北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年34号の感想

 『バービー』はやっぱり面白かったです。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。シン。そんなに古い作品じゃないけど、絵柄の変化が激しいな。坂本よりもブレが生じやすいデザインというのも大きいか。

表紙

 ルフィと実写ルフィ。実写化されたときに生じるレアな慣習ですね。海外での実写化表紙はジャンプ55年の歴史の中でも初? まぁ、昔は表紙の慣習が今と違うだろうから55年で括るのは無理があるか。

読者プレゼント

 ラジオ体操第一。今も行われてる文化なのかは正直分かりませんが(暑いし)、非実在ノスタルジーとして知識が継承されてそう、されていきそうな感じはある。
 ダジャレもそうですが、ラジオ体操でありそうな言い回しでグッズ紹介するくだりとかなかなか好きでした。ノーパソのくだりが非常にしょうもなくて良い。

巻頭カラー『ONE PIECE』1088話

 巻頭カラーの実写版コラボポスター。表が漫画なんですが、その内容がちょうど今回の実写化が扱うであろうイーストブルー編の範疇になってて、『ONE PIECE』老人会がむせび泣くこと必至な内容。人選もそうですが、キャラデザ、個人的には特にゾロの目の周りが極端に黒いデフォルメ表現とか懐かしすぎる……。正直これ見れただけで「実写化ありがとう」って気分になっちゃう。
 本編。ルフィを除けば一味よりも古株なコビー回というのが奇遇ですな。同時にガープ回でもあるが。
 冒頭、回想の中でのガープの授業、「ジジイと赤ん坊がいたらジジイを見捨てろ」がまぁ端的で面白いよね。ちゃんと暴論として扱われつつ、ガープとしての考えが出てて見事な開幕1ページだったと思う。老人が死に、少女が生きる、悪くない取引だ……という『シンシティ』的な話なんですが、そうなると現在のストーリーの方はもうお察し。
 ヘルメッポの活躍が描かれるのも嬉しかったんですが、我が儘を言えばもうちょっとかっこいい活躍はできなかったのだろうか。所詮は少佐レベルということなんだろうけど、ヘルメッポも超古株なので少し期待してしまったよ。
 んで、授業と同じような話になるんですが、引っかかるのはやっぱ前回のガープの強引な弱体化。全力のガープだったら普通に切り抜けられた危機なんだろうな、という考えが常によぎってしまった。まぁ、脇道だからそんなに時間かけれないってのは分かるんだけども。

『SAKAMOTO DAYS』128話

 久々の坂本たち。突入前の打ち合わせ。 “作戦はある” と頼もしいが、同時に作戦のない実力勝負だとたぶん負ける、ということでもありますね。昔は有月に勝てたのに……という寂しさがある。
 そんな有月の別人疑惑。そこに鹿島が迫る。前からそうだが、すっかりスラー陣営の可愛い担当になってますね。困惑しつつも詰め寄る様が完全に片思いの鹿。可愛い。鹿はいいぞ。

『ウィッチウォッチ』118話

 中学組と矯正ガールの対決。尺の問題もあるが、ハイドの活躍がマジで時間稼ぎ以外の何物でもないのがシビアでしたね。言われてみれば基本はただの中学生だし、ちゃんとした戦闘経験とか修行をしてるわけじゃないので、ここで善戦したらおかしいというのは分かるんだけど。ただ、同時に非戦闘員なので彼らが怪我をするのはマジでやばいというか、かなりのハラハラ感があって良かった。
 フランちゃんの死に覚えによって、ミハルが相手の技を看破。刀は関係がなく、目からビームだった、というオチはいかにも篠原作品って感じのデクだ。ただ、それの対抗策としてミハルが取った行動が砂による目潰しというのが引っかかる。あの目からビームの直前に目潰しが届くんだったら技の正体を見破らなくても成立するじゃないですか。「どうやってんのかは知らんが勝てた」という話になっちゃってもおかしくないというか、なった方が自然。小石を鞘にはめ込むより砂の目潰しの方がアイディアとしてシンプルだろ。まずそっちを試せよと。
 とはいえ、絵としての仕掛けがちゃんと機能してるのは良かったですね。同じ目のトリックでも、前号の『アンデッド』よりも全然良い。

