北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年49号の感想

 『生徒会役員共』が終わって伊原新作が始まるという考え方はどうだろうか。さすがに釣り合わないけど。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in 英語。『PPPPPP』よりラッキー。まさかの作品である。順番が一気に飛んだ。これはアレだろ。来週からの新連載がそのまま本コーナーにも起用されるパターンだろ。本年度も残り3号で、来週から3本新連載なので。
 英語。めちゃくちゃ分かりやすい。中学英語でも安心の文章である。「海賊王におれはなる」的な文章でありながら、補足的な2文目が本作らしくて良い。

表紙

 『ONE PIECE』。ルフィ、ヤマト、モモ。ヤマトはこのまま一味入りな予感もするけど、ルフィ以外との絡みがあまり想像できない。表紙関係ないか、この感想。

読者プレゼント

 ガネーシャ。インドの神様ですね。すげぇ珍しいの持ってきたな。ただ、「目ガネーシャ」とかかなり好きです。珍しい題材なだけあって、ダジャレはしっかりしてるというか。とはいえ、タイトル以外のダジャレは使い回しも目立ちます。
 イラストでいうと、漫画(もしくはジャンプ)を持ってるんですが、その漫画が『ドラゴンボール』風。ジャンプといえばスーパーサイヤ人、みたいなイメージなのでしょう。
 てか、イラストですね。毎週写真がメインになる気もしたんですが、そんなことはなかった。やっぱコロナ明けてもイラスト主体のままなのかしら。
 あと、グッズの中に「ウボンゴ」がありますね。某作品の読者の間では非常に有名。てか、ウボンゴから逆算して『勉強』ネタにすればよかったのに……。ジャンプ作品のパロディは避けるべき、みたいなのあるのかしら。

巻頭カラー『ONE PIECE

 カラー扉がかっこいい。おそらく各組織のNo.2的なテーマだと思うんだけど、シリュウはちょっと違和感あるか?
 本編。ジキジキの実って名前、本編だと初出だっけ? 本編より先にSBSで発表になったのは知ってるんだけど、その余波で本編が既出なのか忘れてしまった。
 マムは健在の様子。モブがたくさんいるのはリアクション要員として便利だからと思ってたけど、マムの緊急用食料でもあったのですね。なかなか便利な設定だわ。マム。
 本話のメインはサンジ。ジェルマの戦士として覚醒しそうだったが、まっぴらごめん。ここまでハッキリと拒絶するとは正直思ってなかった。何かしらの理屈をこねてサンジなりに折り合いをつけてレイドスーツを着こなすんだとばかり。サンジのパワーアップの儀式として必要不可欠だと思い込んでました。それなのに「ジェルマを受け入れるのはどうなの?」とも思ってたので、今回のサンジの決断は個人的に超熱い。想像以上に面白いです。逆に言うと、想像以上に長い。もうそろそろワンパン決着だと思ってたけど、まだまだ波ありますわw
 ゾロへの “お前がおれを殺せ” も熱いし、2人の関係性萌えのファンは悶絶必至……かつ必死だろうと思うんですが、個人的にはスーツ抜きでサンジがどのように戦うのか、どのようにパワーアップするのかの部分が気になります。わざわざスーツを捨てる話をやったんだから、「スーツなしでは勝てない」が前提だと思う。だから別のロジックによるパワーアップは不可避なのだろうと。

『呪術廻戦』

 本編前のおさらいコラム。釘崎の死亡がどこまで確定的なのか気になってるんですが、明確に「死亡」とは書かれてないのでこれは……と思ったけど、他のキャラもあまり明言するような表現はされてないのでそれほど参考にはならないかな。一部、疑いようのない死を感じさせるキャラもいますけど。
 本編。日車の領域展開による裁判ごっこ。特殊ルールによるバトル(戦闘ではない)が面白いんだけど、領域展開だとどうしても一撃必殺的な話に直結しがちじゃないですか。たぶん作者としても扱いにくさがあったんでしょうね。領域展開の新解釈を持ってきてて面白い。必殺ではなく、必中。必中つまりルールの強制。要するに『幽遊白書』のテリトリーと同じ感じだと思います。てか、テリトリーって領域か。ややこしいなw
 裁判ごっこ。虎杖の容疑が読者的にも身に覚えのあるもので笑った。あのくらいだったら大した罪にならないと思うんだけど、そこらへんは深く考えても仕方ないのだと思う。何度も使うような能力じゃないと思うし。もしくは軽くてあの判決だったのか。
 虎杖が頑張って裁判ごっこに付き合うんだけど、当然勝てない。ただ、決着したあとに日車が “君はただ” “「そんな店知らない」と容疑を否認すれば良かったんだ” と勝ち筋を教えてくれたのが面白い。弁護士らしさが残ってますね。そんな論戦のロジックとして三店方式が出てきたのは笑った。少年ジャンプで何やってんだw
 面白かったけど、これですべての決着がつくほどの説得力は感じないというか、攻防の面白さは生まれない。そう思ってたら、結局のところ殴り合う話になるので安心した。ここらへん本作は信頼できる。正直「あの裁判何だったんだよ」と思わんでもないが、それなりに楽しかったので個人的にはアリ。

