北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』637話の感想

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 「もうちっとだけ続くんじゃ」への期待。


#637

 扉は会長。ただし「○○回」というアオリはなし。実際、本編の内容は前回までと明らかに違って、いよいよ最終回に向けて動き出したな、という感じ。

 桜。桜才といえば桜!! というイメージをどの程度のファンが抱いてるかは分かりませんが、たぶんアニメの影響で桜のイメージが強い人は多そう。とにかくそんな桜が咲く。季節外れらしいので、一応リアルの季節と同じ時節なんだと思います。秋だか冬の始めだか。そんな無茶な時期に桜を咲かせた意味ですよ。どう考えても完結を意識したものですよね。正直に言いますと、「完結といっても特別なことはせずに終わるのではないか」とか思ってたんですよ。フワーリもないと思ってました。過去の劇場版に書き下ろしたエピソードが「最終回かな?」と思わせてからの「なーんちゃって」みたいな内容なので、そもそも最終回的なものに興味がないのだと誤解してました。実際のところ、めちゃくちゃ気の利いた最終エピソードを持ってきたやないかい。衝撃。変な話、『濱中』『あかほん』『プチたん』といった非4コマのストーリー漫画よりも最終回らしい内容というか、最終回に向けた気合いを感じる。氏家ト全という作家が本気になっているのでは‥‥とワクワクしてきました。
 んで、4コマのオチとしては、舞い散った桜の花びらの中に会長の私物が混じってしまって‥‥。冷静かつ突き放すようなタカツッコミで笑ってしまった。簡素でありながら強いw

  “お別れのあいさつのために咲いたのかもしれませんね” と畑さん。めちゃくちゃメタな話だ‥‥。桜の木がなくなるという一大イベントであり、当然最終回を迎える本作から読者へのメッセージですよね。ここまで「最終回でござい!」という内容になるだなんて。まぁ、最長の連載ですし、思い入れも大きいだろうから当然なのかもしれないけど。

 桜の説明の続き。職員室で横島先生から説明を受けるんですが、職員室を斜め上から見下ろすような構図で、コマの端には小山先生もいる。人数の多さもそうですが、かなり珍しい絵面になってて好き。この2コマ目。
 そんな横島先生のことをサブタイで「OGの見解」と説明してるのが良い。生徒会顧問というだけではない。横島先生だって桜に対する思い入れがあるはず‥‥と考えさせられるサブタイ。そんなことを考えるとオチにおける横島先生の発言にずっこけさせられるというか、相変わらずですねw

 からのコトミ。あの桜はムラサメの縄張りなので津田兄妹としても一大事である、とのこと。ムラサメくん、津田家に飼われるようになってからは家猫だと思ってたんですが、定期的に外出してるのね。拾い猫だから飼われる前からのお気に入りスポット、という可能性もあるかも。
 唐突にも思えるタイミングでコトミが登場したんですが、オチではさらに唐突な出島さんが登場。代わる代わるキャラクターが現れる感じ、いかにも最終回、最終エピソードっぽい‥‥。感慨深いと同時に「本当に終わるのか」と実感させられ、寂しい。
 ちなみにですが、「猫スプレー」という単語、初めて知りました。ただのおしっこではなく、縄張りをアピールするためのものを指す言葉だそうです。ここに来て飼い猫描写が精細だ。前から調べてたのか、元々知ってただけなんだろうけど。

 会長、2コマぶち抜きで “桜の木を残す署名活動をやろう” 。最終回に向けて、最終エピソードとしての方向性が決定づけられる。知り合いのキャラクターを網羅できる署名というアイディアが見事ですね。本話だけでもかなりの数登場してるんですが、来週以降さらにたくさんのキャラクターが登場するのでしょう。トリプルブッキングが久々の登場という可能性もあるかもしれない‥‥。会長はスカウトされたことあるので、連絡は可能だと思う。
 正直めちゃくちゃ熱い話で、本作を読んでるとは思えない感情を喚起させられるんですが、タカくんの “オレもひと肌脱ぎます” に反応したアリアの空耳オチ。この超特別なエピソードが動き始めたというタイミングで、おそらく本作で最も定番の型といえるオチが飛び出るので笑う。アリアがいつも以上にテンション高く、嬉しそうな表情してるのが最高。

 最終ページは連結8コマ。署名活動が始まる。「桜才のシンボル守り隊」。前半の4コマは署名を集める場面のモンタージュ。柔道部、映画部、風紀委員会と回る。パリィが風紀委員ということを忘れそうになるが、風紀委員です。たしか初出は#512
 柔道部からはムツミ、チリ、トッキー。さすがに1コマだとこの3人が限界だった模様。
 映画部からは柳本、ナオちゃん、ヨシくん。この3人を映画部という一括りにできるのは見事ですね。メインすぎない、けど間違いなくお馴染みの人たち、というラインなんだけど、映画部という共通の所属があることで扱いやすい。
 ここで気になる、少し怖いのが柔道部の出番これが最後なんじゃない? という懸念。柔道部って桜才の中でも対外的な著名度は随一だから今回の活動的にも便利そうなんですが、ナオヨシと同列の扱いなのでこれで終わりそうな気がする。こうなったらやはり、最終回でムツミのパンモロに期待するしかないのか‥‥。

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 一部のファンが騒然としたのがこの1コマ。映画部の次回作案がそのまま氏家ト全次回作案という匂わせなのではないか。そして、その内容。最有力とされてるのが「ファンタジー」。これはファンの間で定期的にネタにされる「次回作は熱血ファンタジーバトル漫画」への目配せですよね。
 いや、ネタと言っても元ネタは作者のインタビューですので、「本当にマジの発言だった可能性が!?」と衝撃。ちなみに出典こちら。

 後半。署名が集まったものの、まだまだ目標人数には届かない。ということで次回は校外の人に署名をもらう話になりそう。英稜はもちろんのこと、古谷さんなどの桜才OG、そして今回直接言及があった親。津田母の本格登場、そして津田父の初登場にも期待がかかる‥‥かもしれない。まぁ、来週は英稜メインって感じになるのかなぁ。
 次回が英稜を中心にした桜才の外の人たちの話。次次回が署名活動のまとめ。そして最終回では桜の下で一同フワーリ。そんな気がしてきました‥‥。


 終わり。すごいことになってきたぞ‥‥と初読時からそわそわしっぱなしです。ここまで本気の最終エピソードが来るとは思ってませんでした。
 そして、今回一番気になったのは例のファンタジーのくだりではなく、このコマ。

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 切り落とされる桜を本作の完結の暗示にしてるのは確実なんですが、気になるのは横島先生の発言。 “切るか植え替えかでモメているんだけどね” 。植え替える。まぁ、切らないハッピーエンドの線を提示してるんでしょうが、「桜の植え替え=本作の移籍」という考えはできないだろうか。まさか、終わらない、終わるけど続編がどこかで始まるのでは‥‥という可能性を勝手に見出してしまい動揺がすごい。完結発表以来、気持ちの整理がつかないなりに整理をつけようと頑張ってたんですが、ここに来て変な望みが出てしまった。ファンタジーの件が匂わせというのは熱心なファンに向けた目配せ的なギャグだと思いますが、本当の匂わせはこっちだったのではないか。本作の植え替え‥‥あるのか?
 ということで今週のお気に入りはそのネタ。
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