北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年41号の感想

 映画『きみの色』を観てきたのですが、共感覚の女の子がバンドを始める話でして。共感覚で音楽ということで『ソルキチ』連想不可避でした。いや、全然違うというか、暑苦しさとは対極のような作品だったのですが。とりあえず面白かったのでオススメです。ひょっとしたら今年観た映画の中で誰にでもすすめやすい作品かもしれない。

表紙

 新連載。最初は気づかなくて、本編を読んでから気づいたんですが、本編で面白かった「衣装に女性用を想定したであろうハートマークとか付いてんじゃん」というオモシロ、表紙絵で既に見せてたのですね。ただ、ここだと普通に(男性用として)かっこよさげな印象にとどまってるのですごいですね。意図的な仕掛けだと思う。

読者プレゼント

 生成AI。生成AIだとテーマがふわっとしてると判断したのか、正確にはchat GPTにまで限定する。まぁ、限定したところでダジャレが面白くなるわけではなかった。あまりダジャレに重きを置いた回ではないので私好みではない。
 モデルの人、お馴染みの人なんですが、今回はいつも以上にイラッとしてしまったな。いつも多少はイラッとしてるけど。衣装がシンプルな分顔芸を頑張ったのだろうか……。

巻頭カラー『魔男のイチ』西修 宇佐崎しろ

 新連載。作者はそれぞれ原作と作画。「宇佐崎しろ帰還! 『魔入りました!入間くん』の西修と超強力タッグで挑む!」という宣伝文句が特徴的ですね。帰還した方の代表作がなくて、他誌で派生作品が現在も進行中のタイトルがある。
 巻頭カラー。ファンタジーなのに学ラン着てることのズッコケ感と、「また学園モノになるのか」というガッカリ感……を初読時は感じてたんですが、2周目には「学ランを着たこいつが女装して戦う……?」とおらワクワクしてきたぞ。どうせなら今後強くなる度に衣装変わってほしい。一張羅じゃもったいないって。頼むよ。
 いや、よく読んだら学校じゃなくて協会なので、男性用の制服がないので仮に学ランを着ることになるのかもしれない。学ランどっから出てくんだよ、というのは一旦置いておこう。正直そこはどうでもよくなった。
 本編。大作感のあるファンタジーで、そこにビックリするような形で「狩り」の要素が入ってくる。見事なオープニングだったと思います。一番心躍ったのは「つまり女装ってことだよね!?」の部分だけど、漫画的に一番面白かったのはこの冒頭の狩りの場面。
 狩りの天才である主人公の出自。天才であるのと同時に狩りの哲学を持ってるのが独特ですね。誰かに教わったわけでもないのにかなり教科書通りの考えにたどり着いてるのが少し違和感ではあったんですが、まぁすぐに「正当防衛待ち」みたいな歪みが生じるので面白いか。ここらへんは師匠がいないことの弊害って感じですね。ルールには忠実だが、ルールをハックしようとする姿勢がそもそもダメっていう。
 んで、魔女。デスカラスとマネーゴールドという名前が安直すぎて笑えるのだが、響きだけはちょっとかっこよくてワクワクしてしまう感じが秀逸。これは100%西先生の資質なんだろうが、こういうセンスは結構大事というか、これがあるだけである程度は勝ちだと思う。マネーゴールドとか本当に馬鹿丸出しみたいな名前なんだけど、響きはマリーゴールドみたいな品の良さも感じてしまう。このシリーズは今後も楽しみだな。主人公もそうか。
 魔法設定。突然現れて試練を課して、それをクリアすると魔法を習得できるらしい。魔法の複数持ちはアリらしいが、それよりも習得した魔法と会話が可能なのかは気になる。主人公の場合は殺しちゃうので余計にややこしい。
 女にしか試練は課されないが、女には勝てない「俺を殺せ」の試練。それを男の主人公がクリアする。緊張感が一気になくなる展開は面白かったんですが、とはいえ、一般人の原始的な罠に引っかかって動けなくなる王の魔法さんの姿には不安になる。それまで示された強さとまったく釣り合ってない。周囲の地面ごとえぐり取ってみせるくらいの前フリだったじゃん。ここはちょっと萎えたな。バトルモノとしてはあまり期待できなさそう、という意味で。勝敗が雑。例えば王の魔法さんがそれこそアンチ魔法的な戦い方をするので既存の魔女は一切勝てなかったが、主人公は勝てた、となった方が納得できたが、それだとGIGAで最終章を連載することになるのでダメです。
 ということで魔女世界に男の魔女(つまり魔男)が生まれてエンド。つまり女装ってことだよね!? そうか、最高である。宇佐崎先生の新作、まさか少年主人公が女装する話になるとは思わなかった。これは……勝てる(何にだ)。普通だったら都合の良いハーレム設定って感じになると思うが、おそらくだが、初回を読んだ限りの印象においてはハーレムというよりは「史上初の男のプリキュア」ってノリに近いと思う。内容全然知らんのに引き合いに出して申し訳ないですが。
 初回終わり。面白かったし、面白そうでした。初回の作りとしてもしっかりしてたと思うし、サプライズ要素の引きも強かったです。