Dr.STONE

 クロム、ひらめく。千空(=既存の科学)を上回る発想でないといけないので、石化装置を使うと思ってて、かなり確信に近かったんですが、全然違ったw 既存の科学の範疇で、いつものズッコケ芸もやるんだけど、千空たちにはなかった発想。知ってるけど、 “俺もゼノも100億%考えの外だ” 。理論上はあり得る、みたいな感じですかね。クロムが千空に勝つ、というかなり無茶なお題に対して、それなりに……いやかなり説得力を感じられた。もちろん最初から千空がこのアイディアを出してても違和感ないんだけど、千空たちは現実で行ってる科学を再現するのに終始してるので……というラインを突いたのが良い。
 そんなクロムのアイディア。劇中のセリフにも出てきたけど、百夜のスピンオフのことも思い出しちゃうよね。あのときの取材がここにきて活きてきたと考えるべきか、百夜スピンオフとの連結が近づいてると考えるべきか。
 多数決。正直SAIがプログラムを組むのはまったくの無駄だと思う。普通に紙と箱で事足りるでしょ。一応SAIに「満票だと……?」とやらせたかったんだろうけど、それも正直紙と箱でできたんじゃないかしら。

センターカラー『逃げ上手の若君』

 カラー扉。現代における若。くそぅ、可愛い。
 本編。三大将の間の連絡。敗北条件が説明されるくだりとか論理クイズっぽいワクワクがあって好き。ただ、それを漫画的な展開として見せるのは難しいので……と本話のラストでめちゃくちゃ分かりやすいサプライズで物語が決定的に動き出すのも面白い。論理クイズ的なものを考えてると肩透かしなんだけど、否応なしに盛り上がる分かりやすさをぶつけてくる周到さは見事だと思います。難しそうだけど、実際に読んでみると楽しさを得るのは非常に容易。
 鷹の動きで戦場を読む。漫画的なハッタリとしては全然飲み込めるんだけど、史実としてはどこまでマジなのだろうか。あんな鷹を通じて敵陣を読み取るなんて可能なのだろうか。あれだよね、映画『レッドクリフ』でも金城武がやってたよね。ただし、監督がジョンウーなので鳩。「ここで鳩出てくるんかい!!」と映画館で笑いました。

『SAKAMOTO DAYS』

 1周年記念でプレゼント企画があるんだけど、その参加のためには本編ページを切り取る必要がある。今時こんなことあるのかよ。こういうことやると大抵ファンが嫌な顔するから避けると思ってたのに。特設ページ用意してあげてよw
 本編。にぎにぎ圧縮おじさん、バトルスタイルも面白そうで興味あったんだけど、南雲が相手なので勝てる気が1ミリもしない状態で見ることになったのが残念ではある。
 ただ、南雲の勝ち方、冷蔵棚のガラス戸による反射を使ったホラー演出がかっこよすぎてマジ最高。先週南雲がやってた変装を用いた演出なのがまた良い。
 先週のエレベーターのくだりでも同じ感想書いたけど、演出が映画っぽいんだよね。これはさすがに映画由来のアイディアだと思う。そう思いたい。いや、別に面白ければ何由来でもいいんだけど。
 んで、坂本。痩せられない。不調と煽られてるけど、バーサンによるサポートが入ったので、不調というのは考えにくいですよね。痩せないまま強さを維持できる(昔の強さに近づける)ようになったってことなんじゃないかしら。痩せると本気モードってのはスーパーサイヤ人っぽくて面白かったけど、痩せちゃうと絵面的には面白くないのでデブのまま強くなる道を選んだ……のではないか。

