北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年11号の感想

 「そろそろ暖かくなるよ」と聞いた気がするのですが、強風でめっちゃ寒い……。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。一郎。この手の企画でいつも思うけど、こういうときに出てくるのって光太郎じゃないのね。のび太ドラえもん的な感じか。

表紙

 『あかね』。毛先がピンクで可愛いというのは分かるけど、前髪も先だけピンクになってるのはさすがにやりすぎなのではないだろうか。原理としてあり得るってのは分かるけども。

読者プレゼント

 バレンタイン。つい最近のイベントじゃないか……と妙に感慨深い。
 それはさておき、今回は特にタイトルの部分が超難解。ダジャレに無理がありすぎて何を言ってるのか分からなくなるレベル。かなりキツい。グッズ紹介の方のダジャレは割と普通のクオリティなんだけどね。

巻頭カラー『あかね噺』49話

 前話までに感じてた「あかねのアプローチはそれでいいのか」という部分がまさに出てきて感動した。その上で、作品側の理論武装が完璧というか、しっかりしてるので感動した。つたないものを見せて愛嬌やキャラクターで済ませるのは問題だけど、失敗の結果としてのつたないものではなく、つたないものを狙ったつたないもの。事象としては同じなんだから疑問がなくもないんですが、そういう機微はハッキリと伝わる、事象として現れると思うので、そういう意味では隙はない。
 からの本当の狙い。あかねが受けた嫌がらせについて「まだ忘れてねぇからな」というスタンスが保たれてて笑ったし、これは痛快。しかも今回のはうらら師匠が一枚噛んでるのであかねがまた「何だあれは」と言われる筋合いはない。
 あかね自身としては今までそれほど「女性だから」と感じることはなかったと思う……もしくは漫画上はそれほどフォーカスされてこなかったと思うけど、うらら師匠を経由することで明確に「女性だから」の要素が浮かび上がってくる。単純に痛快なエピソードだったというだけでなく、本作全体のテーマ性がグッとレベルアップしたというか、新たな層が生まれたと言えるのではないか。これはすごかったですね。

ONE PIECE』1074話

 頂上戦争のときよりも強いパシフィスタがいるらしい。まぁ、たしかに「2年後」に入ったあたりからパシフィスタが一気に怖くなくなってしまったので、パワーアップは必要ですわな。そのパワーアップの根幹であろうベガパンクを政府は殺そうとしてる、というのも面白い。先細り確定なんだけど、それでも勝因がある(終わらせるつもり)、もしくはなりふり構わなくなってる。どちらにしても困った話。
 ボニーが精神世界(記憶)の中へ。本作で精神世界的なのが描かれるのめちゃくちゃ珍しいですね。何なら初じゃない?
 からのビビ!! とワポル。これは面白い。ビビ登場ってだけで熱いのに、因縁もあるワポルとのチームアップ。アラバスタ編直前の因縁なので、これは良いなぁ。ただの懐かしキャラ再登場ってだけじゃない盛り上がりがある。

『呪術廻戦』213話

 虎杖とスクナが(現実で)直接ぶつかるのって当たり前だけど初めてですね。スクナ側からしたら容赦なく殺せる初めての状況なので、ああなるのは当然だったんだけど、虎杖が殴られるまで頭が追いつかなかった感覚。実力差というのもそうですね。
 そこにスクナの天敵である天使参戦なんだけど、それに対してスクナは泣き落とし。姑息すぎるんだけど、伏黒の記憶を受け継いだことで、本人以上に記憶を鮮明に掘り返し、名前を引っ張ってくる、という芸当はかなり面白かった。ちょうど前回姉黒に入った人が記憶を利用してたけど、それと同じ理屈でスクナが姑息なことをやってくる。

