- 背表紙
- 表紙
- 巻頭カラー『あかね噺』末永裕樹 馬上鷹将
- 『僕のヒーローアカデミア』
- 『ONE PIECE』
- 『Dr.STONE』
- 『SAKAMOTO DAYS』
- 読者プレゼント
- バレンタイン特別企画「チョコレートマフィン作りに挑戦!」
- センターカラー『アオのハコ』
- 『夜桜さんちの大作戦』
- 『ブラッククローバー』
- センターカラー『ドロンドロロン』
- 『ウィッチウォッチ』
- 『マッシュル-MASHLE-』
- 『僕とロボコ』
- 『あやかしトライアングル』
- センターカラー『PPPPPP』
- 『高校生家族』
- 『逃げ上手の若君』
- 『アンデッドアンラック』
- ジャンプ+通信
- 『髑髏導師』比良賀みん也
- 『守れ!しゅごまる』
- 『アヤシモン』
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 目次
- 愛読者アンケート
- 総括
『無限列車』の夢を忘れられるはずがないから『鬼滅』はまた映画やると睨んでるのですが、いつ、どこを、どのようになるのか楽しみ。まぁ、もう来年以降の話になりそうですね。
背表紙
「このキャラだ~れだ??」。一郎、正解。
次回。千夏パイセンでしょうねぇ。目がまるっと入ってるので分かりやすい。あと、筆致でも分かりそう。祭里は胸元で、千夏パイセンが目、というあたりに選者の意図を感じる。
表紙
新連載。女の子が落語するよ、ととりあえず伝わってくる。シンプルながら新連載のご挨拶としてはこのくらいが適切なんだろうな。
巻頭カラー『あかね噺』末永裕樹 馬上鷹将
新連載。作者コンビはそれぞれ原作と作画。馬上先生の前作ではなく、このコンビの前作である読切が紹介されてるのが特徴的ですね。連載作より価値があると判断されるってすごい。そんなに人気だったのか……。
ちなみに、落語監修は林家けい木。
本編の前に。『プロモブ』のオッサンが絶対どこかに隠れてると確信してたんだけど、いなかった……? あれ、私が見逃しただけならいいんだけど。
本編。タイトルのあかねちゃんが小学生なのでビビった。初回をまさか父親視点にしたとは。ジャンプでこんなオッサンの父としての物語を読むとは。めちゃくちゃ珍しいですね。主人公交代は表紙とかでバレてるわけで、「びっくりした?」という感じにしないのも意外だった。篠原先生だったら絶対そういう仕掛けにしたと思うw(どんだけ好きなんだよ)
小学生がまず落語の真似をする。 “すごい あの…ほんとにこの通りそのままでして” とすることで、まず「落語とはこういうものですよ」と説明しきったのがうまい。「落語っぽいもの」だからこそ、落語の説明として分かりやすいというか、敷居が低い。親の真似をする娘、というだけで可愛らしく、好感が持てる、という意味でも小学生の娘設定がめちゃくちゃ効果的だったと思います。
素人というワンクッションを入れてからのプロの落語。『プロモブ』的な技法がフルに活かされててちょっと笑った。いや、それほど独自性があるわけではないけども。ただ、その他いろいろと漫画的な技巧があれこれ詰め込まれてるのは普通に面白かった。座布団の上で完結した世界なので、人物をコマに収めるメディアとの相性の良さも感じた。情景ではなく人物重視、というのも今回漫画として面白くするため、分かりやすくするための工夫ですね。先週の時点では「ほんとはコントがやりたいんでしょう?」とか意地悪なことも考えてたけど、ごめん普通に面白かった。
プレッシャー表現と、冷めた客にジャブ入れる心理戦とかもスリリングだし、緊張感から饒舌になりすぎちゃって……という展開も面白い。ここらへんはコントでも使えそうなアイディアだったかな(しつけぇよ)。
