北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

快楽天 2018年11月号の感想

 Komiflo登録して2ヶ月目に入りました。初月は無料なのでこれからが課金コンテンツということになります。金払うんだから好きに文句も言わせてもらう井筒スタイル……にはなりません。
gohomeclub.hatenablog.com

「表紙」みちきんぐ

 快楽天はカバーイラストとボツ案のラフスケッチも見れるのが良いですね。あと、描かれたキャラの紹介とコメント(キャラによるコメント)。
 みちきんぐ先生は表紙以外に1本フツーに載せてるんですが、読み終わって気づきましたが、この作品の人物紹介って作品のネタバレじゃんw まさか物語が彼女の正体が明らかになってオチがつく、という形なので「さっき読んだ!!」となりましたw まぁ、いいんだけどさ。
 表紙イラスト。キーとしてはチェリーをくわえてる点でしょうか。美少女とフルーツは鉄板!!でもあるんだろうけど、そうじゃなくてチェリーですね。貞操。女のことも意味するけど、まぁボーイのことでしょう。チェリーを食い物にしてる、ということでエロマンガ雑誌編集長としてふさわしいと思います(ネタバレ)。

『Passion sisters!!!』暫時

 フルカラー短編。姉妹アイドルがそれぞれグラビア撮影してる裏でもう片方がマネージャーと。取っ替え引っ替え感が楽しいですね。プロとして仕事してる場面も出るのでギャップも自然に出せますし。かなり秀逸なシチュエーションなのではないか。仕事が終わったから最後は2人同時に、というクライマックスに向けた盛り上がりもありますし。物語としてはほとんど情報量ないけど、展開としては起承転結がしっかりあって見事だと思います。当然のように2人の体型がバリエーション豊かで、みたいな面もバッチリですし。

『エッチの練習』八尋ぽち

 バイト先の先輩と付き合うようになり、初めて彼女の家に行き、しないと思ってたけどする。ポイントとしては “オレ…するなら結婚できる歳になってからだと思ってるから” ですね。やらない、がっつかない。めっちゃエロいこと考えてるけど、 “バレたら嫌われる” からこんなこと言ってしまう。可愛らしいですね。がっつかない方がモテる、といういかにも童貞チックな発想が最高です。初めての彼女だし、相手年上だし、でいろいろ意識しまくっちゃってるんですね。
 んで、タイトルの通り『エッチの練習』。彼の言い分があるのでエッチではない。挿入以外なら何でもアリかと思ったんですが、全部脱ぐのはNGというルールになるのが面白いです。生でエロいところに触れるのはアウト。服の上からというプレイ、主にフェラ及びクンニですけど、規制対策としてよく使われるものですよね。「形は分かるけど見えてないからセーフ」という欺瞞w ぶっちゃけリアルだと汚いとか考えちゃうんですが、フィクション上だとやはり独特の絵的な魅力あると思います。今回はお預け感でもあるんですが、物語的な転換「やっぱやろう」となった時にようやく性器解禁、となるのが最高ですよね。絵と物語の盛り上がりが完全に一致してる。それぞれ我慢できなくなったら相手の下着を脱がして(ずらして)、という相互のアクションになってるのも良かったです。先に彼女が我慢できなくなるので互いの下着を脱がして誘惑する、ではない。あくまでも彼が動くのを待つ。小さな描写ですけど、互いがやる気になったらキスするのも良いですね。
 物語としての意外性。実は彼女も初めてでした。彼女にとっても「練習」であったと。彼が家に来るのでめっちゃ意識してたのでノーブラだったんですね。誘惑でもあり準備。彼が我慢するしないの話だったのが、ここで一気に対等になり、互いの気持ちが相互通行になるのが感動的だと思います。んで、彼女がカミングアウトしたので彼もウソついたことを謝る。2人とも意識しすぎるあまり空回りしてて可愛いですね。

メメント・アモル』みちきんぐ

 上京したての主人公が、何者かに追われる少女と出会って。
 彼女の名前は東雲メメ……って表紙の人やないかーい!!ということでネタバレですねw
 子供に見えたけど実は……がオチ。子供だから助けたってのもあると思いますが、編集長だからドラマチックなものに弱い、という要素も絡んでくるのが面白かったです。助けてもらうのもそうだし、親の愛を受けずに育った境遇に過剰に反応し、やたら「愛」「物語」を連呼する。そして、親の愛を知らない彼に対して突然性的に迫り出す。 “私が仁さんの母になります” とか言い出すのもいかにもエロ漫画的な展開ですね。エロ漫画作ってる人だから仕方ない、という理屈。
 彼女は直情型というか、一気に盛り上がるタイプなので服もろくに脱がないままプレイ開始するのが良い。胸だけ出して、帽子も外さない。脱がないのでより授乳感あったと思います。んで、初めて彼が攻めに転じると帽子が外れてしまう、という絵の動きも最高です。ステージチェンジが絵にばっちり反映されてますね。
 んで、彼の方が盛り上がって挿入。彼女がすごい嫌がるんでレイプ的な感じになるかと思ったら、状況を物語的に解説してるので笑った。強いw
 そっからさらにツイストがあって。「ただやりたいだけだろ」と彼が見抜く。からの “バレちゃった?” が最高ですね。ここで彼のスイッチが再び入る。最後までやると決心。挿入以降、表面的には常に彼が攻めてるんですけど……ということですね。焚きつけたのは彼女だし、どうなるかも完全に予期した上で受け入れてる。てか、楽しんでる。
 彼としては年上の意地を見せてるつもりだったんだけど、彼女の正体を知ってエンド。実はすべてにおいて負けっぱなしでした。直前の『エッチの練習』ともテーマが似た内容で面白かったですね。年齢がキーになってくる。年下だから対等じゃないと思ってたけど実は対等だったのが『エッチの練習』で、年上だから格上だと勘違いしてたのが『メメント・アモル』。並びで読むとより面白いです。