ONE PIECE』1125話

 今まで通り、島と島の間のブリッジ回という感じなんだけど、かなりエピローグ感も強いですね。まぁそれだけ島での事件が巨大すぎたということか。ルフィたちの話から一気に世界情勢の話に移る感じが好きだったんですが、今回はルフィたちが世界情勢のど真ん中すぎる。少し残念ではあるが、最終章感あって良い。いや、そもそも最終章って括りが意味分からんのですが。
 五老星交代。「そんな四天王交代みたいなことある?」と正直少し萎えたのだが、イム様の前では五老星も駒の一つに過ぎないので、という意味では納得か。あと、科学属性が面白そうだったのと、「科学防衛武神」という名前がイカス。

『SAKAMOTO DAYS』181話

 監獄編スタート。まだ雑魚しかいないと思ったら強敵が出てくる。それと同時にシンの超能力の使い方が「止まれ」のワンパターンだったのも良いですね。使いこなしてる頼もしさもあるが、同時にまだまだ未熟だとも感じられる。
 懐かしの旧敵。ごめん、正直なところ「いたのは覚えてるけど具体的にはそのぅ……」という感じだった。たぶん遊園地の人。アニメだと1期に出てくると思う。遊園地の強敵は『ロボコ』の方が印象深いので困ったw
 まぁ、そんな懐かし再登場を特に引っ張ることもなくすぐ出したのはとても良い。何気に本作の好きなところの中でジャンプ的にかなり貴重なところかもしれない。最近長期的な伏線(というか謎の提示)に全然興味が湧かなくて……。
 それとは別に目的の占い師が顔出し。なるほど、ラブコメの波動か。プレッツェルみたいな髪型が面白いのですが、ひょっとしたら可能性の分岐とか未来視をモチーフにしたデザインなのかもしれませんね。やっぱりラプラスの悪魔的な理屈の占いだと思う。

センターカラー『あかね噺』122話

 ゾーンという近年のジャンプでやたら頻出する概念。もはや新鮮さはない……と思ったんですが、「客をゾーンに引きずり込む」という反転が鮮やかでした。これは唸ったぜ。おそらくジャンプにおける初期の有名ゾーンって『黒子のバスケ』だと思うけど、そっから10年くらいでこういう反転を見せるとは。アイディアの勝利を感じる。まぁ『黒子』のラスボスは「味方をゾーンに入れる」みたいなバフ技だったので発展の方向としては似てる。
 終わり。そのゾーンが解ける瞬間を丁寧に描いたのがまた良かった。終わったことにすら気づかず、降りてくる緞帳に視界を遮られてようやく正気に戻る。「同業者は客席ではなく袖から見る」という業界ルールをうまく活用した話にもなってて本当に見事ですね。
 いや、あのルール自体は何度説明されても「なんで?」ってなるんだけど。直接教えてくれるのがアリなのに客席がナシってのがよく分からん。まぁ今はその話をしてないので疑問に思っても仕方ない。