悪役(目標)設定からの主人公交代でエンド。ああいう全員破門の暴挙がどこまでリアリティあるのかは分からないけど、偏見込みでありそうとは思ったw てか、極端にすごい人でもショボい人でもない父親、というのも新鮮で面白かったな。評価してくれる人はいるけど、とにかく運が悪くて死亡(落語家として)、というバランス。次回以降この父親がどのような出番になるのかはちょっと気になるというか、難しそうな気もするんですが、まぁそういう意味でも楽しみです。
『僕のヒーローアカデミア』
デクと青山。「あれっ 1話読み忘れた?」というくらい話が飛躍してるというか、ここに至る経緯を覚えてない。……と思ったらAFOを騙すための仕掛けだったのですね。自分に信頼がないせいで変な混乱が生じてしまった。
青山の一撃は熱かったけど、正直腹ビームに効果があるとは思えないので、もうちょっと活躍してほしかった気はする。まぁ、今後に期待、という感じか。腹ビームがうまいこと活躍する場面がどうも想像できない。葉隠コンボだったりするのかな。
すごい盛り上がってきた、と思ったら味方サイドも盛り盛りに盛ってきたのでビビる。どこでもドアでの参戦演出とか完全に『アベンジャーズ エンドゲーム』。「デク 左を見ろ」であった。もうこの戦いで終わっちゃうんだな……と確信したんだけど、よく見たら参戦ヒーローがどれもプロなのでまだA組の参戦が残ってるか。
一瞬「白雲!! 戻ってきたのか!!」とか思ったけど、物間くんか。いや、理にかなってて見事な作戦なんだけど、ぬか喜びしてしまったw まぁ、彼の能力は鍛えれば余裕で世界最強クラスだと思うので、この大役には納得しかないというか、むしろこれだけで彼の出番が終わってしまうなら少し不服かもしれない。
しかし、あの小さな顔だけで物間くんだと認識しろ、というのはなかなか難しい話だな。まぁ、来週補足があるか。
『ONE PIECE』
マム戦のクライマックス。マムの弱点は音、というローの一計が鮮やかすぎた。正直マムの能力って理屈っぽすぎるというか、複雑なルール運用の上に成り立ってるのでバトルとの相性が悪いとすら思ったことあるんですが、それに対して「命令させなければよかろう」というアイディア。マジ感動もんですよ。最後の最後にこんな理詰めが待ってるとはなぁ。
あんだけキッドに大技決められるのを嫌ってたローが自らサポートに回るというのも、コラソンとのドラマを振り返ったのも熱かったですね。予想してなかったタイプの面白さなのでちょっと面食らってしまったw
『Dr.STONE』
ネタバラシ。まず鳥を石化することの意味とか、人類を掌握する手際とかなかなか面白かったんだけど、本話全体が情報の羅列という感じで正直なところそれほど面白くはない……いや、面白いは面白いんだけどテンション上がるタイプの良さではないというか。まぁ、そんな回もあらぁな、という話ではある。そもそも「犯人は宇宙人!」みたいな話なので、それ自体に大きな魅力が生じるようなことではないと思う。現状「そうですか」としか言えない。
知性の話が出てきて、知性はあるが人類の行動原理(科学欲とでも言うか)はそれだけでは計り知れない、みたいな話になったのはめちゃくちゃ面白い。本作のラスボスとしてふさわしいキャラクター、対立の軸だと思う。ラスボスが人間では成立しない。
交渉というテーマが次回以降続くけど、こっちは面白そうな予感はするけど、具体的に何がどうなってるのかをしっかり理解した自信はないです。
『SAKAMOTO DAYS』
混沌とした乱戦の中、試験官探しという別の要素が加わることでメリハリが生まれる。試験官が “あいつら試験官だ!!” とブラフかましてくるのとか面白すぎるでしょ。まぁ、圧倒的な強者を発見したので、そいつの実力を確かめるのと同時にモブ受験者の動きをコントロールしてる、とも取れるのかな。