服従リバーシブル』さめまんま

 映研の後輩の家に行くことになり……。細かく挙げてくとキリがないくらい、話の展開が丁寧で「○○だから××」が何重にも入り組んでるのが素晴らしいです。その細かいやりとりの間に登場人物の説明を済ませる……だけでなく伏線とかはってくるからスゴイ。いやマジでこれは傑作でしょ。
 S願望のある主人公は彼女を責めることが出来ると思ったら……でまず最初の転換。理想のMはなかなか見つからないから作ればいいって話なんですが、細かく読むと、ここで彼女のセリフは “最初から相性のイイ パートナーってなかなかいないの…” なんですよ。相手をMと決めつけてない。あくまでも「パートナー」。ここ、オチ知った後に見てゾクッとしました。
 ここから彼をMの快楽に目覚めさせようとプレイが始まるんですが、この最中がやたらと理屈っぽい。講義のように「Sとは」「Mとは」と語り倒す。よく考えたら彼をMに育て上げるんだったら「Mとは」の話だけでいいんですよね。これまた伏線だったわけで。やばっ。「M歓喜の展開ですなー」とか喜んでた初読時の自分がバカみたいだw
 中出しできると思ったら自分に顔射。屈辱的で最高なんですが、この後の “中に出したかったですか?” “…そしたら” のセリフにまたもやゾクゾクします。これ、最初は「奴隷になりなさい」みたいな意味だと思うじゃないですか。それが実は違うのかもよー??というオチが待ってる。
 んで、エピローグ。待ち合わせ時に彼女が読んでいた本、そして、彼女が常にしていた首輪のようなチョーカーという伏線を鮮やかに回収してエンド。そして『服従リバーシブル』というタイトルを改めて読むとすべての印象がガラッと反転しますね。すごい……
 最初読み終えた時は、彼女は実はM希望だったのかー!!と思ったんですよ。ただ、タイトルが『リバーシブル』ということを考えるとそう単純なものではないのかもしれませんね。互いにSもMもいける理想のSM関係を求めてる、とか。もしくは、SとMが逆転する、変化するのが好き。
 読み返してみると、彼を家にあげた時に “私…人をみるのが好きで…自分の言動ひとつで人の心や身体を変えてあげられるんだって思ったら…嬉しくて” とある。これが限りなく真相に近いんじゃないですかね。自分がSだと思ってた彼をMに叩き落とし、そっからより優れたSになって返ってくる、という変化を望んでる……とか。読んでる最中はくっそエロいし、読み終わったらアレコレ考えたくなる。最高じゃないか。
 てか、作者がツイッターで続編の構想があると言っていますね。楽しみ……。
 ただ、続編やるとしたら彼女がMに回る展開が不可避だと思うんですよね。そうか……続きは見たいけどエロ的には今回のが好みかもな……(彼女のS性にホレたので)

『よばい』かるま龍狼

 彼女に夜這いかけて挿入したと思ったら彼女の妹で。笑った。1ページ目で女性の妙に冷静なリアクションに違和感あったんですが、ひどいミスだw
 本作の魅力はやっぱ間違われた妹の妙に冷静なリアクションにあると思うんですよ。淡々としてるというか、感情が高ぶらない。怒りもしないし、「実は前から好きでした」みたいなドラマもない。ないんだけど、とにかく身体の相性が最高で……というのが良い。感情的な高まりとは互いにない、どころか彼はこの後本命の彼女に再び夜這いをかけようとしてる。諦めてなくて笑いました。この子、強い。とにかく頭は冷めてるんだけど、今ここにある快楽にだけどうしても勝てない。2人ともハマってるってのが良いですね。
 ページ数も短く、味も素っ気もないセックスが2回繰り返されるだけ、どちらも挿入が事故なんですが、その味も素っ気もないのをちゃんと作品に組み込めてるのが見事ですね。即物的な気持ちよさの前にすべてが屈してしまう。