『アンデッドアンラック』146話

 不抜、不壊、からの不可視。不可視! いたなぁ、そういやそんなのも。分かりやすい超能力なのにあっさり死んだのが本作らしい、とか感想書いた記憶がある。マイナーな懐かしキャラのチョイスというのにアガってしまうし、「そりゃ便利だよな」という激しい納得。
 てか、目を閉じてる間だけ透明ってのはこないだ『ウィッチウォッチ』でもやってたルールですね。小理屈並べるのが好きな作家はやりがち、という感じなのだろうか。『空想科学読本』世代なのかもしれない(透明なら目見えないよという内容がどこかであった。

『SAKAMOTO DAYS』106話

 焼肉屋。会議であり、割と平和な日常という感じもある。微笑ましい光景なんだけど、だからこそ坂本は旅立とうとしてしまう。が、シンを出し抜くのは困難。が、シンでは止める実力がない。が、坂本に勝てる唯一の人材として最後に葵さんが出てきたのが最高。ただ(口)喧嘩で勝つのではなく、坂本自身が気づいてないようなことに気づいて教えてあげる。坂本自身も前進するし、チーム全体も円満になる。こうして家庭に平和が訪れた。葵さん万歳。素晴らしい一話だったな。せっかくだからメガネかけて目つき悪くなってほしい。あとスーツ。
 からの坂本過去編。 “話したいことがある 聞いてくれるか” と言ってたけど、わざわざ話さなくても、思い浮かべるだけの方が手っ取り早いですよ……とか野暮な感想を一瞬抱いてしまったw あの坂本がわざわざ自ら “聞いてくれるか” と言い出したことが大事であり、感動的なのですね。

『アオのハコ』88話

 ユメカはせっかく目つき悪いのでメガネかけてスーツ着て教壇に立ってほしい。メガネまでは行けるんだよな。やはり逸材。
 そもそも大喜とユメカは対立する立場にない。関わりがあるのは千夏であって、大喜は部外者。というかほとんど他人。それでも大喜が “このままじゃダメだよ” と首を突っ込む。これこそが彼の主人公性であり、千夏の物語が始まりそうで始まらない所以。あくまでも大喜の物語の中で千夏の物語が含まれる形。まぁ、現実でもこういう当人同士は「もういいから」と済んだことにしてるけど、第三者が介入することでより良くなるんじゃないか、という事態はありがちですね。大喜は偉いよ。ただ、実際にそういうことやって解決しないどころか余計に悪くなることもあるので、やはり安易に首を突っ込むのは良くないので気をつけたい(一般論)。単純に人の領域にズケズケを足を踏み入れることになるので、それ自体に問題があるとも言える話。だが、大喜は頑張れ、というのが今。
 千夏弁当のついでにキットカット。勝手に配慮して「KotKat」にしちゃったらゲン担ぎが成立しなくなってしまうぞ。余計なお世話だけど、考えちゃうよなぁ。
 千夏は努力の天才なので、彼女が張り切ると周囲との間にズレが生じてくる。ついこないだ『高校生家族』でやってたのと同じ話だ! この2作は仲良し、という構図良いな。
 てか、いくら何でも頻出しすぎだろ、この話。スポーツを扱う上で、誰もが共感できるエピソードとして便利なのかな。どこにでも当てはまる話なので響きやすい読者も多くなるだろうし。

『逃げ上手の若君』97話

 帰省。「初めて一人で親の実家に帰省した小学生と同じだよ!」とあるあるみたいに説明されてもそんな経験がない……。帰省って一人でするものなの? 普通に車や電車で家族とゾロゾロ行ったのですが。「どうやら世間ではそうらしい」という知識すらないのでビックリしてしまった。急に電車を描くほどの意味がある場面だったのか。あと、このあるある、どの程度の距離だと成立するものなのだろう。新幹線とか飛行機だとさすがに無理そうなイメージなんですが、同じ県内とかそういう感じかしら。
 階段を上るとトラウマがフラッシュバックする場面。紙版ジャンプにおける「黒」表現の限界って感じですごかった。マジでギリギリ、何とかセリフは見れる、というレベル。裏のページが映り込んじゃってるのではないかと疑いかねないレベルだった。この調整した人すごいな。