センターカラー『アオのハコ』110話

 オムライス作りという共同作業からのインタビュー。あのインタビューごっこは今までの2人っぽさもありつつ、恋人となった今では「イチャイチャしやがってよw」みたいな微笑ましさも感じられて非常に良い案配だった。
 インタビューされるとすっかりバド部の真面目モードになってしまう大喜に対して、千夏パイセンが恋人としての今後について話を振る、というのもめちゃくちゃ良い。カップル成立してからずっと一貫してるけど、恋人としての自覚は完全に千夏パイセンに偏ってる。姉さん女房と言うほどグイグイ引っ張る関係性ではないものの……という絶妙さが本作らしくて好きよ。
 呼び方問題。この手の作品だと超定番イベントだけど、個人的には儀式として呼び方を変えなくてもいいのに……とか考えてしまう。むしろ形骸化した呼び方を延々続けてる方が歴史を感じられてエモいというか。恋人に限らず「○○なんて堅苦しいじゃん」とか呼び方の変更を強要してくる人が苦手、という前提も少しある。まぁ今回の場合のように、恋人関係においてどちらかがイベントとして変化することを望んでるんだったらもう仕方ない話ではあるが。ただ、そういうもんだから、という空気をどこか感じてしまう。

『アスミカケル』6話

 一と二の兄弟対決。二兎はブチギレによる高揚感で兄への苦手意識を忘れていたが、試合が始まりワンパンもらった瞬間に冷静になってしまい、苦手意識が再び舞い戻ってくる。そしてパニック。この心理の変化がめちゃくちゃリアルで読んでてつらいものがある。少年漫画だとああいうブチギレによる勇敢さって無条件でかっこいいものとして扱われがちだけど、それに対する現実を突きつけてくるようでめちゃくちゃフレッシュな展開だった。
 恐怖をごまかすためには怒りが必要だが、ブチギレのドーピングでは冷静さが足りないのでプロのパンチは見切れない。そこでどうするかと言ったら、直視するしかない。恐怖を直視することでパンチを見ることができるようになる。「直視によるトラウマの克服」は前号の『鵺』でやってたことと奇しくも同じですね。「エッチマン」の話とは全然違うんだけど、その骨子は驚くほどに同じ。意外な形で『鵺』のレベルの高さが証明されることになりましたね。
 相変わらず怒りを誘う一狼だが、そこで逆転の一手に出た二兎の目には涙。ちょっと驚くほど情けない泣き顔を見せてからの逆転の三角締めというラストの展開が素晴らしかった。一狼の考えてた怒りとは別の形で二兎はチカラを得る。

『僕とロボコ』146話

 ロボコが作ったロボコGPT。実際はギャルゲーなんだけど、チャットできるAIの使い道としてギャルゲーってめちゃくちゃ良いアイディアなのではないか……と変に感心してしまった。まぁ、ひょっとしたら真面目に作ってるところもあったりするのかもしれませんね。『ポートピア連続殺人事件』の生成AI版みたいなのも出たらしいですし。
 AIの話からOMは歴史を変えたが実態はよく分かっていない、という突然の世界設定の説明臭い話。普通の作品だったらこれが今後出てくる敵だったりするんだよな。本作だからそんなことないけど……と思ったらマジでやりそうなので驚いた。裏の裏だなw

『キルアオ』14話

 天馬が本気を出さないのは舐めプではなく、縛りプレイ。めちゃくちゃ良いな。キーワードで端的に説明しつつ、キャラクターの深みがある。荒唐無稽でめちゃくちゃな設定のキャラクターに思えたけど、意外なほどに作り込まれてて感心しちゃう。天馬、良いキャラだな……。
 そんな天馬にサシで挑む。なぜならスポーツがめっちゃ楽しくなっちゃったから。ここで強くなるロジックを直接語るのではなかったのが良い。十三の一歩引いたスタンスがよく出てる。「大人になってやるスポーツ楽しい」の話の掘り下げとして面白かったし、プロの殺し屋が心の底から楽しんだら結果的に強くもなるわな、という説得力にもなってる。
 ラスト。最後はただの蹴り合いの勝負になるので、こうなると勝ち目があることにも納得できる。ただのサッカーの技術論だとさすがに無理あるが……というバランス。