中二全開のマスク受験者、リアルに中二(14)なので笑った。中二であることが織込み済みだったのかw
覚醒したシンだったら相手にならないというか、そうじゃないので先日の受刑者四天王の一角が中二に負けることになってしまう。まぁ、勝敗が気になる相手というよりは、シンが例の覚醒状態をうまいことコントロールできるようになるための餌、みたいな感じなのだろうか。
読者プレゼント
今週のテーマは『キングダム』かぁ、なるほどなぁ……と思ったらただの広告ページだったでござる。今週のプレゼントページはセンターカラーでお届け。
ネタはバレンタイン。久々の写真で、モデルが2人もいるのでびっくり。どっかの有名人が出てくるような企画回だろうか、とも一瞬疑ったが、どうやら違う模様。有名人の写真が見たい人は『アオのハコ』の方でやってる。
正直ダジャレの手数が少なすぎて不満なんですが、メインの「選バレンタイン」は結構好き。チョコの話から「選ばれたい」を引っ張ってきたのがなかなか良いと思う。
バレンタイン特別企画「チョコレートマフィン作りに挑戦!」
正確には「教えて千夏センパイ! 『アオのハコ』大好き工藤美桜ちゃんがチョコレートマフィン作りに挑戦!」。テレビ的な有名人まったく分からんのでどなたか存じなかったのですが、モデルとか女優らしい。アイドルではなかった。たぶん死ぬほど言われてそうで申し訳ないけど。
もっとグラビア色全開のページになるかと思ったんですが、意外とマフィン作りの要素が大きい。なんでや工藤。彼女のファンはこれでいいのだろうか。まぁ、インタビューあるからいいのか。
そんなインタビュー。正直こういう有名人がただのファンとして語るような企画はもっと欲しいと思ってたというか、有名人出すならこれしかないと思ってるので嬉しい。声優とかでも似たようなインタビューあるけど、声優だとやっぱプロだし、当事者の話になっちゃうんですよね(それはそれで面白い)。
女性ファンの『アオのハコ』論というのも新鮮。好きなのは千夏だけど、感情移入するのは大喜、とか当たり前の話なんだけど「ファンに男女とか関係ないよなぁ」とか思う。もっとガチガチのオタクバイブス出してくると思ったので、正直ぼんやりした話してる部分も多かった印象だけど、そういうのもまた良い。やっぱこういうページ定期的に欲しいな。音楽ページやれるんだから適当な芸能人連れてくるのも可能なわけですし。
センターカラー『アオのハコ』
カラーでポスター。ただし、それとは別に扉ページがあるので、本編のことは考えず、とりあえずバレンタイン用のポスターカラーの発注があったんだと思う。
本編。三浦先生が自分で恥ずかしくなる針生&花恋。ここまでストレートに恋愛のエピソードやれるのは脇役ならではの魅力だと思う。さすがに大喜でここまで純度高い奴はやれないというか、それやると作品の色が随分と変わってしまう。
ただ、恋愛の話であると同時に(というかそれ以前に)、「苦手なこと」の話でもある。リスペクトの上に恋が成立してる感じが良いですね。当然その苦手を克服する話が現在のバドシーンにもフィードバックされる。
なのでガチ恋愛回であると同時に本格スポーツ回でもある……んだけど、やっぱどこか簡素ですね。9割がダイジェスト的に進行する。本作より『高校生家族』の方が本格スポーツ漫画に見えるのはココだと思う(別にだから上って話じゃないよ)。
『夜桜さんちの大作戦』
嫌五が裸でチョコ食って下っ腹出してるのが妙におかしかった。デブギャグとしては意外と見ないリアルなダメ人間体型というか。