『マッシュル-MASHLE-』143話

 両手がアウト。からの足さばきで笑った。前から「それは筋力じゃなくて別のきようさなんじゃないの?」という場面は多かったけど、それ系の極北だな。シャチホコスタイルで動き回る絵面が単純に面白いし、その異常さが想像しやすいのも良い。多少ウネウネと動けるのは感覚として分かると思うんだけど、それを突き詰めて普通に歩き、柱をつかんで自在に操る。
 ラスボスとおぼしき敵キャラが顔面に攻撃を食らう、というのを天丼的に繰り返すのも本作独特のオモシロになってて好き。

『ウィッチウォッチ』96話

 完全に『SKET DANCE』陣営の話になってしまった……と思ったらオチ(真相)と関係してたでござる。そのための前後編か。
 ボッスンが安楽椅子探偵なのは予想通りというか現地に知らないオッサン乗り込んでこなくて安心したけど、「行かなくても余裕」と言ってた割にはめっちゃ情報を要求してくる(しかも電話)ので、「だったら来いよ!」とか少し思った。まぁ、これは距離感をよく分かってないせいでもある。
 んで、暗号。『ウィッチウォッチ』読者ならヒントとなる情報が事前にインストールされてて、それでいて本作らしいキテレツな人名が暗号をより難解なものにしてるというのも面白かった。面白かったが、あの暗号の果てに “「しっかり席はあるぜ」” というメッセージは受け取れないだろ……。まぁ、普通に「ミステリー好きの自分のためにこんな手間のかかることを」みたいな感動はあるかもしれないので、そういう意味で結果は同じか。
 スイッチと酒を飲むくだりは大人の友情って感じで良かったけど、贅沢を言うとスイッチにも活躍してほしかったな。まぁ、前後編だと尺が足りないし、3話以上になったらさすがにやりすぎなのでしょう。冒頭の「情報をくれ」のところをスイッチが頑張る、とかだと自然な気もするが、まぁそこまで複雑な情報を要求してないのと、部外者が用意に収集しちゃいけない情報なので無理。3人のチームプレーが見たいところだが、別に役に立つから一緒にいるわけではない、という意味ではただ飲みに来たくらいでも感動的なのかもしれない。

