荒川アンダー ザ ブリッジ VOL.1【数量限定生産版】 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: キングレコード
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荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ VOL.1(初回限定版) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: キングレコード
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友人にすすめられてアニメ『荒川アンダーザブリッジ』を観ました。
結論からいうとおもしろかったです。ケツ上がりに段々とハマっていきました。ギャグモノはツボに入らないと徹底的につまらないので少し不安視してたのだけど、いらぬ心配でした。
アニメは1期と2期があって、両方観ました。原作は知りません。1期の方が物語としておもしろかったけど、2期の方が笑えたのでどちらもよかったです。
そして、実写化の話がありますね。TBSがテレビドラマと実写映画を同時に発表。たまたま発表と同時期にアニメを観ていたので衝撃もひとしおです。
わーたのしみだーてぃーびーえすさんのえいだんですねー(棒読み)。
実写化の件に関していえば、テレビドラマと映画化と同時に決定というあたりに『スシ王子』臭がしていて、目が離せません。またね、本作自体がギャグモノで、ギャグモノの中でもまた特異で・・・・・。素人目に見ても実写化向いてない。
多分、アレでしょ。本作のギャグがシュールな感じがあるからって多少リアリティーが欠如してても「いやいや、これがシュールなギャグってヤツですよ」っていうスタンスなんでしょ。企画の段階でここまでに悪ノリなのが伝わってくるのもめずらしいです。正直、寒気がします。
ガキンチョのステラ役に徳永えりだそうで。徳永えりって普通に成人されてる方だと認識しておるんですけどね。うわーおもしろーい(死んだ目)。
いやね、ワタクシとしては、徳永えりが好きなんですよ。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』とか『うた魂♪』とかでハマりまして。「他の出演作も観たいなぁー」なんて思っていたところであります。そんなところにこの実写化の企画。嘆かわしいですね(・・・・・・・とはいえ、徳永えりの広島弁とぶりっこ演技は大変楽しみではあります)。
まぁ、愚痴めいた実写化の話はやめましょう。完成してからまた続きをしましょう。
んで、本編の話。
金持ちの主人公がひょんなことから荒川河川敷でホームレス暮らしをする話なんだけど。主人公は「人に借りを作るべからず」という家訓にほぼ呪われてる状態。そんな中、金髪無表情美人に助けられ、借りを作ってしまう。そして借りを返すためにその人の願いを聞くと、「私に恋をさせてほしい」と言われ、2人は付き合うことに・・・・・という。そして彼女に言われるがままに荒川河川敷を紹介されると、出てくるのは変人ばかり、という感じ。
1期は、河川敷の住人たちの紹介が大きな部分を占める。新キャラと出会い、「なんだ、意外とまともそうな人じゃないか。これならわかってもらえるかも・・・・・」ってなって、そのキャラの変人ぶりが発揮され、主人公がツッコミの雄叫び、こんなんが何回か続く。
各キャラはおもしろくて笑えるんだけど、毎回毎回主人公が「この人はまともそう」と勘違いするのがいくらなんでも懲りなすぎで少し萎えた。あと、主人公の喜怒哀楽が激しくすぎて少しウザく感じたこともあった。作品全体に独特のノリがあるから、最初はそれに乗れないところもあったワケです。嫌な言い方をすると話が進まないんだよね。人物紹介で単発のギャグが続くだけで。
ところが、河川敷の人物紹介が一通り終わると、話が進む。橋の上の人間(一般社会の人間)が河川敷に侵入し、本編は急展開。主人公の父との確執も描かれ、「荒川河川敷開発計画」という物語上の時限装置が設置される。
こうなると、断然おもしろい。シリアスな展開の最中にもギャグは相変わらず挟まれるし、それでいて真剣な部分はあってエモーショナルにもなる。主人公の「父親越え」という部分は普通に熱い。けど、ここらへんをギャグを交えて描くから妙な親近感すら湧く。
そして、父親が河川敷にやってくるというエピソードがイイ。第1話で主人公が河川敷にやってきた時とまったく同じ境遇になるんですよね。やってることはギャグなんだけど、主人公と父親の対比になっていて素晴らしい。2人の同じ部分が描かれると同時に、荒川暮らしを経て主人公がどう成長したのかもよくわかる回。
「荒川河川敷開発計画」という時限装置は驚くほどアッサリと解決するんだけど、それを知らない主人公が一世一代の大勝負に出るんですよね。父へのトラウマを打破すべくがんばるんだけど、結果には全然繋がらない。ギャグとして笑いにもなるし、それと同時に主人公の熱い姿にグッともくる。
