北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

マンガ『サイコメトラー』(3巻)の感想

サイコメトラー(3) (ヤンマガKCスペシャル)

サイコメトラー(3) (ヤンマガKCスペシャル)

 コンビニで売ってることを発見しました。1、2巻の時に感想書いたから今回も書かないとなんか気持ち悪いなーということで。
 『サイコメトラー』ってタイトルって検索した時に『サイコメトラーEIJI』のが先に出てくるから不便ですね。

マンガ『サイコメトラー』(1&2巻)の感想 - 北区の帰宅部

 んで、3巻。収録内容としては、2巻の後半から始まった「処刑の塔」が解決まで入って、残りはブレイク3話(みっちゃんが2話)。長編の途中で終わらないので、気持ち悪い思いはせずに思います。まぁ、最後のブレイク回は次の長編の布石でしょうが。

 ネタバレはあるんで気をつけて下さいね。


 龍兵が数学の天才! 数学オリンピックで金メダル級!!
 からの、親方フリークライム世界チャンピオン!!!
 HAHAHAHA 世界一がゴロゴロしてるぜ。んで、龍兵がサチベエ殺しを突き止め、親方が登り、殺す。世界一が2人タッグを組めば、3人殺すのなんて造作もわな。
 「ピース」の犯人が意外なほどにシンプルだったから、今回の犯人はそのまんま龍兵だと思ってたよ。
 前巻の感想にも書いたと思うんだけど、今回の話ってどう考えても前シリーズの「テロリストの挽歌」をベースにしてるというか、リメイクというか、再構築というか、二番煎じというか・・・・・・・ここでは前シリーズファンへのサービスと受け取りましょう。そんくらい「テロリストの挽歌」とそっくりなんだけど、前巻の段階で不安だったのが龍兵が凡人(だと思ってた)という点。「轟さんの狙撃スキルに比べたら龍兵とかww」とか思ってた。そしたら数学五輪金メダリスト級にフリークライム世界チャンプですよ。HAHAHAHA 轟さんとか目じゃねぇくらいのスーパースキルだ。しかも2人。マジぱねぇ。
 まぁ、「テロリストの挽歌」を越えようとしたのかもしれませんね。轟さんが殺傷スキルのスペシャリストだったのに対し、龍兵は数学という知のスペシャリストというのがおもしろいです。親方の鳶スキルも直接殺人とは結びつかないし。

 そんな親方。スパイダーマンすぎてホレた。絵的に燃えますね。電話先が実は・・・・・・ってとこサイコーです。体1つでなんとかする特殊能力って燃えます。
 また殺すターゲットがどいつも高層マンションに住んでて、飛んで火に入る夏の虫。この高層マンションってのが「処刑の塔」ってことなんでしょうね。下町にある取り壊される運命の煙突と対比が利いてると思います。ただ、あの煙突はもっかい出てくると思ったんですが、出てこなかったですね。残念。
 クライムの原動力である握力の描写が印象的でよかったですね。親方が怒りに震えると手がピキピキってなるっていう。エイジの手との対比でしょうかね。どうせならば、握力を活かした殺し方にしてほしかったです。復讐の殺し方にも工夫が欲しかったところです。まぁ、ベランダから手が!ってシーンは超燃えましたが。

 一方、数学の天才であった龍兵。天才すぎてエイジがサイコメトラーというのを見抜くのもイージーです。数学を極めすぎて、ほとんど予知能力の領域。おそらくリンゴ、幾島、深見、赤木らへんと同じ超能力者枠なのでしょう。あと、レッドパラソルも超能力者か。
 なので、数学押しってのが腑に落ちなかったです。もうちょっと超能力者っぽい描き方のがよかったと思うのですが。ただ、龍兵のことをサイコメトリーしても数式しか読めず、考えが読めないという展開はうまかったですね。サイコメトリーの力をどう殺すのかがエイジを出し抜く必須条件なので。
 エイジのサイコメトリーが過去を読む力なのに対し、龍兵は数学を通じて未来を読むというのが素晴らしいですね。これは新シリーズの名物キャラになる予感ですよ。味方か敵かはわからないですが。まぁ、犯罪に走るのもよくわからないのでたまに出てきて協力してくれるとかかな? ただ、チートに近いレベルなのでエイジと組めば大体の事件は瞬殺な気がしますね。