センターカラー『ウパ野ルパ子は一般人』小園江ナツキ

 読切。オソノエだって。すごい名前。調べてみたら実在するらしい。マジでかかっちゃん。
 カラー扉(厳密にはその前の作者紹介ページ)におけるタイトルロールのデザインが良すぎる。マジでウーパールーパーじゃん。この手の擬人化キャラとしてのレベルが高すぎるので感動した。こういうのって人間の美少女に動物の特徴を足していくのが多くて、「結局可愛いのは人間じゃん」となりがちだと思うけど、本作のはめっちゃウーパールーパー。顔がもうウーパールーパーなのですごい。ウーパールーパーが人間に化けてる、ということの説得力がすごい。何なら本編のうちのいくつかの場面は不気味の谷みたいな気持ち悪さが発生しかけてたと思う。けど、そのどっちつかずでどっちでもあるバランスが本当に良い。
 扉でそんな感動をしてたら、本編を読み始めたら全然違う話なので笑った。「ウパ野ルパ子」というふざけた名前からのあの始まりはずるいな。ぶっちゃけバトル読切としてはよくある感じで、よくある感じすぎて今時珍しいレベルだと思うんだけど、その本筋とあまり絡まないような形でルパ子が出てくる。マジで全然関係ないのにルパ子が現場に居合わせるのとかなかなか無理があったと思うんだけど、まぁあの異物感、違和感こそが本作の魅力なんだと思う。ジャンルミックスが強引なのが良い。
 設定はベタなんだけど、バトルモノとして結構普通に楽しめるというか、バトルモノ単独としてそれなりにレベルが高いのも良い。やっぱそこがないとジャンルミックスは成立しないというか。それっぽいだけのクオリティだと、ただのギャグになっちゃう。
 そんな2本の線がクライマックスで繋がる。ルパ子の正体が明かされるんですが、『千と千尋の神隠し』っぽかったですね。水回りということもあって真っ先に連想した。それでも本作独自の魅力となってるのはウーパールーパーの可愛さで、例の回想が始まったときは「ついに本物きた!!」とテンション上がってしまったw ちゃんと本物も可愛いので安心である。てか、何なら本物の方が可愛い。ルパ子もデフォルメで顔が点と線になったコマが最高にウーパールーパーで好き。ちょっとポケモン感が強くなりすぎてるとは思うけど、まぁそれはポケモンウーパールーパーの可愛さを盗用してるという話ですね(人聞きが悪い)。
 冒頭のナレーション。 “強い思いを残し死んだ生き物は” “人に取り憑くことがある” ですので、その思いは必ずしもネガティブなものとは限らない。ということでラブコメ幼馴染ウーパールーパーが成立する。からの主人公に憑依してスーパーパワーを発揮。ここらへんラブコメとバトルが融合しててなかなか面白かったんだけど、いかんせんルパ子のデザインが良すぎるため、ウーパールーパー状態の主人公が正直見劣りする。イケメンにウーパールーパー要素を足し算しただけに見えるんだよね。角が伸びて神々しい感じになってるのとか普通にかっこよくもあるんだけど、あのウーパールーパーのアホ面が恋しいのよ。
 ラブコメ的に考えると、2人が合体することが妙に気恥ずかしいんだけど、よく考えたらこれ『イチゴーキ!操縦中』と同じ状況ですねw
 ラスト。タイトルが出てくるのがオシャレで好きなんですが、ナンバープレートが「小園江ナツキをよろしく」になってるのも楽しい。ただ、「ナツキ」の数字語呂合わせが印刷つぶれちゃっててよく分からないんですよね。「72」は分かるけど「キ」がどうなってるのか。数字でキ、難しそうなのでマジで気になる……。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』165話

 ベストペア人気投票の結果。太陽と六美を優勝させるための出来レースと少し疑ってたんですが、2位がそれなりに近いのでそんなことはなかったのかもしれん。もしくは四怨と嫌五の人気が異常。てか、四怨ですね。1人でどんだけランクインしてんのよ。個人別に集計したらぶっちぎりじゃねぇか。
 本編。旦の正体。初代の父にして、始まりの旦那。医療のために自らの子を手に掛けるコマの不気味さが秀逸で、あの1コマで今号の1話は済んだと言えるレベル。狂ってるのは間違いないんだけど、蘭学の時代なので、人体の神秘を研究するためには解剖しかなかった、という部分にちょっとだけ説得力が生じちゃう感じも面白い。非人道的なまでの科学の探究が人体を弄んできた、という悲劇の始まりとしてこれ以上ないエピソードだったと思います。思ったけど、最初は正直「また父かよ」とも思ったよ。父との対決は前回の百で一区切りだと思ってたので。まぁ、読み進めたら普通に面白かったのでオッケーです。

『一ノ瀬家の大罪』12話

 翼、めっちゃストレートに行動してるのでちょっと驚いた。いや、妹のときのことを考えれば「そういう人」ってことなのか。今回はちょっと悪手なんじゃないかとハラハラもしますね。新しい父が不気味で敵としか思えない状況なので。
 からの母。記憶喪失前、おそらく前ループの記憶がふとした瞬間にフラッシュバックするの、本作のずるいところというか、作劇の都合が前面に出過ぎててあまり好きではなかったんだけど、今回の母のフラッシュバックを考えると、割とすぐに思い出せるっぽいのね。印象的なものや人を見ると即座に、という感じがある。まぁ、それも今回だけの都合だったらイヤなんだけど。
 んで、父の真相。真相というか裏の顔。言語的な情報、説明的なセリフやナレーションは最低限にしつつ、大事な情報はしっかり盛り込む。このバランスが見事だった。もちろんまだ分からないことだらけだけど、向こうの家で子供に「おじさん」と呼ばれてるのとか超良いじゃないですか。あれだけで一気に事情が見えてくるというか、事態が鮮明になってくる。