『姫と僕』もじゃりん

 タイトルに添えられてるアオリ? 英題??が最高でして、「Beauty & Debu & Love」。まさかのデブ要素で笑ったんだけど、本編読んだら、案外デブが物語のキーになってる気がしてきました。
 風邪ひいたデブの元にオタサーの姫がやってくる。姫が実はデブのこと好きであまやかしてくれるし、やってくれる、とこの上なく都合よくて、「エロマンガかくあるべし」という勢いすら感じます。ただ、ちょっと気になったのが「デブ」と「触る」というアクション。
 オタサーの日常が描かれるんですが、ここでかなり気持ち悪いのが姫の肩を揉んでるメガネ。あのオタクコミュニティーにあんな可愛い子いたら意識しちゃうのも分かるし、好かれたくてアレコレしちゃうのも分かりますよ。むしろその不器用さは愛おしくもあるんですが、肩揉みはちょっと違うじゃん。好かれたいよりは触りたいという願望モロに出しすぎじゃん。
 そんなことを思ってると、姫の方から「触る」人物が現れる。それが主人公のデブなんですね。サークル各人の良いところを言って回るんですが主人公の時だけ、 “特になしっ …しいて言うならデブな所!? プニプニしてんじゃん?” と贅肉をタッチ。デブいじりだと思ったけど、気持ち悪い対象に自ら触りに行くだろうか。さらに言うと、このサークルには他にデブいるんですよ。他にいるのがショックでもあるんですが、ひょっとしたら特別なデブだったのかも……後になると思えてくる。
 彼が初めてやる気を出して彼女を押し倒した際、彼女がぷにぷにと触るんですね。マウントの取り返しにも思えますが、そうではなくて、その直後彼女は自分の胸を “小さいけどちょっとはぷにぷにしてるでしょ…?” と来る。めっちゃ優しくてエロいやん……と泣きそうになりますが、彼女にとって「ぷにぷに」は特別な何かなのかも?と思えてきます。あと、この場面面白いというか意地悪なのが、デブの腹を触る時の擬音は「ぷにっ」なんだけど、彼女の胸を触る時は「ふにっ」。同じ音にしたれよw 作者のこだわりを感じます。
 まぁ、とにかく家にやってきた姫が優しくてですね。あまりに都合がいいので「どうせ姫だから他の男ともやってるんだろ??」とか考えてしまいました。被害妄想というか、ホントにそうだった時につらすぎるので予防線w そしたら違うので逆にビックリですよ。マジで好きだったのかよ。そんなことがあっていいのか。
 彼女のファッション三段活用。オタサーでの日常、家に来た時、付き合うことになってオタサーに行く最後の場面。それぞれで彼女の着てる格好というのが徐々に大人しくなっていってるように思います。めっちゃ姫っぽい格好だったのが大人しくなっていく。分かりやすいのが頭部。大きく飛び出たカチューシャが小さなリボンになり、最後はただの髪留めになる。徐々に姫をやめてくのが現れてますね。

『おっぱいと芸術と』きづかかずき

 美術部の先生のおっぱいがすごい。
 これ、掲載順マジックが面白くてですね。まさかの姫ちゃん先生。姫が連続。しかも、今度は姫のおっぱいがぷにぷにですよw
 ということで、とにかくおっぱい。最初から最後までおっぱい。一応挿入もしますが、挿入後の各展開がそれぞれおっぱい。まず、先生が挿入を許すコマ、恥ずかしくて顔を隠してるので必然的にコマの主役がおっぱい。挿入後、焦る主人公のことを優しく諭す時に、主人公の手をおっぱいに向ける。これがきっかけで主人公は再び暴走。その後もおっぱい触るし、おっぱいが強調されるポーズ取るし、とおっぱい尽くし。ここまで突き詰められるのか……と感動しました。そりゃおっぱいは大好きですけど、おっぱい愛まだまだ足りてなかったな、と痛感したというか。
 あと、特徴的なのは、ブラジャー。本作にはブラが存在しないんですよ。ノーブラな件にも言及しない。これはおっぱいが好きすぎて、おっぱいが見れる、服で隠れるというシンプルな2択にしたあったんでしょうね。100か0か。愚直なおっぱい愛の表現なんだと思います。それが一番際立ってたのが先生がついにおっぱいを見せてくれる場面。脱ぐ時に後ろ向かせるですよ。んで、振り返ったら脱ぎ終わってておっぱいがコンニチハ。脱ぐ過程がゼロです。かなり異質な方法だと思います。とにかくおっぱいが「ある」「ない」の2択なんですよね。オンオフの両極端しかない。おっぱい漫画としての本気を感じる……

『sisters×change!』雛原えみ

 清楚で真面目だと思ってた彼女の恋愛観が狂ってて。変な寝取られよりショックかもしれないw 頼むからやる前に説明して……
 んで、ギャルだと思った彼女の姉が同じタイミングでフラれて、彼女は逆に男は一筋派だったので……とガラッと話が変わる。ヤケクソ感もありつつ、年上に慰められる感じもあり、ギャルが優しいという意外性もあって、といろいろ要素がぶっ込まれてるのが楽しいですね。よく考えたら童貞卒業したばかりの主人公にとってギャル姉は経験豊富で、というのも良い。
 年上に慰めてもらったと思ってたけど、失恋したらすぐに違う男に手を出すのはいつものことで……とオチがつく。ホレっぽくて一筋派ってひょっとして重いのかもしれませんね。妹の男女間はドライすぎておかしいけど、姉は姉で逆の方に極端なのかもしれません。まぁ、あんなことあったら好きになっちゃいますけど……と結果オーライと思ったら、恋人の家に行く度に元カノと遭遇する地獄、というさらなるオチ。これは笑った。確かにこの状況でつらいのは主人公だけだw

『チン☆コレ』mogg

 全男子生徒を制覇しようとする話。柔道部、剣道部、応援部と最後の3人を集めるんですんで、ちゃんと相手の土俵に立つのが面白いですね。それぞれの状況にあわせたエロで迫るのがギャグっぽくもあって楽しいです。正々堂々感がありますね。やってることはビッチなんだけど、ちょっと同情破り的な潔さも感じてしまうというかw
 最初の2人に対しては主人公が一方的に攻め倒す。あの手この手で迫って陥落させていく様が楽しいんですが、3人目が意外な展開。まさかのセリフなしなので彼については全然分からないんですが、まさかの性豪。そっちの意味で苦戦するってのが面白いですね。ラスボス感あります。
 んで、秀逸なのはラスト。チンコレをコンプリートした彼女が次に目指すのは……という。今までに印象的にチンコレノートが出てきたんですが、最後に彼女が持つのが職員名簿ってのが最高ですね。うまいことやられた感がハンパない。ちょっと悔しくなるくらいにヒザポン。

