北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』561話の感想

 神回だったのではないでしょうか。

#561

 扉はスズとゾウさん。4コマではゾウの巨大さを描けない、みたいな感じかしら。扉ならではの良さがある。まぁ、2コマぶち抜きとかならあるけど。
 2本目のネタでLINE(風アプリ)におけるタカアイコンがゾウだと出てくるんですが(前から)、スズはリアルゾウを見て彼に思いを馳せていた‥‥というのはちょっと恣意的な解釈かなw 普通にゾウさん可愛いとかのが正しい受け取り方な気がする。

 動物園の続き。今回はみんながはぐれて、それぞれ2人組になる話。ただ、最初はタカ森デート回になるかと思いました。開幕がこの2人なので。他の組でもこのネタと同じような感じの会話があったんでしょうね。
 はぐれたら大変‥‥からの既に。少数になった時点で「はぐれる」は成立する、みたいなオモシロも感じました。孤立してないので油断してたけど2人でも「はぐれる」は成立してしまう。

 「副会長組」。森さんと2人になったら、森さんがまた追い上げ芸を発揮してしまう‥‥と思ったら今回は逆。むしろタカくんの天然ジゴロっぷりが炸裂。森さんが一瞬異性として意識するのが面白いですよね。
 からの、何もないんかい!! みたいなオチに森さんが驚くのも最高。ボケに囲まれすぎてるのでタカくんの波風立たなさに驚くw

 「生徒会長組」。副会長が心配‥‥と先輩風を吹かして悦に浸る、は少し大げさですが、余裕のある心配をしてたらウオミーがある事実に気づいてマジで急ぐ。直前にタカ森のネタが描かれることで、さっきみたいなことが再び起きるかもしれない、と読者的にイメージしやすいのも巧妙ですよね。

 「天然組」。説明しておくとアリアと青葉さん。アリアは聞き違いネタがあるからだろうけど、青葉さんは天然だったのか、という感じ。ただ、今回の青葉さんが天然を発揮するオチなので最後に納得させられる。青葉さんと1対1のネタがそもそも珍しいので青葉さんがどういう人なのか、どういうネタを担当しがちなのかという貴重なサンプルになってると思う。柱の人物紹介では「いたってまともなツッコミ役」と書かれてるけど、むしろ今回はツッコミの機会をスルーしてしまうようなオチですよね。まぁ「まとも」だからアリアの下ネタに反応できない、という解釈も可能か。
 とにかく、話が下ネタに飛躍しがちなアリアと、受け流すようなリアクションを取る青葉さん、というコントラストが魅力的なネタでした。カップリングの妙として今回の中で新しい魅力を放ってたのではないでしょうか。

 「凸凹組」。もちろんスズと広瀬さん。前回のレッサーパンダのネタでの肩車をスズが嫌がってた、と明らかになるのが面白いですね。あのときは断りきれなかった、みたいな感じですかね。4コマの掲載位置も前回と同じなのも気が利いてると思います。こういう細かい気配りも良い。
 再びの肩車は絶対に嫌だったはずのスズが他にもはぐれてる組があると知ると‥‥というオチも最高。あの2人を放置しておくのはまずい、と事前に2つのネタで説明済みなので、このネタでは広瀬さんの簡素な説明でスズが即座にビビットな反応に出る。そしてそんなスズの焦りをよく分かってない広瀬さんのフラットな表情、というのも良い。アリアと青葉さんのネタもそうだけど、相性が良いようで噛み合ってない。

 ラストページは8コマ。これが本当に素晴らしかった。4コマを書き続けて20年弱、という氏家ト全という得意な作家の集大成‥‥と煽ったら大げさですが、初読時「こんな大オチあるのかよ!!」とマジで衝撃でした。声出して笑ったし、バラバラに動いていた4組が続々と集結する‥‥ようで最後まで集結しない人もいる、というオフビートなオチ。最高でしょ。笑いのテンションとしては7コマ目が圧倒的で、6コマ目も複数の話が1つに繋がる気持ちよさはあるんですが、ピタゴラスイッチのように4組が絡み合ってい‥‥かない!! というオチの天然組。ここだけ平和かよ!! とズッコケました。
 今週の1話全体を通じて構成が完璧でしたね。1本目の導入は副会長コンビで、中2ページの見開きは各組の様子、そして最終ページの前段4コマは再び副会長組(先ほどのネタと似たような内容)、からの後半4コマで怒濤の集結。2、3ページ目の話が気持ちよく回収されていくんですが、天然組だけどそのまんまw 天然組で笑うんですが、ここだけ副会長組が2人きりになってることに焦りを抱いてないので集合が遅れた、と理屈が通るのも見事ですね。
 スズの高身長ネタは「だーれだ」と別人にやらせるネタで似た感じアイディアはあったし、伏線を回収するような構成の回もあることにはあったんですが、それらが7本の4コマとして、4ページの構成としてここまで洗練されたのはなかったんじゃないでしょうか。マジ圧巻の大オチであり、圧巻の1話でした。


 熱くなりすぎてまとめっぽい文章既に書いちゃったw いや、本当に良かったです。改めてだけど作者は天才だと思いました。
 ということで今週のお気に入りはやはりラストですね。まぁ、全体を通じてのあのオチなので1本だけ切り取るのもナンセンスなんですが。
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