スパイダーマンに録音データを渡すと死ぬ
『キャプテンアメリカ2』に引き続いてアメコミヒーロー映画。大作が続きますねぇ。
3D字幕です。サム ライミ版との一番の違いはやっぱり3Dだと思うんですよ。もちろん話とかも違うんですがー。
3Dはよかったですね。飛行シーンは3D映像映えすると思うんですけど、スパイダーマンのウェブによる移動もそれに近いですよね。冒頭にある街中を飛び回るシーンの多幸感がヤバかったです。
- あらすじ
- ハゲ「俺が必要なんだろ!」
- 社長「君が助けが必要なんだ!」
- クモ「いやー そんなこと言われても‥‥」
アクション以外の要素で最も心に迫ったのがエレクトロでした。エレクトロのキャラクターとドラマ。
もうね、軽く泣きそうになったんですよ。エレクトロの悲劇と、悪役になることで彼の人生に一筋の光が射し込む感じ。彼を幸せにするためならニューヨークが壊滅状態になってもいいんじゃないかな、とか少し思ってしまったくらい。
サム ライミ版に比べるとスパイダーマンのキャラクターが大分陽性になってるんですよね、今シリーズでは。もちろん、軽口叩きならヒーロー活動する姿というのはメチャクチャ魅力的だし、その軽口が彼自身を鼓舞するためのもの、という意味にもなってて感動的ではあります。ただ、キラキラと輝きすぎてて、「オレとはあまり縁のない人かな‥‥」みたいに思ってしまうこともあるんですよ。そこに現れたのが今回の悪役エレクトロなワケで。こいつが見事に陰性。まぁ、ハリー オズボーンもそうですね。ジェームズ フランコのあの笑顔とのギャップがスゴイです。
そんなエレクトロ、悪役たる超能力を得る前がなかなかに酷い。ハゲですきっ歯で、誇大妄想の被害妄想、ストーカー気質で‥‥と負の役満状態。なんですが、コミカルなビジュアルのせいでどこか笑えてしまうんですよ。人生に何も楽しみを見出せなかった彼がスパイダーマンと出会って生きる希望を見つけて、というくだりはものすごく感動的ですので、その後のストーカーへの変貌っぷりにもどこか共感してしまう。もちろんあそこまで狂信的になるのは危ないですけど、自分の中にある要素をデフォルメしたらあんな感じになるのかなぁ‥‥という程度には共感してしまいましいた。さらには、グウェン ステイシーとのエレベーターでのやり取りですよ。スパイダーマンのおかげで人生のすべてが輝かしくなった彼の前に現れた金髪の天使。絶対ホレますやん。むしろ、彼の中では既に付き合ってるでしょ。わかる、すんげぇわかる。あんなやり取りしたらホレるし、そしてその先も妄想する。アイツの頭の中では『(500)日のサマー』の出会いのシーンみたいな事態になってるんですよ。
共感しまくってただけに、それだけに彼が超能力を得て、悪役に変わってしまうタイムズスクエアのシーンがとにかく泣ける。ちょっと力が暴走しちゃったんだけど、そのおかげで皆から注目されて、今まで味わったことのなかった、それでいて常に欲していた喜びを味わうんですよね。もう泣ける。しかし、そこに現れたスパイダーマンにすべてを奪われてしまって‥‥。しかもスパイダーマンの野郎がグウェン ステイシーと仲良さげに話しやがるでしょう。浮気してんじゃねぇ!!(してません)
ココで、困ったことにスパイダーマンが結構良いヤツなんですよ。「きみ誰だっけ?」みたいなことでも言ってくれれば簡単で、気持ちの整理も楽なんですけど、覚えててくれてるし、挙げ句助けようとしてくれてる始末。しかし、スパイダーマンの中で重要度は全市民に等しいので(グウェンは除く)、それがもどかしい。それだけに、一番ムカつくのがニューヨーク市民共だよクソがっ!!! 怖いのはわかるけどもうちょっと態度ってもんがあるだろうよ!! お前らの大好きなスパイダーマンが気を使ってる相手なんだから少しは察しろや!!
