北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』639話の感想

20211111040836

 いよいよカウントダウンするのも意味をなさない域になりましたね。つらい‥‥けど、次号の特別企画は楽しみだったりするので複雑です。久々の一問一答、どうなってしまうのか。


#639

 扉はタカくん。非常に珍しい。最終回はさすがに無理だけど、最終回直前ならではのスペシャル感。
 そういや、前回、さくらたんとして登場してるので、2号連続でタカ扉ですね。

 署名。集まった署名を前に感慨深い会長。シリアスめ、エモめな雰囲気からの台無しとも言えるオチで笑った。笑ったけど、少し安心に近い感覚もあるかな。本作の泣き要素に走らない姿勢にどこかホッとする。
 直接の登場はないけど、桜才生徒会前会長として名前だけ出てくる古谷さん。会長のオチは台無し的なノリなんですが、ひょっとしたら緊張してるから前任者の姿を参考にせざるを得ない‥‥ということでの古谷イズムだったのかもしれないw

 今週も2ページ目から連結8コマのみで構成される。2週連続すごいですね。来週はどうなってしまうのか‥‥。
 署名を持っていざ学園長室。まだ学園長は登場しないんだけど、しないからこその存在感というか、ラスボス感。別に敵対してるわけじゃないんですけどねw
 緊張が止まらない会長、署名が重い。重いのなら‥‥というアリアたちの行動で普通に感動してしまった。ちょっとまずい。不意打ちやめて。マジで感動しちゃったから。本作史上最も、過去作を含めても最も感動した瞬間かもしれない。
 一応ギャグ的な雰囲気のオチはつくんだけど、ギャグっぽいと同時に感動的でもありますよね。あのスズが、自らのコンプレックスである低身長を生かした協力を買って出る。オチの部分が2コマぶち抜きなんですが、前半1コマが会長のバストアップ、吹き出しが2コマを跨がるように配置され、後半のコマにスズ。この、あくまでも2コマを前提とした構図も見事だし、だからこその視線誘導。そして、この2コマの構図によって浮かび上がるのは、スズヘッド。前半の1コマだけ切り取ったらいつもの、本作名物の「スズヘッド」の構図じゃないですか。今回はそこに初めてスズヘッドの下にいるスズ本体を描く。本作で最も繰り返し描かれてきたスズヘッドの構図を踏まえた最終エピソードらしい仕掛けでこれまた泣く‥‥。

 号泣してる学園長。説得に苦労するみたいなドラマは1ミリも存在せず、即落ち。まぁ、ここで「桜は伐採だ!」とか言い出すなんて想像できないんですがw
 少し気になったのが、学園長の “桜を残す形で工事を進めよう” 。これだけ読んだら現在の位置に桜が残るように思えません? 2話前では横島先生が “切るか植え替えかでモメているんだけどね” と言ってるので、ここでの「残す」は植え替えのことだと思うんですが、だったら学園長に植え替えと言わせればいいのではないか、とか勝手なこと考えちゃう。まぁ、たぶん植え替えなんだろうけど。植え替えだとしたら、最後にみんなで写真を撮ろう……と『濱中アイ』パターンも考えられるw
 後半4コマ。桜才のみんながやってきて祝福。会長を胴上げ。畑さん、カエデ、コトミ、ムツミ、ネネ、トッキー、パリィ……そしてチリ。チリヘアーでの登場。言うても2コマぶち抜きですので、面積に限界があり、ここに入れなかったキャラ(のファン)はドンマイやで。
 からの胴上げでオチ。マジでひでぇオチなので笑った。ひでぇと同時にくだらないw 前述のようにこの場に誰がいるかは明示されてるので、フーダニット的な犯人探しを妄想するのも楽しそうですね。たぶん答えは設定されてないけど。位置的にはスズかパリィが怪しいけど、ああいうことやりそうなのは畑、ネネ、アリアあたりだと思う。空気を読まないという意味ではパリィもかなり怪しいかもw

 最後も8コマ。桜の木の下で会長とタカくん。直前が全員集合みたいなわちゃわちゃしたノリだったのから一転、本作における最もミニマムな人物配置。シノタカ。
 またこのネタが良い。会長が “でも 変わらぬ日常を守り抜いたのって” “私のエゴかな?” と言うんですよ。桜の話なのにわざわざ「日常」と言い換えてるのが味噌ですね。要するに、本作の終わらないと思われた、永遠に進まないと思われた時間について、15年も続いた本連載のことを言ってるのだと思います。まさか作者の代弁がここまでストレートに劇中に出てくるとは‥‥。自分のことを語るのを極端に避けるあの氏家ト全という特殊な作家が‥‥という感動。作者的にも感慨深い気持ちがあるのだろうと伝わってきます。やだ、泣いちゃう。
 そんな会長の “私のエゴかな?” に対して、タカくんが “好きです” 。これは、最終回らしく結論が出てしまうのか!? ‥‥と思った読者はどのくらいいるでしょうか。私としては「こんなにぼやっとした表現、タカくんにとって他意はないに決まってる」という感じでしたw とはいえ、ガチでシリアスに受け取っちゃう会長の2コマぶち抜きがマジめちゃくちゃ可愛い。本作の15年の歴史のハイライトと言えるようなショットだったと思います。
 からの「だよねー」的なオチ。タカくんのブレなさも笑うんだけど、それに対するアリアとスズのリアクションも良い。アリアは「だよねー」的なスタンスで、スズは会長と似たマジに受け取りかけてる。この4人のバランスが良いよなぁ。あの最後の1コマに4人が収まってる感じ、すごく好き。桜才生徒会の平和な日常、その象徴みたいなものを感じる。


 終わり。次号の特別企画に関しては、誌面上でもいいし、web上でも確認できます。超久々のインタビューがやっぱり気になる。熱血ファンタジーバトル漫画の続報が聞けるかもしれない‥‥(そんな昔の発言を踏まえたこと言うとは思えないけどw)
 とにかく、泣いても笑っても来週が最終回!! つらい!! けど終わる!!
 どう終わるんですかね。写真撮影で『濱中アイ』パターンもありそうだし、『妹は思春期』的な4コマの連続もありそう。あとは、時間が一気に飛んでの後日談みたいなのもありそう。卒業もしくは生徒会の世代交代。ちなみに、webだと載ってないけど、増ページです。よし、ここは予想が当たった。単行本は幕間のページを潰して増加分を用意するパターンだと思う。描き下ろしも増えたりして(描き下ろし漫画はナシの可能性もあるけど)。てか、増ページとなると、『妹は思春期』パターンにも現実味が‥‥?
 とりあえず今週のお気に入り。「4人で」です。最後のスズヘッドが最高でした。
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