- 背表紙
- 表紙
- 読者プレゼント
- 巻頭カラー『アオのハコ』
- 『ONE PIECE』
- 『呪術廻戦』
- J新世界漫画賞大募集中
- 『僕とロボコ』
- 『逃げ上手の若君』
- センターカラー『高校生家族』
- 『Dr.STONE』
- 『夜桜さんちの大作戦』
- 『PPPPPP』
- 『ブラッククローバー』
- センターカラー『失恋ビギニング』一ノヘ
- センターカラー『マッシュル-MASHLE-』
- 『SAKAMOTO DAYS』
- 『アンデッドアンラック』
- 『破壊神マグちゃん』
- 『ウィッチウォッチ』
- 『あやかしトライアングル』
- 『見エナイ娘』片岡誉晴
- 『NERU-武芸道行-』
- 『レッドフード』
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 目次
- 愛読者アンケート
- 総括
『イカゲーム』完走したぜ。
背表紙
ジャンプ名台詞 in イタリア語。『ONE PIECE』サンジ。『ONE PIECE』はこれで何周目になるのだろうか、と悩んでしまった。それだけこの企画も数を重ねてきたということですね(ぼんやりした話にそらして実際の数は調べない)。
サンジっつったらどうせ「クソお世話」だろと思ってたし、実際そうだと思うんだけど、妙に文章が長い。クソお世話以外にサンジが感謝する名言ってあったかしら。
表紙
『アオのハコ』。3回目ですかね。ワクドナルドが目立つ。略称はやはりワックだろうか。あまり良い言葉ではない。
読者プレゼント
キノコ。広い。範囲が広いテーマである。期待してしまうんですが、ドキドキノコは『モンハン』でお馴染みなのでそれをメインにしたのは少し残念。逆に「キミにご胞子! 見逃し菌糸!」はかなり好きです。
各グッズに添えられたキノコダジャレもかなり良い。「エノキ礎力を上げられるわね」とか相当良い。室内トランポリンに「楽しく宙がエリンギ」と添えたのは面白いけど、おそらくだけど室内トランポリンで宙返りは推奨されてないと思う。危険じゃろ……。
巻頭カラー『アオのハコ』
カラー扉。でけぇ。本作には珍しいほどサービスショット感のある扉だと思うけど、想像を超えるでかさに恐怖を覚えかねない。いや、巨大女性も人気のジャンルではあるんですが……(そういうデザインじゃねぇよ)。
本編。目標の張り紙。先週の感想では書かなかったんだけど、先週の時点では「漠然とした目標ではなく目の前の具体的な一歩を考えていて偉い」みたいな印象だったんですよ。そしたら「なんでインハイって書かなかったんや大喜ィ!」という話になってびっくり。完全に読み違えていた。そうですか、普通に好ましいものとして受け取っちゃった。
その後も優しく全否定みたいな話になり、私も説教されてる気分になる。そんなに悪いことでしたか……。一応大喜は前から目標をぶち上げていた、という前提はあるんだけど。
転んでドキドキ。こ、こんなクソベタなことを本作がするなんて……と正直面食らった。溜めに溜めて、狙い澄ましたタイミングでの特大のボム投下ってことなんだろうけど、こういうイベントが武器になるという認識の作品だったのか。そっちの方に驚いてしまう。
とはいえ、ラストの場面における千夏パイセンが何考えるか1ミリも分からなくてドキドキしつつ困惑する、みたいな感覚は本作の真骨頂でもある気がする。あの感じの緊張感は本作らしくて好きです。
『ONE PIECE』
サンジが覚醒の件について抵抗していて、素直に喜べない。この感じは良かった。「とっととバトル終わらせろよ」とも思うけど、あそこで安易に覚醒パワーを喜んじゃったら違和感すごかったと思う。思うだけに、サンジがどのような結論を出すのか楽しみ。
話はポンコツ化したキッド……ではなくその原因であるホーキンスへと移る。キッドを痛めつける方法としての自傷行為。もっと効率的なのがありそうな気がするんですが、キッドのバトルの邪魔はするけど死ぬまでにはまだまだ時間がかかる、みたいなバランスを考えての頭突きなのではないか。キッドの方、痛みだけではなく、ちゃんと頭に衝撃が入って揺れるらしいので、まともなバトルは難しいと思う。