んで、これが最終回じゃないのがまたイイ。「荒川河川敷開発計画」という時限装置は最終回の1話前に完全解決する。そこで一見ハッピーエンドっぽくしておいて、最終回で大した事件もない日常を描く。ギャグ作品におけるシリアス展開の扱い方として非常にうまいと思います。
そして、2期へ。2期は何事もなかったかのように普通に続く。新キャラもいるんだけど添え物程度。1期で出てきたキャラたちを掘り下げ、それぞれの関係性とかを変化させたりする。
2期のが笑えるんですよ。1期で十何話と観ているから、各キャラはみんなお馴染みになっていて、すんなりと笑いに入っていける。ただ逆に、2期は本編自体が少し弱い。一応2期にも「金星移住」という時限装置は用意されてるんだけど、用意されるだけでその件が全然進行しない。そして、その件はぼんやりとしたまま終わりを告げる。「王様ゲーム」決勝で最終回に突入した時は良くも悪くも爆笑でしたよ。
まぁ、本編はこんなもんでして。あと、気になったのが、全体を通じて2、3回出てくる謎の男。1期の「荒川河川敷開発計画」を潰した人なんですけども。政界に通じてるような大物っぽい描かれ方。これが、村長にしか思えないんですよね。この「謎の男=村長」を匂わせる描写って原作マンガだとどうやって描かれてるんだろう、なんて気になった。アニメだとね、同じ声という感じなんだけど。
まぁ、気が向いたら原作も読みますわ。
劇中、P子というキャラクターが出てきます。まぁ、安倍なつみなんですけど・・・・・・。
荒川河川敷の住人で、殺人的なドジっ娘というキャラクター。このあまりにもベタすぎるドジっぷりってのはおもしろいんですよ。結構好きなギャグですよ。なんだけど、この設定は途中から完全に放置される。2期に至っては1回も出てきてないと思う。野菜バカって設定もあるんだけど、それもそんなに描かれない。
となると、この人、結構まともな人なんですよね。主人公が河川敷の生活を経て、徐々に変人化する節があるんですけど、それと同時にP子が真人間にしか思えなくなってくる。というか、ほとんどいじられキャラ、ツッコミのポジションにシフトしてる。
観ていて、何度か「これでいいのか・・・・・?」と不安になった。
あとはね、本作のヒロイン、ニノさんについて。
1期においてニノさんは結構な名言ドロッパーであったりして。「この星では欲しい物があると人を助けるのか?」なんてセリフは1期前半の主人公の考え方を根底からひっくり返すっと共に、観てるワタクシの琴線にも触れました。
かわいいという意味においては、2期の夏祭りのシーンですかね。この話の前に、主人公をアマゾネスに取られそうになってたんだけど。そのせいか、夏祭りの時にアマゾネスが現れると主人公に対して積極的になる。普段は無表情で感情が薄いだけにかなりよかったです。
あとは、1期のオープニング曲時のピンクの髪のニノさん(?)が大変かわいらしいです。それにあのオープニングアニメは少しエロかったです。
最後に。おもしろかったギャグのプレイバック。完全に自分が反芻するためだけのコーナー。
・ラストサムライのTシャツの文字「まげない」
チョンマゲなのにね。
・ステラの巨大化
想定の範囲を遙かに飛び越える無茶苦茶ぶりがツボ。『ハンターハンター』読みたくなりました。
・「荒川河川敷開発計画」阻止のために河川敷を離れたリクを忘れかけるニノさん
シリアス展開の間に挟まれるギャグには弱いです。たしかにそんな説明はあったが酷すぎる。
・アマゾネスの「アヴリルに憧れて・・・・」発言
低身長、金髪ストレートという意味でニノさんの方が断然アヴリルっぽいので。
・P子が自主制作映画を撮る話での副題「荒川シネマ通信」
テレビ東京仕様で素晴らしかったです。後番組の『シネ通』は毎週観てます。
・お化け屋敷でのオチ
星の「お母さぁーん!って叫ばせてやる」ってのがフリ。あと、この回の鉄人兄弟の一つ目小僧の仮装が似合いすぎてかわいかったです。
・P子の「巨匠、恐ろしい子・・・・・・」という白目発言
P子の白目は似合ってました。
・島崎の「白馬に乗った王子様」発言
誰がうまいことを言えと・・・・・・。
・お茶会時のリクの侘びのツッコミ「いとおかし」
飲み込みが早すぎました。
・アマゾネスの星に対するツンデレ
誰得だよ。まぁ、スッピンは美人だからあるいは。
・王様ゲームにおけるP子VS村長
P子のノーガード戦法と灰になった村長が素晴らしすぎる。
・マリアの必殺技「サザエズファーザー」
語感がとってもカッコイイです。
以上です。
なにはともあれ、大満足でしたよ。実写化してさらなる金儲けを企てたくなる人の気持ちもわからんではないです。けど、絶対に認めません。
本作の実写化という試みはアニメのエンディング時に行われてるんですよ。コレは大変おもしろくてね。アニメを観てると荒川住人の変人性を忘れそうになるんだけど、エンディングで冷や水ぶっかけられるが如く現実を思い知らされる。アニメと実写のフィクションラインの違いを利用したギャグになってるんだけど・・・・・・実際に実写化されちゃうからねぇ・・・どうなんでしょうか。