北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の感想

 ぐへへ、観てきたのじゃ。もう私の2022年は終わったに等しい。良い1年でした。
 ネタバレを含む話しかしないと思うので、お気をつけください。

アヴィアラドありがとう

 本当にありがとう。最近クロスオーバーのハードルが高まりすぎて権利関係という映画外の情報を踏まえた感動が当たり前になってきてますね。ハイコンテクストすぎるというか、後年になって振り返ったときに非常にややこしいのではないかと少し不安。まぁ、本作みたいな超話題作はいろんな関連情報が残るから大丈夫なんだろうけど。
 個人的に『アメスパ2』が大好きなんですよ。一番好きなスパイダーマン映画を聞かれたら、ウンウン悩みながら『アメスパ2』を挙げたい気持ちはある……。ライミ版『2』も悩むし、『ファーフロムホーム』も悩む。『スパイダーバース』もあるから困ったもんだ。とにかく、『アメスパ2』が好きなので、今回めちゃくちゃ『アメスパ』シリーズへの敬意があるので感動した。黒歴史にしないでくれてありがとう。

いきなり文句

 唯一の文句。クライマックスのアクションが意外としょぼい。正直「あれっ……こんなもん?」だった。高まりまくったエモーションにアクションの映像がついていけてない。スパイダーマン大集合の絵面もアクションシーンにおける、ビジュアル的な感動は意外と少なかった。ドラマ面では最高なので本当に号泣なんだけど。
 そう考えると『エンドゲーム』はどうしようもなく偉大だったな……と改めて。キャップのムニョムニョ持ちとか、「左失礼」でぶち上がりまくったエモに映像が応えてくれる。

JJJ

 ただの同じ顔の別人だったんかい!! とは思った。『ファーフロムホーム』ラストの時点でマルチバース結合してる可能性とか真剣に考えてしまったのがバカみたいだw
 まぁ、とりあえずゴードン本部長を楽しみにしてます。アルフレッドが『ヴェノムLTBC』の監督ってややこしいことになってきましたね……。

ヴェノムとSSU

 『ヴェノムLTBC』で期待が上がりまくったトムハとトムホの共演……は先送り!! まさか取材するだけで帰ってしまうとはw 記者らしい情報収集力が悪い方に働いてしまったということなのかな。
 とりあえず、ヴェノムだけでSSUにご帰還。スパイダーマンMCU残留が確定。SSUにまだスパイダーマンいないのですね。スパイダーマンユニバースとは一体……。
 てか、『モービウス』の予告ではスパイダーマンのいる世界という風に描かれてると思うし、ヴァルチャー出てるんだけど、どういうことなの……。MCUとSSUが渾然一体となるのかと思ったら、まったくそんなことはなく、むしろ別世界だと明確に説明されちゃったので驚く。『モービウス』への期待が高まると同時に、「ソニー単独でうまいことやれんのかな……」と心配でもあるw
 逆に、シンビオートがMCU入り。これも楽しみではあるんだけど、ヴェノム関連の権利って全部ソニーだと思うから、MCUはそう簡単には使えないよね。だとすると、あの置き土産はSSU側が今後利用するネタということになるのではないか。ヴェノムは集合知で情報を共有してるみたいな話あったので(うろ覚え)、あの置き土産シンビオートを通じてSSUにいるヴェノムがMCUスパイダーマンを認識、何なら取り付いたり……なのかしら。

マット

 マット!! お前なにさらっと出てきてんのじゃ!! ほとんどスタンリーみたいな出番なので笑った。
 もっと本格的な登場が見たいけど、まぁ『ホークアイ』のフィスクみたいなことになってもガッカリなので、逆にあれくらいで良かったのかもしれない。あと、デアデビルがどれだけ活躍しても本作においては印象弱まっちゃうの必至だし。
 ドラマシリーズの「ただのそっくりさんですw」みたいなクソみたいな展開をせず、煽った期待に応えてくれるから本作大好きです(JJJは除く)。今回出てきた悪役もスパイダーマンも全部、我々が知ってるあの映画の中のあの人たちだもんね。エレクトロのイメチェンにも言及される周到ぶり。

ウォン

 フェイズ4の超絶便利キャラ、ドラえウォン。などと冗談を言ってたんですが、指パッチン後に至高の魔術師を襲名してたとか言い出したので驚愕。めちゃくちゃすごい情報じゃないの。『シャンチー』で八百長試合してた時点で至高の魔術師。マジかよw
 今回、ストレンジが本格的に登場しちゃったし、次の映画がストレンジ主役なので、ウォンが頻出するのはここまでなのかな。

スパイダーマン

 集合!! ホントに出てきた!!
 ガーフィールドは期待込みで予想してたけど、もう1人も出てきたのはマジで驚いた。こんな仕事受けてくれるとは。童顔なのに中年ピーターパーカー、良い味出てたぜ……。
 ただ、やっぱり私は『アメスパ2』贔屓なので、ガーくんの暗い過去を背負いながらの根明っぷりがもう最高でね。てか、単純に役者としてガーくんが突出して輝いていたようにも感じた(色眼鏡?)。あの日救えなかったグウェンの代わりにMJをキャッチするくだりとか号泣でしょ。あの感慨を共有するキャラは誰もいなくて、ガーくんが独りで噛みしめる。マジ泣けたぜ。サプライズのマグワイア、ドラマのガーフィールド、という印象。