んで、キラーの打開策。これがあまりに鮮やか。左腕チョンパの絵面が真っ先に描かれるんだけど、あの絵1枚で「あっ まさか……」とピンとくる感覚が気持ちいい。セリフとか行動が伏線になるような話ではなく、キッドのキャラデザ由来のアイディアってのが最高。
『呪術廻戦』
「イジメラレを回避する処世術ってもんがあるだろ」というキョロ充的なオープニング。久々に使ったな、キョロ充という言葉。キョロキョロが充実ってどういうことなんだ。昔から不思議な言葉である。処世術に自信があるようだったけど、本物の善意、というか本物の良い奴を目の前にしてその価値観がグラつく。別に今のところ「だから何だ」というエピソードではあるんだけど、非常に味わい深くて好き。
本命は池袋。名所巡り的なオモシロもありますね。聖地巡礼して「わざわざここに水入れたバスタブ運んだのか……」とドン引きするのも一興だと思います。ただ、軽い気持ちでは行きづらい場所か。
弁護士と聞いて “話が通じる!!” と一筋の希望を見出す虎杖が実に虎杖らしくて好き。弁護士相手に「話し合い」という土俵に立つのはさすがに無理ゲー……とかは思わない。ここらへん西中の虎時代と変わってなさそう。
まぁ、実際、言い争いでは勝ち目がなくて暴力に頼ることになる、というラストが悲しい。仕方ないんだけど。
J新世界漫画賞大募集中
芥見先生のアクション描写のコツ。「格闘技の動画や教本」を参考にしてるとのこと。ここで映画とかアニメが出てこないのが意外だったなぁ。ガチ格闘由来なのか。
『僕とロボコ』
道を歩いてると思わぬトラブルに見舞われる。ひたすらそれだけで1話突っ走るので笑った。冒頭の1回で終わるのが普通なのに……。
ガチゴリラはいいけど、モツオもいつの間にか頑丈になってますね。さすがにガチゴリラの方がやってること(やられてること)がエグい、という線引きはされてるけど、モツオも十分すぎるほど人間やめてる。
本作では定番の2人の良い奴返し。それを繰り返して、それがインフレしていく。かっこいい返しを煮詰めていくと『ONE PIECE』に行き着く。ジャンプネタは本作らしい展開だけど、連続して『ONE PIECE』ネタってのが興味深い。この手の我慢してカッコツケは『ONE PIECE』と相性良いんでしょうね。そういうロマンが好きな作品が意外と少ないというか。
からのウソ募金。 “良かった… 病気の妹はいないんだ…” は有名すぎて元ネタが分かりにくくなってる奴ですね(CMらしいよ)。
という引用オチはいいんだけど、ウソ募金に何の疑いも抱かずに引っかかり、何なら積極的に金を突っ込む行為は何一つ善行ではなく、むしろ悪に金を回すという意味で社会的に有害な行為とも言えると思うの。あれを単に「やっぱ2人は良い奴」というギャグで終わらせるのは少し違和感あったな。2人の善意に触れたクズが改心するみたいな話だったらまだ分かるけど、ロボコという交通事故みたいな存在による一件落着は問題から目をそらしてるだけだと思う。
『逃げ上手の若君』
序盤、本作では意外と少なかったら政治要素の多い話で、身も蓋もないことを言えば少し退屈なんですが、そこにアクション要素が入り、 “二番目の改革者になる事だ” とそれまでの話をざっくり要約したキラーワードを投下する。小難しくもあった話に対して「そういう話だったのね」と腑に落ちる快感もあるし、二番目になる行程が着々と進行してる不気味さもある。ここらへんのうまさ、さすがですね。
んで、次回への引き。「諏訪神党三銃士を連れて来たよ」「諏訪神党三銃士?」というクソコラみたいな展開であった。どうせなら露骨にパロディにしちゃえばいいのに……と考えてしまうのは『ロボコ』の読み過ぎだろうか。『ウィッチウォッチ』でもやりそうなイメージある。『高校生家族』はやらない。