『アンデッドアンラック』

 幼女不壊が「ふええ」とか言ったりはしない。残念である(どこがだよ)。
 冒頭に “勝手にアイツが勝つ為の” “行動をとっちまうみてぇだ” とアンディ。最初にこの情報を出したのが効果的だったと思う。アンディが余計な気を使ったりしない。そっち方面の情報を除外することで話がシンプルになってる。
 そんな自動システムに加え、独楽を回すテクニック面は1ミリも関係しないようなので、独楽を選んだ時点でプレイヤーの仕事は終わってると思われる……が、「たまたま」の装った妨害。からの風子の一計。アンディの血による攻撃と呼応するようでもあり、自らを犠牲にすることで不壊の一心にも響く。
 相手がアンディなので不運の効果も申し分なし、という理屈は良いんだけど、さすがにあの出血での接触という方法には無理がある気もする。逆ドーム状だから中央に垂れるってのは分かるけど、結構ヒビとかあるので、そううまいこと流れ落ちるだろうか。そもそも出血量がえぐい。
 んで、不壊が勝負を捨てて風子を守る。マッチョ女性なのは鎧に対する自信のなさの現れだと思う。松本人志が突然マッチョになったのと似てるのではないか(イヤなたとえ)。ただ、読者の立場からすると「デボネアさんフォロワーじゃん」という印象も勝手ながら湧く。
 あと、一心が裸の状態でも普通にやり過ごしてたので鎧のくだりがちょっとよく分からない。なんかそれ用の理屈に私が気づいてないだけかしら。そのくらい不自然。

センターカラー『ヨド・ヴィーナス』名越良祐

 読切。金未来杯のNo.5。最後ですね。
 本編、事前のビジュアル的に美少女ものかと思ったんですが、ギャグ……と思ったら意外なほどバトル要素が多くて驚く。バトルが多くてバランス悪いような気もしたけど、基本コメディ、その中でバトルをやってる感じで個人的には結構好き。ヒロインのこじらせキャラみたいな部分も、最初の意外性を除けば、それはそれで結構定番のキャラクター造形なので、掘り下げすぎないのはむしろ良かったのでは。
 イケメンくん。学園の王子様キャラなんだけど、男子人気もめっちゃ高くて、 “コウは女子なんかとつるまないの!!” となってるのが何かすげぇ良かった。モブ男子とモブ女子で喧嘩はしてるんだけど、全体的に仲良し感があるというか。男子人気もある王子様とか最強じゃん。
 堕神。元神で、ヒロインが失敗したらなる姿。それこそ『まどマギ』的な恐ろしい話になりそうな設定なんだけど、随分と軽いノリのまま終わる。そもそも堕神フルボッコでいいのか? とか余計なことも考えちゃったかな。
 そんな堕神。最初に出てきたモブ堕神が “イケメンですんません” と言っててギャグなんだけど、これ意外と伏線のようなセリフというか、最後の堕神と呼応するようなセリフですよね。2周目読んでて驚かされました。
 こじらせたヒロインの心の内を暴露し続けるペスも良かった。RIP SLYME大変そうですね。RIPも好きだけど、PESのソロもめっちゃ好きなので、またソロで曲出してくれるといいなぁ。
 ペス。巨乳のくだり、 “これは少し嬉しいけど気色悪いのと見下してる感じが腹立つという顔です” が好き。巨乳になったことないけど、なんか説得力を感じた。こじらせてクラスで浮いてた女子が巨乳という飛び道具で注目を浴びる、という前提込みで。まぁ、実際は普通にキモいだけ、という可能性もあるのかな。モブが勝手なこと言ってるのはムカついて仕方ないですし。
 意外なほど充実してるバトルパート。尺としてもそうですし、物語的にも熱いことになるので驚く。ただ、それでもコメディとしてチューニングされてて、それが絶妙。敵の必殺技の大ゴマは普通にかっこいいんだけど、ヒロインの必殺技は名前でふざけてるの、良いよね。あと、必殺技を出す際のヒロインが妙に腰くねらせてるポーズが漠然と神っぽくて好き。当然かっこよくもあるんだけど、妙にクスッとくる成分も感じてしまう。そういうバランスが好き。
 終わり。面白かったです。金未来杯だと2番目に好き。個人的には最初の作品の魅力が圧倒的すぎるのでそこは動かないんだけど……という2位。まぁ、金未来杯は個人が「一番好きなのは○○だ!」と決める企画ではないんだけどね。勝手にやってるだけです。

僕のヒーローアカデミア

 『スターウォーズ』部隊の面々の顔が映るんですが、どれがどれなのか、名前と顔が一致しないのがモヤるw
 関係ないけど、先日公開された映画『エターナルズ』にティアマトさん出てきましたね。神ネタということで偶然の一致なんだけど、タイミングが完璧すぎる。
 正直、スターは負けるために登場してきた感があったので決着についてはそれほど魅力を感じないんだけど、弔側に作戦がワンロジックあるのが良かったな。新秩序の数を見抜いた上でのタイミングの見極め。弔側もギリギリの戦いをしていた、というのが良い。