『僕とロボコ』124話

 パンイチでコタツを満喫してきたら女子会が開催。そもそもパンイチコタツの魅力が分からないので笑った。経験もないし、憧れもない。イメージとしてそんな気持ちよさそうでもないというか、端的に体に悪そう。まぁ、最初の数秒は気持ちいいのかもしれない。てか、今回のボンド、その後、パンイチでクローゼットで待機しててひたすら体に悪そうな回だったな。普通に風邪引くぞ。私ならほぼ確定だ。
 クローゼット籠城でも面白かったんだけど、それをロボコにだけバレて……という中盤の展開がまた素晴らしかった。変な表現になるけど、本作らしくないタイプの面白さというか。普通に良く出来たコントのような展開。珍しくロボコの行動が100%ボンドの保護者になってるのも新鮮で良かった。

『暗号学園のいろは』11話

 失言半減質疑応答の本番。手練れである方の質問文が拙い文章になってるのがガチ感あって良いですね。逆に言うと、前回のはキレイすぎた。
 ゲームの難しさと、その中でも何とか食らいついていく考え方の切り口の発見、みたいな部分が丁寧に描かれてて良かった。正直前回のが作者のドヤ感が選考しすぎてて物語としてバランスが悪かったと思うけど、今回は結構ちゃんとしてる。攻防、いろはの成長というのが感じられて楽しい。
 が、ゲーム運営的な疑問なんだけど、1つ質問したら1つ返答されるまで次の質問するのダメだろ。まぁ、質問を連発するのも難易度が高いのでゲーム性という意味ではアリなのかもしれないけど。単純に「そんなたくさん質問されても覚えられないんですけど」となる。
 んで、いろはの失言で負け(失敗)。伏せ字演出が意味不明というか、あの場でいろはは言っちゃいけない文字も口にしたからゲームオーバーってことじゃないの?
 あと、いろはの失言質問。難易度6なのに「伏せ字は簡単じゃん」と思ったら伏せ字を埋めるのは難易度1だったらしい。そりゃそうか。てか、負けたものの、ああいうタイプの質問をするのはこのゲームの勝ち方としてはかなり合理的ですね。まぁ、別にゲームに勝つことがこの話の目的ではなかったんだけど。じゃあ、何が目的だったかというと、ゲームが面白かった割に特に意味はなかったな、この戦い。いろはの敗北(感)という意味では成長物語として重要ではあるが、敗北のための敗北という感じも正直ある。いろはが何か言っちゃいけない情報を漏らしてしまう、とからなら分かるんだけど、そういうのあった?(回答をまともに読んでない)

『人造人間100』9話

 敵側の掘り下げ。2人の間には絆がある……ように錯覚させられる。実際掘り下げられるのは人間側のみで、人間の視点を通じてパートナーの人造人間の変化が語られる。ここが見事でしたね。まんまと騙されたというか、普通にビックリしてしまった。読み返すと分かるけど、人造人間がアレに気を取られてからの顔と目が絶妙。回想の中でロキシーに向けるものとは明らかに違う。
 すげぇ面白かったんだけど、あの奇襲が失敗した時点でもう負けが確定してるというか、ロキシーと共にいた方が状況なマシだったように思うんだよな。あと、あしびに課せられた「あの2人を殺せるか?」が予期せぬ形で半壊してしまったので、テーマ的にも大丈夫なのか心配になる。今は圧倒的に面白いけど、次回が面白くなるイメージが全然湧かない。
 あと、あの人造人間、一応女性だったのね。あしびたちとの鏡像、そして『オペラ座の怪人』というのが念頭にありすぎたため男性だとばかり思っていた。それと、ロキシーが人造人間のことをどこか下に見てた(妹)というのも意外。これも『オペラ座の怪人』を考えすぎた弊害ですね。まぁ、人造人間にそういう幻想を抱いてしまった彼女に問題があったというか、彼女の最大の過ちは実はそこだったのかもしれない。