センターカラー『高校生家族』
春香の爽やか『クイーンズギャンビット』的なカラー扉。将棋漫画といえば「将棋監修」、という目の付け所が鮮やかすぎる。近年のジャンプ、謎に将棋漫画が多いので、この監修ネタの土壌はバッチリだと思う。
本編。将棋部に女子がいるモブ部員。「春香はお馴染みじゃないの?」と思ったら別の女性。こういう文化部の交流ってあまり知らないんだけど、友達だからという軽い理由で部室にやってくることあり得るのかしら。まぁ、運動部とかに比べると迷惑(迎え入れる準備とか)がないので特に問題はなさそうではある。
殺しあいのらせんに巻き込みたい部長と、巻き込まれたくない春香。ハート型とかギャグになってるけど、マジメにやろうと思えばいくらでも深刻に描けそうなテーマですよね。部活におけるエンジョイ勢とガチ勢の断絶。
からのイケオジ棋士。糖分補給としてのパンケーキであり、経験のメタファーとしてのパンケーキ。絵面はギャグなんだけど、意外と言ってることは全う……なのか? とクラクラする感じが本作らしくて最高。 “この瞬間のためにバイトしてるわ――!” が実はこの話への前振りであったのとか普通に感心しちゃうよね。
『Dr.STONE』
なぜ望遠鏡を宇宙に飛ばすのか、そもそも人工衛星とはどういうものか、という話をめちゃくちゃ端的に説明してくれる冒頭の場面が気持ちいい。めたくそ高い山から剛速球を投げて、落下する前に地球1周したら人工衛星、って図解を中学か高校のときの授業で見た気がするんですが、それを上回る知る気持ちよさ。そっから宇宙だから太陽光発電の効率最強、と次々に連鎖していくのが良い。人工衛星という策に「メリットしかないじゃん」と錯覚させてくれる。実際は超大変w
ソーラーパネルを作るくだりはさすがに意味不明でした。ここらへんは「説明はしました」と強引に進めるしかないんだろうな。実際は何も理解してないのでブラックボックスに等しいんだけど、詳しい作り方は番組ホームページを見てください、にも近い丸投げ感がある気がする。
理屈と理論は完璧。だけどそう簡単にはいかないらしい。ぶっちゃけ、今までの多くの発明が「理論は正しいので実行の難易度は無視する」で省略してたと思うんだけど、今回は丁寧に失敗するのですね。飽くなきトライ&エラーの姿こそ科学者のロマンってことなのかな。年単位の時間経過にはビビった。ホワイマンとの戦い的にその時間はいいのか。
『夜桜さんちの大作戦』
目覚めたら嫁がコスプレして待っててくれる。すごい状況だ……。
バトル中はイメージ的な認識で全然気にならなかったけど、平時にも花びらがあって、リアルな花びらという認識になると途端にキモい。冗談抜きで鳥肌立ちそうなレベル。『ブラックジャック』のトラウマエピソードとして「木の芽」を挙げるような人(私です)にとってはかなり本作に対する警戒心が高まる。早く使いこなしてくれないとマジできつい。頼むよ。
嫌五のセクシートラップ。ちょっと今週の『アオのハコ』連想しちゃった。大喜が「解釈違いだわ」と千夏先輩に蹴り入れてる姿を想像してしまう。
もしくは「大事なときにメガネ外してんじゃねぇ」というメガネ過激派という見方もできるかもしれない。個人的にはアクションとしてのメガネ外しはむしろ大好物です。
なので、本物の六美によるメガネ外しは素晴らしかった。ギャグっぽい話から本題へと移る区切りとしての機能がありますよね。コスプレをやめて、個人と個人の会話へとシフトする。そこにメガネ。素敵じゃないか。メガネは顔の一部のようで一部でない。顔と一体化したキャラデザではない、というのが魅力だと思うのです。とにかく外す場面は描いてください……という希望。『ヒロアカ』映画1作目の話ですよ。
んで、百サイド。この設定でこんな四天王みたいな幹部出てくるのはちょっと意外だったなぁ。家族以外のキャラが敵として出てきてもいまいち盛り上がらないというか。まぁ、設定的にいくらでもやりようはある、ってことなのかな。
『PPPPPP』
