北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『モービウス』の感想

 SSUは全部感想書いてるということで今回も書く。ただ、そこまで好きなわけではない。いや、積極的に嫌いなわけでもないんだけど、薄い。

薄い

 『ヴェノム』も薄かったが、あちらは強力なキャラ萌えがあったので、「可愛い」とか「いいから結婚しろ」的な魅力があり、印象も強かった。だが、本作は薄い。ぼちぼち面白かったとは言えるが……という感じ。まぁ、良い意味でもあるので、薄さ、軽さがSSUの一貫性という見方はできるかもしれない。
 情報量も少ないんだけど、本編が終わったら突然「さあ! クロスオーバーやるよ!!」と息巻いてくるので驚く。そんな雑な接続で大丈夫なのかと心配になるが、まぁ、「別の宇宙で強引に扉が開かれた」なのでこっちの世界からしたら突然の出来事なのは当然なのかもしれないが……。

トゥームズお引っ越し

 まず、予告詐欺がひどい。ソニーの最近のスパイダーマン関連映画は本編外の「余計なことしやがって……」が多い気がする。
 とにかく、無事お引っ越し。「そっくりさんでした」ではないのは評価する。MCUはたまにそういうことするから油断ならねぇ。とはいえ、SSUの方で、トゥームズを魅力的に描けるのかというと正直かなり怪しい。分かりやすいキャラクターではないし、尖った能力のあるヴィランでもないので、雑な脚本だとただの鳥オジサンになりかねない気がする。すげぇ魅力的なキャラクターだとは思うが、助っ人外国人としてはパッと見、ちょっと地味にも感じる。この際、「ミステリオは生きていた!」で連れてきちゃってもいいのよ(スターク社のテクノロジーがないのでショボいか)。
 てか、SSUでどうやってあの翼作ったんだよ、という疑問が本作の時点で発生してしまってるのがな。そもそも悪意100%みたいなタイプの悪役じゃないから、別に悪に走らなくても……という疑問もなくはない。『ホームカミング』のラストとかピーターのことかばってくれたじゃん。良い人の面も残ってるじゃん。
 トゥームズがSSUにおけるシニスターシックスを先導するみたいな雰囲気あったけど、そもそも本作におけるモービウスは悪なのか、みたいな疑問もある。最初に傭兵殺したけど、それ以外はすごい我慢してたじゃないですか。医者らしい倫理観で。その傭兵も「あいつらはクズだからヨシ!」みたいなお許しを得てたし……ってその雑さもどうなんだ。
 まぁ、ということで、個人的な希望としては、『アメスパ』シリーズの住人に引っ越ししてもらって、デハーンハリーにシニスターシックスをお願いしたい。頼むよ。ガーフィールドもっと観たいんや。

I AM VENOM

 これもほとんど予告詐欺に近いレベルなのだが、唐突すぎて「だから何!?」というセリフだったと思う。正確には「大人に言わされてる」感がすごい。
 本作を独立性の高い作品にしたいのか、『ヴェノム』との繋がりを強くしたいのか、大人が最後まで判断に迷った感。

ブロマンス

 本作最大の魅力はここだと思う。幼少期から始まるブロマンス。キャストの魅力もあり、ここはマジで光るものを感じた。
 感じたのだが、正直物語が簡素にサクサク進むので相手の闇堕ちとかが少し雑に見えたかな。ブロマンスからのこじれ、クソデカ感情爆発みたいなのがもう少し丁寧に描かれてたらマジで大好物になってた予感。あと、闇堕ちロジックとしての「お前ばっかりずるい! 俺にもくれ!」が『アメスパ2』のデハーンと重なって新鮮さがなかったという事情もある。結局『モービウス』の良さは『アメスパ2』が兼ねる、みたいな結果なのでやっぱ『アメスパ2』が最高なんだよなぁ!!!
 関係ないけど、幼少期からの友情ってのは、こないだ観たソニーの『アンチャーテッド』でもあったよなぁ……とか思ったり。

アクション

 エフェクト盛り盛りのビジュアルとか結構好きだし、ああいうパッと見での個性があると、今後クロスオーバーしたとき間違いなく映える。
 そして、パルクールというか、体操っぽいアクションが何気に独自性あって好き。コウモリ感を出したかったのかしら。ぶっちゃけジャンプしたりチカラが強かったりと『ヴェノム』以降の作品とは思えないほどにバトル時の個性がないんだけど、ビジュアルの魅力は間違いなくあったと思う。強さ的なワクワク感はそれほどないけどな。エコーロケーションを駆使したバトルはあると思った……。あれもビジュアルがめちゃくちゃ魅力的なんだけど、実際に役立ったってほとんど「耳が良い」くらいなので、「デアデビルで良くねぇ?」感。エコーロケーション描写、ベンアフ版もかっこよかったね。

ラスボス戦

 アクションは割と好きなんだけど、ラスボス戦は微妙。同じ能力を持つ2人だけど、モービウスにはコウモリビームがある!! みたいなロジックも正直よく分からんかった。
 まぁ、そもそも『ヴェノム』のときから同族対決ばかりやってるので新鮮さがないという問題もある。特に本作はこじれたブロマンス要素が加わることで、すごいこじんまりとしたスケールの戦いに思えちゃったりもする。
 まぁ、この同族対決問題は、SSU次作と思われる『クレイヴン ザ ハンター』では解消されると思うので、期待してるぞ……。

タイリース ギブソン

 何もなかった。『ワイスピ』ファンなのであの顔見るだけでニッコリしてしまうんですが、本当に何もなかった……。

劇伴が『ダークナイト

 一部の劇伴がマジで『ダークナイト』流用してるんじゃないかと思った。『ダークナイト』フォロワーの作品は多いけど、こういう類のそのまま感は初めてだぜ。


 終わり。スーパーパワー獲得が異様に早くて、そういう軽さはやっぱSSUの強さだと思いました。期待はしてるし、毎回観に行くから、頑張ってくれ……。他作との絡め方、ユニバース形成力みたいなものがSSUからはさっぱり感じられないのだが、MCUマルチバース展開に全力で便乗!! という反則スレスレの方法に活路があるわけで、頼むぞ……。

gohomeclub.hatenablog.com
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