北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『トロン レガシー』の感想

 映画『トロン レガシー』観ました。川崎の109シネマズで。IMAX字幕版です。当然3D版。
 ちなみにIMAXってのは映画館のファーストクラスみたいなヤツね。映画にもよるけど、とにかくスゴイです。
 まず音がスゴイ。前に『ダークナイト』観た時もそうだったけど、『トロン レガシー』観てるとね、震える。心が震えるみたいな意味じゃなくて物理的に。ビリビリくる。
 もちろん映像もスゴイ。壁いっぱいまでスクリーンがあって、没入感がハンパない。IMAX体験は一度はしとくべきですよ。できる環境にあるならば。都内からだと川崎まで行かないといけないから大変なんだけどね。

 IMAX体験をする上でピッタリすぎるのが本作『トロン レガシー』なんですね。IMAX映えする3D映像、IMAX映えする音楽。ダフト パンクがサントラやっててゴリゴリのテクノなんですよね。ちなみにダフト パンクはカメオ出演してましたよ。電子世界内のクラブDJとして。

 まぁ、IMAXはイイんですよ。サイコーですよ。ただ高い。たしか2200円だったかな。前売り券買ってっても無駄。差額を取られる。前売り券の意味がないじゃなぇか、バカ。しかも、川崎は普段行く映画館よりも遠いんでね、電車賃も倍くらいかかるし。ひょっとしたら近くの映画館でサービス料金使って観たら2本くらい観れるんじゃないか?ってレベル。なんとかなりませんかねぇ。特別な映画じゃないと観れないよ。もっとIMAXで観たいのに。

 あ、前作『トロン』については前に書いたんで、今回は特別触れません。ぶっちゃけね、あんなん観なくてもよかったですよ。本編の最初に昔話をするシーンで丁寧におさらいしてくれた。あの人の息子がカメオ出演するというファンサービスがあったくらいですかね。



   あらすじ
映画『トロン』の後、ケヴィン フリンは再び電子世界に入り、そこに理想郷を作ろうとする
偶然、グリッド内に未知の生命を発見
ケヴィンの分身であるプログラムがクーデター
未知の生命たちをを虐殺
ケヴィンは電子世界から出れなくなる
ケヴィン失踪から20年、彼の息子サム フリンは父からメールをもらい、導かれるまま電子世界に入るサム
が、それは罠でしたーさぁー大変



 本編が始まる前にね、ディズニー映画なんで例のマークが出てくるんですよ。シンデレラ城の。それが、トロン用にアレンジされたデザインでちょっとテンション上がった。ついにディズニーランドが電子世界にまで進出したかと思うと笑える。

 この映画ね、観た時、そして観終わった瞬間の興奮はスゴイですよ。IMAXの迫力にやられちゃって。こういう映像大作ってのは往々にして時間の経過とともに思い出が劣化するんですよねぇ。『アバター』もさ、観た時は大感動したけどさ、今思い返してみるとそこまでおもしろかったかなぁ?ってなる。だから、ひょっとしたらこの『トロン レガシー』もそうなる恐れはある。まぁ、だからこそ今観るべきだし、観てよかったんだけど。

 前作『トロン』の感想を書いた時に言ったんだけど、ケヴィンってのは電子世界の創造主であり、つまりは神様なんだよね。そして今作では神が作った理想郷に新たな生命が生まれ、神の分身がクーデターを起こし、神の息子が世界を救いにやってくる。なんとも宗教の香りがプンプンする。最後はアダムとイヴみたいな話になるよ。

 前作『トロン』を観た時に特に感動したのがディスクバトルのカッコよさ。投擲をメインにしたアクションってなかなかめずらしいですよ。しかも投げるのが円盤というかフリスビーみたいなヤツだし。それが投げるとグイグイ曲がって敵に向かってく。投擲という行為のカッコよさですよね。アクロバットな投げ方とかしたりしててまたイイ。
 んで、期待してたんですね。もちろん、画的な豪華さは上がってたんだけど、投げたディスクが曲がんないのね。壁に当たると跳ね返るんだけど。ちょっと期待してた感じとは違った。それに、ディスクバトルとライトサイクルのバトルが前半にしかない。前作ではさ、ラストにトロンとサーク司令官のディスクバトルがあったんだけど。今回は前半だけ。まぁ、あの人とのディスクバトルはあったんだけど、すぐ決着ついちゃうし。