『白石さん-後編-』こっぽり生ビール

 当然続き物なんですが、この作者「○○さん」でいくつも作ってるんですね。すごい統一性だ。なかなかそこまでシンプルに思い切れない。しかもギャグ調の作品じゃないですからね。むしろシリアス。ただ、無駄な情報は極力削る、という方向性はタイトルと内容が一致してるかもしれませんね。『白石さん』はホント多くを語らない作品なので。
 話としては、義妹とやっちゃう話。身も蓋もなく言っちゃえばそれだけなんだけど、そこにどうプラスアルファをつけていくかですよね。めちゃくちゃセリフの少ない作品なので逆に2人の心情を読み取りたくなるし、ちょっとしたセリフや仕草の重みが違ってくる。
 かつて義妹を襲ってしまった兄が、義父が倒れたことをきっかけに返ってきて再び一線を越えてしまう……のが前作のラスト。てか、前作がマジすごい。やらない。やらないのアリなんですね。ビックリしちゃいました。これをやろうとする作者もすごいし、採用する快楽天もすごい。
 んで、後編。とりあえず期待するのは義妹とのセックスなんですが、『後編』の時点では既に再び日常化してるんですよね。数年の時を越えてついに……という前作ラストの続きは描かない。マジか。すごいよ。
 帰ってはきたが、義父に会うことは出来ず、ただただ義妹と繰り返す日々。何かが良くなるわけでもないんだけど、そのストレスでまた抱いてしまう。負のルーティン。義妹は抱いたことないですけど、この手の堕落感はめちゃくちゃ身に覚えあります。説得力がすごい。
 んで、兄が少しだけ語り出す。 “もっと嫌そうにしたら?” で始まるんですが、嫌だと言ってほしいし、何なら拒絶してほしい、怒ってほしいみたいな気持ちもありますよね。「なんで受け入れるんだよ」みたいな。それでも “嫌じゃないもん” と帰ってくるので、切り札としてあの日襲った真相を語る。ここ、言葉による情報が少ない本作において最も重要な場面ですね。これには義妹も動揺を隠せないんだけど、それでも一線を越えて迫ってくる。ここでようやく2人は本音で語り合い、互いに気持ちの整理がついたのでしょう。セックスの最後に “もう…イクぞ陽葉” と相手のことを思うようなセリフを吐くのがグッときます。やっと、ようやく一歩踏み出せたかと。ようやく抜け出せたのかと。ここでやっと2人の関係は対等になるんだけど、対等になって良かったのか?という疑問は残るんですが、そんなことは2人とも百も承知ですね。
 んで、やっと義父に会えるようになってエンド。本格的に戻ることを報告するんだけど、義父の退院予定も伝えられるのが印象的ですね。義妹との2人だけの時間はあと1週間で終わる。そんな義父は廊下で待機していて……というのを見せるのがニクいなぁ。うまいですねぇ。
 最後にタイトル『白石さん』ですよ。これがさぁ、単にヒロインとか主要人物の名前なだけじゃないんですよね。主人公が白石家との因縁に踏ん切りをつけ、彼が「白石さん」になるまでの物語だったわけで。こんなシンプルなタイトルで感動できるってすごい。

『誘惑!? 困惑!? TPO』いとうえい

 積極的すぎる彼女に翻弄され続ける。マジで翻弄されるだけで終わる。ちょっとLINE風のアプリがキーになってるのは特徴的ですね。LINEという2人だけの空間を利用して彼女がいかに誘惑してくるか。
 2人のパワーバランスは完全に彼女が上で、常に彼女が翻弄、リードするのでジャンルモノとしては安心して読むことが出来るんですが、決してSM関係ではないってのが本作のポイントですね。結果的にひどいことをされてるのは結果的には彼女の方です。パンツの中に出すんですが、これは珍しく彼の方から希望してきた変態行為ですね。彼女はそのことが嬉しくて仕方なく、そのためそっち方面にどんどん加速していってしまう。そのことを写真に撮ってLINEで送るってのも、誘惑もそうですが証拠としての側面が大きいんじゃないですかね。男の方は賢者タイムとかあるんでまた印象違うと思いますけど、「これだけ求めてくれた」という証拠としてのあの写真。
 んで、ラスト。再びパンツネタで終わるんだけど、同じパンツでも精子の出所が全然違う……っていう驚きですね。よくもまぁそんなアイディア思い浮かぶよなぁ、と感心してしまいます。

異世界はこう抜く』F4U

 ショート連載の6話目。めちゃくちゃ面白いですね。エロ漫画雑誌の連載としてこんなにふさわしいというか、これほど理想的な作品もなかなかなかろうに……という感動がありました。お題&答えというアイディア勝負で終わるのでシンプルで読みやすく、箸休め的な効果があるんだけど、話の内容としてはエロ。すごいですね。エロ漫画雑誌すげぇ、と感動してしまった。
 人間の少女が異世界でファンタジー生物たちを抜きまくる。知識と知恵で抜きまくります。彼女はエロいことをしてくれるけど、彼女がエロいことにはならない。要するに脱がない。
 んで、今回のお題というかお客はミミック。ザーメンで満タンのミミック相手にどうするのか、という。答えは精飲。かなり正攻法ですね。過去の中でもそのまんまな方法だと思います。アイディア的なオモシロよりも、彼女の覚悟、技術、頼もしさに重きが置かれた回と言えるでしょう。6回も連載やってると変わってきますね。
 あと、ボーイさんの出番が如実に増えてる。マーマンのプロレス回もそうでしたが、ボーイさんの出番が増えて、キャラが立ってきてる。ボーイさんで抜いた男性読者もいるそうですが、魅力的なキャラクターという意味では同意です。さすがに抜きませんがw
 んで、ラストのラーメン屋ネタも面白かったですね。ザーメンだけに。