タイトルの意味がさらっと明かされる。あまりにあっけないのでビビった。初だよね? と不安になるレベル。てか、「ピピピピピピ」というタイトルの読み方間違ってんじゃん。『ダダダダーン』と同じで擬音だと思ってたよ。
ピアニッシシシシシモ。「P」は6つだけど、「シ」は5つ。めちゃくちゃ覚えづらい。てか、繰り返す数に意味はないと思われるので、結局のところ考えるだけ無駄、覚えるだけ無駄なのかな……という虚無感。まぁ、タイトル打ちやすいので好きだし、覚えたけど。
映画のOSTのオーディション。ああいう演奏ってオーディションが行われてるのか……と衝撃。いや、実際に演奏してる人がいるのは当然なんだけど、まったく考えたことのない世界だった。作曲家の名前確認して満足してたので。
新キャラ、ロック。オモシロネームに終わりがねぇな、本作。とはいえ、ロック音楽を担当するとは思えないですよね。どうなんだろ。ジャズとかならまた距離近そうだけど。
“すげー髪型!” 。名前と同じくらい特徴的なのが髪型。こっちは劇中でも言及されるらしい。この世界でも変な髪型らしい。まぁ、まともな髪型のキャラも一応いるのでね。そういう意味では納得もあるんだけど、「そこいいんだ」みたいな意外性。
そんなロック。めちゃくちゃ察しが良い。頭が良い、解釈力が高い、みたいなことなのだろうか。役割としては、才能の世界で諦念を抱えたパイセン、みたいな感じかな。こういうのは主人公でやりようがない切り口だったりもするので面白いと思います。やってることは『NERU』も近いかも。まぁ、あれよりも本作の方が才能の世界なので、その残酷さはより顕著だと思う。
『ブラッククローバー』
バトルが激しいのは分かるけど、ユノとゼノンのモノローグが同時並行的に語られるのでちょっと読みにくい。漫画読むのに慣れてない人は100%混乱するだろうなw ユノもゼノンも基本的に無口なのが原因だろうか。互いにモノローグとして語り、それがほぼ同量存在して、途中でナレーションも入る。モノローグなので、基本的には絵による動きがあって、言葉はそれの添え物で、ある程度分離してる。
そこに漫画特有のルビ芸も加わるので文字の情報量が倍増し、より難解になってる気がする。必殺技でオモシロルビが振られるのはいいんだけど、 “星は生まれる” とか出てきちゃう。しかも、それが必殺技コール(当然ルビあり)の間に配置されてる始末。ものすごい高度なことをやってるというか、文字の配置がデザインの一要素として凝りに凝られてる。試みは面白いと思うけど、ちょっとやりすぎなのでは……と少し不安になる。
センターカラー『失恋ビギニング』一ノヘ
読切。金未来杯のNo.3。作者名の3文字目はカタカナなのか、ひらがななのか。難しい。
それと、作者紹介ページのフリーイラストの枠、黒ベタが強すぎて文字が読みづらいです。紙のことを考えないデジタル派め……。
本編。 “仮に物語だとしたら” “単行本5巻にならないくらいで打ち切られそうな” “安っぽいラブコメだろう” の的外れ感がすごい。ジャンプで打ち切りっつったら2巻か3巻じゃないですか。まぁ、そこまで具体的だといろんな作品のファンが怒りそうなので日和った、という感じなのかな。個人的にこういうメタ的な語り、そもそも好きじゃないので二重にマイナスな印象。
まぁ、とにかく扉の原稿用紙からメタを打ち出す感じなのだろう。「油断できないぞ……」と身構えて読むのが推奨されてる。それはいいけど、本編3ページ目の人物紹介は悪手じゃろ。メタ感の表現ってのは分からんでもないけど、単純に読む気が失せる。ただ、ここで問題なのは、私はブログの関係で必ず読むので、読んだ上での感想になってしまう。普通にジャンプ読んでたら100%ここで読むのをやめるか、このページを読み飛ばす。なので、感想を書くのが目的化した感想になってしまっているのは否めない。まぁ、全部そうなんだけど。