『アイスヘッドギル』5話

 扉やっぱ良いな。
 本編はバトル。巨大ブーメラン使いなんだけど、「4枚刃」という表現がひげ剃りみたいで妙におかしかった。間違っちゃいないんだけど、ひげ剃りで4枚刃だったら肌を傷つけなくて安心ってなるじゃないですか。本作の場合は逆。
 回転技を相手は承知。七回転が一旦最強(父の)らしいが、技の弱点は回転する準備モーション。そんな時間を与えなければ勝てる、という戦術が面白い。こちらサイドとしては、「回転数を増やすために隙を作る」という戦い方になるので、バトルに自然とロジックが生じる。単純にバトルシーンの描写も良かったんだけど、その攻防の部分もめっちゃ良かったな。
 結果、二回転で勝利。勝因は自信、というのも面白かったが、その後の倒した敵の体がリッチに乗っ取られることで敵がパワーアップ。戦隊ヒーローの怪人が巨大化するみたいな話をちゃんと本作の設定で運用していて良い。

センターカラー『殺陣ロール』小園江ナツキ

 読切。『ウパ野ルパ子』の人な。覚えてる覚えてる。そのときもそうだったが、一見した際の「面白そう」感が強い。絵が良いというか、キャラデザが良いというか。本作はちゃんと扉かっこいいし。
 本編。めちゃくちゃ面白かった。サクサクとオモシロが始まってそのまま最後まで面白かった。正直バトルが抜群に面白いので他の要素皆無でも全然良かったんだけど、バトルが終わってからのエピローグが意外なほど長く、そっちはそっちでしっかり面白いので困った。もっとアクション見たい気持ちもあるけど、これはこれで文句つける気にならない。
 縦ロールを用いたアクションの、絵としての気持ちよさ。なんだか分からんけど、絵として納得してしまう気持ちよさが圧倒的。扉の段階でその気配はあったけども、あの印象的な縦ロールを使ったバトルが最高。具体的にロジックがしっかり組み立てられるタイプではないんだけど、一見した際の絵としての説得力で「あーこりゃ縦ロールがバネになって当然ですわ」みたいな飲み込みやすさ。腕に巻き付いたロールのかっこよさとか最高にワクワクしましたね。効果線じゃないんだからw
 絵としての気持ちよさがすべてに勝るので、正直なところ、あらすじいによる設定の説明とかはなくても良かった。別に説明を聞いたところで「なるほどね」となるわけでもないし、ヒーローを目指す動機の部分も正直内容として面白いわけではない(その分回想演出はオシャレ)。特に説明がなく「鍛えたらロールは躍動するに決まってんだろ」くらいのノリでも全然楽しめたな。父の教えのくだりは省略できないにしても。
 敵が大して強くないのにバトルはしっかり最後まで面白かったし、敵は敵でちゃんとキャラ立ってるのも良かった。まぁ、強いて言えば人質のマッサーじいを手放すのが早すぎるというか、手放す意味が分からなかったな。
 『ウパ野ルパ子』のときも印象的で相当良かったとは思うけど、本作はちょっと比較にならないレベルの良さだったな。

ブラッククローバー』366話

 アスタ参戦。当然のように無双するんですが、今回の天秤おじさん的には相性が最悪すぎるので、アスタがどこまで強くなったか、今回の戦いでどこまで通用するかの指針にはあまりならないのが面白い。クソ野郎にやり返してスカッとするものの、今後もこの調子でいけるかはまだ分からないのでハラハラは持続するし、次の対戦が楽しみになる。
 読者としてはお馴染みの「絶天」演出ですが、相手からしたら「そんな技知らないんですけどー?」って感じだったんだろうな。いや、暴牛の面々も知らなくて困惑しただろうけど。

『「ブラッククローバー」ミニキャラ4コマ劇場』田代弓也

 その10。決戦前の各団長回、という感じか。特にシャーロットの出番が多いので映画でゲスト声優やってた人が喜びそうだ(各種インタビューで好き好き言ってる)。
 個人的には1本目の無血開城オチがすごい好き。敵の特殊性を踏まえつつ、本編では絶対にあり得ないオチ(だけどちょっとだけありそう)なのが絶妙。