『家出娘の巣~オフパコ勝利者配当式~』西安

 連載ですね。前回連載と気づかずに感想書いちゃったけど、ゴリッゴリに続き物でした。しかも、続き物の途中、間。申し訳ないことをしました。今回はちゃんと過去分も読みましたので大丈夫です。
 『家出娘の巣』というシリーズがあり、家出娘を捕まえてアレコレする内容。素性も知らない子だからドラマとかなく、ただ純粋にエロいこと出来る、というのがコンセプトなのかな。ただ、2話目で登場キャラが変わり、エロ動画配信の話になり、それが続く。その3本目が本作ですね。2話目でオフパコをかけた告知があったんですが、今回はその直接的な続き。
 本作はフルカラーでショート。4ページ。話の内容としては言わなくても分かるでしょ??という感じでひたすらやって終わる。ただエロいこと出来ればいいよね、という露悪的なところが本シリーズの魅力だと思うんですが、2話目からの続きはそれがより際立ってますね。1話目は家出娘を拾ってエロいことする男が実は甲斐甲斐しい一面もあって慕われてさえいる、という奇妙な魅力あったんですが、2話目からの配信ネタはより純度が増した感あります。ぶっちゃけ1話目は同じシリーズに入れなくてもいい気がするレベル。
 とにかくエロ純度がどんどん高まってるシリーズが行き着くとこまで行ったな、という感じが本作。フルカラーでお祭り感もあり、完結になるのかしら。少なくともエロ配信の話はこれで終わるんじゃないかな。続くとしても『家出娘の巣』として別のキャラたちによる話になるのでしょう。それはそれで興味あります。

『思秋期の薬』藤丸

 思わずタイトル打ち間違えそうになったんですが「思春期」ではなく「思秋期」。初めて聞いた言葉だったんですが、思春期と対になる言葉として使われてるそうです。要するに性に目覚める思春期に対して、性が衰えていく思秋期。主に中年のことらしいですが、本作では生殖機能の低下という意味で使われてますね。思秋期ね。はえー、勉強になった。
 内容としては、産ませられない男と産めない女、2人とも科学者だったので、コンビを組んで生殖機能の回復を目指すプロジェクトに参加する。 “俺達は定期的に性交渉をした 別段愛し合ってはいない” という印象的すぎるフレーズで本作は始まるんですが、よーく見てみると、2人の表情には違いがあって、男は無表情だけど女は快楽を感じてる。その後も、ちょっとした所作、仕草、表情によって彼女には愛があるんじゃないのか??というのが描かれるのがもう最ッ高ですね!!(大好物)
 そんな2人の物語が、男目線で語られるんですよ。モノローグでは「彼女がなに考えてるか分からない」とか言うんですが、漫画を読んでる側からしたら「めっちゃ嬉しそうな顔してるやんけ!!!」と叫びたくなる。ああああ、もどかしい!! そして、彼女がいじらしくて最高。
 愛があれば子供が出来る……なんて子供じみた結論にはならず、コンビは解消。しかし……ということでエンド。ああ、もう最高じゃないか。うまいことやりやがったな。完全に男目線の物語に徹することで、逆説的に彼女の心情が浮き彫りになる、という特殊な構成。これはやられたわ。めちゃくちゃうまい。読んでてここまでキュンキュンしちゃう作品はなかなかないです。やるなぁ、チクショウ。

『こうゆうカンケイ』いーむす・アキ

 当たり前ですが「交友関係」と「like thisな関係」をかけてますね。うまい。
 暑くて暇で “オナろっかな~” と1ページ目から言い出すので、ドエロい女の子に翻弄される話かと思ったら……ですよ。ベランダ越しに男に話しかけるという幼馴染ベタみたいなことになったら、突然フェラ。何の感慨もなく。この当然のように、というのが本作の味噌ですね。完全な日常となってしまってる2人のエロ。
 そのままコンビニに買い出しに行くんだけど、その時もエロは欠かさなくて……まではいい。まだ分かる。家に帰るまで我慢できずに、もまだ分かる。帰る直前に。 “そういや最近彼氏とはどうなの?” というセリフが出てくる。ここで「お前ら付き合ってなかったんかーい!!」ですねw そうこうしてると、 “彼女さんに悪いかな…” 。どっちもどっち。ここまで来てようやくこの2人の異常性に気づく、という構成が非常に面白いです。セリフとしても、展開もしてもめちゃくちゃ小さいんですよね。小さいからこそ二度見してしまうような衝撃がある。異常が当たり前になってる2人の日常ってことですね。これはやられたなぁ。ひたすらエロいことやり続ける読切ではあるんだけど、途中にしっかり仕掛けというか、ボムが設置してある。

