味噌破壊してほしい。しかし肝心の遊佐兄は大喜にメロメロなのであった……となれば全方位的にハッピー。
 雑巾掛けレース。雛が自分磨きとか対大喜ではなく、「対千夏」という瞬間が生まれるので面白い。雛的には一応前進ということなのかもしれない。より救いのない道だとは思うけど……。
 そんな雛の雑巾掛け。進まない。久しく雑巾掛けやってないのもあるけど、まったく理解できないというか、想像できなかった。そんなことある? 体重って言うけど、小学生でもやる行為なわけで。

センターカラー『しのびごと』46話

 2号連続カラーらしい。そして来週が1周年記念の表紙。すっかり忘れてたけど『魔男』と同期になるのか。すごいこっちゃ。
 本編。襲撃が確約された状態で話が始まるわけですが、いきなりヒバリが負けてるので良かった。ちょっと飛躍があって、ちゃんと驚ける。
 オペさんの抜け忍判定が正確なので笑う。言われてみればそうだな。他にも変人は多いが、抜け忍の変さはちょっと路線が違うかもしれない。
 抜け忍の髪血界。この手の髪能力は割とよくあるやつだと思うけど、元の髪型を含めて考えると結構フレッシュな絵面と思う。まぁバトル的にはまだ目新しくはないんだけど、結構ワクワクした。

『カエデガミ』9話

 敵の紹介。シユウのライバルで、かつてシユウに勝って(負けに追い込み)人間視点で英雄のようになったが、その後も人間界に居座られると迷惑がられるようになり、人間を恨むように。まぁ分かる。カイオーガグラードンみたいな神話感があって面白かった。が、その神話エピソードからの結論が「シユウの手を喰って人間殺そう」なのでちょっと引っかかる。シユウのチカラを欲しがるのがよく分からん。まぁ、手軽なパワーアップアイテムみたいなことなのかもしれないけど、それだと面白かった因縁と関係がない。
 んで、道具で戦う人間の妖怪ハンター。急にかっこよすぎる。そしてメガネ。めちゃくちゃワクワクしたし、今後コウの進む道の参考にもなるかもしれないが、ここが面白すぎると本作のそもそもの土台が崩れてしまうような恐れもあるかな。

『キルアオ』114話

 ノレンが父親から暴力を振るわれるので十三が決心。最後の一線を越えることになるが、この覚悟を決めるくだりが割とあっさりと、静かに行われるのが良かった。十三の中の優先順位がはっきりしてるので悩む余地はないというか。
 ということで、十三の中年バレ。正直中学生よりオジのがかっこいいと思うので、「これはノレンの性癖が歪む」という印象が真っ先にある。というのは3割くらい冗談だけど、ノレン側の恋愛感情に支障はない、というのは結構マジな話としてあり得るのではないだろうか。これを機に十三は完全に身を引くつもりだろうけど、という齟語。

『エキデンブロス』8話

 レース開始。全7区のオーダーは伏せたまま。ちょっと意外だが、7つもあると情報過多で気持ちが乗り切らないって判断なのかな。そもそも7区も対決を描くといくら何でも長すぎるのでかなり省略されるんだろうな……。
 んで、1区はメガネくん。メガネのステレオタイプらしく冷静沈着のデータ型……と思ったら自分のペースを正確に把握してるが故に限界ギリギリまで攻めることができる。周囲のペースに合わせることなく自分の全力で攻め続ける。データキャラの特徴はそのままなんだけど、最終的な走りのスタイルが逃げ切り型になるのが面白かった。言ってることは分かる。そして、変にライバル意識を持って彼の攻めの走りについて行こうとすると痛い目に遭う、というのも良いですね。それが攻めなのかは分からんが(常にベストに近い走りができるって話だと思う)、まぁそこらへんは漫画的なハッタリとして楽しいあたり。

『鵺の陰陽師』111話

 朱雀は氷属性と見せかけて実は氷属性。「そりゃそうじゃろ」という話ではある。『カグラバチ』にも炎朱雀いますし。あと、冷たいと思ったら熱かったという反転はちょっと直前の『エキデンブロス』にも近いですね。
 今週も嫁の役がおいしく、何なら先週のカラー扉みたいなことが本編で起きる。女の友情も良いんですが、その場には師匠もいるわけで、成人男性は気まずそう……だけど、彼にチカラ分けてもらうのが一番効率的だと思うのでどうしたものか。