『カグラバチ』48話

 温泉旅館居残り組の頑張り。急にかっこよく描かれ出すのでびっくりした。正直あの別れを描いたあとにかっこよく勝利を描くのは悪手だと思ったんだけど、それはそうと温泉旅館のオモシロアクションが見れたのは嬉しい。露天の岩場にかっこよく立ってる集合図とかロマンでしたな。
 からの「結局死んでるんかい」。まぁこれは悪手だと思ったことがやっぱりナシなので良かったとも取れるんですが、普通に不要な往復があっただけに思えなくもない。ただし、旅館もそうだが、死体ズラリの場面があまりにかっこいい(前フリも含め)ので正直大満足ではある。右端の一人だけが右ページに入ってるんですが、彼単体で見ると死んでるのかよく分からないんですよね。セリフとベンチの並びを全体で見てようやく「あっ そういうこと……」となる。この時間差が良かった。

『アオのハコ』163話

 相変わらず表情が読めないサキちゃん大好き。分かりやすい意地悪ムーブをするよりもマジで分からん場面に恐ろしさを感じる。ミステリアスな魅力とはちょっとニュアンスが違う。悪意の有無よりは作意の有無が気になるって感じですかね。もしくは法律用語でいう悪意(知ってる状態)。
 1年の「美女と野獣」。ディズニー式のポットが出てくるので笑った。ただ、みんな忘れがちだけどあの映画で一番良い場面で歌唱するのはあのポット(母)なんだよね。一番おいしい役なのかもしれない。いや、歌唱はないだろうけど。
 「蝶野雛があらわれた」。超可愛くて好きなのだが、厳密にはあれ『ポケモン』だと思う。のでMPゲージの表記は少し変。
 居残りの遊佐弟。良い話なのだが、特に悩む描写もないまま即座に “残ってやれば 明日には間に合うだろ” となり、その後でバドキャンセルと “これは” “来るものがあるな” となるのが特に良い。究極の2択はそもそも発生しないが、それはそうとダメージは受ける。こういうバランスが当たり前に出てくるのが本作の良いところだと思う。普通だったらもっと迷うくだりに尺を割いて、もっと感動的に居残りする選択を描くと思う。

『夜桜さんちの大作戦』241話

 七悪ともず。もずが予想以上に重要キャラだった。旦のことも利用してたに過ぎないのはイメージ通りだが、一(人の名前)が回収済みなのにはビビった。一くん可哀想すぎでは。特に活躍が描写されずに二重の敗北。まぁ、あっちの兄弟姉妹には今後もう一回活躍のターンは来るかもしれないので、そのときに期待かな。
 もず。科学のチカラで七悪の開花をコピー、かつ心臓パワーでより強く。科学者っぽい展開で面白かったのだが、順繰りに開花春来するのは目に見えてるので露骨すぎる前フリに思えなくもない。ただ、開花と開花春来は内容が対になる傾向にあるので、「対なら直接対決させればいいじゃん」という発想は分かりやすいし、シンプルに面白そう。
 そんな開花春来でエンド。『ルリドラゴン』みたいになるので面白い。いや、クソデカ薬瓶が酒っぽいデザインなのでドラゴンよりも鬼モチーフだろうか。

