北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2020年27号の感想

週刊少年ジャンプ(27) 2020年 6/22 号 [雑誌]

 おつかれさまでした。

表紙

 『ONE PIECE』。ワノ国全般に言えるけど「ルフィに日本刀持たせたい」問題ってあるよね。一応劇中でもそんな話出てきたけど。使えないキャラなんだけど、ロマンとして持たせたくなってしまうw

読者プレゼント

 制作は浅井。先週のんきに「モデル立てずにイラストメインなの珍しいね」とか言ってたんですが、コロナか!! コロナで撮影が出来ないのか!! 衝撃。てか、気づかなかった自分の迂闊さが情けない。プレゼントページファンからのの信用を失ったかもしれない……。そんな人いるか知らんけど。
 んで、今週はムンクの叫び。「絶叫級」ということでダジャレよりも絶叫がメインになってるのかな。個人的にはイマイチ。「その布陣ムンクなし!」みたいなのがもっと見たい。

巻頭カラー『ONE PIECE

 カラー扉。本編に続いてクラブDJネタ。尾田っちの中で関心の波が来てるのかしら。
 本編。アプー。キッドの攻撃が有効だったのは伸びる部分が自分の肉体でないので攻撃されないからと前回書いたんですが、アプーの攻撃範囲は音の届く範囲と説明されたので的外れだった可能性。キッドの攻撃が届く前にキッド本体に音攻撃すればクリアだったくさい。奇襲というか、突然のことで頭がついていかなかったから有効だった、のかな。意外とアプー強い。ルフィ、キッド、ゾロが揃ってて逃げるしかないのか。作戦が優先だからってのも分かるけど、キッドは作戦よりも私情を優先して暴走したみたいな雰囲気だったし。
 音が届く範囲。説明として不十分というか、聞いたら攻撃が発生する。耳を塞げば大丈夫らしいので、騒音の中だと攻撃範囲は狭まるってことなのかな。ここらへんの戦術も面白そうね。まぁ、アプーくらいだとワンパンどん!! で終わっても不思議ではないと思うんですが。いや、ほんとアプーの強さがいまいちピンとこない。
 マムが現れて子供たちが現れたと思ったら、マルコがサプライズ。これは良いね。アガる。戦闘時もメガネキープだったのが個人的には嬉しいところ。いや、不意の遭遇だったのでメガネ外してないだけで、本来なら外すのかもしれない。外すこと自体はまぁいいんだけど、外す場面を入れてくれるといいなぁ。

約束のネバーランド

 約束、代償の正体。人間界に送るけど、家族とは別れる。つまり、記憶を失う。 “ぼくはきみのかぞくがほしい” の範疇でやりくりしてきたのが良い。屁理屈的だし、何でもアリなんだけど、言ってることを守るためのパワープレイなのが良い。
 前回のラスト、事情を知った重要人物が出てきたのかとも思いましたが、ただのジーチャン。人間界の普通の人でした。ただ、普通ではあるんだけど、戦争によって家族を失った人。自覚はないから細かくは違うけど、エマの未来の姿とも言えますね。
 無数の十字架。夜の場面で発見し、絶望。からのエマが理由も分からないまま「家族」という取っ掛かりを得て号泣、そして朝日。芸術的でした。夜明けであり、雪解け。実際は雪解けないんだろうけどw 冷たくて絶望の象徴のようであった雪が朝日を浴びるとキラキラして美しさを帯び始める、という転換が素晴らしかったと思います。
 エマ、新しい名前をもらったらしいんですが、夢の中でエマって呼ばれてるんだから「どうやらエマらしい」と伝えればよかったのに。まぁ、まったく新しい人生をジーサンと歩み出したい、ということかもしれない。

僕のヒーローアカデミア

 エンデヴァー、下手すりゃ今週の1ページ目に死んでてもおかしくないハラハラがあったんですが、善戦。空を飛べるのが戦う前提ってのは分かりましたが、こちらの攻撃(炎)が崩壊の対象にならないってのも好条件だったのですね。丁寧に能力バトルしてて非常に楽しい。エンデヴァーが空中でくるりと回ってパンチかます場面でコマ枠が歪曲する表現とかもすごい好きです。
 本題はワンフォーオール。弔くんがすべてを継承したのでワンフォーオールとの因縁についても知ったらしい。ワンフォーオールを知っている、求めてる、という事実だけでデクが戦慄する場面が超かっこいいんですが、ドアップのバーニンがあまりに可愛いので正直サスペンスがブレるw 事態のヤバさよりも先に「バーニン大きい!!」と感動してしまう。
 んで、その直後に探そうと思えば即座に見つかるんだよなぁ、と元の能力者の様子が差し込まれるのも最高でした。絵としては可愛い女の人がいるだけなのに「終わった……」という絶望感がある。怖さを伝える手段は怖い人を描くだけではない。
 んで、ワンフォーオールという話からのかっちゃん登場。事情を知ってる数少ない味方だからってのは分かるんですが、正直ここで「これは『ヒーローズライジング』の奴だ!!」と思った。激しくネタバレになるから言っていいのか悩むんですが、原作者が「最終回用のネタ」を映画に提供したことで有名。それでしょ。ここで使う予定だったでしょ。映画に提供したネタだから原作の方でも同じ展開になるかは分かりませんが(これが最終回になるかはまた別)、明らかに同じシチュエーションに向かってる。ぶっちゃけあの映画、悪役の魅力が弱くて「劣化版オールフォーワンだなぁ」とか思ってたんですが、弔くんの代わりと考えれば納得できる。いや、観てよかったわ。めんどくさがってたんだけど、行ってよかった。