『ピングポング』7話

 気抜けするほどに平和な学校。平和が故に学校生活を愛しているが、そんな学校生活を楽しめるようになったことに先生がちゃんと気づいてる、というのが良い。そりゃまぁ借金地獄の件を考えれば当然なのかもしれない。
 今度は昇格戦。3勝したら昇格戦に挑めるが、昇格戦の賭け金は500万なので3勝では足りない。クソルールがよぉ……。まぁ、作劇の都合なんだろうけど、ちょっとありそうな搾取構造というか、妙なリアリティも感じてしまった。
 んで、足りない200万は妹をカタにする。カタだけに……。そんなダジャレもあるし、先生を悪人にしたくない、ギャグで収めたいギリギリのところを狙ったんだろうけど、普通にクソキモでクソアウトだと思う。フィギュアオタクなので妹の見た目、極論シルエットにしか興味がないというのが脱臭なんだろうけど、「女性の完成形」を教え子以下の年齢に見出してるのが怖いんだよ……。
 先生巨大化。最後の見開きはさすがに誇張表現だと思うが、実際にあの大きさだとしたら卓球しづくて逆に弱体化になりそう。ただ、そういう無茶(やりすぎ)をやるのが本作の魅力だとも思う。

センターカラー『ハルカゼマウンド』10話

 ライバルとなる黄金世代の紹介。死神、プロフェッサー、神童、そして新星(弟)。うん、プロフェッサーだけおかしいよね。何をどうしたら二つ名がプロフェッサーになってしまうのか。方向性違いすぎて面白い。まぁ、メガネなのでまたデータキャラだろうか。
 女子マネージャーが入部。この手の女子マネージャーの添え物感は宿命的な問題だと思いますが、「ノック」として野球のプレーに参加するらしいのでちょっと面白かった。絵的にプレーしてる感が強い。これは野球ならではですね。他のスポーツだと想像しづらい。
 ユニフォーム。女マネが入った直後のユニフォームで唐突な着替えがギャグになってたけど、おまけギャグとして「校長も着替える」というのがあり、「お前が女子生徒の前で着替えるのは笑えなくない!?」と思わんでもない。まぁ、彼の場合は事前に下に着てたとか可能ではあるか……。

『悪祓士のキヨシくん』57話

 エピローグ。というか打ち上げ。楽しそうで良いが、場所が普段働いてる場所というのはテンション下がらない? 一番おいしいものが食べられる(という認識の)場所だからアリなのかな。まぁ、店以外の仲間が大勢かけつけるのでそっちが楽しいというのは分かる。
 そんな打ち上げ。棺くんの “シェフを呼んでくれ!!” が良かった。金持ちキャラムーブとしては割と定番だと思うけど、彼の場合は金持ちというより「育ちが良い」みたいなニュアンスが強いので好き。キヨシ大好きに帰着しちゃうのも楽しいし、ツンデレのダシに使われるのがばあやなのも可愛い。正直バトルも彼のが一番面白かったと思うし、やはりメガネが最強なのか……。

『青春とキューピット』中宮

 読切。代原じゃないよ。15ページだけどショートフロンティアでもないよ。赤塚賞の準入選だよ。
 本編。初恋を成就させようとキューピットが現れる。ラサール石井ギャグが本当に意味不明で結構好きなんですが、そういえば2週連続でラサール石井ですね(先週は両さん)。
 てらいのない『ドラえもん』オマージュからの、『ドラえもん』型のオモシロアイテムとその失敗。正直大した話はない割に序盤のセッティング部分があまり面白くなかったんですが、この「アイテム→失敗」が始まってからは俄然面白い。私の中の針で完全にアリに振れた。「そりゃ失敗するでしょうね」的な展開なんだけど、オーソドックスに面白いというか、王道を感じる。過剰な暴力ツッコミも好きです。序盤の2人きりの場面ではその一面がまったく見えなかったのに、という加速ぶりが楽しい。「助ける方法は現実的に輸血なんだ……」という妙なリアリティも良かったです。
 「奥歯ガタガタ」は定番の言い回しなんだけど、それを何となくあり得そうな絵面として見せてきたのも好き。何ならここが一番好き。入れる側、入れられる側も準備というか、「この角度じゃないと奥歯まで届かないんだよ」みたいなところにリアリティを感じる。もちろんリアルではないのだが、荒唐無稽な言い分に対する「ちょっとだけありそう」感。
 からのタロウ。これに関してはキューピットに落ち度はないと思うんだけど、約束は絶対に守るのね。これも面白いが、ちょっとだけタロウが可哀想ではある。とはいえ、奥歯ガタガタと同じで、実際に見せてくれるのが良い。もちろん省略とかウソはあるんだけど。
 しかし、本作で最も可哀想なのはタロウでもフユミでもキューピットでもなく、最後のクソオチをクレジットでめちゃくちゃ邪魔されてしまった中宮先生だと思う。あれはいくらなんでも酷すぎる……。まぁ、最初から本誌掲載を想定して作った作品じゃないから避けようがなかったのかもしれないけど、何かやりようはなかったのだろうか。
 あと、本編直後に本作の笑いを解説されてるのもちょっと恥ずかしそうで面白かった。とはいえ、たしかにあの矢のくだりは本作の白眉というか、あそこから一気に面白くなったと思う。射るモーションがちゃんとかっこいいのが良かったよね。