長男の家出。そして脱長男現象……かと思ったら太陽六美のデート。そして何よりアイさん&ゴリアテ参戦!! おおっ、サプライズ嬉しすぎる。まぁ、本作のことだから長男の話を放置するはずない、と分かり切ってはいるんですが、それでもアイさんゴリアテの画面占有率が高いのは良いことだ。何よりも大事。
んで、本作らしく1話内で伏線仕込んで、次回のセンターカラーへと繋げる。つまりですね、アイさんとゴリアテには何の意味もなかったということなんですよ。マジで想像以上に何もなかったw いや、何もない場面に出してくれたことはむしろ嬉しいよ。
『ブラッククローバー』
団長復活の裏話。治療役としてグレイが出てくることで、単に治すだけではなく、「体のつくり」に着目するような流れになってるのがうまい。グレイは治療のアプローチが特殊なんだけど、今回はそれにちゃんと意味がある。
グレイの件もそうだけど、団長がただ復活するのではなく、パワーアップして復活する。先週の段階では「たのもしいけど勝てるかは別」みたいいな感じだったけど、ちゃんとそこに勝てる理屈を補強してくる。ここらへんちゃんとしてて好きだわ。
さらには世界樹ソード。あああ、これは先週の段階で「剣が変じゃね?」「木っぽいからまさか世界樹?」とワクワクできたのか。こういう細かいところを見つけるセンスがどうにもないんだよなぁ……。と、今先週の見てみたら全然小さくないし、視点移動の終着地のように描かれてたので単純に私の目が節穴でしたわ。つらい。
からの目つき悪コンビ。ちゃんと圧倒的強者相手でも(そこそこ)攻撃が有効そうなキャラが出てきてるのが良い。ノリは熱血だけど、意外とロジックは丁寧だよね。だから好きだわ。
センターカラー『ドロンドロロン』
増ページ連発してからカラーやるとかなかなか大変そうですね。筆が早くて余裕ありそうだから増ページ任された可能性もあるのかしら。
本編。上級隊員(違)の異次元の戦闘。強さの理屈は “刀に封じたモノノケの力の解放” 。もはや刀を振るとかそういうレベルの話ではなくなるのですね。ハデで、バリエーションも無限に思えるほどに増えるので面白そうではある。それと、「刀=モノノケ」である主人公コンビの今後にも期待できそうですね。理屈としてはかなり近いので。今進んでる道の先にはこんな光景が広がってるのかもしれない。
敵は逃げるが、今度はクサナギの説明。毎度やるのが面倒ではあるんだけど、今回はその手際がめちゃくちゃ良いので感動した。事前に “般若牛鬼を…! やるなあギンチヨ” と言わせることで、説得の土台が自然に完成してる。駄目押しとして子供たちからの感謝状。厳密には違うけど、彼の “どうしたら慕われんだよ” というキャラクターとも合致する話ですよね。既に侍として活躍して、そのことを感謝されてる。彼の価値観的には「俺よりすごいじゃん」となってもおかしくない。さすがにそこまで単純ではないけど、話として、話の印象としてかなり飲み込みやすくなってると思う。
『ウィッチウォッチ』
「うろミラ」の件、スルーで本編に戻るのかよ。絶対に一同が「うろミラ」読んでる場面から始まると思ったわw
1ページ目、謎の男に傘パクられた、という時点で伏線回収ドヤの匂いがすごいな。作家によってはナンセンスギャグとして受け入れてたかもしれんが。
んで、ミハル。晴れの日チャレンジ。 “天使さんてゆうんだよ” と言われたのに日光に焼かれて死ぬ、というギャップが良い。
外見批判するヤツはクソ、というのがミハルの価値観らしいが、彼も相当な毒舌なので、今まで見た目由来の毒舌一度もなかったっけ? とか気になった。今まで毒舌の内容をあまり意識してなかったけど、毒舌にも彼の美意識が反映されてるんだったらすごい。感心しちゃう(確認はしない)。