『僕とロボコ』200話

 200話記念でカラーとかないんだ。意外。
 ロボコジュニアたちがボンドの弁当を届ける。ひたすら残虐ギャグが繰り返される前半が最高だった。初手が電子レンジなのが怖すぎる。雑な爆破オチで本体が飛び出る描写があったから急に安心だけど、爆散してもおかしくないのよ。いや、機械だと体内の水分が沸騰して爆発、という現象は起きないので意外とリアルなのか?
 ジュニアたち。ジャンプネタが細かく出てくるんですが、それがどれも親父ギャグっぽいというか、軽い連想で思いついた瞬間にすぐ出してる感じでいつもと違った味わい。かなり好きです。
 マイナステンポが突然でよく分からなかったんですが、あれか、カラスだから『ハイキュー』ってことか。マジでただの連想ゲームですね。

センターカラー『キルアオ』68話

 乗馬練習。最初に取材協力のクレジットを出したのにいきなり「金持ちじゃないと始めらんねぇ」と辛辣なこと言うのでちょっと笑った。
 ただ、取材の成果なのか、乗馬の難しさ、テクニックの話が詳細でここは普通に面白い。そしてちょっと『逃げ上手』の連想もしてしまう。あっちの作品でも乗馬の話はかなり詳細に描かれてて面白かったですね。乗ってる方が圧倒的に強い、らしい。
 敵のメガネくん。かなりしっかりと考えを持った上でのクズ。だからこそ十三が子供を心配するスタンスになったのが許せない。ここは見事だったな。十三の子供化設定が思わぬ形で因縁を生む。
 ボウリング串刺しでエンド。「頭を踏みつける」の話から、人間の頭を連想させるボウリング玉を持ってきたのが良い。良いが、危なすぎてちょっと心配になってきました。馬が。

『ひまてん!』9話

 看病。ほぼセクシーな要素で埋め尽くされた回になって驚くが、「美容のために風邪だろうと風呂は欠かせない」という発想は少し面白かった。ちょっと説得力を感じてしまったが、リアリティあるのだろうか。
 下着の洗濯問題。雑なセクシー回かと思いきやこの期に及んで仕事の話に徹しててすごい。マジですごい。まぁ、「風呂上がりに下着持ってこい」のところは「服だけ渡すからあとで自分でやれ」とか少し思ったが、下着の洗濯という問題自体はは結構重要な問題で目から鱗だった。「さすがに無理」と断るのが殿一の誠意であり、可愛いところという話も良かったが、それとは別に女性の下着の洗濯方法を熟知してるとしたらちょっとイヤですね……。
  “そこは男子なんだ…” で謎のケツアップになってて笑った。本当に謎だ。セクシー要素の差し込み方に作者自身が手探りな状態なのだろうか。狙ったギャグならすごいと思うが、それはさすがに考えすぎでしょ。初期『鵺』の変なギャグセンスみたいな「おそらく作者が想定してないところでの笑い」というワクワクを感じた。正直面白すぎる。

『逃げ上手の若君』171話

 ジュンサイに合うおかず。『食戟のソーマ』の日常回みたいな話かと思ったが、教養に基づく、ただ一つの正解がしっかりとある話なので驚いた。期待とは違う方向だが面白かった。前回の天皇のネーミングセンスの件とも通じる、教養に基づくコジツケのセンスみたいな話ですね。
 からの帝持ち上げ。急に持ち上げすぎじゃない? ちょっと都合も感じた。あと、いつも通り現代の比喩が嫌いなのだが、あんだけ優れた教育の賜物みたいな話をした直後に “貧困の底からでものし上がっていただろう” って言われても説得力ない。帝の教養って絶対日本一のエリート教育の結果でしょ。前回から一貫して教養の話をしてるので結構チグハグだと思う。

センターカラー『願いのアストロ』20話

 本編冒頭の墓参りめちゃくちゃかっこいい。そしてギドウの扱いが思いの外大きくて驚く。敵キャラの死でここまで劇的な影響を受ける主人公も珍しいですね。そこがヒバルの人間的魅力ってことなんだろうけど。
 後継者はテラスと言った件を撤回。正直ここはかなりの大ネタだと思ってたので、ゆるっと撤回されて肩透かし。何かストーリーの計画変更があったんじゃないかと邪推してしまう。まぁ、ギドウの死によってようやく腹が決まった、という話は普通に感動的ですけどね。いわゆる「海賊王におれはなる」なんだけど、初回にそれをやらなかったからこその感動。初回の段階では弱さ故に逃げてしまった、という話。