センターカラー『高校生家族』

 後夜祭でのバンド演奏。これはJASRAC申請不可避だろ。よりによってテニス部……。
 んで、家族による代打。テニス部にいるときはノリノリで中二リリックしたためられるんだけど、家族と演奏すると途端に冷静になってしまう。つれぇわ……。勘違いさせ続ける優しさってあるよね。
 歌詞に自らツッコミ入れ続けるのが悲しいんだけど、 “心の臓って何だよ…! 心臓でいいだろ ふつうに” で爆笑してしまった。考えたことなかったけど、たしかに「心の臓」って謎だわw

『PPPPPP』

 コラムページ、ガチの先生によるリアルすぎるインタビュー。漫画関係ない内容なんだけど、だからこそ興味深かった。『若君』のコラムの影響も感じるかな。ガチめの内容にも需要がある(たぶん)。ただ、『若君』のコラム以上に本編関係ない。そこが良い。
 本編。天才と凡才とバケモノ。このバケモノの定義、すごい良かったな。やっぱ本作、変なところが理屈っぽい気がする。ホメ言葉ですよ。「弱点を武器に変える」とかよく言われがちな話ではあるけど、その「なぜそれが強いのか」の部分がすげぇ丁寧。
 本作特有のファンタジー、それを通じて「曲の解釈」を視覚化してるくだりも面白かった。胴上げのとこ。
 ラッキー、良い演奏はしたけど、さすがに優勝(?)できるほどではない。「分かる人には分かる」じゃダメなんでしょうね。映画に使うわけだし。
 んで、次の課題として出てきたのが「音を大きくしよう」というクソほどシンプルな内容。分かりやすすぎる結論なので笑ったけど、通しで読むと普通に説得力を感じられるのが面白い。

『夜桜さんちの大作戦』

 六美のダイエット。それはさておきアイさん。六美を甘やかす最強の敵という扱いなのが良かったし、デリカシーなく “プニプニー!!” と言ってくるのが最高。愛憎入り交じってしまうw
 あと、四怨が相変わらずセクシー要員してるので何より。百合の花咲かせんなよw
 んで、兄弟姉妹たちに相談するも、変人すぎて参考にならない。これ、『ゆらぎ荘』であったよね。雲雀ちゃんで。長男が “あるがままの六美が一番魅力的に決まってるだろう” と本人はホメてるつもりだけど、女性たちドン引き、というのも『ゆらぎ荘』であった。『ゆらぎ荘』の場合は完璧超人と思われたコガラシくんがこの過ちを犯してるのが面白かったんだよな。優しいけど、根本的に理解がズレてる、というのを『夜桜さんち』では完全にギャグ要員(ここでは)に言わせてる。
 兄弟姉妹たちの変人ダイエット法に関しては、七悪のくだりが最高だったな。 “これが僕の作った痩せる薬なんだけど” のセリフがヤバすぎて笑う。どういうギャグなのか、劇中で説明的な描写やツッコミはないんだけど……というバランスが良い。鼻から吸引するくだりも笑うんだけど、コマの中に描かれるのは関係のないゴリアテ

『アオのハコ』

 咄嗟に手を取ってしまった大喜はどうするのか!!? と思ったら何もないまま終わる。こないだのベッドのくだりもそうだけど、週刊連載のペース配分というか、毎話のオチで驚かせるのが無理矢理すぎる。あまり好きではないな。最近急に頻出してるけど何なのだろうか。面白いと思ってるのか、もしくは評判良かったりするのかな。もっと大味な作品だったらそういう強引さも愛嬌になるけど、本作みたいに丁寧にドラマを描く作品だと普通にマイナス面の方が目立つと思うんですが、どうなのかしら。
 庭でバーベキュー。からの大喜パパ。レアキャラ登場かと思ったら、これがかなり良かった。千夏との譲り合い論戦がすげぇ面白い。どちらも誠実だし、どちらの言い分も正しいんだけど、最後の最後には大人の強さが感じられる。良い意味での「子供扱い」。こういう大人キャラ良いなぁ。
 そんなパパ、メガネである。これまた加点だわ(チョロい)。こういう控えめなお父さんキャラ、メガネかけがちですね。