センターカラー『暗号学園のいろは』33話

 匿名さん大活躍。ジャンプ55周年ネタが入ってるのが見事だったんですが、記念号は前号なので惜しい。前号は暗号が出ない回だったので作者的には「なんでこんな号に……!」といいう感じだったんでしょうね。
 B組は情報攪乱クラス。やたらかっこよく攪乱してきたけど、よく考えたらただ単に3人同時出題をしてるわけで、これ自体はどのクラスでもできることですよね。別にB組らしい個性が出てるわけではない。明らかに実力の劣る組ということなのかもしれないけど、ちょっと拍子抜けだったな。

『夜桜さんちの大作戦』187話

 パリ。「真・夜桜さんちの大作戦」は笑った。タイトル回収とはこのことかw
 あるふぁが「くさい」の件を謝りつつ、おじちゃんへの好意の由来が匂いであると明かすオチは見事だった。見たものはすべて忘れないらしいから厳密には関係ないけど、匂いと記憶って密接な関係にあるから話としてキレイですよね。
 モブ賞金稼ぎを皆殺し。急に残虐なのでびっくりしたけど、双子を狙った時点で許せるはずもない、みたいなことだったのかな。

『アンデッドアンラック』168話

 次の狙いは不動。何かと思ったら堂々と学パロしてるので笑った。ファンの体育教師が似合いすぎてしまっている……。
 風子の身体的接触を避けるためのファッションをしたらおさげガールになった、というのもめちゃくちゃ良い。一方「ロシアから来たギャル」のジーナは『Mステ』ドタキャンしそうな属性だ……。
 てか、今の風子、精神年齢バカ高なので、ちょっと『キルアオ』めいた雰囲気もありますね。

『あかね噺』71話

 人物を多面的に描くことで “解像度が上がる” 。ラストでそれを見たおっ父が “画質が悪過ぎて” “画面が滲んで見えやしねぇ” 。涙で見れないというのはかなりベタな話なんだけど、そこに「解像度」という本話のテーマを持ってくるのがキレイすぎてな。さらにはここでの涙が、今回あかねが成長するキーとなった「弱さ」を象徴するものにもなっててもう何重にもうまい。うますぎる(十万石)。
 それと、あかねに感心した評論家がメガネをかける。本気モードとしてメガネをかける演出が見事なんですが、これも「解像度を上げる」行為ですよね。ちょっとうますぎて怖いくらい。

僕のヒーローアカデミア』395話

 トガちゃんがお茶子へ輸血。あー、そうきたか。過去にトゥワイスがやった行為とはいえ、トガちゃんのドラマが行き着く果てとしてキレイすぎる。他人の血を奪ってきたトガちゃんが初めて与える側に回る。本当なら「そんな都合良く輸血の道具あるかい!」という話なんですが(『マッドマックス 怒りのデスロード』とか不潔で心配になるよね)、トガちゃんだったら標準装備なわけで。
 正直前話は面白いは面白いけど、トガちゃんという巨大すぎるキャラクターにしては大人しいレベルの面白さという印象だったけど、本話はマジ見事だったな。お茶子が何もしない(バトル的な活躍ではない)というのも良い。

『鵺の陰陽師』11話

 ビーチでの討伐数対決。ここからは普通に対決すると思ったら相手チームがめちゃくちゃこすいので笑った。小悪党すぎて悪役の魅力としては微妙かと思ったんですが、そんな彼女らでも救わずにはいられない、というヒーローとしての資質の話になるのがめっちゃ良かった。前話では学郎が藤乃さんに助けてもらう話だったけど、今回は学郎が藤乃さんが知らないことを教えてあげる話になってて、そこの関係性としても良い。
 小悪党関西弁、ちゃんとお礼を言うし、ちゃんと謝る。ここらへん今っぽい価値観というか、今の作品っぽい計算も感じる。同時に友人にめっちゃ叱られてる(目の前で)というのも何気に重要ですね。実際の現場で計算してやったらめっちゃウザいけど、漫画の演出としてはアレがあるおかげで印象がだいぶ和らぐ。
 からの関西弁、急にデレる。「○○姉さん」「○○兄さん」は関西弁の便利さ、ある種のずるさが出てて良かった。急に小物感全開で懐いてくるの良いな。ラブコメ堕ちよりもこの当たり前に「藤姉さん」言ってるのが面白かった。
 あれだな、本作ちゃんと面白くなってきた感じがあるな。鵺さんも、「僕の考える最強の先輩」みたいな人もいないのにちゃんと面白かったので本作の印象というか評価が上がってしまう。