傘パク野郎に対してあの攻撃はちょっと過剰なのではないか……とか心配になった。すごい加減したので貧血程度のダメージ、みたいなことなのだろうか。第一印象としては、やりすぎで引いた。
『マッシュル-MASHLE-』
今時ギャグ以外では使わないような重い腕輪。それを真っ正面からやってるのですごい。清々しい。そして、地面に水が張ってる、という現状が(過剰な)重さ表現の土台になってるのもうまい。
相手の背中を取る、というこれまたバトル漫画ではクソほど定番の描写を4連続でやる(ピース付き)、という過剰さも良い。アイディアはシンプルだけど、とにかくやりすぎなバランス。ただの剛速球ストレートなのに、ただ速いだけなのに……という面白さ。
本気モードで圧倒するって話なんだけど、そこに独りバケツリレーという本作らしいオモシロを入れてくるのも良い。ここでようやくアイディアとしてのオモシロ。バケツリレーの絵面だけで面白いんだけど、敵本体をえぐり取る、というバトル漫画的にかっこいい(強そう&怖い)描写に繋がるのも最高。素晴らしいな。
『僕とロボコ』
バレンタインのチョコ作り。円ちゅわんの顔芸百連発で笑った。割と節操なくいろんな顔やるのね。もっと対象漫画のジャンルが限定されてると思ったら違った。
そんな顔芸が面白かったので顔芸を止めてまで物語が進行するのが残念でもあった。ただ、その転換として “今日どうしたのマドカ? 絶好調じゃん…” というセリフを持ってきたのは見事だった。顔芸が楽しすぎたけど、その顔芸の連発にちゃんとした理由がある。
『あやかしトライアングル』
キスの練習。歓楽街の思念から生まれた存在がキッズと戯れてたという事実が恐ろしすぎてちょっと引いた。ウソ。ガチで引いた。ギャグだとしてもエロを楽しむには節度が必要なのでは……(急に真面目)。
あと、カゲメイのキス勝負に祭里とすずが応える理由が一つもないまま、すずが応戦することになるので正直乗れなかった。頑張ってキス描きたかったんだろうけど、正直話がおざなりになりすぎてて面白くない。いつもはもうちょっとしっかり理屈立ててたと思うんだけど。そんなにキス回やりたかったのか。 “堕とされるのがコワイのかな〰” という煽りもクソベタなので、それが決定打として通用してしまうのが残念。
センターカラー『PPPPPP』
20話にしてカラーというのは象徴的で良いね。キテレツなミーミンの髪が魅力的に描かれててカラー扉好きなんだけど、本編での主役はフルス。フルス回だけど貴重なカラーなのでここはミーミンでオナシャス! というのが本作の立ち位置が現れてるようでもあるのかな。次のカラーはひょっとしたらこの状況から変わってるかも。
そんなフルス回。冒頭の “なのに何だか私はいつも蚊帳の外にいるようで” がその通りすぎてヤバい。本当にそれな。マジで同じこと思ってたよ、ごめん。ミーミン登場からの『ダダダダーン』クロスオーバーというお祭り状態だったので、どうしてもフルスの影は薄くなってしまう……頑張って……。
「自由」がテーマになってる中、ミーミンが提示した自由は課題曲の無視。無茶苦茶すぎて笑ったし、自由さで勝てないとすら感じたけど、とはいえコンクール的には勝つでしょ。普通に失格もしくは無効じゃん。コンクールでは勝つけど「あんな演奏されて勝ったって嬉しくない」みたいな話なら分かるんだけど。
『高校生家族』
一郎が抜けて勝つのは意外だったし、その後いきなり負けるのも意外だった。一郎の関与できないところでドラマがどんどん進行していく、という虚しさがあって面白いと思う。あとは『ハイキュー』の逆を行くぜ、的な目配せ。
そもそも春高には出れない一郎が、試合に出れないまま終わりを迎える、というのが面白いと思う。大人と春高の距離感が、一周回って正しいところに収まったというか。