あと、ラブコメって言ってるけど、お色気感強めなのがデフォルト、というのも結構認知の歪みを感じる。この手のジャンルメタだとこないだミウラ師匠がやってた読切で満足……というのは関係ない感想。
扉を初めて見たときに「自殺?」と感じたんだけど、物語が徐々に自殺に近づいていくので二重にハラハラできて面白かった。扉が映画の予告編みたいに機能してるの珍しい体験だった。
おそらく本作最大のキラーラインである “なんで主役じゃなくて” “脇役を目指すんですか” 、ここは非常に良かった。ラブコメ嫌いの主人公が語る、ヒロインを励ます言葉としてめちゃくちゃ収まりが良くて、話の視点も新鮮かつ納得しかない。まぁ、よくよく考えるとラブコメに限らない話だとも思うんですが、まぁそこまで細かい話はいいや。もちろん「恋人」という従属的な存在を目指すのが間違っている、というのはラブコメならではなんだけど。
終わり。メタこねくり回した語りとその内容が正直しゃらくさくて仕方なかった。面白いところもあったけど、全体として好きではない。メタ展開ぶちかますのはいいけど、序盤からメタアピールして「リーリーリー!!」と煽ってきたのが余計だった気がする。普通に読む気失せたし、好きになれないし、それ自体が面白いわけでもない。扉だけに控えるようなバランスの方が個人的には好きだったと思う。
センターカラー『マッシュル-MASHLE-』
宝探し的な。各部屋で試練を与えられるので知恵絞って探す感じでもないか。無駄にややこしいルールになったな。急に用意した試験なのに。まぁ、本話のラストで「それほど複雑じゃないですよ?」と文字通り力業で突き進むことになるのは痛快でした。
そんな強引すぎるラストは痛快なんだけど、早速星集めとしてのオモシロを放棄してるようで少し不安にもなる。まぁ、正直面白くなさそうなので別にいいんだけど。
三角締め。滅茶苦茶なんだけど、本作なりにロジックが組み立てられてる感じとか好き。そもそも三角締めって人体ありきの技術だから魔物相手に使う手として適切なのか? とか思わんでもない。とはいえ、観客が驚き、フィンくんがツッコむ、敵も困惑するというリアクションはやっぱり面白いです。
『SAKAMOTO DAYS』
針治療。ロマンを感じるファンタジー要素で好き。そんなマジカルババアの魅力を描いてからの「しじみ汁」も笑った。やはりしじみが最強……。
からの坂本。全盛期の30%らしい。インフレ感すげぇな。南雲は100%前後って認識でいいのかしら。70-130くらいを見てれば間違いなさそう。だとすると力量差すげぇし、やっぱインフレを感じる。
残りの死刑囚はめちゃくちゃ強いらしい。鹿ヘッドを使って強さを示しつつ、鹿ヘッドは死なない。ここらへんは分かりやすくて良いけど、とはいえ、やはり死刑囚の中のレベル差がありすぎてちょっと引く。一同が揃ったときにあんだけイキってた雑魚2人があまりに悲しくなるというか。まぁ、これも一種の「奴は四天王の中でも最弱……」的なことなのかな。
『アンデッドアンラック』
神の洗脳らしい。何でもアリな設定すぎてちょっと引くんだけど、「クロちゃんはセーフ」という理屈が別途用意されてるのが良かった。ここらへんの理論武装は本作の強み。ルールを無視するのはアウトで、ルールを逆手に取るのはセーフ。興味深い話だ。
んで、UMAとの相互理解を目指す。あくまでも殺すための理解だから厳密には違うけど、『あやかし』っぽい話になってきたよね。まぁ前からか。
理解のためのアーティファクトタッチ。今その場にあるものが風子の目的と合致するオモシロは間違いなく感じるけど、 “訓練も無しにアーティファクトの情報量に耐えようなど” に対する理屈がないのが個人的にはイマイチというか、いらぬ期待をしてしまった。もちろん、ここは根拠がなくても “信じろよ” という話なので理屈がない方が適切なのかもしれないけど、ビリーの「いや死ぬだろ」に納得してしまったので、風子が何となく感動的なノリのみでクリアしたラストには少し乗れない。
『破壊神マグちゃん』