『鵺の陰陽師』65話

 一般人(?)目線でもはや怪獣レベルの戦いに語りを入れる膳野くん。なかなかおいしい役割なので嬉しい。
 怪獣バトルの方は一旦決着。逃げる敵に対して “おや逃げるのかい?” と煽る鵺さん。最初は逃がさないための煽りだと思ったんですが、そうではなく恋人時代(違)はゲームで遊んでた関係なので、ボードゲームらしく「投了」をさせる。ここは痺れた。端から見れば敵を煽ってるだけなんだけど、2人の間では少しだけかつてのイチャつきを思い出す(思い出させる)ようでもある。鵺さんのゲーム好きは学郎との思い出としてもお馴染みなんですが、元カレと付き合ってた時代はテレビゲームではないので投了の文化がある、という転換がマジで鮮やか。ゲーム好き設定からこんなオシャレなことに広がることあるのか。
 からの味方に向けた勝利宣言。学郎を含め学生たちを巻き込んだ戦いだったことを踏まえても良い話。ちょうど鵺さんの「年上」性が強調されてたけど、子供たちを導く立場としてめちゃくちゃかっこよかった。もちろんライセイとの対比としても。思わぬところでめちゃくちゃ刺さった回だったな……。

『ウィッチウォッチ』170話

 ニコの修行回かと思ったら、ニコとカンシが入れ替わる日常ギャグ回。チャミーですらないのが意外すぎるw いや、ニコたちの異常な日常を傍観する役割は大事か。と思ったらチャミーの出番、冒頭で終わっちゃった。マジで日常ギャグ回だ。修行なんてなかった。
 んで、入れ替わった2人がそれぞれバイトと誕生日会に行くのだが、それぞれ「そういえばいたね」という感じのキャラだった。もちろん面白いのだが、本作の中では比較的扱いの低い人たちなので選ばれました、みたいな感じ。2人が同時並行的に描かれるから出番は少なめですよね。
  “アポロ・クリードとエイドリアンですね” はめちゃくちゃ面白かった。すげぇ感心してしまったのだが、これはニコと入れ替わった設定が活きたギャグではないよな。単独でめちゃくちゃ好きなネタではあるが、「ニコだからこういう間違いをした」ではないと思う。そもそもニコは旧『ロッキー』シリーズに精通してるのか……?

『超巡!超条先輩』29話

 犬。犬を拾うと超ポンの2人は夫婦になる。「花園さん早く来て~!!」って気分になるのだが、すぐに夫婦のイヤな面ばかりが目立つことになるので笑った。夫婦喧嘩は犬も食わない。数えてみたら幸せな夫婦になってるの1ページしかない……。
 犬自体は何か特別なことをするわけではなく、徹底して2人の喧嘩の種になるだけの存在、というほとんど装置みたいな扱いなのが泣ける。映画『レボリューショナリーロード』における存在感の薄すぎる子供たちのような扱いだ……(夫婦がひたすら険悪になる映画なのでオススメです)。
 夫婦喧嘩、ガチの殴り合いの喧嘩に発展するが怪我をするのは超巡のみ……という1コマで笑った。ポンちゃん強すぎる。いや、超能力を多少はセーブしたとは思う(思いたい)が、多少レベルの超能力ならポンちゃんの腕力で何とかしそうなイメージ。
 飼い主が見つかって改心し、飼い主のご厚意によりたまには交番に顔見せてくれるらしい。本話限りの結論なのかは知らんが、ちょっとこの最後の扱いは『破壊神マグちゃん』のチヌと似てましたね。飼い主は見つかって当然返すが、たまに会わせてもらう。