『僕の上司は』ディビ

 ケモい上司が発情期で、一緒にエレベーターに閉じ込められる。タイトルロゴの語尾が尻尾になってるのしゃれてますね。
 内容としては本当にシンプルで、コトが始まったらセリフも展開もなくやりまくるだけなんですが、そこまで丁寧。セックスに5ページかけてますけど、セックスが始まるまでに7ページ。助走をとにかく丁寧に取りましたね。めちゃくちゃ効果的だったと思います。
 密室なので匂いがヤバイ、というのがケモらしさであり、知らないけど納得してしまうような説得力あったと思います。普段なら耐えられるけど密室だと、という。とにかく耐える、耐えることで彼女の誠意は見せるんだけど、男の方がエロいことを考えてるのが匂いでバレてしまって我慢の限界。もちろん、彼女が言い訳を見繕っただけとも取れるんですが、彼の方にも非はあった、彼も彼女のことを求めていた、というのを静かに提示してるのがうまいですね。そもそも、何も知らされてない彼が彼女が発情期だと気づけた時点で、彼女への関心が暗に描かれてるんですよね。そういう細かい積み重ねが効いてます。
 それと、面白かったのは、エレベーターが止まった原因。暴風雨による停電なんですが(妙にタイムリーですね)、天気の描写が定期的に差し込まれるのが最高なんですよ。本編1ページ目、1コマ目から天気のコマで、ここではただの雨。2人がエレベーターに入り停電になる雨が強まっていき、匂いがヤバイという説明のところでいよいよ豪雨。そしてついに我慢の限界に達したところで雷が「カッ!!」ですよ。良い。こういうの良い。当然ですが、空模様が彼女の性的興奮とリンクしてるんですね。こういうベタなんだけど、王道、正攻法な演出できる作品好きです。最高です。
 あと、特徴的なのは、我慢の限界を迎えてから一気にセックスに飛躍する展開。雷が鳴るコマを境に一気に飛びます。服を脱ぐ描写とかゼロです。雷が鳴ったらもう脱いでるし、挿入してる。あとはもうやりまくるだけ。面白かったのは、途中で正常位があるんですが、下にいるはずの女性が完全に支配してるんですよね。こんな正常位、初めて見たかもしれない。正常位って男が上だから男性主体、もしくは男女が対等な体位として描かれることがほとんどだと思うんですが、本作では女性が完全に支配する正常位。こんなんあるんですね。だいしゅきホールドとかありますけど、それとはまたひと味違った正常位だったと思います。

『おあずけニャンニャン』SAVAN

 『終末のハーレム ファンタジア』読んでます。好きです。
 合宿帰りの恋人と久しぶりに会って、やりまくる。これ、極端ですごいです。とにかく恋人同士がイチャイチャとやりまくってるだけで終わる。ここまで突き抜けた作品はなかなかありませんでしたよ。物語も展開も特にナシ。久しぶりで興奮してる彼女がやりまくる。ページ数見て驚いたんですが、20ページあるんですね。そこそこのストーリーの読切できますよ。それをここまで恋人のイチャイチャだけに徹してやりきったのはスゴイ。エロ漫画の極北を見たというか、他の作品はむしろ変にストーリー要素がんばりすぎだったんですね……とか思えてくるレベル。いや、実際のところは、イチャイチャだけで終わらせるのが難しいのでストーリーを用意するんだと思います。
 当たり前ですけど、イチャイチャだけの中にも展開はあるんですよ。起承転結もあります。シャワーを浴びる、彼女がエロ水着で迫る、彼が乗り気になる、彼女がイッてしまう、彼が特殊プレイを始める、やっとフェラチオ、そして挿入へ。
 ずっとエロいことしてるんですが、フェラチオまで長い!! 改めて展開を読み返してみて笑った。すごい、ただイチャイチャとエロいことを繰り返す描写がめちゃくちゃ長い。フツーの作品だったらとっとと始めてるであろうフェラまでとにかく長い。間に彼女1回イッちゃってる。すごいなぁ。男女がエロいことするだけでこんだけ場が持つというか、いくらでも延ばせるんですね。とにかく、ただ、ただただ、ひたすらエロいことし続けるだけで他の要素が限りなくゼロな作品なんですけど、ここまでエロ純度を高められるとは。エロ漫画の自由さというか、可能性を広げられたような感覚すらあります。

『ちいさなむなさわぎ』いちまつ

 扉がある作品は良いぞ。個人的に扉好きです。律儀に用意してくれると好感。そんな扉がしっかり良い仕事するんですよねぇ。開始1ページ目で、友達関係が強すぎて「男友達」とすら呼ばれてしまう彼女の「女」の姿が扉として突然差し込まれる。そしてタイトル『ちいさなむなさわぎ』ですよ。良いなぁ、やっぱ扉だよなぁ。扉は芸術。
 とにかく友達関係だけど実は意識してる男女という甘酸っぱいシチュエーション……と思ったらマジか!! 陵辱とか聞いてねぇぞw オッサンたちどこから湧いてきたし。
 面白いのはコマ割りで、挿入と同時に見開きになるのが圧巻なんですが、そこから責め立てられた彼女が諦めの境地に達すると、コマ割りがなくなる。枠線のない複数の絵が乱立するページになる。順番とか分からないし、そもそも、それぞれが絵として把握しづらいくらい入り乱れてる。それが彼女にとっての認識なんですよね。酒も入れられ、混乱しかない状況に追い込まれ、何も分からず、唯一分かるのは快楽だけ……というのをコマ割りの放棄によって演出してるのが見事だったと思います。めちゃくちゃハマってますよね。漫画の中でもエロ漫画にはエロ漫画なりの方法論が熟成されてるんだなぁ、とマジで感心してしまいました。酩酊表現としてめちゃくちゃうまいと思います。

『YOUR DREAM×MY DREAM』ヨイコノtt

 VR風俗!! 良いっすねぇ。VRマッサージとかは既に実現してるらしいですけど、こういうのもあるかもなぁ、と思える説得力が良い。
 細かい内容としては、嬢をキャラメイクする。本編では語られないけど、おそらく自分のキャラメイクもする。個人的な話、キャラメイクで自分好みのキャラを作るの苦手なので、あんま憧れないんですが、そういう人は芸能人とか版権キャラを再現することになるんだろうなぁ。権利的にアウトだけど、風俗店だったらやりそう。
 ただ、本作の設定だと、キャラメイクは見た目のみなので、声は嬢の地声。この不完全なSF設定が本作において味噌で、それが物語的な結末につながってくる、というのがめちゃくちゃ面白いです。リアルでのVチューバーとかを考えると声も対応可能になる気もするんですが、本作のオチは好きなので全然アリ。
 自分でキャラメイクした3Dキャラはもちろん魅力的で、理想の相手ではあるんだけど、実際にサービスしてくれたのは当然嬢であり、その声は嬢のリアルそのもの……というのが本作のオチであり、タイトルになってるんですね。いやぁ、良いっすね。うまいよ。めちゃくちゃ感動的ですよ。男のセックスファンタジーを描いてるようだけど、最後の最後にはしっかり感動もありますよ。設定のオモシロがめちゃくちゃあるので「俺だったら……」とつい妄想してしまう魅力があるんですが、そっからしっかり物語的な魅力も別に用意しているからスゴイ。