ミュっさま回。リアクション役としての便利キャラぶりはすっかりお馴染みですが、やはり自ら動く話も見たいので普通に嬉しい。
流々ちゃんが嫌いなミュっさま。そんなミュスカーが抱くイメージの中の流々ちゃんが妙にキャピキャピしてて可愛い。リアルだとまずやることないポーズだと思うけど、案外女子同士で仲良くやってるときにはあるのかしら。
てか、ミュっさま回であると同時に流々ちゃんの意外な面が見れる、という魅力も強かったと思う。マグちゃんとの日常生活の中で垣間見える小ボケ&小ツッコミも可愛いし、百面相的な魅力も大きい。まさかの “ミュっさまのえっち!!!” まで飛び出るので笑った。今時『ドラえもん』でもレアな奴だw
“覗いちゃダメよん” も珍しい一面なんですが、そもそもその様子を覗いているミュスカー、という構図。そもそも読者は日頃から流々ちゃんの生活を覗いてるんですが、このお風呂的な場面はなかったよね。今回あえて出すことで「覗いてる」と強調してる。そしてそのお風呂展開が “僕が覗きに入ったみたいになってしまう!!!” という話に繋がるのも見事だわ。そもそも覗いてただろうが、という話ではある。ちなみに、このセリフの時点でイメージの中の流々ちゃんが “ミュっさまのえっち!!!” と言ってるんですよね。こっちはノリノリでふざけてるような言い方だけど、リアルだとそんなふざけたノリになるわけねぇだろ、という対比。さらに細かいことを言うと、このイメージ、ミュスカー的に重要なのは「マグちゃんに軽蔑される」という方なんですよね。それが小さいながら描写されてるのが良い。
再びのお風呂からの停電作戦。事前に探知能力の説明をしてるのが本作らしさ。ただ、 “先にお風呂入ってくる!!!” のコマに肝心のドーナツを入れてるのが本作らしい理屈っぽさであると同時に律儀さ。律儀すぎてオチが見え見え、という印象も正直あったけどね。とはいえ、相変わらず良く出来てるわ。シンプルながらに芸が細かい。
意地悪なことを言うと、ドーナツではなくイカリングに見えてしまいました。隣がアジフライなのでその系列で考えてしまった。
「破壊神の意志」。作中最強キャラの呼び声高い流々ちゃんの考え、流々ちゃんの友達観としてめちゃくちゃ重要な奴出た。この差があるからミュっさまはマグちゃんと友達になれない。
そう考えると、ミュスカーのそばにいる人間とゴーレムは互いの意志を尊重し合う関係性とはとても言えないので、ミュスカーは孤独という見方が出来る。孤独だからぬいぐるみ……じゃなくてゴーレムを溺愛してるとも言える。
一瞬マジで「ミュスカー復活!?」と期待してしまったので、ウネさんの仕打ちには笑いつつ、少しだけイラッときましたw
『ウィッチウォッチ』
ニューホライズン。英語の教科書っぽい口調がギャグになってるのは見たことあるけど、画風にフォーカスしてるのは初めてかも。一時期何とか先生がバズったこともあったけど、現役の中学生はこの内容を理解できるのだろうか。今もあの画風なのか。
1ページ目で “画風が…” となるけど、何の画風かは秘めたままにし、次の見開きの最後で「ニューホライズン」と明かすオープニングの展開が見事でした。「はいはい……何だっけこれ……」となってるところにツッコミが入って気持ちがいい。
“これはそのペンです” の正しい例文を持ってくる篠原マジックはさすがのクオリティだったのですが、厳密に言うと、これの英文は「This is the pen」だと思うので、惜しい。お馴染みなのは「This is a pen」だよね。theの概念むずいのよ。未だに詳しくは分からん。
ニュークラウンとの違いを正確に理解できるほど詳しくはないけど、たしか私はニュークラウンだったような……。カトーケンが主役だった気がする。あとケニアの女子とかもいたかな。「ジャンボ!」みたいな挨拶をそこを覚えた。
中学英語翻訳口調がめちゃくちゃ面白かったので、全セリフで徹底してほしかった……と面白かった故のワガママ。話的にも「その口調でいいじゃん」なので、ニューホライズン感が薄れるメリットはなかったのではないか。