『高校生家族』121話

 高校バレー編が終わって、しかも記憶喪失になってるので笑った。「父親が高校生になる」という異常設定を面白く描く上で完璧なシチュエーションだったと思う。「まだこんなアイディアあったのかよ!」と感心しつつ、ひたすら笑ってたんだけど、私は未来人ですので、次号で本作が終わると知ってしまったわけで……これは知らずに本話を読んでいたかったな。本話で「なにこれ面白すぎるだろ!」と盲目的に楽しんでから、次号で「ええええっ 終わるの!!!?」となりたかった。これはすべて私が悪い。
 「父親なのに高校生になるわけないじゃん」というのを一郎自身がツッコミの立場に回る、というのが本当に秀逸だったんだけど、これは最終話に向けたストーリーを俯瞰&総括するような仕掛けだったのね。そんなこと知らずにいたかったよ……。
 あと、家族の記憶喪失ということで『一ノ瀬家の大罪』と事故っちゃってるんですが、これに関してはむしろ本作がより面白くなった気がする。本人が失った記憶に対して「なにそれ」と驚くのが、あっちの記憶喪失と良い感じにギャップになってておかしい。そもそも記憶喪失ってクソベタなアイディアだよね……ということも思い出させてくれるw

『ギンカとリューナ』21話

 ロックのスタイル。魔法を使わずに戦う手段が連綿と受け継がれてきた、という設定がワクワクするし、歴史の積み重ねを感じさせる合理的な戦術も良い。新キャラなので当たり前ではあるんですが、ロックもめちゃくちゃ良かったな。
 芸術的とすら思えるほどに完成された敵側の連携。あそこまでの練度にはちょっと尊敬の念も抱きかねないんだけど、ちょっとやりすぎなくらいクソ野郎であることを示され続けるのが面白い。ここらへんすごい本作っぽいな。ぶっちゃけ、主張自体はそれほど新鮮な内容じゃないんだけど、主人公サイドの描き込みとその対比、そしてクソ野郎描写の丁寧さによって独特というか、唯一無二の魅力が発生してる。
 他人に理解を示さないクソ野郎に対して、リューナが “明日何食べようかとか! 考えてたんだぞ! それをお前は奪ったんだ!” と言うのが最高。「他人に理解を示せよ」と主張するにあたってかなり完璧なロジックというか、ちょっと丁寧すぎるので感動した。リューナを中心に、こういう良い奴悪い奴描写の解像度が異様に高い。

『イチゴーキ!操縦中』10話

 返事がゆるすぎる先生。先生自体も面白かったんだけど、今回はイチゴーキが第三者の立場から見守るパートが長いので、彼の内心ツッコミがひたすらに楽しい。林作品で最も好きな要素かもしれない。
 任侠映画に感化されるミサオ。 “最近サブスクに入って…” というキッカケが妙にリアルで笑った。急にマニアックなものに傾倒する、という現象が起こりやすい環境が現代は整ってるのですね。驚くほど簡単に一気見できたりするからなぁ……。
 ファミレスで食いまくって破産させる作戦なのにサイゼリヤに行くのが可愛い。ロイヤルホストとか行った方がいいよ。
 終盤の展開も面白かったんだけど、とにかく「肩甲骨はがし屋」が気になる……。間抜けで笑えるが、ひょっとしたらめちゃくちゃ怖いのかもしれない……という底知れなさ。いや、ただの浅い奴であってほしい気持ちもあるんですが。