ということで、すべては市民が悪い。話は省くけど、もう1人の悪役ハリーのドラマもなかなかに泣かせます。こっちの場合は、すべてはオブコープの奴らが悪い。そんな2人が手を取り合って、オズコープとニューヨークに復讐するんだから号泣必至ですよ。ハリーに「君の力が必要なんだ」って言われた時のエレクトロのことを思うと、本当に涙腺がヤバイ‥‥。スパイダーマン邪魔しないであげてよぉ‥‥(2人の標的はスパイダーマンなんですが)。
ついでですけど、スパイダーマンことピーターくん。
別に新シリーズにおけるモテ系ピーターくん像ってのを否定するつもりはないんですけど、前作のラストにおける「守れない約束もあるよね」だけがどうしても許せなくて。ねぇよバカ!!呪い殺されろ!!!‥‥とか思ってたら本当に呪われてたので満足です。本作があったおかげで、今後、前作を観ても平静を保つことが出来そうです。ありがとう、パパステイシー。
グウェンとのイチャコラの件。前作と違って、恋人関係という前提があったので割と心の余裕を持って見られました。「クソがっ!」じゃなくて「うらやましいなチクショー!」くらいの違い。ただ、1つだけ、2人でルールを決めるシーンがあるんでしょう。あそこだけがどうしても‥‥。見てるだけでジワジワと心が黒く染まってしまうんですよ。しかも、映画観た後に知ったんですけど、あのシーンにおけるイチャコラの多くは実生活でも恋人である2人のアドリブが採用されてたらしい、ということを知ってしまって‥‥つらい。ゴラムばりに心が分裂してしまいそう。
んで、一方グウェン。前作同様メチャクチャかわいいんですよ。当たり前ですけど。ただ、困ったことに本作だとあまり(まったく?)カチューシャしてないでしょう。個人的には前作におけるあのカチューシャにいたく感銘を受けまして。もちろん白衣とかニーソとか喪服とか盛り沢山だった前作ですが、どれか1つ選べと言われたら迷わずカチューシャを選ぶ所存だったワケです。そしたら、そのどれもなくなっちゃってたのがねぇ、大変残念でした。いやね、大人に成長したグウェンの姿、みたいなそういう意図があったりするのかな、というのはわかるんですよ。わかるんだけどねぇ‥‥。
ただ、スパイダーマンに手を拘束された時の「ピーター!!‥‥あっ」が超絶かわいかったです。暗い劇場の中でニヤニヤしてました。
とにかく魅力的なんですよ。グウェンは。そして魅力的なカップルなんですよ。それだけに、ラストがねぇ。「原作では○ぬことで有名なキャラ」という情報は知っていたんです。知っていてもねぇ‥‥。しかも、意地悪なことにあの○に際がものすごく生々しいでしょ。落下の瞬間をまざまざと見せつけてくれちゃって。さらに意地悪なのが、スパイダーマンの手が届いてたことですよね(糸だけど)。届いたんだけど、届くのが一瞬遅くて落下のスピードを抑えられずに‥‥っていう。つまり、スパイダーマンからしてみたら、自らの手が触れた状態でグウェンが○ぬんですよ。「手が届かなかった‥‥」じゃなくて、「手が届いたのに‥‥」なんですよね。これは泣ける。呪い殺されろとか言ってごめん。マジごめん。
ということで、グウェンが○んじゃったじゃないですか。けど、次作以降にはMJが出るとかそんな噂も聞きます。もうこの際、MJもエマ ストーンが演じればいいんじゃないかな。ほら、赤毛のイメージ強いですし。
ラスト及びエンドクレジット。つまりは次作以降への布石。ものすごい楽しみな見せ方してくれましたね。めちゃくちゃワクワクしましたよ。
何でも『アメイジング スパイダーマン3』の他に悪役連合のスピンオフ映画も企画中だとか、ヴェノムのスピンオフも考えてるらしいじゃないですか。『アベンジャーズ』に対抗してスパイダーマン シネマティック ユニバースを構築する気満々なんでしょ。楽しみすぎる。
ワタクシは前シリーズの中でもドクターオクトパスが大好きでねぇ‥‥。キャラクターも能力もビジュアルもドラマもすべて好きなんですよ。新シリーズでもやってくれるんでしょ? 期待しちゃいますよ。
ということで、とにかくおもしろかったです。「アクションだけで悪役のドラマがない」って言う人の意見もどっかで見たんですが、個人的には、これ以上描かれたら泣きすぎて脱水症状起こしちゃいます。もちろんアクションも素晴らしかったですし。文句ナシの作品でした。
あっ、強いて文句を付けるなら、予告やテレビCMで本編のラストシーンをしっかり見せちゃうのはさすがにどうなのよ。
90点。
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