北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年12号の感想

 来週ワクチンなのでジャンプ記事遅れると思います。副反応たぶん出る(前回出たから)。まぁ、先週何もなくても遅れた人が言っても意味がないんですが。


 雲母坂先生は相変わらず「そのギャグ何なの!?」というセンスが抜群で、本当に驚きました。やっぱり面白いという感覚もあるけど、驚きが勝ってしまった。熱い話に挟まれる変なギャグ好き……。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。千夏パイセンで正解。
 次回はニコですね。女性キャラが続きよる。てか、ニコ、ピンク髪でアホ毛搭載してたのか。今まで何度もカラーイラスト見てるはずなのに……。ピンポイントに注目することと見過ごしてたことに気づかされる。そのためのコーナーだったのか!!(違うよ)

表紙

 新連載。先週も書いたけど、マジでどんな作品なのかさっぱり分からないのですごい。まぁ、神海ブランドで求心力はある程度あるんだろうな。

『ハイキュー』

 10周年の告知漫画で1ページだけ復活。スガがスーパー便利キャラになってるので笑った。
 10周年企画がいろいろ。とりあえず当ブログ的には、『ハイキュー』の新作読切が来るらしいです。これは朗報だぜ。「2022年の日向たちを描く」という時点でもう面白そうですね。2020年の五輪に最終回をあわせてきた作品なので、「2022年の日向たち」という設定が非常に活きる。『ハイキュー』キャラがプロのバレーやってる平行世界が存在するのだなぁ、みたいな感慨。これは『こち亀』完結後の日暮とも似た感覚なのではないか。面白いですね。
 てか、こういうカムバック的な仕事を知る度に吾峠先生のことを考えてしまう。絶対いろんな大人から仕事持ちかけられてるじゃないですか。異様なまでの出し惜しみを感じる。もしくはものすごい企画が水面下で進行中なのか。まぁ、先生の負担にならない範囲で、自由に仕事してることを祈ります。

読者プレゼント

 フラメンコ。やべぇ、今週の超好きかもしれない。「暮らし易(クラシヤス)」とか面白すぎるでしょ。面白いの基準がバグってるのかもしれないけど。他にも「オレ!」のダジャレで擦り倒すパワープレイっぷりもめちゃくちゃ好みだわ。これは今後に期待ですわ。