 しかし、本作の魅力は違うところにあるんですね。少なくともワタクシにとっては。それはヒロインのキャラクター。クオラって人が完全に萌えキャラ。
 電子世界にはフリン親子以外に人間(ユーザー)はいないんで、人間じゃないんだけど。似たキャラでいうと、『エヴァンゲリオン』の綾波レイ、『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門みたいな感じ。「私が守るもの」とか言っちゃうし、主人公の身を庇って大怪我もする。実に綾波、実に長門。要は、たまに見せる人間味に萌えるタイプのキャラ。『エヴァ』の「笑えばいいと思うよ」ってシーンみたいな感じですね。他だと『もののけ姫』のサンとか。個人的な好みで言うと『WALLーE』のイブとか。やべぇ、例えがみんなアニメだ。とにかく人間味のない(あるいは人間じゃない)キャラがたまに見せる人間味溢れる言動に萌えるワケですね。
 本作のクオラってキャラがまさにコレ。今年の映画の中でも有数の萌えキャラ。電子世界の住人だから人間の常識が明らかに欠如してる。でもこのキャラ、ケヴィンに命を救われてそれ以来身の回りの世話をしてるキャラで、人間っぽく振る舞おうとしてるんですね。ケヴィンの持ってる本を読んだりしてて。それを主人公に自慢したり。文学少女ってのは長門要素でもありますね。「この本棚の本は全部読んだの。お気に入りはジュール ヴェルヌ」とか言っちゃって。電子世界の住人が人間界のSFにハマるとか。(ちなみに「人が想像できることは、必ず人が実現できる」ってジュール ヴェルヌの名言はケヴィンに人生に当てはまったりしますね) そんで、主人公に対して人間界のことを聞きまくるんですね。「太陽ってどんな?」とか目をキラキラさせながら聞いてきたりして。大変かわいらしい。そのくせ、ケヴィンの息子という客人がいる前でソファーにあり得ないポーズで横たわったりしちゃって。非常識ですねぇ。サイボーグ少女ですねぇ。素晴らしい。さらには、クオラが余計なことをして主人公の身に危険が迫ったりもして。ドジっ娘でもあるとか。萌え要素をひたすらブチ込んでくるなオイ。ディズニーもやりますね。

 まぁ、なので、ヒロインは素晴らしいんだけど。主人公がちょっと。最初から文武両道でカンペキなんだよね。頭もイイ、運動神経もイイ、そして巨大企業の御曹子。
 出た、リア充リア充のくせにリアル以外の電子世界でも充実してやがる。チクショウ。
 いやね、リア充なのはいいですよ。けど、本作の主人公は成長の余地がない。成長もしない。ぶっつけ本番のディスクバトルでも勝っちゃうし。

 そんなリア充父親ケヴィン。前作の主人公、電子世界の創造主。自分の分身のプログラムにクーデター起こされて以来、隠居暮らし。隠居中、禅にハマってたみたいで。どんな時でも瞑想始めちゃう。禅をやってる、スゴイ人、年配、ってイメージからなのかね。この人、見た目が完全にジェダイ。『スターウォーズ エピソード1』のクワイ ガン ジン。ちゃんとフォースも使うシーンあるしね。
 そんなケヴィンの分身プログラムは本作の悪役。若い頃に作ったプログラムなので見た目は若い頃のケヴィンそのまま。ケヴィンの「カンペキなものを一緒に作ろう」という命令を突き詰めるあまり、クーデター、大虐殺に走る。最後に再会したケヴィンに対面した時に「あなたがカンペキなのがいいっていうから・・・・・」とちょっとホモっぽいことを言ってきたり。そして、最終的に2人は、合体。ヘンな意味じゃないですよ。字幕でちゃんと「合体」って言ってただけです。

 ちなみに、この映画の悪役の目標は、人間界に進出して世界征服。そう、この映画世界での技術があれば、プログラムも現実世界に出てこれるんだよね。まぁ、人間がコンピュータん中入れるんだから、その逆も然り、って理屈。
 つまりだ、『ラブプラス』のあの子と現実で結婚できるワケですね。本当の「俺の嫁」にできるワケだ。ギャルゲもできるよ。実現するといいね。
 どれもやったことないくせに茶化してすいませんね。知識がないから掘り下げられなくて悔しいです。



 最後のはホント関係ないです。
 本作でスゴイのは映像と音楽と萌えキャラ。興味があるなら絶対観た方がいいし、どうせ観るならIMAXがいいです。映画館体験として異次元のレベル。多分、自宅で観てもそんなにおもしろくないと思うよ。ヒロインはかわいいけど。
 90点。

トロン:レガシー オリジナル・サウンドトラック

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