Dr.STONE

 マグマの言う通りになる構成で面白かった。マグマのことバカにしてたけど、すべてが彼の言う通り。『ONE PIECE』でウソップのついた嘘が本当になる、みたいなオモシロを感じる。
 互いに相手のことを最大限評価した上で「だったらこうする」と決めてかかるのが良いですね。最悪を想定して戦うリアリティも感じるし、単純に互いの強キャラ感の表現にもなる。
 んで、軍事vs人類最強。とはいえ、司の最強もどこまで信用していいのかも少し怪しい。細かい設定覚えてないけど、格闘技とかじゃなかったっけ? 武装した軍人相手の戦闘だとまたワケが違うよなぁ、とか。まぁ、そういう異種格闘技戦になってて楽しい。

ブラッククローバー

 やっぱノエルの胸がすごい。女性たちの戦いだから成立するセクシーさというか。いや、ベロベロのオッサンいるんだけど。
 んで、女たちの友情。友情のために気合いで押し切る……と思うじゃん? 思ったら違った。これはやられたなぁ。冷静に作戦を立てて、丁寧にそれをなぞってたに過ぎない。さらに最高なのは友情が語られる回想の場面に、ちゃんとあの人がいるんですよね。ノエルの肩に乗っかってる。やば、完全に騙されたw 伏線かよチクショウ。

センターカラー『ハイキュー!!

 ベストオーダーの結果発表。シニアの部で笑った。可愛すぎる。
 んで、発表。まぁ全員今の本編に試合出てる人だろ……と思ったら違った。そりゃそうか。リベロはノヤだわ。
 本編。特定のキャラにフォーカスするのではなく、今まであったそれぞれの「○○回」を踏まえた上で各人が大活躍する。ちょっとクライマックス感がすごいですね。最後に劇中で「祭り」と称されるのも納得してしまう。
 怪物たちがそれぞれ活躍した最後に、日向。どの怪物を使うのかなぁ、はたまたツーで騙し討ちか……と思ったらまた別の騙し討ちなので痛快。ツッキーの嫌悪顔がマジ癒し。
 まさかの左打ちなんですが、左足が逆方向に振り切ってる絵が最高ですね。「この足のおかげか」と印象として分かる。

『呪術廻戦』

 1ページ目、伏黒のカエルが気持ちよさそうに海に飛び込んでるのがめちゃくちゃ可愛い。不意に萌えた。
 呪術バトルから再びフィジカル重視のバトル。それを支えるのが伏黒必死の領域展開。絵一発で分かる必死さが良いですね。本当にギリギリ、タイマンだったら即負けると分かる。
 真希先輩のサポートに回る伏黒、のサポートに回るナナミン、さらに攻撃に入る71歳。チームプレイで非常に良い。作戦を立てたわけじゃないすべてが即興。即興故の必死さ、何とか食らいついてるヒリヒリ感が最高ですね。
 そこに逆転の一手を持ってた伏黒。 “君だけ残るなんてことは無しですよ?” と釘を差されることで読者としては「どんな事態が起きるんだろう」といろいろ思考を巡らせるじゃないですか。最悪を考えたつもりだったんですが、まったく予想外の最悪がラストに出てきて爆笑しました。出るのか、出るのを阻止されるのかと思ってたら、入ってくるんかーいw
 一応武器はないので、こないだの五条戦のような強さは発揮しないと思うんですが、となると怖いのは真希先輩の三節棍なのかしら。