『アメスパ2』

 エレクトロの登場シーンで、『アメスパ2』の送電所バトルの再現をしたのも良かった。森をそう見立てるのか、と感動してしまった。サンドマンもいる状況で、あそこまでエレクトロを打ち出してくれたことにも感謝&感動。やっぱ『アメスパ2』は傑作だったんだよなぁ。エレクトロ戦はどれも最高。
 唯一『アメスパ2』のエレクトロ周りに落ち度があるとしたら、和解がなかった点だと思うんですが、今回そこまでカバーされるのでもう昇天ですよ。『アメスパ2』ファンの地縛霊的な思念がすべて光に包まれて雲散霧消したようなイメージ。
 けど、贅沢を言えばデハーンにも出てほしかったw

逆に出なかった人

 ライミ版ヴェノムはトムハサプライズのために犠牲になったのだと思う。
 問題はダブルハリー。会話の中で言及はされたものの、出てこない。まぁ、これは単純にジェームズフランコがね、実質干されてるようなものなのでどんな大物俳優よりも出しづらい役者だったのだと思います。だったらデハーン出してくれよお!!! と『アメスパ2』の亡霊は思うんですが、ハリーを片方だけ出すってのも難しかったんでしょうね。デハーンが歴代ヴィランを指揮するシニスターシックスも見たかったんだぜ……!! まぁ、格的にデフォーかモリーナが指揮するのが妥当だとは思うけど。
 もしも、フランコが問題起こしてなかったら、『ノーウェイホーム』の脚本も変わっていたのかな……とかマルチバースに思いを馳せてしまう。
 過去キャラが全員顔出しで登場したことに感動があって、それは実写映画ならではの感動だと思うんだけど、実写ならではの問題というのもある。そんなことをフランコは教えてくれました。なんであんなことするかなぁ……。

KICKではなくCURE

 悪役に対する姿勢の変化が感動的ではあった。とはいえ、死んでしまった悪役たちとも結構和解はしてますよね。ドックオックとサンドマンは明確にそう。リザードもそうよね。サンドマンに至っては生存までしてるので言うことなし。さらにはピーターの「許し」のドラマまで完成してる。今回そのドラマをトムホに伝授する、というくだりが感動的でした。
 ドックオックが因縁もあってアクション的見せ場もあって、和解&ハッピーエンドのドラマもあって最高。逆に、原作の時点ですべてが完成してるサンドマンの方は、正直イマイチな面もあったと思う。「なんで悪役みたいになってんだっけ?」と疑問に思う瞬間はあった。攻撃されても痛くないし、常にスパイダーマンや他ヴィランに無関心……みたいな塩キャラだったと思う。
 サンドマン以上に「こんな奴を許さなきゃいけないの?」という迫力があったデフォーゴブリンの魅力は圧巻。ゴブリンとエレクトロだけ悪の純度が高い感じでしたね。子供を追いつめる最悪な大人、というワッツ版ヴィランの嫌な特徴がデフォーに宿ってそれこそ悪魔的な存在になってたと思います。ぶっちゃけライミ版よりも全然怖い。光堕ちかと騙してくるのとか邪悪だよなぁ。マスクを捨てるくだりでライミ版『2』の再現をしてたけど、あれは観客しか見てないから「誰に向けてのウソだよ!」という感じではあるんだけど。

大いなる責任

 メイおばさんだったのね……。『エンドゲーム』で社長が言ってればよかったんだけど、結局言わず終いだったもんね。
 メイおばさんの喪失に対して、ベンおじさんを失った2人がケアする場面は感動的だった……んですが、同時に『スパイダーバース』でも見た! という感じではあった。あれはアーロンおじさんというサプライズでしたね。
 まぁとにかく、これでMCUにおけるベンおじさんの不在が確定。語られてないだけでベン死は経過済みなのでは? みたいな考えもあったけど、今回のメイおばさんで上書きされました。
 しかし、今回のスパイダーマンも毎回のように墓参りしてんな……。

虚空に跳ぶリザード

jp.ign.com
 ブラジル版予告だけ映像処理が不完全で軽くネタバレ、という噂、マジだったのですねw その件を知ってからというもの、劇場の大画面であの予告を観る度に「リザードどこに向かっとるんや……」と気になってました。すべてマジだった。恐ろしい話やで。


 終わり。オモシロが渋滞しすぎたのでまとまりのない文章になったとは思う。とにかく最高だったから感想吐き出しておきたかった。
 それにしても、作品外の、物語の外のいざこざを映画の中にパッケージするで生じる感動、これは『ワイスピ』でお馴染みの奴ですね。『トリプルX 再起動』でもやってた奴。