『ひまてん!』55話

 ひめのの先生とほのか。ここが絡むのはちょっと意外だったけど、陰キャマインドで悩むほのかが王道アイドルの姿に勇気をもらってた、ので今回直接助言をもらる、という流れは良かったな。2人の交流に説得力があるというか、先生の職能、それもめちゃくちゃ具体的なアクションの内容を伝授する話。陰キャは目を見て話せないからな……。
 あと、本作はまだ告白する話ではないものの、直前の『青春とキューピット』と似たような策を講じて試してみる展開になってるので妙なオモシロが発生してたと思う。ひめのの先生が細切れにされて犬に喰われる可能性。この場合の暴力担当はまゆだろうか。

『僕とロボコ』246話

 今週のアカネ噺は怪談。宮崎先生の趣味なのか、意外としっかり怖いホラー回になってて毎回好きなんですが、逆に言うと、たまにあるホラー回というのがお馴染みになりすぎたせいでちょっと限界が見えてきた感もある。目新しさがないというか、もしくは期待が高まりすぎた弊害。背景で子供が見切れる、というのも怖いは怖いんだけど、「実写でやったら怖そう」という印象も強い。映り込んじゃった感が漫画だとどうしてもやりづらいと思う。あと子供がコマのメインになりすぎてるし。
 代わりに本話最大のギミックとして、 “あかねっち 誰としゃべってるの?” 。これはやられた。たしかにガイドと会話をしてるのはあかねっちだけだ。読み返すとロボコの視線が常にあかねっちだけに向いてるので、それもうまいですね。掲載順的にひめのの先生の助言を思い出してしまう……。
 あとは、日常生活のあちこちに潜む「隙間」が怖くなる、という後味の悪さもすごく良かったと思う。『ジョーズ』を観たら海が怖くなる現象は有名ですが、海の近くに住んでなきゃ海に行かなきゃ済む話。一方、隙間は特に住宅のあちこちに潜んでいるの非常に怖いですね。変なお土産を押しつけられたような読み味。本来私はこういうのめちゃくちゃ苦手ですが、幸い住宅環境の中の隙間には元々脅えてるのでそれほど支障はなかったです。365日ずっと虫が出ないか脅えて暮らしてるので。今年は夏の季語のアイツが出てきてなくて平和なんですが、それでも常に可能性が怖い。
 重箱の隅をつつくというか、ホラーって大抵こんなもんって話かもしれないんだけど、女児が可哀想な目にあった村の封印を解いたら女児(と女性型ロボット)が襲われるってのが筋通ってないような気がして少し引っかかった。主役がボンドとかの男だったら逆恨みとかで分かるんだけど、アカネちんが恨まれる筋合いはないと思う。代わりに生贄になれってことかしら。

『逃げ上手の若君』215話

  “でも母になったら… 子供と刀は同時には持てないのか” が『BLEACH』ポエムみたいで笑ってしまった。刀を握らなければ子供を守れない……。
 策で勝って鎌倉奪還というのは十分面白いんだけど、神力システムをまったく飲み込めてない身としては、話が盛り上がってきたのと反比例して尊氏が勝手に弱体化しているように見えて正直かなりつまらないです。策劇の都合しか感じられない。
 本編後のコラム。先週の感想で「夏の情報伝達って実際はどうだったんだろうねぇ」的なこと書いたんですが、まさにコラムがその話だったので嬉しい。面白い。正直歴史解釈の難しさについてはコラムが十二分に面白いので、松井先生は本編で変に歴史難しいギャグとか入れないでほしい。面白くないし、単に物語を読む際にそんなこと言われても萎えるだけだと思う……。単行本の作者コメントとかでやるなら楽しいだろうけど。