巻頭カラー『地球の子』神海英雄

 新連載。それこそ『ソルキチ』が最後に本誌に載ったとき以来なんだけど、「相変わらず暑苦しいなぁw」となったのですごい。もはや感動とかそういう域。作家性が確立しておる。久々に読んだとは思えない感覚。ぶっちゃけそれほど興味のある作家ではないのに、この記憶に残った色の濃さ。ファンはこういうところが好きなんでしょうね。
 『メンインブラック』的に記憶消去してから即「やっぱ覚えてる!」となったのには面食らったし、その後「私が消えれば記憶も消える」「やっぱ会おう」となったのには頭がクラクラきた。ものすごい変な話運びだ……。これが通常運行だったらマジでヤバいと思うんだけど、まぁ今回はプロローグを読切的に描くのがコンセプトだったと思うので、この過剰とも言える駆け足感にも納得……はしないけど理解はできる。しょうもない反復横飛びしてる暇あったら2人が恋に落ちる経緯をもう少し丁寧に描いた方が良かったと思う(少し唐突に感じた)。
 超能力がシンプルに念動力というのは結構好き。コーヒーを球にするくだりとかかなり好き。 “地球にとって何か悪い事が起こりそうな時免疫の様に現れる” という設定も面白い。というか、「免疫」という表現が面白い。
 システムとして発生するヒーロー、そしてイメージカットの中で地球の危機として描かれる無数の黒い手。個人的には『ドラクエ10』の連想不可避なんですが、さすがにこの2つで断定するのは無理があるのかな。神海先生に『ドラクエ10』歴がある、という情報をお持ちの方はご一報ください。
 個人的に一番きつかったのは病室のくだり。そもそも地球規模で活躍するヒーローが “人命救助中に銃撃戦になって” 怪我をした場合、渋谷が行動圏内の高校生が駆け込める位置の病院に搬送されることはないだろ。銃撃戦だから現場は日本じゃない可能性が高いと思う。ただ、それはどうでもいい。
  “今から「絶対死なない」と強く願いながら” “ここから飛び降ります!” がキツい。この実験で彼の言い分(願いは叶う)の証明になると考えてる彼の論理がヤバいし、重傷の人に超能力使わせることを強要してるのが頭おかしい。シンプルにこういうことする人を好きになれない。「結婚してくれなきゃ死ぬ」と言ってる人がいたらヤバいと思う人がほとんどだと思うんですが、この場面、それとの違いがよく分からない。
 人の話を聞かないという意味で「真っ直ぐ」で、彼自身はそれが正しいと信じて疑わない(実際は間違っている)姿勢が端的に言って怖い。おそらくこれは神海先生の作家性の権化みたいなシーンだと思う。このキャラは神海先生の化身とも言いたくなってくる。神海作品のエキスが凝縮されてる気がする。これをロマンチックな場面だと信じてものすごい澄んだ瞳を真っ直ぐ向けてくる感じ。いや、普通に怖いんだ……という動揺。改めて懐かしいな。『ソルキチ』の頃もこんな感じの感想書いてたんだろうな。
 初回がプロローグとして完結性の高い1話になってて、それが親の話、というのは奇しくも先週の新連載と同じですね。こんな珍しい構成が被ることある? という意味でめちゃくちゃ面白かった。本作は親としての話が来週以降も続くと思うんだけど、それはマジで結構楽しみ。子育ての話とか超珍しいじゃないですか。『マンダロリアン』的なバイブスも感じる、という意味でも楽しみ。子供に超能力があることに気づく場面がちょっと似てたというか、連想した。
 終わり。超能力を持つ師匠に子供を預けたら、「親か俺かどちらか選べ」とか詰め寄らせる話になったりしたら個人的に爆アガリです。あれはアイツが悪いw

『呪術廻戦』

 乙骨バトル。刀一辺倒ではなく、一度刀を手放して、再び持って……という振り付けにするのが良かった。「刀捨てるんかい!」という衝撃。
 あと、ゴキブリが黒ベタで表現されてるのには芥見先生の優しさを感じた……と思ったらラストがクッソキモいので笑う。
  “反転術式と「リカ」を使わずに” 。乙骨バトルは見たいけど、ここで乙骨が100%まで出しちゃうのはさすがにもったいないので……という大人の都合な。まぁ、そもそも彼がどのような理屈で強いのか、とかもある意味で興味を引っ張れる要素なので、そういう意味でも良い落とし所だと思う。2つのハンデがある戦いだったけど、1つのハンデは無視して勝つ、というのも苦戦の楽しさはありつつ、まだリカちゃんは温存という今後の楽しみは継続。
 キスで勝利。リカちゃんが見てたらどのようなリアクションをしたのか……とか妄想が捗る。とにかく、女たらし純愛マンらしい勝ち方なので最高。やっぱ映画との連動感あるよなぁ。
 そう考えると、次に戦うのが女性っぽいのも楽しみ。実際にそういう話になるかは知らんけど。

僕のヒーローアカデミア

 先週のネタバラシ。先週、ツイッターで「白目だから心操くんだ」と言ってる人がいてビビったんですが(自分の意見ゼロなのでブログには書かなかった)、読むの難しすぎるなw てか、相澤が間接的に大活躍というのは激アツだけど、心操くんの出番がこれで終わるのは正直惜しい。ただ、因縁の最終決戦を初見殺しで勝つ、というのもつまらないよなぁ……と悩ましい。
 グレートティーチャー相澤すぎる回だったけど、ブラキン先生もわずかながら良い味出してたよ!! というのは言っておきたい。物真くんの背中に手を差し伸べるのは彼しかいない、という良さ。
 先週「まだA組がいないからまだラストバトルじゃない」とか書いたんですが、A組もアッセンブルしたわw マジか、これで終わってしまうん……? まぁ、『鬼滅』も無限城入りしてから長かったからもう終わりが近いとは言わないけど、頭のどこかでまだまだ終わらないものだと思ってたので、終わりを現実的に感じてしまって少しショック。
 あと、塚内さんにかっこいい出番があるのが新鮮で良かった。初期から「あいつ怪しくね?」と言われ続けてきた不遇の人だけど、今なら信じられるw(さすがに『ヴィジランテ』に出たあたりで信じてやれよという話ではある)