『タイムパラドクスゴーストライター

 SF的な話を期待してたんですが、チームモノみたいな雰囲気になったでござる。やっぱ最初の3話が序章だった感じなのかな。
 そのチームに原作者参加。どうでもいいけど、セーラー服はねぇよ。最初は「仕事だから正装で行かなきゃ」と引きこもりが勘違いを起こしたのかと思ったら、わざわざ劇中でセーラー服について言及された。理由が理由になってないので開き直りというか、作者の「でもセーラー可愛いですよw」という都合しか感じない。もうちょっとギャグに振り切れた作品だったら何でもいい気がするけど、SFが発生した上で起こることは割とリアル路線……だと思うんだけど、違うのかしら。漫画家の裏側を見せるのも本作の魅力だと思うので、そのためにはリアルよりになるのは必至なのでは。「背景を先に」作戦のくだりとかそういう意味で面白かったまぁ、引きこもりなので着る服がないとか、誰かと服を買いに行くエピソードがあれば……あるといいな。

センターカラー『ゆらぎ荘の幽奈さん

 最終回。最終回であった……つらい……。
 んで、カラーが3ページ。扉一枚ではないので当然温泉。雪崩くんはいなかったでござる。惜しかった、本当に惜しかった(そうか?)。夢咲先生、芹、紫音ちゃんもいます。出番なかったですね。あると思った。
 朝霞、凛々愛の2人がいるので今ゆらぎ荘に雪崩くんがいるのは間違いない(兵藤くんも)。コガラシくんと談笑してたら突然コガラシくんが目の前から消失……みたいな事態だったのかもしれない。そっち側も見てみたいw
 いなかったキャラというと流禅。流禅と混浴はあると思ったな。まぁ、彼女をエロに使わないってのは大きな一線だったのでしょう。
 モノクロ本編。残務処理というか、報告会。雪崩くんがご意見番、解説役として出番が多いので嬉しい。てか、酌人と玄志郎様は帰ったのですね。前回からどのくらい日数が経ったのか分からないのですが。
 分岐した未来については記憶継続。前回の内容的にそりゃそうだろうとは思いますが、とはいえ衝撃的。特に千紗希。彼女だけ未来の期間が長すぎる。『ドラえもん』でのび太無人島に長年生活し、ついに帰ってきてタイム風呂敷で若返ってハッピーエンドの回があって、「解決したと言えるか!?」とよく話題になるんですが、それと同じ現象が千紗希に生じてる。彼女だけ精神年齢が約10歳高い。まぁ、彼女が最もつらい選択をしたと思うので、精神年齢が高いからその決断が出来た、みたいな辻褄もあるのかな。学校で芹とかとガールズトークしてたら「雰囲気変わった?」とか言われてほしい。江戸川コナン状態だもんなぁw
 んで、幽奈さん成仏の儀。第1話冒頭の成仏エンド確定の場面はまさかの叙述トリックでなかったことになりましたが、コガラシくんと一緒になるのが未練、未練に気づいてしまったので自動的に未練解消という無理ゲーはまだクリアしてませんね。
 すべてを諦めて成仏しようとする幽奈さんに対して “……このままでいいの?” と止める千紗希。さすが27歳の記憶を取り戻した21歳の記憶を継続する時をかける女子高生。もはや姉御の風格である……とパッと見は思ったんですが、冒頭の場面で未来の記憶を継続した5人の前に現れたコガラシくんが “…話があるんだ” と言っていたのでこの件の言い出しっぺはコガラシくん。おそらく成仏対策を伝え、そのあと5人同時にフッたんだと思います。千紗希もそうだけど、コガラシくんも5人それぞれと結ばれる未来の記憶を継承してるので彼もまた超人ですね(他人から見た記憶のツギハギなので本人とはちょっと違うと思うけど)。コガラシくんとの恋愛と同じくらい千紗希との友情も本作の柱だったのでやはり最後は彼女が……と思ったけど結局はコガラシくんでした。あくまでも切り出したのが彼女。
 んで、告白の返事。「やったぜ」とロマンス的に決着がついたと思ったら、その先、あーだこーだと理屈をこねて成仏回避するのが圧巻。これだよ……。本作のこういうところにホレたんだよ……。エモが爆発する展開だし、最後の切り札も幽奈さんのエモとエゴを爆発させることだったわけですが、その話に行き着くまでに積み重ねられたロジック。最高ですね。最終回にして私が『ゆらぎ荘の幽奈さん』という作品で最も好きな要素が凝縮されていました。いや、最も好きなのは雪崩くんなのか? いやしかし……。
 コガラシくんが霊媒体質を活かした最後の作戦に出るんですが、重要なのは「やっぱりコガラシくんは頼りになる」だけの話ではない点。最後の一押しは幽奈さん自身。コガラシくんはあくまでもお膳立て。最後の確認の段階で留まる。んで、幽奈さんがワガママを主張してハッピーエンド。これは白叡編のラストで成仏延期の結論を出したときと非常に似てますね。やはりあそこは本作の肝となるエピソードだったし、一旦の最終回とも言えると思う。
 そんなコガラシくんの秘策。ただ思いついたのではなく、5人分(幽奈さんも入れると6人)の記憶の中で幽奈さんを救う方法を模索した。ここも見事でしたねぇ。 “幽奈が俺を救おうとしてくれたように 俺も…!” とあるように2人の関係がまったくのイーブン。幽奈さんが未来予測で、コガラシくんが未来の記憶。双方向でありフェア。単に救い救われるの関係では終わらない。幻流斎の未来予知無限ループは絶望しか感じなかったわけですが、あれがあったおかげで2人の関係性はちょっと引くくらい深く濃いものになる。そ、壮大……。
 おそらく作者が暖めに暖めてきたであろう渾身のロジック。絶望の淵からすべてをハッピーエンドに誘うロジックなんですが、そのロジックについて解説を入れる雪崩くんが良い仕事してる。ファンの私から見てもこの内容に雪崩くんが付け入る隙はないと思うんですが、解説なら行ける。コガラシくんが霊媒体質を用いたトリックをくどくどと説明し出したらロマンチックな場面が台無しですからね。その役目を雪崩くんが担う。さすが裏主人公やでぇ。何なら千紗希以外の4人よりも出番あったんじゃないかってレベル。おいしい、あまりにおいしすぎる……!!
 んで、写真で結婚が伝えられてエンド。晴れの舞台なのに紫音ちゃんがウンコ座りしてて可愛い。大人雪崩くんもいるし、流禅もいる。芹(だよね?)は髪切ってるし、凛々愛も髪型チェンジ……といろいろ情報が濃い。
 ということで終わり。終わってしまった。最終コマまで感想書いてしまったのでいよいよ終わりでつらい。とはいえ素晴らしい最終回だったと思います。サービス的な後日譚に振り切れる最終回もありますが(『鬼滅』が極北)、物語的に最も重要なイベントを行い、最も感動する形で終幕。そこで用いられるロジックが過去の物語を総括するような内容になってるのも最終回にふさわしかったと思います。単純に素晴らしかったし、雪崩くんの出番も多いので個人的にはこれ以上何を望めばいいのか、という最終回でした。本当に良かった。
 マルチエンディングを1つの物語の中で成立させるウルトラCもこの手のジャンルとして面白かったし、最終回にちゃんと残りの5人をフる描写があるのも誠実だったと思います(直接の描写はないけど)。ハーレムなんて構造的に欠陥があるから物語に対してマジメになればなるほど綻びが目立つ矛盾の塊だと思ってたんですが、SF展開を介してくどくどと理屈を積み重ね最終的に「これでどうや」と言わんばかりの結論を見せつけられました。まいったとしか言えない。
 あと半年弱でジャンプ感想ブログを始めて10年になるんですが、ここまでハマった作品がここまで続いたのは本作が唯一でした。良い思い出になりました。ありがとうございます。