『あやかしトライアングル』
何でも食べる敵に対する策が「オモカゲを食わせる」。理にかなってて見事でした。自らの肉体を与えるというのは神的なイメージもあるけど、分かりやすいのは『アンパンマン』だと思う。顔を食べさせるという行為が究極のヒーロー性であり、聖人性。あとは『ファイアパンチ』もそんな感じだったか。それを本作らしいロジックで実現してて、痛みを伴うことですずが巫女として一つ上のステージへと上がる。それと同時に敵がパワーアップして、そこに祭里参戦、というブチアゲ感。
『見エナイ娘』片岡誉晴
読切。ジャンプショートフロンティア。今年の24号に通常の読切を載せていて(傑作)、そこで好きな漫画として挙げてたのが『アイアンナイト』。友達。オレオマエスキ……。
本編。田舎を訪れた少年による一夏の思い出。淡い恋心的なノリで非常に好きなパッケージ。そこに透明人間という要素が加わる。ジュブナイルとしてもめちゃくちゃ魅力的だし、2人が交流する場面だけで本作のこと大好きになっちゃうんですが、透明人間ものとして期待すると大したオモシロはない。「透明人間ドラマ」と紹介されたのが余計だった。透明人間的な期待はしない方がいい。人ならざるものなら何でもいい。
細かいけど、冒頭の場面で「スーファミ」という言葉が出ることで、時代設定が把握できる。要するにスマホ以前の話というのが重要なんだと思う。まぁ、まだスイッチのオンラインサービスでスーファミを遊ぶという可能性も残されてるんですが(無理ある)。
見えない話だと思ってたら、ジジババに見られてた。このギョッとする展開が良い。誤解しかないのも仕方ないんだけど、主人公の理解されなさ、居場所のなさを改めて痛感させられる。
親にもジジババにも心を開いてないから顔を見ない。漫画表現的にも描かれない。見る見ないの話から「見ようとする」の話に移るのが面白い。厳密には「視る」。 “ちゃんと見えてたってクソなことばっかだ” の本作のテーマをそのままデカデカと語っちゃう感じは正直イマイチだったと思うけど、見えない相手を見ようとする話は面白い。
より詳細に見えるようになる、というラスト。もちろん主人公の見る目が変わったのが一番の要因だと思いますが、結局雨頼りだったようにも感じられる……は意地悪すぎるだろうか。まぁ、これは「雨降るとジジイが喜ぶからイヤだなぁ」みたいな心理も多少関係してるw
この雨によって「見える」描写。映画『デアデビル』であったよね。映画の方でネトフリじゃない、ベンアフレックの奴。あれは盲目の主人公が視覚以外の感覚をレーダーのように駆使することでものを疑似的に見るんだけど、雨が降ることでヒロインのことが精細に見えるようになるんですよね。映像的にも面白くて好きでした。この段落無意味です。
終わり。めちゃくちゃ面白かったです。2作連続でホームランだからすごい作者だと思う。さすがに名前覚えておかなければ……という使命感。繰り返しになるけど「透明人間」と強調したのはマジで愚策だと思う。もったいない。
『NERU-武芸道行-』
おてての皺を合わせて幸せ。な~む~。という謎&答えで1話をまとめたのがキレイでした。クイズ的にも楽しいし、戦う相手がいることのありがたさってのは本作のメインテーマとも言える話ですよね。本作は特殊学校ものとして『食戟のソーマ』と類似してると思うんだけど、学校で得られる最大のメリットは出会いである、という結論も『食戟』と同じ。これは『食戟』再評価の波が来てる……?
“野放しにしていい奴じゃない” と “てめえを野放しにするくらいなら” が呼応してるのとか面白いと思うんだけど、よくよく考えるとそれほど意味のある対比でもなかったような気はする。
てか、ネルも鳥獣戯画描けるのね。あれマジ可愛いよね。これ以上漫画で扱う方法はないと思うけど、もっと求めてしまうわ。
『レッドフード』
村長の正体。赤ずきんで、狩人で、ゼペットじいさん。盛りすぎ……?