『悪祓士のキヨシくん』11話

 棺くん回。棺視点による試験。まだまだ若い作品なのに思い切ったことするなぁと思ったらラストに最強の他者としてキヨシが出てくるのでアガる。試験とか正直めちゃくちゃベタな話なんだけど、うまいこと捻ってて見事。キヨシ登場までの過剰なまでの棺アゲ展開もやや過剰でその過剰さがギャグではないが独特の魅力を生んでたと思う。個人的にはメイドのばあやを出してきたところにセンスを感じた。
 憎たらしいほどに最強キャラのキヨシ登場なわけだが、彼自身は友達を発見して喜んでるのも微笑ましい。とはいえ、棺の方は友達を連れてるわけで、キヨシが人見知りしないか心配だ。私は結構苦手な状況なのでむしろ棺と出会いたくなかったとすら思う。

『アンデッドアンラック』221話

 冒頭、アンディがルインのことを幸運だと言い、そこから成長の話に移り、自分独りでは成長に限界があるので……と現状最強の不運不死コンボを決める。めちゃくちゃ良い話でしたな。正直最終回の言い分でも全然良かったんじゃないかと思えるレベル。
 否定者なのに神サイドにつくルインに対して同情の念を抱き情けをかける、のが良い話なのと同時に(現状)ルイン的には最悪の侮辱であって……というのも好き。助かるわけじゃないがルインの友達をそばに置いてあげるのも良い。めちゃくちゃ良かったので、今後の最終決戦(たぶん)が楽しみにもなったんですが、今回以上魂の話をされると私は引いちゃうのでちょっと不安でもある。絶対するよなぁw

『さいくるびより』17話

 最終回。夢に閉じこめられたことねが母と和解……というか母を説得して脱出、ハッピーエンドという感じ。サイクを面白く活用してどん! みたいな話じゃなかったのは少し残念でしたが、まぁこういう静かな話だったのは本作らしくて良かったと思います。ガチガチの理屈で武装されると「急にハードSFですか?」ってなりかねないからね。『ゆらぎ荘』とかそうだったし(大好き)。
 母の退院でことねも家の方に帰宅……とはならず、アディショナルタイム突入でエンドというバランスも良かった。劇的なイベントが起きたのは間違いないし、ことねとの別れ(シェアハウスやめるだけだが)も確定事項なのだが、それはまだ。本作で描かれた日常の終わりが始まった、という時点を最終回のラストにしたのが良い。劇的すぎないが、安易に日常が永遠に続くわけでもない。
 物語的にはどうでもいい部分だが、夏休み突入時の帰り道、手ぶらで帰れるのはめちゃくちゃ羨ましい。異様に荷物が多くて苦労した記憶があるので。それに、田舎道を手ぶらで歩くねむる、という絵面もめちゃくちゃ良かった。荷物を持って普通の学校の帰り道然としたことねとの対比が良い。
 ということで終わり。変に最終回用の長編エピソードとか用意しなくてもいいと思ってたんですが、今回の決着と終わり方は思いの外良かった。ちゃんと本作らしいのが何よりだし、そもそも17話の付き合いでちゃんと本作らしいと私の中で感じられたことが良いことだと思う。基準が体感すぎてアレですが。