『SAKAMOTO DAYS』

 中二相手に初見殺しの超能力で勝利するのは少し大人げないのでは……と思ったら中二が実際に泣きながら “年上のくせに大人気ね〰” と言ったので笑った。微少なストレスが笑いに昇華した気分。
 ORDERになるのにコネは必要ないという話だったけど、今回のくだりで彼とシンの間にちょっとしたコネが出来た気もしますね。普通に面白いキャラだから使い捨てるのはもったいないし。
 坂本の近くの性別不詳キャラ、やっと名前が明らかになって「晶(アキラ)」。これは性別不詳キャラという扱い継続という認識でいいのかしら。
 映画監督。「カチンコの使い方ちげぇよ」と笑ってたらORDERなのでもっかい笑った。まぁ、ORDERが試験官やって受験者全力でブッ殺すのにはさすがにどうかと思いますが。

ブラッククローバー

 団長副団長コンボ。影と闇の黒ベタ見開きはめちゃくちゃかっこよかった。ちょっと「ゴーシュとフィンラルとアスタで似たようなコンボやってたなかった?」とは思ったが、見開き使いが圧倒的なのでアガる。立体的な攻撃になってるの新鮮だし、右ナハト、左ヤミで対称になってるのも最高。
 目つき悪コンビ、団長副団長コンビ、からの本作最高のコンビが参戦してエンド。「ユノくんだけこの飲み会気まずくない?」とか少し思ったけど、1人だけ白いユノの存在感はバッチリでかっこいい。

センターカラー『あかね噺』

 いよいよあかねの物語が始まる……と思ったらまた視点が違う。カラオケボックスで師匠がJKと密会、は笑ったわ。読者的には「いやその子は違くて」と分かるのが良い。成長した主人公の初(ではないけど)登場シーンとして変則的で面白い。
 カラオケの個室は密会であると同時に練習の場でもある、という転換も気持ちいい。さらには壁越しに落語を聞いて「めっちゃうまいじゃん」と驚くってのは前回にもあった状況ですよね。あれが年月を経てどう変わったのか、という意味で感慨深くもある。いやホント本作、正攻法に面白いわ。この精度の面白さがどこまで維持されるのかは分からんけど、初回ならではの魅力がそれぞれ詰まってる(本話もある意味で初回)。
 気づけば3人それぞれが魅力的に見えてくる。ほとんど今回が初登場みたいな3人なのに、という手際。師匠の方も、JKになるまで甲斐甲斐しく育ててきた……という年月が感じさせて贔屓してる姿もちょっと微笑ましい。まぁ、これは破門事件についての贖罪ってのもあるか。
 そして、これは同時に読者の中にもあかねのことを娘のように、孫娘のように愛でる視点が発生してる、ということでもあると思う。女性主人公のことをこういう扱いにしたのは面白い。『マグちゃん』の感想でよく「後方親戚ヅラ」という表現をしてたけど、本作はたった2話でそのポジションを確立してる。

Dr.STONE

 敵は無限だが、主人公たち人間は悲しいほどに有限。その差は歴然で、勝ち目なんてないはずなのに、人間は無数の連帯と継承によって無限に立ち向かう。という意味では『鬼滅』と重なる部分もあるな。特に『無限列車』。これは先週気づいて書いておくべき感想だったかもしれんw 敵側が人間の有限性を心底バカにして、1ミリも理解できてない感じとか重なるところが多いと思う。無数の過去の人間たちを墓で見せた『無限列車』も面白かったけど、本作はその人類の継承というのが知識であり、科学という点が面白い。こうして考えると本作のラスボスはエイリアンで大正解だったというか、これ以外の選択肢がもはや想像できない。人類の歴史が文明であり、それはすなわち科学、という話をやるためには敵が人間以外でないと成立しない。
 人間ではない高位の存在との交渉、というと『約束』でもちょっとあった話だけど、正直あちらはその要素がそれほど面白くなってたとは思わないので、本作がどうなるのか楽しみ。人類史論、科学論みたいなテーマを持って行くとなると結構面白くなりそうな予感なんですよね。