ゆらぎ荘の幽奈さん』完結記念特別企画と重大発表

 まず12月発売の最終巻のアニメBlu-ray同梱版。新作アニメが2話作られるそうです。動いて喋る雲雀、かるら、マトラ、紫音、あとサキュバスモードな夢咲先生が目玉ってことになるのかしら。あれ、過去にも新作アニメってやっててそこで既出なキャラもいるのかしら。全然把握してないので分からない。ゲームだと雲雀かるらマトラあたりに声が付いてなくて「これが1クールの弊害……」とか笑った記憶あるんですが。
 『鬼滅』最終回と同じく最終話丸ごと複製原稿。これは新たなビジネスモデルを作り上げたと言えるのだろうか。最終回がセンターカラーな作品はすべてやりそうな勢いを感じる。こうなると、この企画ありきで最終回を組み立てる作家が出てきてもおかしくない、かも。前話ラストから直接繋がるような開幕は望ましくない、とか。
 んで、ジャンプGIGAで掲載されるエピソードの希望投稿企画の結果。まだ『ゆらぎ荘』が読める……とゾンビ化した我々に届くのは宮崎ママなので笑った。脇のキャラ押しというのはファン投稿ならではの良さがありますね。
 採用外の投稿も羅列されてるんですが、白露蓮華とか如月姫沙羅とかさらに深いマイナーキャラを挙げてる人がファン心理として非常によく分かる。雪崩くんが女装する話もあって同意しかないんですが、これはちょっと本編ディスみたいなニュアンスも少し感じる。いや、分かるんですがw 女装だ、男の娘アイドルだ、ショタ化だと雪崩くんがピンポイントすぎる人気を一手に掌握してるので笑いました。人気の先鋭化がすごいw ツイッターでRTしたと思うんだけど、雪崩くんが若返りの水でショタ化する話は、コガラシくんたちにしたことの埋め合わせとして収まりがいいからマジで正史として採用していいレベルだったと勝手ながら思います。お世話してたショタ雪崩くんになら下克上されてもいい。