『PPPPPP』68話

 ダダ先生。「そこかよ!」と結構マジで驚いたし、まさかの過去編突入でぶったまげた。驚きという意味では普通にワクワクしたし、次回も気になるんだけど、ここ数話の混沌ぶりがマジでちょっとすごいレベルになってきたな……と勝手にハラハラもしてきた。「新章どうなっちゃうの~?」と振り回されるような感覚が楽しい部分もあったし、各エピソードはそれぞれ魅力的だったんだけど、筋が全然見えないので迷子のような不安感がそろそろ出てきた。「そもそもラッキーの話はどうなったのよ」という焦らされもあるな。まぁ、これは良いっちゃ良い。いくらでも待てるくらいのビッグイベントだったので。

『大東京鬼嫁伝』22話

 原宿デート。進太殿の選んだ服が「大丈夫なのかそれ?」という感じで最高だったな。ちゃんと「俺も分からんけど」と迷ってたのも良いし、自分から言い出したのが思いの外高くて困る、というのもリアル。予算オーバー分を出すのではなく、半分出すというのもナイスやで。まぁ、ちょっとやりすぎな気もしたんですが、これは私がケチなだけかもしれない……(そもそもシャツに2万は普通に躊躇する)。
 デートの帰り道、路頭に迷った仲間たちと出会い……という展開好き。実際には新しいエピソードの助走パートだったわけだけど、これが最終話だった、というパターンも大好物。社会的にはまだまだ問題を抱えてるけど、みんなで集まってるときはこの上なく満たされている、みたいな状況がめっちゃ感動的じゃないですか。すごい良かった。良かっただけに、その良さが悲劇の前フリなのが悲しいですね。まぁもちろん、前話ラストの時点でイヤな予感はしてたので、本話で良い話をやってる時点で既に素直に感動はしてられないって話ではあったんですが。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。2月のお題は「顕微鏡を覗いてビックリ! 思わず二度見した雪の結晶、どんなの?」。
 カリンさんの「007風ガンバレル」が個人的に東の優勝。顕微鏡を覗き込んだら撃たれる、という展開が良い。
 たてぶえサックスさんの「まさに決勝!」。ダジャレでありながらちゃんと形にも雪の結晶感あってうまい。
 小龍さんの「アレッ!? 明らかに有名乳業のマークだ!!」。イーピャオコメントで白々しさをツッコまれてるのもセットで笑ってしまった。独特の良さがある。
 西。未完の貴公子さんの「マックのドリンクのアレかよ!」。個人的に優勝。結晶が何が似てる、というアプローチのネタは多かったけど、その中でも、日々の日常では一切気にしないけど言われてみればよく知ってるというラインが絶妙。
 ふっきん10万回さんの「視力けんさになってる」。そもそも顕微鏡の倍率が可変なんだからその検査はナンセンスだろ!? と言いたくなってしまったので負けだわw

目次

先週のコメント、号数を間違えていて2周年なのにどうでもいい事書いてました…
(『ウィッチウォッチ』)

 篠原先生くらいになると2周年程度では動じない、ということかと思ったw

愛読者アンケート

 読切についてと、暇な時間について。15分の時間があったら何する? というのがなかなか面白い。友人とのちょっとしたトークテーマにも有用そうな設問。選択肢の中だと、ツイッター、ネットニュース、ゲームあたりになるかな。
 紙ジャンプについて。紙で読んでるか。読んでる。なぜか。習慣だから。真っ先に思い浮かんだのは「特にない」なんだけど、習慣という表現の方が適切ですね。

総括

 終わり。これで借金1、すぐに次のジャンプが出て借金2。カメを追いかけるアキレスの気分なのですが、そろそろ背中にタッチできそうな感じある。ただ、来週旅行に行くので、そこで2日か3日ブログの進行が止まるんですよね。痛い……。

 今号のベスト作品。これは『ルパ子』。すごい良かった。
 次点は『人造人間100』かな。読み返したくなる魅力があった。
gohomeclub.hatenablog.com