『逃げ上手の若君』119話

 顕家のコール&レスポンスめっちゃ面白かった。平時では絶対に好きになれないタイプだけど、戦場で鼓舞する効果が高いというのには納得してしまう。キャラとしての一貫性と、戦描写の説得力が見事であった。
 渡河。あえて流されて、追ってきたところを若たちが奇襲。ただの奇襲ではなく「名乗り」があるのが熱い。漫画的にめっちゃ燃えるってのもあるけど、「死んだはずの時行が」という部分が重要でもあるのでちゃんと意味のある名乗りになってて最高。

『テンマクキネマ』15話

 やっぱり音楽が欲しい。最初は “環境音だけの方が” “硬派でかっこいいと思って……” のとこ好き。実際の作業のことを考えて環境音のみ、という判断も十分立派だと思うんだけど、こういうしょうもない憧れで、マジで音楽は必要ないと思ってたのがピュアで良い。
 音楽が欲しいので秋津に懇願。突然出てきた「タルコフスキー先生」には笑ったわ。今後も巨匠先生シリーズやってほしいな。良い顔の巨匠を佐伯先生に描いてほしい。
 作曲。映画作りの大変さを描くのも大変だけど、メインテーマじゃない音楽作りの大変さを1話でまとめるのも大変。ぶっちゃけ無茶だと思うんですが、 “なんかいじればいじる程…” “知ってる曲と似た様なのしかできなくて” という最初の苦悩が良い。創作論として、創作を始めたての人の苦悩としてめちゃくちゃリアル。これは音楽に限らずいろんなジャンルのビギナーに当てはまりそう。本来なら新市がこういうビギナーの悩みを体現する役割なんだけど、最近の彼はすっかり超人で、もはや周囲の人が「さっすが新市!」となる話の方が多くなってきましたね。それはプロの姫希も含むからすごいw
 そんな「新市すごい」論。なぜ彼についていってしまうのか。彼は「好き」の度合いが尋常じゃないので、同じ「好き」の気持ちを持つものとして尊敬してしまうから。この理由も良かった。基本的に本作はファンとプレイヤーの境に立つ人たちの話から始まるけど、まずそのファンの段階で新市はどうかしたレベルにいるので、いざ作り始めたときにも才能を目覚めやすい。いつの間にか新市が超人になってることへのセルフツッコミというか、補足のようなエピソードになってて良かったな。もうこれで、本作の視点キャラは姫希で決まったような気がするな。たまには新市視点回も来るとは思うが……(じゃないと天幕の出番がないw)。

『一ノ瀬家の大罪』34話

 長男を追って福井。翼らしい「とりあえず行ってみよう」精神だと思うんですが、話の流れ的に「その金はどこから出てると思ってんの……」とか暗いことも考えちゃうw
 そんな長男。家族を捨てて別の家族を作っていた、というのは両親のエピソードでもう既にやってるんですが、一応今回は疑似家族なので別の話ということになるのだろう。
 砂糖を入れ忘れたゼリー。キラキラして見た目はキレイだが中身がない、というのがいろいろ暗示してそうで面白い。疑似家族のことを指してると考えるのが第一だと思うんですが、そこで出てくるのが超胡散臭い蜂蜜。外から無理矢理味を付けて整ったことにする、というのがこれまた暗示的で面白いんだけど、何より長男が急にベラベラと説明し出すのが「あっ そろそろ帰らないと……」と言いたくなるような不気味さがあって好き。大学の新歓コンパとかでこういう人いたら話を真に受けずにとっとと逃げるんだよ。マジで。面白がって関わろうとしちゃダメですよ。