『ボーンコレクション』

 最終回の直後が本作で助かる。枯れた心が少しだけ潤う。呑子先生出てくるしな(ちげーよ)。
 女性キャラとゲロ。友情に浸り爽やかな表情でゲロ吐いてるのは笑いました。割と最近、映画でも増えてきた描写な気がします。女性のゲロ。もちろんニュアンスまで完全に同じとは言いませんが。
 同調率システム。ラブコメが進展すればバトルも強くなる。『ゆらぎ荘』だし、最近だと『アンデッド』も似た感じありますね。ラブコメバトルにおける一つの定式みたいになってるのかな。まぁたしかに良く出来てますよね。オモシロが保証されてるというか。
 りのちゃんと子供。マウント癖にとって子供は相性最悪なのか、上下が出来て当たり前なので逆に相性良かったりして……とか考えてたホラー。いいよね、子供とホラー。子供のホラー。子供の無邪気さの向こうにある何考えてるか分からなさを指摘されるようでドキッとします。
 んで、白羅とのラブコメ。浮気勘違いでジタバタしたと思ったらそのままスムースにお姫様だっこ。しょうもないギャグ的な、緩い絵(可愛い)からの急激にロマンス全開なので笑った。振り幅。ただ、アクションの流れに強引さがなかったりして見事ですね。胸に触るのは拒否するけど助けるためにお姫様だっこはする、という意外性。その2つにカザミの真意が現れてる。
 そんなカザミの言い分が陰陽師を目指す理由からブレてないのも良い。カザミの善人性というのが一貫してる。

『ミタマセキュ霊ティ』

 悪霊使いポポキ。人間なのか悪魔なのかどうも自信がない。最初にソウヤが “かつてセキュ霊ティを壊滅状態に追い込んだ…あ…悪魔…” というので「悪魔」だと思ったんですが、単にものすごく悪い人のことを悪魔と表現してるだけな気もしてきた。シルエットが人間離れしてるんですが、それは単に漫画的な都合で隠してるだけ、とか。
 んで、霊氷拳。まさかミタマが氷結系の能力者になるとは……。まぁ、霊と氷が相性いいってのは分かりますが(ブルックとか)。
 その修行。ストライプの “このくらいやらないと彼らは納得しません” がすげぇ良かった。やだこの親父ステキ……と本気でなった。スマホ叩き割るという既成事実を作ることで「修行なぞ認めん」と周りが言いにくくなりますよね。大人のしたたかさを感じる。
 んで、北極バスケ。シロクマたちが霊と関係あるのかは分かりませんが、「仲良くなる」というのはハゼレナとの付き合いでミタマが成長した部分なのかもしれませんね。ストライプが修行と言っているのであれが正しい形の修行という可能性もありますが。

『アンデッドアンラック』

 結果発表~!(パフパフ)
 前も言ったけどあまりにゲームチックで正直乗れないところもある。あと他のクエストが知らんうちに成功したり失敗してたりするので作者の都合を感じるというか。まぁ、一応失敗した理由が敵対組織(個人?)のせいなので全面的に悪いとは言わないけど。次のエピソードへのワクワクもあるし。
 透明人間が透明になるルールとそいつの捕まえ方みたいな部分は本作らしい理屈っぽさで好き。裸にならなくても透明になれるシステム。

『森林王者モリキング』

 職質。冷静ながら混乱を隠しきれない先輩警官と、完全に暴走する後輩。そこに引きの視点でツッコミを入れる勝子。さらに無邪気にショックを受ける翔太。各人に温度差があり、それらが無数に折り重なっていく。テンションや感情の高低がそれぞれ極端で、それぞれがアクセントとして見せ場を作っていく感じ、これぞ長谷川ギャグだなぁ……と懐かしい。1話限りのゲストキャラが妙に良い味出してるの『青春兵器』でもありましたね。今思い出しました。
 正気を保っていた(故に混乱する)先輩警官が最後の最後に良い話に落ちてしまい、勝子が強めにツッコんで終わり、という大オチも素晴らしかったと思います。