『妖怪バスター村上』12話

 最後の四天王がいきなり登場。ケンタウロスでした。そんな凶悪なイメージもないけど、よく考えたら今までの四天王もそうか。
 紅院強奪による追跡劇。思いの外アクションに溢れる戦いになりましたな。そして、チームがそれぞれ協力しながら勝利を掴む展開になってて意外なほどに王道だ。四天王、学園潜入のクライマックスらしさがある。
 そんなアクションの土台となる車(天狐)。村上がルール厳守人間としてあれこれ言うのが面白かった。自動車じゃないので免許はいらない、が道交法は厳守。守ってると追いつけないので緊急車両扱いでスピードアップ。緊急車両になったらさすがに自動車扱いなので免許が必要になってくると思うが、まぁそれはそれ。
 そして今週も紅院が男としての自覚を失っているので笑った。彼の活路はそっちしかないのか……。
 同時に村上の方も珍しく性的なニュアンスが出たのが、天狐への言葉責め。村上のキャラクターを考えればああいう言葉責めになるのは納得なんですが、さすがに天狐に対して厳しすぎるとも思う。おそらく天狐と紅院を天秤に掛けた結果なんじゃないかな。正確には予想されるそれぞれの被害を天秤に掛けた結果。
 ケンタウロス。下半身が馬なのに人間の女好きってどういうこと、というのはたしかに。この手の神話、よくある疑問。まぁ、自分の下半身に支配されてるわけじゃない女好きという意味では、ちょっと尊敬できるかもしれない。いや体とか関係ない女好きなら普通にダメか。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 9/14がファミリーカラオケの日なので、現連載陣のカラオケシーン特集。そもそもファミリーカラオケって何?
 唯一家族でカラオケしてたのが『夜桜さんち』。2つもあるので意外だった。やはりファミリーカラオケは大事なんかもしれない。ファミリーカラオケが何なのかは分からないが。
 他は友人たちと行くカラオケ。これが一番イメージしやすいですね。ただ、その中でも打ち上げ的なニュアンスがあったり、同窓会だったり、クリスマスイブにおける女子会だったり、オフ会だったりとバリエーションがあって面白い。
 珍しかったのが営業としてのカラオケだった『あかね』のまいける。そしてレンタル会議室として利用する『SAKAMOTO』のスラー一派。たしかに意外と幅があって面白いですね。カラオケ。フィクションの中のカラオケシーン、興味深いテーマかもしれない。

次号予告

 新連載その2。『アメノフル』コンビなのでひょっとしたら今期では一番想像しやすい作品かもしれない。楽しみです。私はまだ食べ物忍法で戦う可能性を諦めてない。

目次

川江先生にかっこいい技名のコツを伝授してもらった!…真似できるかは知らんけど。
(『キルアオ』)

 思わぬ2人の交流、良い。ベテランが若手に教わるというのも良い。実際は話し合ったくらいだと思うけど。

原稿1ページにかかる時間を1時間短縮出来るようになりました。デカい成長。
(『ひまてん!』)

 漫画家のスケジュールとか詳しくは知らないけど、めちゃくちゃデカそうな成長。毎週19時間浮くってことでしょ。1日平均2時間半ちょい。良すぎる。

愛読者アンケート

 新連載についてと、『魔入りました!入間くん』について。名前だけ知ってる。
 プレゼントページのダブルチャンスで今後欲しい賞品。私は金券が一番だと思うけど、ひょっとしたらもっとグッズっぽいものが欲しい人も多いのかもしれませんね。いろいろグッズやってるし。

総括

 比較的順調に終わりました。とはいえ、来週から三連休が続くので、そこでまたジャンプ記事を書く週のリズムがぶっ壊れてしまうんだろうなぁ……。

 今週のベスト作品。新連載。『魔男のイチ』。奇抜で分かりやすいフック(つまり女装)はさておき、普通に面白かった。
 次点だと『鵺』。投了を迫る鵺さんが本当に良かった。何2人だけの思い出に浸ってんだよ、という大人感。

 ベストコマ。『魔男』最初の狩り。トナカイ急襲するとこ。
 今週はベストコマ候補が多くて、先ほどと同様に『鵺』の囲碁の回想コマも良かったし、『カグラバチ』の死体整列の見開きも良かった。ネタ的に『ひまてん』謎のケツアップを選んでもよかった。充実しておる。真面目に良いコマを選んでしまった……。

 最後にベストキャラ。『鵺』の鵺さん。同じ話を三度繰り返してしまいますが、投了を迫るのと勝利宣言が良かった。
 次点は『キヨシくん』の棺。
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