『逃げ上手の若君』
京都で豪遊。ゲンバが誘われたのはキャバクラ的なところかと思ったら全然違うのね。ああいう色仕掛けでギャンブルに引きずり込む手法ってどこまでリアルなのかしら。そもそもどのような口実でギャンブルを始めたのだろう。
ギャンブルということで当然のように例の絵柄パロディ。今週は『ロボコ』がやりすぎなくらいやってたんだけど、こっちは割と自然というか、さりげないバランスに収まってて良かったと思う。自然すぎてパロディっぽさが足りない(自前の演出ヅラするなよ)的なアレも少しあるかもしれないけど。
若は負けてもエロいことにはならないらしい。ただ、 “双六はよく知らない 教わりながらでいいのなら” のコマは色っぽかったと思います。
相手はどうせ「実は男」パターンだろ、分かってんだよ。松井先生、そっち方面で味占めちゃったから……とか思ってたら “佐々木道誉の娘と言えば” というセリフ出てきたのでビビった。女かよ。くそぅ、裏の裏か……(勝手)。
『アンデッドアンラック』
アンディの “ウダウダしてんな” 。デリカシーのない親父って感じで少し引いた。理想の大人像(おじさん像)を見せたいんだと思うけど、あまりこういう大人は好きじゃないな。まぁ、地球終わるかもしれないから、というのを意識してるってのも分かるんだけど。
先週の感想で「今は風子が気になるので地球とかどうでもいい」みたいなこと書いたけど、今週の話、今週のアンディがまさにそのような行動に出るのは気持ちよかった。かゆいところに手が届く。
ジャンプ+通信
雲母坂先生の新作載るやん! やっべぇ、見逃すとこだった……。初出の情報どこか知らんけど、マジで視界の隅っこに入った情報にすごいのがあるので動揺がすごい。
『髑髏導師』比良賀みん也
読切。ジャンプショートフロンティア。『NERU』終了からのスパンが短い。終了直後に「15ページの新作描けそう?」みたいな誘いがあったのだろうか。
本編。フィジカルバトルのイメージが強すぎるので和ファンタジーなのが驚きだったんですが、超常バトルはそれはそれで楽しみ……と思ったらバトルじゃなかった。マジか。すげぇびっくり。ツイストの利いた物語で勝負する、ショートフロンティア的に王道な内容なのが意外でした。あんまこういうギミックで勝負するイメージなかったんですが、まぁ、そもそも『NERU』しか知らんからおかしな話ではある。知った気になるなよ。
そもそもどんな話なのか、どんなジャンルの話なのかがよく分からないまま話が進行する。先入観あると「どうせ戦うんでしょう?」だし、そうじゃなくてもホラーっぽい雰囲気も強い。まぁ、ホラーはホラーなんだけど、それよりも話としては探偵ものみたいな感じですよね。最後まで読むと超能力を駆使するタイプの探偵もの。全体としてページが短いし、探偵ものっぽい雰囲気もない状態で始まるので、意外な真相が明らかになることの気持ちよさが発生しにくいと思うんですが、しっかり「意外な犯人」で楽しませてくれる。「これがやりたかったのか!」と本作のことが分かる、という快感でもある。そして、その瞬間、『NERU』印とも言えるアクション要素が瞬発的に入るのも良い。とにかくあの場面の瞬間風速のための作品だったと言えるのではないか。
『守れ!しゅごまる』
ギャグ漫画特有の爆破オチで崩壊した校舎をしっかり直す。無茶な飛躍も感じるんだけど、「ちゃんと直すんだ……」みたいな生真面目さも感じられて好き。
からのマグちゃん降臨。「守れ!しゅごまる ノーウェイホーム」じゃん。「マルチバースオブマッドネス」じゃん。遊戯王カード、HIKAKINからのマグちゃん。何でもアリ度が順当に上がってて、さすがに臨界点を迎えた感ある。もう無理でしょ。てか、いろんな偶然がかみ合った奇跡のような瞬間だったのでは。