『PPPPPP』

 DADA先生がフルスを慰める。慰めるというか発破をかけるって感じかしら。心が折れてしまうほどの悲しさは今後演奏者として大きな糧になる、という話はぐうの音も出ないほど納得させられた。絶望してもそこから立ち上がり、さらに強くなって戻ってこいよ、というのはいかにも少年漫画的なプロセスでもありますよね(少年漫画に限らず物語全般に言える)。ちゃんと音楽の話として説得力がありながら、ものすごい王道感もある。マジで鮮やかだった。今週のロジック大賞出てしまったな(なんだそれは)。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』

 「凶一郎失踪編」に突入したらしい。『BLEACH』における「ルキア奪還編みたいなノリになるのだろうか。敵幹部大集合みたいなラストの見開きもそれっぽさある。まぁ、『BLEACH』で例えちゃうとあいつらが最終的には愉快な仲間になる話になってしまうのでややこしいけど。
 本編。味方陣営の最強キャラが単身敵陣に向かい、強キャラ同士のタイマン。シンプルながら夢の対戦カードでもある。そんで、先週の失踪エピソードに凶一郎のパワーアップの理屈が込められている、という下準備も見事だわ。

『アオのハコ』

 扉可愛い。最高やんけ。男子も女子も同じ格好してる人がまったくいないのもすごい。
 本編。針生パイセンも良かったが、個人的には花恋パイセンの面白さが圧倒的だった。大喜の “同居してるからこそ 言いづらいんです” って、今までは大喜の誠意として説得力あったし、大喜に対して「それでいいんだ」みたいな印象を抱いてる読者も多かったのではないでしょうか(自分の話を読者全体の話にすり替える主語デカムーブ)。それに対する花恋パイセンの “下心あるのに隠して 一緒に生活される方が” “キモくない?” には大喜と一緒に仰け反ってしまったw 鮮やかすぎる。ウジウジ悩んでたのに、ワンパンでケリがついてしまった。もうこれ何言っても無駄な奴だ……と砕け落ちる感覚。やっば、今週のロジック大賞来たわ(二度目)。
 学校で、全然知らない人から突然告白されても困るだけだし、告白者の独りよがりが有害ですらある、という話は最近は特によくあって、それこそ『ゆらぎ荘』で出てきたときは本当に感動した話なんですが、本作はさらに先を行く。迷惑を考えて告白を保留してるのもキモい。これは「どうすりゃいいんだ」と逆ギレしたくなるような話に思うかもしれないけど、よく考えたら大喜の立場が特殊すぎるので一般論としてはほとんど機能しない。同居とまで行かなくても、「下心あるのに友人として関わってる方がキモい」という話なら成立するかもしれないけど、友人になってるくらいならまぁ突然告白してもそれほど有害ではない……と思う。大丈夫だろうか、これで。
 とにかく、人を好きだという何かとキレイで絶対的に賛美されがちな感情に対して「下心」というワードを持ってきたのが見事すぎるんだよなぁ。恋の名の下に1人で悶々としてたけど、 “やたら見てきたり すれ違った時匂い嗅いでる” と実際の行動はたしかに下心だし、されてる方からしたら普通にキモい。マジで “その発想はなかった!!” だわ。LINEスタンプして売り出そう。本作で一番好きな場面と言っても過言ではないよ、マジで。同居中に独りで抱え続ける恋心という本作の根幹に対するこの “キモくない?” 。本作全体を否定するような話になってもおかしくないレベルの問いかけ。すごすぎる……。花恋パイセン最強かよ。