センターカラー『戦乱FREAKS』矢部駿 肥田野健太郎

 読切。作者は原作と作画。後者は『ZIGA』での漫画を担当。「作画」と「漫画」の違いが良く分からんのですが、本作のタイトルからして「化け物なら肥田野先生がいいんじゃない?」となるのは分かる。
 本編。超グロ展開で始まったと思ったのに、復活したらめちゃくちゃ可愛い。千龍のデザイン、キャラクターが圧倒的に可愛い。刺さった刀がチョンマゲみたいになってるのとかマジ感動するくらい可愛い。目がないのに感情表現豊かだし、クチだけというのも本作の「血を飲む」儀式を考えると最も忠実な家臣として象徴的ですね。敵の対象はクチを隠してるし、最初に仲良くなる犬もクチで語る存在。敵にはクチで威嚇し、味方には舌を出して可愛い表情を見せる。
 この犬のくだりで主人公の善人性を担保したのも王道ですね。からの犬が殺される『ジョンウィック』展開なんですがw
 記憶が消える設定に関しては安易なお涙頂戴を感じたというか、「何でそうなるの?」という疑問が激しいのでちょっとアレ。普通に「こんな気持ち悪い人知りません!」みたいなのじゃダメだったのだろうか。
 設定に関してだっと「器」もちょっと気になる。生への執着だけでよかった気がするんだけど、それだと最後に敵が復活してしまうからなのかな。とはいえ、理屈の分からない「とにかくこうなんです」みたいな設定はない方が好きだなぁ。読切だと余計というか。まぁ、連載とか意識してるのかもしれませんが。
 とはいえ、やっぱ千龍が圧倒的に好きなのであった。変身したあとに腕組みながら追っかけてくる感じとか「かっこいいのか?」みたいな不思議な感覚。敵がしっかりギャグ顔でリアクションしてるのがおかしいですね。馬が可愛い。最後の最後、決め技は大将のサポートに回り、自分は全力で中指をおっ立てる、というのも痛快でした。読切でここまでキャラの魅力にハマるのかなり珍しいと思う。さすが肥田野先生!! と言っていいか分からないからコンビ作家は感想泣かせw

チェンソーマン』

 マキマさんとの不倫旅行(違)は断ってアキくんの墓参りに同行。この2話マジで良いな。ホント感動する。パワーちゃんの暴れっぷりに対してデンジが “だな” と微笑む場面とか大人すぎて泣きそうになるし、その波がついにアキくんにまで及ぶ。一緒の飯を喰って一緒にゲロ吐いて真の仲間、という結論も最高。「一緒にゲロったら友達」というのは『ボーンコレクション』でもありましたね。ゲロは人間として情けない行為なのでそれを晒せる、共有できるという部分にドラマがあるのでしょう。アキくん、旅館ではパワーちゃんの嫌いなものを食べてあげてたのが最後にはデンジとパワーちゃんの作った料理を食べるようになる、というグラデーションが見事ですね。その前にも駅弁(パワー独占)やお供え物(デンジパワー共有)と徹底して「食事」で3人の絆を表現してる。圧巻でした。
 アキデンジが雪景色を見る場面も雪によってアキくんの憎しみが埋もれていくようで美しかったし、そこから憎しみの連鎖を断ち切る結論に至るのも最高。
 本当に素晴らしかったんですが、贅沢を言うなら、先生とニャンボちゃんの様子も見たかったなw シブオジと猫ちゃんの生活とか需要あるはず。

『マッシュル -MASHLE-』

 新キャラも加わっての仲良しグループ感。本作で一番好きなのココかもしれない。そこに登場するマッシュが初回からブレてないのも最高。「そういや一番迷惑なのコイツだった」と思い出させられる。
 んで、次の敵。敵キャラ登場シーンあるあるみたいなことをやってから “当たり前の事をさも真理っぽく言うのはやめていただきたい” と落とすのは笑いました。まったく意味分からないけど「こういうものだから」と違和感を抱くのを忘れかけてたw

ぼくたちは勉強ができない

 「いつも通り」で乙女の地雷を踏む。言葉に潜む心理の機微というのが師匠らしい。ただ、いつも以上を目指して四苦八苦してたんだから「いつも通りキレイ」で納得するのは違くない?? とは思った。まぁ、恋してる状態だと雑なロジックにも簡単にグラついてしまうのだとしたらそれはそれで面白い話だと思いますが。
 バラを背負う唯我。基本的にこういうギャグ大好物です。雑に連発するのも楽しい。バラと劇中で指摘されるのも冷静さは保ちつつグラグラ、という感じで良かったと思います。
 んで、おそらく本章で最も重要になってきそうな友達の好きな人を奪うことの後ろめたさ。これは良い。そもそもハーレム構造の持つイビツさから逃げないってのもあるし、このテーマはおそらく5本のルートの中で師匠が最も適任、というのも分かる。
 ハーレム構造の中の「独り占め」ってのは『ゆらぎ荘』でも出てきたテーマだし、このジャンルだと不可避というか重要なテーマなんでしょうね。『ゆらぎ荘』だとかるら様とか雲雀ちゃんが何らかの口実で独り占めした果てに「こんなの良くない」と成長するパターンが想像できますが、師匠のめんどくさい心理はむしろ幽奈さんとか千紗希の方が近いのかな。はぁぁ、『ゆらぎ荘』読みたい……