単純に言って、翌週にこれをやる企画性と、実行力がすごい。無茶苦茶な展開による笑いよりも「こんなこと出来てしまうのか……」という感動の方が先に来てしまったw どういうことなんだろ、担当が一緒で密に連絡取れた、とかそういう事情でもあるのかしら。さなぎが “すげーいい終わり方でめっちゃ泣いたよ私!!” と言ってて、このさなぎはちゃんと「先週のジャンプを読んださなぎ」なんですよね。時事ネタが極まった感ある。
多分に偶然によるものもあるけど、この企画が成立する終了作品って『マグちゃん』くらいしか思いつかない。これが20週で終了したような作品だったらちょっと死体蹴りみたいな印象も湧くし、ビッグネーム感もないので面白くないじゃん。そもそもよその作品にひょっこり顔を出してギャグ漫画として進行できる作品(キャラ)もそんないないでしょ。というか、『しゅごまる』ユニバースとマグちゃんの親和性が妙に高いのよ。カオスなナンセンスギャグのように思えて、意外と『しゅごまる』としての物語がしっかり進行してるのですごい。『ロボコ』とか『ウィッチウォッチ』だと成立するのが想像できない。
あと、伊原先生の『マグちゃん』側への気遣いというか、敬意を感じるのが、今回流々ちゃんが一切出てこない。名前が言及されることすらない。そもそも「邪神の大災害」だから、という理屈もあるけど、これで流々ちゃんが出てきたら『マグちゃん』ファンとしてちょっと台無し感もあったと思うんですよ。よそのユニバースに行ってもマイペースなマグちゃん、メタ発言もできるウネさん、リアクションが可愛いナプタくん、という3人に絞ったのがとても良い案配。大味のようで実は丁寧な仕事ぶりなのではないか。
「本物じゃん!」という驚きもあるんですが、柱に “上木敬先生のマンガが読めるのは少年ジャンプだけ!!” とあるのもすごい。ジャンプの誌面全体を使ったお祭り感。その後柱の文章がいちいち凝ってるのも良かった。総合芸術感ある。 “もうどうぶつの森を我慢しなくてもいいけど” とかもう『マグちゃん』ファン殺しすぎるフレーズだろ。伊原、上木、担当の誰の案か知らんけど、ナイスやで……。
逆に行うと、ジャンプ掲載時に全力勝負しすぎて、単行本どうすんのこれ……とか心配になるw このタイミングで読まなかったらインパクト半減だと思うし、柱の仕掛けも成立しないし。捨て身か。
先週HIKAKINが出たのもフリとして良くて。先週に比べて明らかに『マグちゃん』陣営のページ占有率が高いじゃないですか。上木先生めっちゃ仕事してくれる。原稿料発生するレベル。そんなことを考えてる頃合いに “すげえ… マグちゃん読んでるわ私” とさなぎツッコミが入るのも気持ちいい。絵はほとんど『マグちゃん』なんだけど、そこにツッコミが入ることで『しゅごまる』の世界になる。ちゃんと見開き2ページの一番最後、左下はさなぎのツッコミになる、というのが良いね。
この状況についていけるのが さなぎしかいない、という『しゅごまる』陣営のメタ的な事情もあって、肝心のしゅごまるが大人しいんですが、最後の最後に絡む。そもそもしゅごまる(小学生メンタル)が好きそうなジャンプ作品という意味でも『マグちゃん』はベストな選択肢でしたね。てか、マジで唯一無二だろ。 “かっこいい言葉使うマグちゃんすっごい好きだ!!” の納得度がすごいw
あと、 “難しい漫画ばっかのジャンプでマグちゃんだけはおれ見れたんだ!!” は今のジャンプが抱える問題を浮き彫りにしてる気もする。ギャグかと思いきや、すごい指摘をしてるのではw
『アヤシモン』
飛影タイプの総長出てきた。人気投票でぶっちぎりそう(感覚が古いかもしれない)。