『ウィッチウォッチ』

 「みなさんの括りはなんですか?」「ジーンズ大好き芸人です!」みたいな回だったな。お笑い混じりのオタク語りとしてかなりレベルが高かったと思う。篠原先生、こういう路線もいけるのか。もっとやってほしいが、まぁ趣味の数にも限界あるか。『こち亀』が異常って話になるので。
 ギャグ的に面白かったのもあるけど、それ以上にジーパン語りの部分が面白かった。ジーパンガチ勢は一切洗わないというイメージ持ってたけど、それは最初の1ヶ月だけで、それ以降は普通に洗うし、何なら積極的に洗いたがることすらある。マジで勉強になったわ。
 ただ、ケイゴとの熱烈バトルを繰り広げても洗わなかったってのにはキュンよりも「不潔……」ってなったw 汗&血まみれでしょ。
  “つまり漫画家などはとても遅いんだ” とか唐突にぶっ込んでくるのも良い。篠原先生の魂の叫び。ここで「篠原先生ガチだ!」確信が持てる。いや、勉強してここまでのことが書けるならそれはそれですごいけど。

センターカラー『マッシュル-MASHLE-』

 ドミナがブチギレながらも “物理的な手数でお前のスピードに追いつく!!” と理にかなった(ように見える)手に出たの好き。雑にインフレしてるだけじゃないのが本作の良さだと思う。
  “お父さんに尽くさないと保てない関係なんて歪だと思いますが” 。いつもの淡泊ながら鋭いディスに見えるけど、この場面ではちょっとドミナに対して同情的というか、ドミナのことを救おうとしてるような印象も受ける。否定だけではない優しさがうっすら混じってる気がする。
 からの始まりの杖強奪。ネズミがネコを噛む逆転展開なんですが、ここでもパワーアップの理屈がしっかりしてて、そしてなりふり構わない必死さもある。
 それに対するマッシュの無限とも思えるインフレ返しも好き。やりすぎなバランスがギャグとして機能してるし、それをシンプルに数字で言ってるのも良い。「よくスラスラ計算できるな」とは少し思ったw

『あやかしトライアングル』

 人間社会に順応した、無害な人妖もいる。これは面白い。世界の見え方がガラッと変わるし、今後の新キャラにもバリエーションが生まれそう。
 「筋肉ありすぎて人間なわけないじゃん」はメタが絡む理屈で笑ったんだけど、それだけで終わらず「シロガネが見えてるということは……」と続くので感動した。これはマジモンの伏線回収やんけ。不人気で打ち切り食らってたら放置されてたかもしれないレベルの伏線。急にすげぇなオイ。

『僕とロボコ』

 ロボコ、買い換えられると勘違いするの巻。こういうのは大体うまいこと勘違いするセリフの妙が面白い……とか思ってたら “最新型のナナメのカッコイイヤツにしようよ” で笑った。それでも勘違いしちゃうのかよ。常時ゼログラビティw
 んで、ロボコ頑張る。王ネタは好きだったので、しばらく続けてほしかった気もするんだけど、さすがに同じネタを長期間続けるのは『ロボコ』的にアウトってことなのかな。

『ドロンドロロン』

 大ボス戦のエピローグ。互いに反省するギンチヨとドラがそれぞれ気まずく感じ、相手を気遣ってるのが良い。本作の「良い奴」大喜利には毎度驚かされるんですが、今回の “何の話だ? なんか記憶とんでるっぽいわ” も素晴らしかった。その後すぐバレることでオチがつくのかと思ったら、後半クサナギと再会したときの “すんません それ嘘っす” に繋がるのでマジ感心した。優しさのためなら平気で嘘をつく、という善人性。
 クサナギの処遇についてお偉方が会議。これはアレか、『鬼滅』における何とか会議の奴だ。てか、義勇ポジの人が友達少ないってのも同じですね。まぁ、描き方が全然違うんだけど。ヘイスケは友人いないことに自覚的だし、何ならコンプレックスに近いものを感じてる。あと、会議のメンバーが現場で働く人じゃないってのも違う。

『アンデッドアンラック』

 イージスが良い感じにダサくて、最終決戦で活躍する絵面が想像できない。まぁ、あのアイテムをただそのまま使うような作品ではないか。
 地球の滅亡が気候変動によってもたらされるってのは妙にリアルで好き。ただ、これは『ドロンドロロン』にも感じたけど、被害者(死者)の数値をインフレすることで「ヤバい危機ですよ」と示すのはちょっと雑に思えて好きじゃない。モブキャラの命に関心ないように見えて(実感させられて)結構イヤな感じ。
 アンディの新天地。笑う死体による被害はホラー感あって面白いんだけど、ぶっちゃけこれゾンビだし、ゾンビは既出だよね。不滅はアンディと合わせ鏡な存在だからまぁ納得するとしても、過去に見たことあるようなネタが続くのは正直あまり良い印象ではない。