『夜桜さんちの大作戦』

 影が薄い道端くん。悪い奴じゃないクラスメートに押し潰される冒頭が笑えるんですが、2人のことを「姉が美人」「妹が可愛い」という情報経由でしか把握してなさそうなのも伝わってきて情報提示の手際が良い。
 あと、週プレならぬ「週刊スパイボーイ」も好き。表紙デザインが良い。ロゴの模倣っぷりも絶品。そんな太陽のスパイボーイに対して六美が “いいのよ 太陽も男の子だもんね” と母親みたいなリアクションするのも笑った。母親に言われると「うるせぇババア黙っててくれよ!!」ってなる奴w
 メロンパンと百合ちゃん。ちゃんと百合ちゃんが可愛い。というか、使い捨てで終わるのがもったいない。そっからのコースケが金払うのも笑いました。せめてクソ野郎ってあってくれ、という心理すごい分かる。
 んで、透明。ちょっと違うけど。石ころ帽子のロジックなので服も消える。服も消えるのに路上で露出プレイしてるのは笑った。気づかれないことの強みを最大限に活用してるとは言えるけどw

『アクタージュ act-age』

 大河「キネマのうた」面白そう。最近のリアル大河でもある近現代史ネタですね。『ワンスアポンアタイムインハリウッド』の潮流も感じる、かも。
 んで、オーディション。自己アピールがバトル的な展開になるのが面白いのは分かるけど、ちょっと大喜利っぽくなりすぎてるというか、本読みっつってんのに本閉じてケンカし出すのは普通にダメじゃない? それとも「元気で結構」的な感じなのかしら。とはいえ、オーディションなのに監督の視線を遮るような真似はさすがにどうなのかしら。
 涙ツーはバカでも分かる演技そのものなので爆笑しました。メタいのぶっ込んでくるやん。さらに言うと、今回のオチを踏まえて考えると、かつての夜凪を彷彿とさせるキャラが出てくることで「夜凪はもっと先行ってますけど?」という踏み台演出としても決まってますね。
 んで、メガネトリックで夜凪。冒頭2ページ目で4人が同じテーブルに並んでるショットがあるので当然その先の審査もこの4人セットで行われますよねー、という伏線。丁寧……なんだけど、今週の語り手である元アイドルは隣の隣に座ってた夜凪が一緒に呼ばれる瞬間に居合わせたはずなので「誰だろあの子……」ってなるのは現実的に考えるとおかしい。一応変装のために一度離席するんだろうけど、あの雰囲気であのテーブルで、4人ずつ呼ばれて隣の隣にいた夜凪に気づかないってのはおかしい。
 まぁ、伏線いっぱい仕込む理屈っぽさは好きです。「あいつは誰かなぁ?」と煽りすぎて「そりゃ夜凪だろ」と釣り針大きくなりすぎてる嫌いもあるけど、夜凪がオーディションを受けた理由のくだりとか普通に良かったです。たしかにあの言い分は夜凪。

『AGRAVITY BOYS』

 銀河生主四天王になったせいでババの居場所がバレる、とかロジカルに話が進行するの面白すぎる。ギャグ回に伏線仕込むのマジ油断ならない。
 ということでモニカ登場。サガちゃんが生やしたのは笑った。ウソのスタードダッシュがえぐいw とはいえ、どんなに違和感があってもズケズケを踏み込めないという意味ではうまい逃げだったのかもしれない。そこからたった2ページで “僕達付き合ってるんだ!!” となるのも爆笑だったんですが、「だから生やしたのか」と妙に辻褄が合う。それと同時に、あそこでグリスロウが気絶したのはモニカに見つかるサスペンスを考えたら気になる展開ですよね。あそこで飛び出したらアウトだった、という別のハラハラでもある。
 んで、生主混浴オチ。お風呂回を楽しみにすればいいのか、生主の裸に期待すればいいのか、生主のチンコバレにハラハラすればいいのか。要素が多いw 話の流れ的に「私も生やしました」はナシだよなぁ、たぶん。

『魔女の守人』

 逆転のアイテムはマギアレコード!!(惜しい)
 剣という棒状の暴力的なアイテムを捨て、針と糸で人を助けるという転換は好きです。クロードが刺される側なのも良いですね。あんな勢いよく刺すのは「ちょっと危なくない?」とか心配にもなるんですが、突きで戦ってきたこととの対比と考えればまぁ納得もある。
 んで、モブ兵士たちも剣を捨てる。人柄、人望、信頼というのは大切ですね。司祭をやっつける際にも剣を捨てる。怒りの鉄拳(ドラゴンではない)。まぁ、司祭の後処理が簡単すぎる嫌いはあると思うんですが、今ドラマとして大事なのは司祭じゃないのも分かります。司祭好きだったんだよなぁw

