今年の暫定ベスト。しばらくは維持しそう。
前作は初見時は「ウェスアンダーソンっぽくてやぁねぇ……」とかちょっと引っかかってました。近くに観た『グランドブダペストホテル』にハマれなくてその余波だったと思います。
なんですが、『2』に向けてこないだ一作目見返したらこれが面白くって。「その年の年間ベストじゃないの?」とか思ってしまうレベルにハマりました。その時の気の持ちようでどれだけ印象が変わるのか思い知りました。自分は意外と信用ならない。
まぁ、とにかく『2』。吹替版にて鑑賞。思えば字幕版は予告などでしか観てません。桃李クマしか知らないと、ウィショークマは声渋くて驚きます。
桃李クマは原語と声が似てるワケじゃないのにハマってる、という不思議な例だと思います。斉藤由貴の降板は残念ですね。「好きだったのに…」というよりは「別に降りん(降ろさん)でも……」という感じ。
由貴は去ったが、工がいる。そんな斎藤工、悪くはないがちょっと声が若い気はしました。まぁ、後半は慣れたのでいいです。とはいえ、ラストのミュージカルは英語に戻るので「全然ちゃうやん!」と夢から覚めますw
ヒューグラント、面白かったです。ちょっと落ち目の役者の苦悩みたいなパートはマジで同情しちゃいましたけど。あのペットフードのCM、実物を見せられるとキツいですねw もちろん笑えるんだけど、マジで可哀想な気持ちにもなってしまう。
まぁ、最終的に逮捕された先で幸せになる、というラストは良かったです。前作の悪役なんてウンコブリブリの刑だったので、えらい違いだw
バカっぽいCMが呪いのようになっている、みたいなのは『くもりときどきミートボール』を思い出したりもしました。あっちはCMをいつまでも引きずってるので逆ですけどね。
本作は『2』ですので、オリジンみたいな話はほぼナシ。これは多くの作品にとってプラスに働くと思うんですが、個人的には前作のロンドンの街に馴染もうと奮闘するパディントンが健気で好きだったので、そこがないのは少し残念……。ただ、冒頭のロンドンの生活がしっかり板についてきた、という移動シーンは超楽しかったので一長一短かな。一作目の食事の時だけ野生に帰るギャグはないです。大好きでしたw
とにかくパディントンは街に溶け込んでるので、前作よりも人々に幸せを与えるという要素がパワーアップ。会った人に幸せを振りまく妖精みたいな領域になってる。刑務所入っても勝てるレベル。ここらへんのアップグレード感は続編らしい魅力ですね。
あと、単純に話のスケールもアップしてました。ロンドンの名所巡りみたいな要素が加わったのも驚きです。ちょっとした『ダヴィンチコード』みたいな観光ツアー。
前作繋がりですと、前作のキャラが思ってたよりも多数参加してるのが嬉しかったです。一家がいるくらいやろ、とか思ってたら違った。まさか女装好きの警備員にまた会えるとは思いませんでした。しかも律儀に女装ネタ絡んでくるからスゴイw
前作からアクションもスケールアップ。ラストの列車アクションは本当に驚きました。予告にちょっと出てきましたけど、思ってた数倍楽しい。
絵的な楽しさももちろんなんですが、伏線回収の手数にはさらにビックリ。思い返せば前作もラストに細かい伏線回収していく気持ちよさはあったんですが、本作ではほとんど病的なレベルにまで詰め込まれてるというか、列車に場面が移ってから、ほぼすべての展開が伏線ありきだったんじゃないか(体感)。
まぁ、よくよく考えると「前作から趣味が変わりました」とか正直伏線以外の意味はないようなものも多いんですけどね。とはいえ手数がすごい。
サリーホーキンスの飛び込みも伏線。お母さんが体を張って助けに来る、というのには感動しちゃいますよね。2人が割とマジで死別を覚悟したりもするので、ここらへんから涙腺がヤバかったですw
パディントン助かって涙腺もセーフかな、と思ったらラストにもう一つボムがあったので本当に限界でした。いろいろと苦労したパディントンが最後に本当に幸せが形で報われる。そこまで泣かせに来る映画だったっけ!?と困惑しました(最高)。
ということで、終わり。とても良かったです。そーいえば、サリーホーキンスは『シェイプオブウォーター』も楽しみですね。ラストの水中の場面では「半魚人の前に熊とキスするのかな?(酸素送る意味で)」とか関係ないこと考えちゃいました。
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