『僕とロボコ』

 千鶴とシュン。心を読みながら心の中でツッコミを入れる。2つの心の声が並列して語られるので、若干読みづらいというか、コマの中がパッと見で分かりにくい。まぁ、どうかしてるのがモテ杉くんなので読めば分かるんですが。
 そんなモテ杉くんの登場シーン、ギャグにしつつ普通にかっこいい。強キャラ登場としてのアゲもあるし、意外な2人の絡みという良さもある。
 モテ杉くんの葛藤を覗き見る。ちょっとした心理戦なんだけど、やってることは極めて馬鹿馬鹿しい。それに対する千鶴の助け船もスマートで見事だったんですが、そこからの大オチも良かった。「なぜボンドがあんなにモテるのか」という謎があったから答えは「すぐにホレるから」。あの狂気的なモノローグの対象が自分になるのは恐ろしさが倍増するのも良かった。基本的には「仲良くなってハッピーエンド」的な感じなんだけど、そう単純な話ではないw

『破壊神マグちゃん』

 セイラちゃん回再び。新キャラが登場し、その新たな視点を通じてその作品が積み上げてきた主人公たちの日常がいかにおかしなものだったかを客観視する。『ゆらぎ荘』でも新キャラが出る度にやってた奴や……。 “混沌の神々 最上位六柱の半数が集うなんて…!!!” っていうツッコミもめちゃくちゃ『ゆらぎ荘』ですよね。あと、六柱の半数って言ってるけど、この他にウネさんも加わるの4/6に増えるのも面白い。
 セイラ回であると同時にチンアナゴのニニツィ回。軽薄すぎるというか、変わり身が早すぎる。セイラが可哀想ではあるけど、変わり身の早い奴じゃないとそもそもセイラの味方するはずがないですね。あの軽薄さ、表情はそれほど変わらないのに軽薄なのが伝わってくる感じ、秀逸だわ。
 セイラの壁尻……ではなく壁首。性的な要素の回避ぶりが本作らしいし、ツインテール振り回してるのが新たなギャグになってるのが良い。可愛さの象徴みたいなツインテールが強めのギャグに繋がる。
 あと、特に意味なくナプタくんが亜空間に落ちるのも最高でしたね。マジで前後に何の意味もないんだけど、「まぁそりゃ落ちるだろうな」という納得があるw
 性的な要素がないと先ほど書きましたが、ラストはまさかのお色気展開、それこそ『ゆらぎ荘』でも既視感あるようなオチになるので笑った。めっちゃ意外。本作がこういうことやるとはなぁ。ただ、お色気要素ではなく、「流々に誤解された」というショックが第一になってるのが本作らしいですね。それに困惑する流々ちゃんも、驚きつつも錬に対する「やるじゃん」という評価で終わるのも良い。先週、セイラの美少女ぶりに興奮してたのが利いてますね。「あの錬がまさかセイラちゃんとねぇ……」みたいな感慨を勝手に感じてるのが笑えるし、その誤解こそが錬としては一番困るw
 あと、「ぐっ」としてた流々ちゃんがふじさわ食堂を出たときには「ひゃーっ」と改めて動揺してるのが可愛い。
 そして、可愛いと言えば、カメオ的に登場したチヌ!! ありがとう!! いや、チヌという確証はないんだけど(親かもしれない)、まぁチヌでしょうね。

『マッシュル-MASHLE-』

 ダジャレを言い続けるキャラ。少年漫画だと定期的に出てくるタイプだと思います。雑なキャラ付けってことなんですかね。変な語尾を付けるのと同じジャンルだと思う。
 そんなダジャレ。 “くそっ…ダジャレへのツッコミのために前に出すぎた…” とダジャレが戦況に影響を与えるので笑ってしまった。下らないギャグとしてスルーしようとしてたらただのギャグでは終わらないのかよ。敗因が「ツッコミ」ってイヤすぎるw
 んで、マッシュの筋肉大喜利。魔法の杖a.k.a.鉄の棒を用いたアイディアなのが良かった。野球のバッティングではなくビリヤードという繊細なアクションなのが良いよね。ただの力業ではない。マッシュの強さはそのコントロールの精度があってこそのものだと思う。