『その女、ふしだらにつき』ICHIGAIN

 シンプルに青姦する話なんですが、土台作りが丁寧でして。自宅で働きづめだったヒロインが “シャバの空気が吸いた~い” と公園に行くんですが、実は真っ昼間で子供たちが遊んでる。部屋暗いから夜だと思っちゃいましたよ。ここがまず意外でまず楽しいんだけど、「公園」「昼間」「人がいる」という情報を違和感なく、印象的に強調してるんですよね。ズボラなのでパンツ姿のまま出かけようとするのを止められるギャグ的な描写ありましたけど、あれもビフォアのパンツを見せておく意味があります。うまい。短めで、ひたすら青姦する話に見えるけど、他の部分が短くなるよう工夫されてる。
 公園というロケーションは固定だけど、公園の中を何ヶ所か移動するのも楽しい。ゲームじゃないけど、ステージ分けされてるんですよね。段々と公園の奥に入っていき、当然プレイ内容も激しくなっていく。
 んで、第3ステージ。人にバレそうになるので岩の陰に隠れる。もはやステルスゲーですよ。そこで、彼女がシャツを脱いで岩にかけるという愚考に走る。隠れる気ねぇのかよw それと同時に「エロ下着の上どうなってるのか見てなかった」という衝撃も入ってくるから楽しいですね。
 バレる。場所は移動しないけどある意味で第4ステージだと思います。完全に周囲のことを考えなくなった2人だけの空間、という意味で。バレることをきっかけに彼の方が暴走するんですね。彼女はわざとバレるようにしたんですが、最初は「見られたいじゃら」だと思いました。ただ、ひょっとしたら「彼のタガを外したいから」だったのかもしれませんね。彼は優しくて理想的だと思いますが、優しすぎて物足りない、とか感じてるのかも。

『YUA NAKED LIFE』アシオミマサト

 続編というかシリーズモノ。4作目かな。『トゥルーマンショー』のエロ版という感じですね。生活がすべて生中継されていて、周囲の人は全員仕掛け人。すべて筒抜けなんだけど、バレないようにみんなが協力しあう感じは『サトラレ』っぽくもあるかもしれません。
 そもそもこの設定、世界に無数の「絶対にバレないカメラ」が存在していて、好きなアングルから覗ける、という構造、完全にエロ漫画そのものですね。エロ漫画をメタ的に、批評的に描いた作品とも言える。「トイレのシーンは意外といいねが多いんですよー」みたいな話が出てきますが、エロ漫画だったら「○○の場面で抜きました」みたいなファンレターが当てはまりますね。射精の場面で視聴者のチンコが無数に重なる演出ありますけど、あれも読者のメタファーってことになりますw
 んで、今回。対象が男性という変わり種の回もあって面白かったんですが、今回はコスプレイヤーインパクトとしてはどうしても劣るんですが、そもそもコスプレイヤーというのがエロ漫画において1つのジャンルになってますよね。たぶん。「NAKED LIFE」シリーズではあるんだけど、その中で別ジャンルにも手を出してる回と言えるでしょう。シリーズの設定を楽しむ要素もありつつ、一般エロ漫画の良さも取り込もう、みたいな。設定のオモシロを掘り下げる意味ではやっぱ男性の回でやりきっちゃった感あると思いますし、うまいことやってきたなと思います。
 面白かったのはオチで、冒頭にあった「徹夜で仕事かと思ったら衣装作り」というネタを恋人相手に再現する。うまいっすね。んで、このうまさは「NAKED LIFE」シリーズとは全然関係ないものであるので、やっぱ本作は一般的なエロ漫画に寄せた作品になってると言えると思います。まぁ、ガッカリ展開に対して、司会者と視聴者がリアクションしてくれるのがギャグ的な担保としてめちゃくちゃ面白いんですけど。
 本シリーズ、地味に秀逸なのがこの司会者と視聴者の描写で、あまり出しゃばらない。出しゃばらないけど、良い案配で印象に残るようにはなってて。うまいこと言ったりするし、読者の声を代弁してくれるような気持ちよさもある。