『灯火のオテル』15話

 説明パートはマジで説明なのでアレなんですが、到着してでっけぇエビが働いてたりすると突然面白くなる。本作のファンタジーレベルをうまく把握できてなかった私に落ち度がある可能性もあるが、唐突すぎてマジでめちゃくちゃ面白かった。それがただの背景なのが悲しいような気もしますが、たぶんこれは背景だから面白いんだと思う。
 カギカッコギャグはちょっとメタすぎる気もしたが、中二的な言い回しを便宜上カギカッコで表現してるだけだと思うので、これはやっぱ普通に面白いんだと思う。中二的にかっこつけるが、語彙が貧弱なので、言葉自体は普通。それがオテルに響いてしまったのが良いですね。精神年齢の近い同性キャラがいなかったことも思い出させられるというか、今までいなかったタイプの新キャラだと分かる。

『NICE PRISON』17話

 東宝シンデレラの和子で笑った。映画館あるあるとしてアレを持ってくるのが面白すぎる。たしかにお馴染みではあるけど……。
 ということで映画館。で父。ホームビデオが上映されて軽い回想、というのがナンセンスギャグらしい飛躍に思わせて意外と「ありそう」な展開なので良い。精神世界としてはかなり的を射てる展開だと思う。
 同じくナンセンスギャグだと思った巨大ポップコーンが、巨大化能力だたと理屈が通るのも面白い。面白いというか、理屈を通すところが変で好き。
 ラスボス的な雰囲気のパワーアップに普通についてくる和子がやっぱり面白いんですが、家族の不和についての物語なので、「父親が新しい女を連れてる」というのは結構理にかなったキャラの配置だと思うんですよ。ナンセンスと意外とちゃんとしてるのバランスが楽しい。
 本作は話的にいつ終わってもいいし、いつ新章やってもいいと思うんですが、対照的に物語を畳むのに時間がかかりそうな『オテル』は全然終わる気配ないのがちょっと面白いです。正直本作以上にダメだと思ってたので意外……。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 8/25は東京飛行場(羽田)開港の日なので空港特集その2。出発編。アニバーサリーが強引。
 左ページがどれも別れのシーンになってて、ラブコメ率高めなので面白かった。「空港あるある」を感じる。それも最終回とか最終章とかばっかり。それにしても『SKET DANCE』最終回とか何も覚えてなかったな。ボッスンが海外にいて終わったのは覚えてるけど、こんな告白からの別れなんてあったっけ……。

次号予告

 『しのびごと』が1周年で表紙と巻頭。めでたい。『魔男』より好きです。あれくらい人気出てほしい。
 あとはジャンププラスの人気作が出張。御高名はかねがね……。未読ながら出張短編が作りにくそうなイメージ。なので楽しみです。よく分からないことになっても楽しいし、うまいことまとめてきて「憎たらし~!」ってなるのも一興。
 あと『キルアオ』がセンターカラーで超重大発表。これはアニメ化じゃない!? と結構マジで思った。昨今のtvアニメはクール制なので尺的にも問題ないと思うし、アニメ映えする内容だと思う……。なんですが、最近のアニメ化発表は本誌で情報解禁とならないので、本当にアニメ化だったらもう既にアニメ化の情報が出回ってるはずです。なのでナシ。残念。だとするとまぁ移籍あたりでしょうか。おじさんに戻っても続くのはめでたい。これで完結カウントダウンとかだったら笑いますけど。

目次

「スーパーマンよかった。ジャスティスギャングが名前もムーブもイケてた。入れてくれ。
(『カグラバチ』)

 加入決定!!(∵名前をホメた)

愛読者アンケート

 読切について。キャラの印象についての質問がフユミについてだけ無視されてるので笑った。可哀想だろ。
 応募者全員サービスについて。購入のきっかけにはならないし、応募もしない。

総括

 木曜夜の更新。水曜深夜には書き終わってたんや。書き終わってはいた。そっからブログ更新する作業がめんどくさくて……楽しくないし……。

 今週のベスト作品。読切は面白かったけど、ベストにするほどではないなぁ……と思ったけど連載陣で特別響いたのもなかったので読切がベスト。『青春とキューピット』。
 次点は『ウィッチウォッチ』かな。ベストにするほどではなかった度がこちらの方が高い。

 ベストコマ。同じく読切から奥歯ガタガタ。『カグラバチ』の “キル・ユー” は狙いすぎだと思いました。余計な文章。

 ベストキャラ。『カエデガミ』の子虚。イケメンオブザイヤー候補。突然よそのバトル漫画のキャラが出てきたかのような突拍子のなさが良い。あとメガネ。
 関係ないし今更だけど『カグラバチ』と『カエデガミ』ってややこしいですね。まぁ1文字なんだけど、頭の1文字と、ケツの母音で妙に近い。
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