 んで、龍兵の予知が炸裂するラスト。これはどうなんでしょうかね・・・・。ワタクシの中で賛否が分かれます。
 よかったのは、「復讐とはいえ 殺すのはイクナイ!」っていう退屈な結末じゃなかったこと。親方と龍兵の悪意は消えてなかったというのはよかった。バカ3人の中で3人目だけ死の瞬間が明確に描かれるというのもよかったです。「ざまぁ」的カタルシスが味わえました。
 そして悪かったのが、チートすぎという点。いくらなんでもやりすぎじゃね?っていう。あと、あの事故死に龍兵がどの程度関与したのかがもうちょっと明示されてたらよかったんですけどね。龍兵があのビンを置くシーンでもあったらよかったんですが。アイツは龍兵が殺さないとダメだと思いますよ。誰の手も汚れずに憎いヤツが勝手に死ぬなんて虫のいい話は嫌いです。あの検算の紙を電車に当てることで死のピタゴラスイッチが起動されるってことなのかもしれないけど、そうだとしてももうちょっとピタゴラスイッチ的な連鎖が見えないとダメだよね。
 ただ、この「チートすぎる」っていう批判は「いや 超能力者だから」って理屈で乗り切れると思います。サイコメトリーがあるんだから予知くらいあるでしょ、っていうんだと違和感ないんだけど。そうすると、やはり「龍兵=超能力者」的な描写はもうちょっと強い方がよかったと思います。

 細かいシーンで好きなのが親方が3人目を殺そうとするシーン。まぁ、一番のカタルシスがあるのはやはりココですよね。
 親方に殺されそうになった医者の卵が自室に隠れ籠城するトコ。親方が部屋のドアをブッ壊すのと、志摩さんが玄関をこじ開けようと四苦八苦してるシーンが対比になってて見事でしたね。また、高級マンションだからドアが無駄に頑丈で志摩さんが開けられないってトコもよかったです。
 それと同時に龍平が親方と同じ方法で部屋に侵入ってのも燃えたし、サイコメトリーのことを理解した龍平が壁越しにエイジにメッセージを送るっていうのもうまいですね。

 ということで、「処刑の塔」は以上です。まぁ、おもしろかったですよ。親方と龍平が立川談志ILMARIに見えて仕方なかったですが。

 次はブレイク回。みっちゃん。下品さに拍車が掛かってる印象です。あの花婿は黄金銃をチョン切られる程の悪人とは思えないのですが。

 もう1つブレイク回。3巻のトリ。「ヒカルの恋」。男装女子がトオルの店にバイトに入るっていう話。
 次の長編の布石にしか思えない。てか、新キャラがトオルにホレるとか死亡フラグにしか思えないです。ただ、2話連続でブレイク回が死亡フラグってのはマズイと思うので、あの男な娘は生き残ってほしいですね。そういや、前シリーズの終盤にも中学生の準レギュラーいたし、あんな感じの枠に収まるといいんだけど。

 というのは希望で、やはり死亡フラグにしか思えないんですよ。トオルが出てきて新キャラ女子の死亡となると「ジャスティス」と同じパターンですね。てか、「テロリストの挽歌」もそうなんだけどね。やっぱ「処刑の塔」と被っちゃうよなぁ。やっぱ死なないでほしい。
 けど、男装というのがレイプフラグではないかと思えてしまう。トオルに恨みを持つヤツ登場→新人のバイト拉致→「なんだ女じゃねぇか(グヘヘ)」→男な娘自殺→トオルブチギレ→犯人見つけて銃殺→志摩「トオルくん それ空砲よ」 みたいなぁ?
 という既視感バリバリな展開は勘弁していただきたいですな。あっ、トオルの店が舞台ということは「殺人シェフ」的な? 水道水出してきたトコを罵倒してやれば勝てますね。


 まぁ、ともかく次巻が楽しみですね。そろそろ前シリーズのどれとも似てない事件になってほしいです。
 この調子だと次巻の感想も書くかも。


追記
 続き書きました。

マンガ『サイコメトラー』(4巻)の感想 - 北区の帰宅部