『高校生家族』

 雪。東京でも結構な積雪を記録したことを受けての時事ネタと見るのが自然でしょうね。ただ、そもそも仲間先生はジャンプで連載するようになったからこそ沖縄から出て、それで初めて雪を見た……なんてことを以前目次でコメントしてた気がする。そんな経緯を考えると雪が少しエモい。
 臨時休校なので学校に泊まりたい生徒たち。帰したい先生と帰りたくない生徒の攻防はしょうもなくて笑った。「大人への反抗」みたいな雰囲気もあるけど、その言い分がしょうもない。
 じょこびっちくん。深い意味はないのは分かってるんだけど、「この雪だるまもワクチン打たないんだろうなぁ」とか変なことを考えてしまう。まぁ、名前的にじょこびっちくんが一番面白いんだろうけど。
 女子のお泊まり。 “ママの同級生で同級生の静香さんもいるし…” の説得力がすごい。安心感の強度がすごい。

『逃げ上手の若君』

 神力双六。神力とサイコロという論理性がまったくなさそうな話なのに、ルール付けとそれに基づく攻防、試合展開を用意してる。ここらへん見事ですね。
 んで、逆転の一手としてキスが出てきて、やりすぎなキスがギャグでもあり、ロジックになるんだけど、やりすぎキスギャグみたいなのは『あやかし』で見たばっかりなんだよなぁ。松井先生、これは不運やで。運をロジカルに説明する回なのに、松井先生自体は不運。いや、運が良いと見る人もいるかもしれないけど、モザイクでギャグにするくだりとか二番煎じ感あって個人的には「もったいない……」という感じだった。
 てか、主君の寝込みにキスを奪うってめちゃくちゃヤバい行為なのではないか。こいつらがどこまで真面目なのかは知らんけど。

『喀魂灯』大塚アキラ 芦垣丁

 読切。ジャンプショートフロンティア。タイトルは「かっこんとう」。作者はそれぞれ原作と作画。
 名前と絵に見覚えがある……と思ったら芦垣先生の方は以前『ブラクロ』の代原で載っていたらしい。毒手の奴。
 本編。「風邪引いてるなら学校来ないでもらえますか?」と強めに言いたくなってしまうな。ご時世もあって。まぁ、咳のコンを狐のコンにする話を思いついちゃったから仕方ない、ということなんだろうな。
 クール美人で勝負してるように見えるけど、実は狐坂くんの可愛さが本命なのはバレバレですよ……とか思ってたらケモミミ搭載してくるので笑った。マジだったやんけ。最初のモコモコっぷりも良かったけどね。
 そんな2人のラブコメ……ではない。これは良い意外性。比較的静かな物語で、ショートフロンティアらしいどんでん返しがないんだけど、この「ラブコメじゃなかった」がどんでん返しのような機能になってる気もする。
 とにかくラブコメではない。母親を肺炎でなくしてるので咳の音がトラウマになってる、というのは良かった。てか、今までまったく考えたことなかったけど、実際にこういう人いるんだろうな、という説得力。ちょっと世界の見え方が変わったような衝撃。
 神社の実家で狐が宴会。本気で可愛い動物キャラ出してほしかったところですが、雑めに描かれてる狐もそれはそれで可愛い。
 派手なイベントはないが、小さな情報が密接に重なり合いながらのクライマックスは普通に感動的だった。母の看病で得た知識が具体的に役に立っていた、という部分も好き。物理的なロジックは超常的な存在相手にでも通用する。
 あと、ただのセクシー記号だと思ってた泣きボクロが、最後に「同じ人ですよー」と読者に向けた目配せとして機能するのもスマートだったと思います。本作全体に言えるけど、地味めな物語に思えるけど、意外と情報量がえぐいことになってる。小さな描写も侮れない。たった15ページにあれこれ詰め込みやがって……という気持ちよさ。これはかなり良かったなぁ。良かったけど、あらすじを説明して面白くなるタイプではないので、年末に年間ベスト決めるときに本作の魅力を思い出せるか少し不安だw