『ウィッチウォッチ』

 カンシ、内職のために魔法に頼る。今の高校生において内職ってどの程度リアリティあるのだろうか。フィクションの中でしか知らない世界だわ。内職。
 んで、動きを早くする魔法。事前にルール説明してるのが篠原作品らしくて良いですね。「どのような地獄が待ち受けているのでしょうか?」と考えさせられる。攻撃ができないという縛りが物語的に機能してないんだけど、高速移動による風とかで被害は発生しません、みたいな言い訳として入れておきたかったのかな。
 高速魔法の最大のデメリット。速すぎるのでこちらの喋りが伝わらないし、等倍で動いてる人の声もゆっくりすぎて聞き取れない。この理屈、めちゃくちゃ『サイボーグ009』ですよね。『サイボーグ009』のかなり最初に説明される奴。
 からの加速世界という究極の孤独。しかも密室内で話が完結する。これは完全に『サイボーグ009』の名作エピソード「結晶時間」ですね。篠原先生が理屈屋だからたまたま同じ理屈にたどり着いた偶然ではないと思う。意識してやってるパロディなんだと思う。
 そんな「結晶時間」。ジャンプ的には『ゆらぎ荘』もやってましたね。最終エピソードにおけるマルチエンド(ではなかったけど)の朧回。加速の速度がより『サイボーグ009』に近くて、より明確に「結晶時間」だったと思います。
 速度の違い。『ウィッチウォッチ』のオリジナリティは10倍という、速いけど速すぎない設定の妙にある。『サイボーグ009』『ゆらぎ荘』は速すぎるので常人からは動きが目で追えないんですよね。そこを10倍というめっちゃ速いけど、一応視認はできる、視認できるけど速すぎてキモい、というバランスに落とし込んだのが秀逸。同じアイディアでも速度を変えるだけでめっちゃギャグになる、という目の付け所が篠原先生、見事だぜ。
 3日ではなく30日。100mを20秒で走ってた人が特訓して10秒で走れるようになった場合、その人の時間感覚が倍速になるわけではないので、「速く動ける魔法」としてこのオチは理不尽さも感じるんだけど、まぁ、ニコの魔法なのでそのくらい抜けてても不思議ではない。
 『サイボーグ009』には加速者が新幹線と併走する場面があってそこそこ有名。本作と同じ感覚が速くなるタイプなんですが、要するにあれって新幹線と同じ距離走り続けてるわけでめっちゃ大変だよね……。これは『サイボーグ009』読んでるときにも感じてた奴だ。それを完璧な形でギャグ漫画にされたので喝采せざるを得ない。
 「結晶時間」には非加速者が瞬きして、それを見て改めて絶望する、という名場面があるんですが、本作の場合はスローモーションで動く人の顔が変顔に見える、という切り口になっててうまい。よくアニメの映像を一時停止すると変な絵が出てきて「作画崩壊だ!」と因縁つける人いますけど、動きの中には変な瞬間が存在するのが自然なのですね。現実とアニメはちょっと違うけど、理屈としては同じだと思う。
  “今廊下をかまいたちが通ったぞ” は笑った。かまいたちというのが絶妙に出てきそうなチョイスで良い。逆に言うと、篠原先生は今後かまいたちを出す選択肢を捨ててでもこのギャグをやりたかった、ということなのかもしれない……。
  クリストファー・ノーランに映画化してほしい” 。ケイゴの「俺だけかな?」感覚としてノーランは入るのだろうか。正直当代でも随一の大作メーカーなので、クソほどメジャーな存在とも言えると思う。ただ、作家性が気持ち悪いほど強いのも事実なのでケイゴ的にアリの存在になってもおかしくない。そして、漫画的にそれなりに有名な監督なので読者に伝わりやすい、という判断なのでしょう。たぶん単なる有名監督とかだったら未だにスピルバーグとか出すのが少年漫画的には適切なんだと思う。中二の異端アピールとしての説得力はイマイチだけど、そこらへんの考えるとノーランは良いラインというか、ベストな選択な気もしてくる。あと、単純にノーランは中二ウケも良いんじゃないかな。
 会話ができない地獄というのは分かるが、初手で文字会話をしちゃってるので、「紙とペン使えば?」とは少し思った。もちろん自分の喋った言葉でコミュニケーションを取る喜びがあるってのは分かるんだけど。あと、LINEに関しては、速すぎてスマホが感知できないと思う。そういう意味でも紙とペンが最強なのでは。