『きみのはじめて』江口ジョーズ

 バイト先の痴女先輩と一夜を共にすることになったと思ったら。タイトルが引っかけで、実は彼女の方も「はじめて」でしたー、というのが本作最大の魅力……なんだけど、それ『エッチの練習』で見たばっかだよ!! 笑った。もちろん、同じ状況だからこそ細かい違いが際立って両作品がより楽しめる、って側面もありますね。とはいえ、この2作の掲載位置を遠ざけたのは編集部の優しさだと思いますw
 本作で圧巻だったのは、彼女のカミングアウト前後で彼女の顔が別人のように見えたところ。クレショフ効果すごいですね。まぁ、彼女の表情や彼との距離、セリフによって印象を作為的に変えてるってのはおそらくあるんでしょうが。てか、漫画だから絵として描き方が違う……とはあるのかもしれない(素人なので分かりません)。こんなに短い期間で同じ人物のまったく別の顔を見たことに驚きですし、このために漫画読んでる、物語を読んでると言っても過言ではないです。印象の反転、大好物なんですよねぇ。
 それと同じで、「同じものが別物に見える」。もう一つあって、おっぱい。エロセーターを脱がずにブラだけ外す場面最高でしたね。胸元が大胆にあいてるから、そこから飛び出るブラがめちゃくちゃエロい。そんで、外した後の胸ですよ。乳首の突起は明確に違いますけど、基本的にはブラ着用時との違いなんてないじゃないですか。見てる側が「実は○○」というのを知ってるだけで。この真相を知ってるだけで目の前のものが違って見える、という体験がたまらなく面白いし、その対象がおっぱいだとエロいです。冒頭1ページ目でもおっぱいが強調されたカットはあったし、あの時も充分エロかったんだけど、今回のはもっとエロい。「やわらかそう!」と勝手に補完してしまいますね。クレショフ効果……恐ろしい……
 カミングアウト直前に「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」と五感を刺激される描写入るじゃないですか。あれ結構印象的というか、変に目立ってるので、「ははーん……さてはこの後ペロペロで味覚だな?」とか思ってたんですが、違ったw 彼女にとっても初めてなので、当然彼女にとっての五感ネタが出てくる。それが、 “大事な初めての痛みなんですから…っ” 。痛みか!! そう来たかよチクショウ。その後にはやたら「温度」を強調してきましたね。それが彼女にとっての初めての五感。うますぎてちょっとエロい気持ちが吹き飛びましたw

『リターントレーナー』秋谷昭

 格闘家の主人公が1年ぶりに弟子の元に帰ったら、弟子は修行をサボっていてぷにぷに。女性の腹筋も好きなので少し期待しちゃいましたが、その分ギャップで爆笑しました。ぷにぷにも好きです。
 てか、アオリがすごい。「柔よく剛をSEX」ですよ。音も近いし、意味も通るし、その意味が本作と完全に一致。めちゃくちゃうまいんだけど、下らないので感心しながら笑ってしまった。
 彼女の絵的なビフォーアフターを見せるためってのが第一の理由なんでしょうが、彼女が同じ服を着てるってのがいいですね。通販の話が出てきたので別の服になっててもおかしくないんですが。彼女なりの後ろめたさというか「まだそんなに変わってない大丈夫」と自分をごまかしてる感じとか、「明日から修行すればすぐ戻るし」みたいな気持ちがあるのかなぁ、とか考えると楽しいです。もちろん単純にむちむちチャイナ服が最高に可愛いってのもありますが。
 師弟の関係なんですが、男女で年齢差あるのでどうしても父子のようにも見えますよね。彼女のあまえてくる感じとか娘がおねだりしてくるような魔力あると思います。 “許されそうですか あたし…” のところとか、めちゃくちゃだらしなくてあまりの酷さに笑いそうになるんだけど、同時にやっぱ可愛いですよね。
 あと、個人的に好きだったのは射精の瞬間のコマ。師匠の左腕がアーチ状になって、その中から彼女の体と顔を見える構図が最高でした。ちょっとした額縁感ありますね。師匠のムキムキと弟子のムチムチがうまい具合に1コマに収まってたと思います。

『こうそくいはん』YUG

 カラーイラストコーナー。前回スルーしちゃった。
 1/1スケールの美少女フィギュアなんだけど、どう見ても中身生きてる。ロリへのホメ言葉として「お人形みたいで可愛い」があると思いますが、それを直接的に表現したらこうなりますねw ひでぇんだけど、アイディア好き。

読者コーナー

 コミフロ生活2ヶ月目なので読者コーナーの感想をリアルに楽しめる!!と思ってたんですが、読者コーナーで掲載されるのって前号じゃなくて前々号なのですね。みんな知らない感想を言ってるので「記憶障害?」とか心配になってしまった。くそぅ、来月からが本番か……
 バックナンバー読めよって話なんですけど、バックナンバーは一番古いところから順に読んでて、それを消化するのだけでも一苦労なんですよね。先日もゼロス快楽天の発売が連続したので「消される分早く読まなきゃ!」と焦りました。
 読者投稿に対する担当のリアクション、ひょっとしたら快楽天が一番好きかもしれないです。たまに関係ないオモシロ話を始める人もいるんですが、ここの人はちゃんと投稿を受けての話になって、それを広げる形になっててとても良いと思います。まぁ、話の内容チンプンカンプンなんですけどw
 ミニコーナーも面白いですよね。作家が駆り出されてて豪華だし、感想投稿をラブレター風に載せるのも面白い。個人的には新刊コミックの紹介をかなり長めに載ってるとこ。やっぱプロによるエロ漫画評(ってほどでっはないが)は読んでて楽しいです。

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 アンケート出してあげてください。快楽天はキーワードがなくて送れるのでコミフロ派に優しい。大好き。(プレゼント抽選は無理です)
 面白かった3本。今号は『服従リバーシブル』が断トツですね。『思秋期の薬』が次くらいで。3つ目は、悩むけど『メメント・アモル』。
 聞かれてないけど、次点としては、『エッチの練習』『姫と僕』『おっぱいと芸術と』『おあずけニャンニャン』『きみのはじめて』あたりかな。
 つまらなかった作品。なしです。

 終わり。ゼロスとの連チャンちょっと大変でした。「更新遅くするか?」とか迷ってたんですが『服従リバーシブル』読んだら一気にテンション上がってそのまま書きました。
 こんな分かりやすい天才いるのかよ……と震えながら過去作漁ったんですが、意外と普通。悪い意味じゃなくて、作風が全然違う。ただ、エロの路線としては好みなので良かったです。続編読むまでコミフロ契約を切るわけにはいかない。

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