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 6/8はレイザーラモンRGの誕生日ということで、ジャンプあるある早く言いたい。説明で「知らないキミは調べてみよう!」という扱いになってるのが衝撃でした。まぁ、私も最新のお笑いについては全然知らないからなぁ、人のこと言えない。
 あるあるというか「あった」のはヤングジャンプの宣伝でグラビアの潮流知りがち、気づけばジャンプGIGA売り切れてて焦りがち。共感というか実体験。好きだと、作中に1文字だけ変えた架空のファミレス出てきがち。すげぇ分かる。ファミレス描写好きです。集めてデータベース化したいくらい(手遅れ)。どのファミレスをもじってるのかも作者のファミレス観が透けて見える気がする。「ココスって割とマイナーじゃない!?」みたいな。あと、ロイヤルホストはやっぱ少ないよね。学生キャラが多いからだと思うけど。

 6/12は桶狭間の戦い。日本三大奇襲特集。小山ゆうじろうの仕事が多くて嬉しい。
 日本の奇襲といえば源義経のなんか馬で崖下る奴だと思ってたんですが、三大に入ってないので意外。奇襲の定義が違うのかしら。
 3つともそうなんですが、当時なりの情報戦なのが面白いですよね。奇襲の方法がプリミティブというかちょっと牧歌的にも感じられる(イラストの影響でしょうがw)のが興味深いです。

次号予告

 新連載4つ始まるよ。こないだ始まったばっかやんけ……と思ったけどコロナ休みでややこしいことになってるのか。田村宮崎の新連載は本当なら心の底から嬉しいニュースなんですが、気持ち的にそこまで喜べなかったりもします。代償として支払ったものが大きすぎる……(代償ジャネェヨ)
 『約束』が超クライマックスでセンターカラー、ページ大増。超クライマックスという文字列で笑ってしまった。いよいよ終わると思うんですが、『約束』クラスは間違いなく「巻頭→センター」の流れだと思ったなぁ。

目次

 ジャンプマイベスト3。鳩胸先生のついつい口に出して言いたくなるNBAの選手。今週の本編と併せて「ほんとバスケ好きだな!!」とハゼレナの顔になって言いたくなった。

現状マリオでも戦場避けるべき相手っていますか?存在しない…?助けて誰か…
(『森林王者モリキング』)

 かろうじて『スマブラ』の話題だと分かる。避けるべきとかあるのか……とかそういうレベルですが。

ミウラ先生ゆらぎ荘連載お疲れ様でした!落ち着いたらご飯とか行きましょう!
(『ぼくたちは勉強ができない』)

 「落ち着いたら」は『ゆらぎ荘』の最後の仕事とか『勉強』の完結のことかと思ったんですが、コロナのことですね。そっちか……。

愛読者アンケート

 読切について。例によって「この作品を連載で読みたい」「別の作品で読みたい」みたいな選択肢あるんですが、この作家コンビについての是非については選択肢がない。『ZIGA』ファンが「あのコンビで戻ってきて……」と思ってもそのはけ口がない。まぁ、セットで1人の作家みたいな扱いなのも分かるけど。
 あとは付録。シール。「毎月カスタマイズシールが付くことを知っていますか?」と聞かれドキッとした。知らなかった。そんな継続企画あったのね。ご、ごめん……。

総括

 終わりました。心の持ちようがマジで分からないレベルで虚無感なんですが、まぁブログ書くのにかかる時間は減ると思うので良かったじゃないか、と無理矢理。
 『ゆらぎ荘』は最初興味ないと思ってたのに次第に「これはすごいんじゃないか?」とハマっていった作品なので、ブログやってなかったらそもそも読んでない、読み続けてない、雑に読んで良さに気づかない、という可能性があった作品でした。そういう意味でジャンプ感想ブログをやってきた上で最も思い出深い作品と言えます。最初から「そうそうこういうの好きなんだよ」とハマった、『ゆらぎ荘』と同じくらい好きな作品なら他にもありますが、そうじゃない良さ、とりあえずジャンプに載ってるの全部読んでみる接し方ならではの良さを最も感じた作品でした。つれぇわ。

 はい、最後に今週のベスト作品。当然『ゆらぎ荘』になるわけですが、割と今週は「今週はコレだろ!」と言いたくなる作品も多かったです。まぁ、当然『ゆらぎ荘』なんですが。
 次点は読切、『ヒロアカ』、『ブラクロ』あたりかな。

 ベストコマですが、 “ゆらぎ荘の地縛霊でいて いいですか…!?” になるのかな。物語的なオモシロでいうとその前の部分のが好きなんですが、作品を通じて、最終回としてふさわしい決めゴマという意味ではここが最強ではないかと思います。

 最後に今週のベストキャラ決めて終わります。

  • 千龍 『戦乱FREAKS』
    • 『ゆらぎ荘』にしようかとも思ったんですが、コガラシ幽奈のどっちかとか選べなかったし、雪崩くんでお茶を濁すのもアレなのでやめました。

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