ブラッククローバー

 スロー語をマスターしたカンシの直後にヘンリーが “そーもーそーもー” と言ってるの面白すぎる。これが新キャラだったら間違いなく加速魔法フラグだわw
 組換魔法が改造魔法に破れるが、改造魔法に錬成魔法が刺さる。若干の屁理屈感もあるけど、こういうの好きよ。
 そして、グレイの魔法は有効だけど、単純にパワー不足(物量不足)なのでゴーシュがサポート。ゴーシュ便利すぎるというか、なかなかのチートだわ。いや、バネッサの黒猫もそうか。便利さでいうとフィンラルも相当。田畠先生が知恵絞って暴牛の魔法考えたのが伝わってくる。
 からの暴牛全員集合。顔を隠しながらの集合の流れかっこよすぎるやろ……。ワチャワチャ感もあって楽しいし、敵と会話が成立してない齟語、スピードの違いも感じる。そして何より「これは○○かな?」と考えさせられる情報の小出しが最高にワクワクする。
 そして、ラストの集合図がかっこいいんだけど、かなりチンピラ感が強いのも良いですね。キレイなヒーロー集団ではない、というバランス。あと、チャーミーの羊魔法、本来ならめちゃくちゃ可愛いビジュアルなのに、みんなの足場となって登場させてるのもうまい。
 てか、『ブラクロ』がこんな後ろに掲載されてるのめっちゃ珍しいですね。その回がよりによってめちゃくちゃ面白い。

『最強の魔王様』山本柊哉

 読切。ジャンプショートフロンティア。
 魔王。RPG的な世界における魔王。割と安直な設定で正直興味は薄いんですが、主人公のメイド(?)がメガネなので手放しで歓迎です。感謝しかねぇ。しかも、ただのキャラデザではなく、メガネに物語的な意味があって、大オチもメガネ。ありがてぇ……。正直オチは読めるんだけど、メガネをかけてる当人のレベルは唯一見れない、というトリックは普通にキレイだったと思います。ラスト、いよいよ彼女のレベルが明らかになる場面、どのようにメガネ越しに彼女を映すか、の部分もかっこよかった。鏡でもいいけど、鏡だとアクション要素ゼロだからつまらないよねw
 一応どんでん返しというか、意外性としては「彼女が魔王殺しを企んでるのかと思ったら」というのもあったかな。レベル1の魔王がハッタリだけの取るに足らない存在と見せかけて、魔王として必要なのはレベルではない、というオチが良い。「魔王様可愛い」でもあるし、主人公のツンデレ的な印象もありますね。
 面白かった。てか、勇者が出てこないのが逆に意外でした。面白かったから全然いいんだけど。

『NERU-武芸道行-』

 ネル母。絶対強キャラだと思ったけど、強さとは別の世界の住人だった。しかし、基礎教養があるせいか普通に強いw
 親子喧嘩のワチャワチャと、それを覗いてる友達。やっぱ本作のこういうワチャワチャ感、キャラクターの魅力マジで絶品だわ。何ならバトルシーンよりも漫画的な強さを感じる。いろんなキャラがそれぞれ特有のリアクションを見せてキャラが立ちつつ、全体としての印象は幸せとしか言いようがない。マジでこの魅力に関しては現連載陣の中でも最強クラス……てか最強と言っても問題ないかもしれない。そんくらい好き。
 からの仲直り。何か特別なイベント、ふとした瞬間にネルが母の真意を知るみたいなキッカケがあるわけではなく、自然とほとぼりが冷めていく。この感じすげぇリアルだったと思う。端から見ると「なんでだよ」なんだけど、2人にとっては日常なんだろうと納得してしまう。

『レッドフード』

 最終話。超絶メタ展開はめちゃくちゃ大好物なんですが、問題としては、そのストーリーを踏まえたバトルが描きようがないって点だと思う。あと、ベローとグリムが関わらない点。
 時間稼ぎとして無数の人狼(?)を出現させるのも気が利いてたし、そこから “俺たちもう狩人なんですよ” と試験組が登場するのも熱い。何でもアリすぎて面白くなりづらい状況なんだけど、その中でうまいことロジックを整えてて感心しちゃう。ぶっちゃけ試験組は実力的に劣るんだけど、時間稼ぎの物量作戦には有効だよね。そこらへんもしっかりしてるわ。
 誰もが主人公とか、未来は自分で決めるみたいな話は正直陳腐なんだけど、 “どんな結末(エンド)もいらない” “この世界を続けさせたい” という結論には唸った。ジャンプ連載のメタファーとしてこの結論は感動的すぎるでしょ。堀越先生泣いちゃうよ。
 それが面白かっただけに、最後の “俺たちの戦いはこれからだ” はちょっと残念だった。そもそも最終回のメタ的アイディアとしてこのセリフはめちゃくちゃ陳腐なのよ。もちろん、本作はそれまでのメタ展開の積み重ねが異常なのでこのセリフにも一定の感動が生じるのも確かなんだけど、やっぱこのセリフには陳腐さを感じちゃうなぁ。
 ということで終わり。最後の最後はイマイチだったけど、最終エピソードはすげぇ良かった。ただの開き直りでは終わらないジャンプシステムに対する批評になってて素晴らしかった。伝説になれると思う。