『ジョーク・デ・ジョレイ』すがぬまたつや

 『アヤシモン』休載による代原。賀来先生大丈夫かしら。ご時世的に「急病」というのが怖い。
 んで、代原。すがぬま先生はお馴染みですね。どうせ面白いんだろうな、という信頼すらある。ただ、ショートフロンティアの直後に読むと「こんなギャグショートがさっきの作品よりも2ページ多いの!?」と不思議な感覚になりますね。これは枠の問題。
 本編。おふざけ除霊。霊が抱える怨みや未練をくだらないものと感じさせることで成仏を促す。ちょっとこのロジック好き。実在しそうとは言わないけど、少しだけ納得してしまった。エロいことしてる霊は寄ってこないと言うし、案外おふざけも有効性あるのかもしれない……(ねーよ)。
 意外と理屈がしっかりしてる、というのは大オチの “あたしを捨てた男に似たあんたをボコしたら…” もそう。普通にうまいじゃないか。それぞれ単発のギャグだと思ってたものが実は最後に別の意味を持つ。見事だったわ。あと、彼女がボコしたのは、主人公がふざけたことにキレたからなので、今回の除霊(成仏)は彼のおふざけの成果と言うことも可能かもしれない。ものすごい遠回りをしてるけど。
 男に捨てられた女の霊。 “拾われたんじゃない! 捨てられたんだ!” も好き。ツッコミのないギャグのようでもあるし、何でも捨てられた怨みに繋げてしまう心理もリアルだと思う。
 あとは熊の生首の件が実際に出てくるのとかも良かった。ナンセンスギャグに見えるけど、どこか知的な印象もある、というバランスはかなり好みのラインでした。良い読切でしたー。

『守れ!しゅごまる』

 新たなる刺客は女装男子。あざといことしやがる……。
 しゅごまるが苦戦するほどの強さを誇るが、意外と歴戦のナンパ師が役に立つ。ただ女好きだから通用するのではなく、過去の経験や知識がどう役に立つか、かなり具体的に説明されるのが良かった。普通に勉強になるような内容もあるので驚く。ビオレママは男。
 可愛い子が好きなだけと言いつつ、相手の可愛さではなく可愛さを作り上げた努力に着目する、というのも歴戦の女好きが女性に好感を抱かれる理屈として結構リアルだったと思う。まったくの無理解を示すしゅごまる、というのもコントラストとして機能してた。
 ただ、「やめろ」と言う人を押し倒し、跨がり、「やめてほしくないんだろ?」と迫るのは普通にレイピストにしか見えなかった。普通に超ヤバい絵面。無自覚ならやめた方がいいと思う。自覚的なら、勘弁してくれ。
 『恋するワンピース』時代にもたまに伊原先生の乙女趣味が全開になるような回があって、個人的にそれがかなり好きだった。今回もそれの一環だと思うのでトータルの印象としては嫌いになれないんだけど、かなりヤバかったと思う。ヤバいは悪い意味だよ。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。今月のお題は2/23が富士山の日ということで、「富士山に登った人が必ず驚く意外に知られていない事実(※ウソです)とは?」。今回掲載方法が面白くて、最優秀賞が頂上で、そこから登山口まで上下に繋がるようになってる。上下の配置によって最優秀以外のネタにも優劣が示されるの珍しいですね。
 東軍。ガオさんの「シンプル看板」。これはお題の「意外と知られてない事実」っぽさがあって好き。私は未経験なんですが、テレビとかで富士山の頂上の映像を見たことなかったら、「実はさぁ」と登山経験者に言われたらちょっと信じてしまうかもしれないw
 星の子ポロンさんの「その気になって登れば」。これも上の感想と似てて、ウソのうまい人に言われてたら「ガチ勢ってすごいんだなぁ」とか信じかねない恐ろしさがある。
 しらんしらんさんの「TVerを見ようとすると」。私が偏ってるかもしれないが、TVerという発想がめちゃくちゃ新鮮で好き。
 ひでちかさんの「富士山より高い山が見える」。どこまで意図してるか分からないけど、連載漫画あるあるだよね、これ。高みに到達することで見通せる距離が増す、という意味では案外理屈も通る話だとも思う。
 西軍。未完の貴公子さんの「地球は青かった」。富士山のスケール感がバグってるので笑った。これは最優秀も納得ですわ。このシンプルさで最優秀取っちゃうのかっこいい。
 白髪ネギ華道さんの「ネパール人から」。東京で雪が降った際には雪国マウントなる言葉が一部で使われたけど、山マウントw てか、登山家だったらこれマジで言ってる人いるだろ。
 照りさんの「富士山はどっちの領土だと思いますか」。これ好き。個人的には優勝かも。現地に行った人だけが参加できる、というお題に沿ったシチュエーションがめっちゃ良い。わざわざイラストで静岡に勝てせてるのも不穏で好きw
 ゲーセンaさんの「ポテトチップスの袋」。恥ずかしながら一瞬「実際そうだよね?」と思ってしまったw 意地悪なクイズに引っかかったような気分だ。

