劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 ノベライズ (ジャンプジェイブックスDIGITAL)
観てきたぜ。ジャンプ掲載の全作品の感想を毎週書くという変態としては乗るしかないビッグウェーブ状態でした。
ちなみに、アニメシリーズに関しては、放送開始時に初回だけ観て、悪い意味で「これは……!」と思い、観るのをやめました。
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当時の感想。要するに喋りすぎ。映画が公開され、社会現象となり、いろんな人が観てる今となっては割とベタな感想だと思います。
んで、今回の映画。それに向けてネトフリで少しちょこちょこと観ました。ヒノカミのくだり数話と、テレビシリーズの最終話。無惨ちゃんのブラック組織地獄回なので笑いました。懐かしい。
そんなこんなでいざ映画館。猪突猛進!!(イノスケが好きです)
お館様の墓参り
アバンタイトル、そして本編のラストが墓参り。映画オリジナルの場面だと思うんですが、ここが良かった。そもそも途中から始まり途中で終わる話なので「なんで映画でやんの?」となりがちな本企画を、強引ではあるが映画としてパッケージングすることに成功してたと思います。無数の故人の上に今の鬼殺隊があり、肝心のお館様ももうすぐ死にそう。しかし、その蓄積と継承によって人間は鬼と戦うんだよ!! という鬼殺隊の本質、果ては『鬼滅の刃』という作品の(物語的な)本質がこの場面にはあったと思う。
煉獄vsアカザ
それは終盤の煉獄vsアカザ戦も同じ。壮絶なバトルでありながら「好きだ!! 鬼になって結婚してくれ!!(超訳)」というアカザの誘い、それを断る煉獄。この2人の主張のぶつけ合い、価値観こそ鬼と人間、鬼殺隊及び『鬼滅』の本質だと思います。
『鬼滅』とはこんな作品です、というを約120分にまとめたという意味において、本章を映画にした意図は納得できました。
あと、既存のファンとしては、クライマックスのバトルにおけるアカザの片想いっぷりがちょっとチャーミングに思えたのが意外でした。人間臭いとも言う。ぶっちゃけ殴る蹴るだし、体の模様もキモいのでそれほど好きなキャラではなかったんですが、アニメになってほとんど『ドラゴンボール』的なバトルを見せられると印象変わりますね。
さすがに煉獄の攻撃が炎の虎とかになって飛んでいく描写はやりすぎだと思いましたが。あと泣くカラス。
やっぱり炭治郎はうるさい
テレビ放送でキツいんだから映画館でもそりゃ無理だろって話なんですが、キツかったです。さすがに喋りすぎ。あのベラベラ喋る感じが炭治郎の生真面目さ、愚直さ、死に物狂い感なので切り捨てられなかったのも分かるけど、映像がゴージャスになればなるほど言葉が邪魔になってしまったのも事実だと思います。
そういう意味では、イノスケと協力して戦うくだりはリアルに会話することになるので多少はマシになったかも。それでもモノローグ多いですけどね。
そして、話を知らなかったら『ワイルドスピード EURO MISSION』における空港のチェイスシーンと同じくらい「まだ終わらないのかよ!!(ニコニコ)」となったであろうアカザ登場。ボーナスステージ突入感あるラストの展開は熱いし、バトルも楽しいんですが、炭治郎が疲れて休んでるのでその良さもあったんじゃないかな……とか意地悪なことも考えました。煉獄アカザくらいの喋る量だったらまぁよくあるバトル漫画(のアニメ化作品)だと思います。
その他
無理矢理「紅蓮華」を入れなかったのは英断だと思います。まぁ、ここまでの社会現象になると分かる前から映画の制作が始まってた可能性もあるかもしれないんですが。
あと、鬼の身の上話がなかったのも映画として良かったと思います。話が盛り上がってる最中に突然回想入るの、ジャンプの連載だとよくある手法だけど、1話という区切りがない媒体だとちょっと合わないと思うんですよね(ジャンプでもそれほど好きじゃないんですが)。本作には鬼側にそれがない。煉獄にちょっとあって、それも余計に感じたんですが、短かったのでまぁ。
ただ、アカザが逃亡すると炭治郎絶叫タイムが始まるのでこれはキツかった。1ケ所、叫ぶ炭治郎を引きで捉えるショットがあったんですが、ちょっとギャグ的な雰囲気すらありました。『ドラえもん 新恐竜』でもそうだったけど、叫ぶことに頼りすぎる場面、好きじゃないんだよなぁ。
終わり。もうすぐブログを始めて10年になるんですが、文字通り10年に一度の大事件として楽しめました。まさかこんなことになるとはねぇ。いろんな人がジャンプの話してるし、母親や親戚とジャンプの話するとは思ってもいませんでしたw
- 作者:宇多丸
- 発売日: 2010/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)