ただ、 “アスファルトに似合うのは溶けたゴムと俺たちの夢だけだ…” とか普通にかっこわるいのも好き。そもそも本作の時代設定が古いってのもあるけど、この妙にかっこづけセリフとしてもズレてる感が良い。「ギャグでござい」的な扱いが少ないのもバランスとして良かったと思う。
あと、総長関係ない部分で好きなセリフだと “姐さんは俺の姐さん 俺は姐さんの子分のマルオ” 。文章として頭悪すぎて最高。こういうのがサラッと出てきちゃうの強い。下手な決めゼリフよりすごい気がする。
てっきりバトル回になるかと思ったら、順調に仲間になって……と思ったらマルオとはライバル関係に。やべぇ、「私のために争わないで」の構図じゃん。かっこつけても読者的にはどこか笑える、という臭さが良いわ。良い新キャラであった。
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
2/16は日本初の天気図作成。天気記号とそれを示す場面をジャンプ作品から抽出。大ざっぱな天気は楽勝だろうけど、細かい天気もちゃんと見つけてきてるので感動した。めっちゃ大変だったろうな……。
オマケとしての天気がそのまま名前になってるキャラの紹介も笑った。
次号予告
来週も新連載。どんな話かサッパリ分からないのですごいな。今週スタートなのでめちゃくちゃ分かりやすいタイプだったので対照的だ。
あと、『ハイキュー』が1ページだけ帰ってくるらしい。告知漫画になるのかしら。『こち亀』みたいな存在になってる……。
目次
祝・新連載!やったー!サイコゥ!サイコゥ!サイコゥ!宜しくお願いします! <裕樹>
(『あかね噺』)
言うと思ったー。
うどんネタめちゃくちゃ古いけど、尾田っちの微妙な時代錯誤感、嫌いじゃない。
好きなカードはマハー・ヴァイロです。<敬> 終了が嫌すぎたので掻いていただきました<大貴>
(『守れ!しゅごまる』)
ここでも1ネタぶっ込んでくるやん。そして、上木先生テンプレめっちゃ便利だな。この短文で「上木先生だ!!」と猛烈に感じられるの強い。
愛読者アンケート
新連載について、聞いたことがない落語用語、分からない落語用語、少しでも分かる落語用語。面白いな。たしかに、落語の認知度は死活問題かもしれない。私は香盤だけ知らなかった。
インターネット動画配信サービスについて。要はサブスクってことでいいんだと思う。利用してるのはどれか。私はネットフリックスとディズニープラスです。ただ、来月末に『ムーンナイト』が始まるまでディズニープラスは退会しようかな、と考えてる。ジャンプ記事終わったらやる。大変みたいな噂聞いたけど、大丈夫だろうか。
総括
1日遅れました。ごめん。いろいろあったんだ(嘘)。
今週のベスト作品。『しゅごまる』だなぁ。マグちゃんが見れたことよりも企画の特殊性とかそういう部分に感動してしまった。先週『ウィッチウォッチ』で篠原先生が独りでメタやってたけど、それも良い感じにフリになってたと思う。同じ号に掲載だったら少しまずかったと思う。そういう意味でも奇跡的。
次点は新連載と読切。あとは『マッシュル』。あとチョコ企画も好きでした。
今週のベストコマ。『ヒロアカ』のラスト。堀越先生も『エンドゲーム』やりたかったんだろうなぁ……って感じで良かった。それと同じ号で伊原先生が『ノーウェイホーム』やってるのがまた味わい深い。
最後に今週のベストキャラ決めて終わります。マグちゃんではない。
- コットン 『アヤシモン』
- 新キャラ紹介回としてかなり理想的だったと思う。今までとは違う温度のキャラですげぇ面白かったし、そんな彼が加入したら本作はどうなってしまうのだろう……と来週以降が気になる。