『あやかしトライアングル』

 解毒成功。煙の中、足下が映って……現れたのはショタ。やったぜ。大きくなってても理屈は通ると思うんだけど、とりあえず良かった。
 なんて喜んでたら最終的に別れることになったので意外。マジかよ。絶対レギュラー入りだと思ったのに。そのためのショタ化だと思ったのに。なんでや……なんでショタすぐ消えてしまうん……(ショタルの光)
 まぁ、今後何かしらのタイミングでの再登場は間違いないと思うので、気長に待つしかないんですかね。
 あと、炸裂全裸オチは笑った。勢いが良すぎる。あと爽やかな顔してるのが良い。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 11/9はアイシングクッキーの日。初めて聞いたんですが、絵を描くように繊細な模様が描けるクッキー、という感じらしい。
 これはさすがに写真で見ないと……と思ったらツイッターで見れた。助かる。



次号予告

 新連載はっじまるよー。3週目の大須賀先生を除くとジャンププラスで大成功した人、という感じですかね。『チェンソーマン』が始まるときみたいな感じかしら。ただ、『地獄楽』は『ファイアパンチ』と比較にならないほどの大ヒット作だと思うので、史上最大のビッグウェーブ感ある。
 ただ、個人的には伊原先生の本誌での連載があまりに嬉しくてですね……。『恋するワンピース』の成功は嬉しいのですが、スピンオフで終わらせるにはもったいなさすぎる才能だと思ってたので、オリジナルで、本誌での連載になったのがマジ熱い。いやぁ、年度末に楽しみなイベントが発生して嬉しい限りですわ。
 スピンオフで名をあげてからの本誌で成功、という宮崎先生コースを目指す形になりそうですね。こうなるとレツ先生も待ち遠しい……が、あれはもう完結までやりそうですね。アニメ無視し出したの嬉しかったなぁ。
 他には『マグちゃん』のセンターカラーも嬉しいんですが、『NERU』の増ページも嬉しい。「これは終わらないのか!?」とか思いましたが、最近のジャンプは最終回間際に増ページやったりするのでこれを判断材料にすることはできないと思う。とはいえ、ページが増えるのは単純に嬉しい。

目次

面識ないんですが戦友の気分。100巻のご苦労わかります青山さんコナン祝100巻!!
(『ONE PIECE』)

 面識ないの超意外だわ。何かしらの大舞台で出会ってそうなもんなんですが。まぁ、将来的に両連載が終わったら絶対対談の席とか用意されると思う。
 あと、再来週は伊原先生祝福コメントお願いします。『ONE PIECE』の休載が来週でよかったわw

オットマン手紙修復カンニコチャンネルネム再訪から雨滴編へ。3巻発売中です!
(『ウィッチウォッチ』)

 情報圧縮しすぎで笑った。

母のおにぎりが好きだ。握りたては殊更魔法の味。焼きおにぎりもまた格別。
(『NERU-武道道行-』)

 本編とセットで感動的すぎでしょ。てか、照れもせずにこういうこと言えるので本当に尊敬する。

愛読者アンケート

 金未来杯。支持。
 ゲーム。使ってるハード。スイッチですね。あとスマホ。どっちも『ドラクエ』なんですが、保守的すぎて我ながら悲しい。けど、今週『ドラクエ10』のver.6始まるからまたやる頻度あがるわ。
 ゲーム情報をどこで仕入れるか。ジャンプとSNSかな。ジャンプは『ドラクエ』情報強いからね。

総括

 終わり。今週もいろいろありました。事前に伊原先生関連で連載の告知があるとほとんど明らかだったんですが、蓋を開けてみたら『サイボーグ009』ネタに大興奮、というオチでした。こないだの映画『エターナルズ』がこれまた濃厚『サイボーグ009』案件だったのに、公開直後のジャンプで別のネタが飛び出るとは……。

 今週のベスト作品。これは『ウィッチウォッチ』にせざるを得ない。
 『ブラクロ』もめちゃくちゃ良かったんだけど、今週ばかりはちょっと無理。あとは読切2つも次点。

 今週のベストコマ。『SAKAMOTO』の鏡(鏡面反射)のコマですね。
 ここに『ブラクロ』を入れようとも思ったんですが、ベストシーンではなくベストコマなので扱いにくかったw

 最後に今週のベストキャラ決めます。こちらー。

  • リリーズ・シス・アンバー 『最強の魔王様』
    • 理由、メガネ!!

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