次号予告

 『dr.stone』が5周年記念え2号連続カラー。まずは表紙&巻頭。まぁ、最終章も盛り上がってるので、ちょっと納得もある。
 あと、ショートフロンティアはどうやらなさそうです。たぶん手塚賞の作品を掲載することとの兼ね合いだと思う。だとすると次次号もショートフロンティアお休みということになる。

目次

「しんかいひでお」と読みます。笑顔になれる漫画を目指してメチャンコ頑張ります。
(『地球の子』)

 他に読み方ないよ!! それと「笑顔になれる漫画」という部分にめちゃくちゃ神海先生っぽさあるな。ここまで色が濃いのはやっぱすげぇ。

五輪フィギュアネタありすぎて絞れないのでとりあえずキスクラエイモズ推す
(『夜桜さんちの大作戦』)

 フィギュアといえば権平先生。今回のフィギュアはネガティブな話題も少なくないので絞れないくらいがちょうどいいと思う。
 あと、何を推してるのかサッパリ分からないので笑った。ググっちまったぜ……。

物真のキャラデザはアメスパ2のデインデハーンがモデルです。
(『僕のヒーローアカデミア』)

 デハーン!! 『スパイダーマンNWH』にデハーン出なくて残念でした。たぶんフランコのせい。反省しろ。
 「なんで今?」って感じなんですが、『ヒロアカ』が始まったのと『アメスパ2』が同時期なのね。何なら『アメスパ2』が最高のスパイダーマン映画とすら思うので、堀越先生的にもお気に入りらしいのはマジ嬉しい。

6歳の娘が千円くれて「これでもうお仕事頑張らなくていいでしょ」って言われた
(『ウィッチウォッチ』)

 可愛すぎるやろ。たまには休載しろ。篠原休め。

愛読者アンケート

 新連載についてと、「情報の受け取り方」。政治・社会のニュース、エンタメ情報を何を通じて受け取るか。どちらも共通して、ラジオ、雑誌、ニュースサイト、ツイッターだな。枠3つしかないのでニュースサイトが落ちる。情報量としては、政治・社会がラジオが一番多くて、エンタメはツイッターかな。
 信頼できるという印象があるのはラジオ。信頼できないという印象があるのはyoutube、インターネット掲示板まとめサイト。こう書くとすごい老人みたいだな……。
 モノを買う際、インターネット上の評判を参考にするか。めっちゃ参考にする。

総括

 かなり短くなった気がしてるんだけど、全然変わらない。なんでや。

 今週のベスト作品。ショートフロンティア。
 次点は『PPPPPP』『アオのハコ』『あかね噺』、あと読切2つ。

 今週のベストコマ。『あかね噺』の師匠が個室に入室するコマ。誤解って知ってるのに「あっ これアウトじゃん……」という実感が湧くので笑った。

 最後に今週のベストキャラ決めます。こちらー。

  • 守屋花恋 『アオのハコ』
    • “キモくない?” が強すぎる。大喜がショックを受けるのは当然だけど、今まで大喜のことを見守ってたのにも関わらずキモいと感じてなかった読者にもあの言葉は刺さると思うの。だから私は動揺してしまう。

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