『人造人間100』31話

 100の活躍であっさり勝利。絢子さんもギャグっぽい言動してて楽しい雰囲気だったが、意外と重傷。ここはちょっと唐突な印象があったな。今までギャグっぽく、軽い扱いをしてたのに急に深刻になりすぎ。まぁ、今まではアドレナリンが出てて傷の重大さに意識が向かなかった、とかあるのかもしれないが。
 絢子の抱える悩み(闇)に救いの一言を向けるのがまさかの100。100は所詮人造人間だから決して分かり合えない、というのが絶望的に描かれてきたけど、今回はその100が自身が人間とは決定的に違うと自覚してるからこそ「だからこそ人間だろ」と核心を突いてくる。めちゃくちゃ良かった。100には励ましたり慰めたりする気が1ミリもない、と分かり切ってるのも良い。

『ドリトライ』12話

 カウンターをカウンターで返す。トリプルカウンターは威力が12倍……という丹下段平理論を思い出してしまいますね。まぁそれは半分冗談だけど、あのカウンターの絵というのは漫画映えするよなぁ。ロマンを感じるというか、ちょっと反射的にウットリしちゃう。
 技を会得したところで、それだけじゃ敵の下位互換。じゃあどうするのかと言えば、上位互換の技を受け続けて、修行の最後の項目を見つけ出す。こういうロジックで青空の「受け」が描かれるとはね。いつもはただ打たれ強いって話だったけど、今回は受け続ける中で父の姿を探し出すというか、間接的に父との対話のようになってる。
 そして、父の姿を見出すと、その父がトラウマとなってる敵は再びビビり出す、という展開も良い。狭い中でグルグルしてるだけなんですが、青空のドラマとしてめっちゃ正統派なことになってて好き。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 京都編って面白いよね、特集。今回は前編で主にバトル漫画だけど、確かに……と納得してしまうところがあるな。実際の観光名所が出てくる身近さとそこで戦うあり得なさが良いのだろうか。ただ、『呪術』にはそういう要素少ないんだよな。一応ちょっとは出てきたけど、他の作品に比べると観光名所の比重が小さいと思う。
 次回は修学旅行としての京都編。これは……『ゆらぎ荘』が来るぞ!! ラブコメの修学旅行なのに、なんであんなハードコアSFみたいな話になっちゃうんだ。好(ハオ)……。

目次

佐久間宣行さんのラジオで僕の漫画と昔開発スタッフだったゲーム両方の話題が。
(『ウィッチウォッチ』)

 あれ、ラジオ聴いてるはずだけど知らない……と思ったらラジオの方も録音が溜まってて1月以上遅れてる状態なんだった。あっちもこっちも酷いな。ただ、ジャンプの借金は徐々に減ってきてることが実感できて少し嬉しい。

愛読者アンケート

 読切についてと、ジャンプの読み方について。電子版ではなく紙で読む理由。「なんで紙って決めつけてんだよ」と思ったけど、この質問は紙版限定なのか。盲点。
 理由。習慣になってるから、という選択肢が一番近いけど、そもそもの話私の中ではまだ電子版という選択肢が頭の中に定着してないというか、紙版を選ぶとか、理由とかそういう段階じゃないんですよね。「ジャンプを読むならどっち」ではなく「ジャンプ(=紙)読むならコンビニ? 本屋?」みたいな感じ。
 この先電子版を読むつもりはあるか。あると思う。さすがに管理がめんどくさい。捨てなくていいんでしょう。捨てるときに「面白い読切があるかもしれないからもっかい読むか……いやそんなことしてたら一生捨てられない……」とか不毛な考えをめぐらせながら、若干の後ろ髪を引かれながらジャンプを捨てる作業が心底だるい。ただ、まぁブログを続けることを考えるとわざわざ現状を変えるのは面倒というか、新たな刺激や変化は生じてほしくないので、とりあえず今は選択肢がない段階が続く。ブログ書かなくなったら電子版になるかもしれませんね。……いや、ブログ書かないならジャンプ読まないな。

総括

 ジャンプが1週休みだったのでその間に一気に進めたかったんですが、無理でした。まいったなぁ。今号が終わっても借金3。なげぇ。先がなげぇよぉ。

 今号のベスト作品。読切。めっちゃ良かった。
 次点。『あかね』と『ONE PIECE』の巻頭カラーポスター。
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