んで、ベローの正体。悪役(?)の作った存在で、主人公として人々と出会い、活躍すること自体が計画の一部だった。これは割とよくある話と思うけど、主人公の存在が組織を内部から腐らす毒である、という設定はかなり新鮮。ぶっちゃけ、試験が終わっていきなり最終章(たぶん)っぽい話になったのには「まだ何も物語が進んでないんですが……」とか思ったんだけど、組織の中に入ることが目的だとすると、ここで切り上げたのも納得ですね。もちろんどこまで計画通りで、どこから修正した結果なのかは知らないけど、急にキレイなまとまりが出てきた気がする。正直この手のメタにはあまり興味が湧かないし、急にスケールが世界全体へと広がっていく感じも苦手なんだけど、短期連載としてキレイな形になりそうな予感がしてちょっとワクワクしてきた。(まだ終わると決めつけるの良くないですけど)
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
ネタハガキ東西戦。お題は「知られざるブッとび昔話! その絵本の表紙とは!?」。オリジナル昔話にしても、パロディにしてもいいけど、重要なのは絵本の表紙。ちょっと捻りがありますね。
東の最優秀、星の子ポロンさんの「ジャンプ地蔵」。これも表紙という部分を踏まえてて面白い。厳密に言うとアオリは表紙じゃなくて扉なんだけど、言わんとすることは分かるし面白い。
井の線亭ぽんぽこさんの「シン・デレラ」。表紙といえば映画ポスター!! というアイディアが最高。昔話パロディとしても秀逸なのに、そこにポスターアートを持ってくる。「現実対虚構」はシンデレラの話にも当てはまる気がしてきたw
こばんザメさんの「ツルの倍返し」。個人的には優勝だわ。語感が面白すぎて瞬殺された気分。倍で戦車って何されたの?? というイラストも最高。
さばねこさんの「令和三年までねたろう」。うまい。タイトルのアイディアも見事だし、そこにコールドスリープだと一目で分からせるイラストも圧巻。元号を知っていた件をツッコむコメントも好き(気づかなかった……)。
西。最優秀のゲームセンターAさんの「続・鶴の恩返し」。これまた映画ポスターネタなんだけど、完コピぶりで笑った。ジャックニコルソンの顔芸はよくネタにされるけど、シェリーデュヴァルまで網羅してるのがすごい。
照りさんのビジネス書風。自伝がビジネス書風になるの、めちゃくちゃありがちなので笑った。イヤすぎるw
ひーさんさんの「黒子物語」。イラストでどんな内容か想像させてて秀逸。めちゃくちゃ面白そうで、普通に読んでみたい。というか、ショートフロンティアとかでありそうなレベル。
次号予告
1周年ということで『SAKAMOTO』が表紙&巻頭、そして増ページ。
『PPPPPP』は2号連続増ページが始まる。カラーではないのか。惜しい。
目次
快適に通話えきるBluetoothイヤホンが欲しいけど何買えばいいかわからない
(『高校生家族』)
appleかソニーの高い奴買えば間違いないやろ。私は高くて買えないけど。バッテリーありきの消耗品と考えるとウン万は出せない……けど欲しい……。
はじめての誌面掲載なので記念に4冊ほど買おうと思ってます。また来ます。
(『失恋ビギニング』)
「また来ます」かっこよすぎません? ちょっと好きになってしまうわ。
クッションをどけると子供が作った大量の折り紙のカエルが出てきて毎回ビビる
(『ウィッチウォッチ』)
これはビビる。石をどけたら大量の虫が、の家庭版だ。
愛読者アンケート
金未来杯。支持しない。
ジャンプGIGAについて。買ってない。
言われて嬉しい言葉、嬉しくない言葉。嬉しいのは「ブログ読んでます」かな。いや、そんな関係性の人と会うことないんだけど。真面目に考えるなら……やばい、どれを言われても裏を考えてしまった喜べないw まぁ、褒めてるっぽい雰囲気だったら何言われても嬉しいのかな。的外れだとしても。
総括
今週はかなり早く終わるつもりだったんだけど、意外と遅くなっちゃったな。なんでや。順調に書いたのに。特に何かが白熱した感じでもないし。
今週のベスト作品。『見エナイ娘』。良かったです。
次点は『ONE PIECE』。
今週のベストコマ。『PPPPPP』の “嫌だ!” 。感想で書くの忘れたけど、あそこ超良かった。ハデなことは何もしてないんだけど、強調が強い。
最後に今週のベストキャラ。こちらー。
- 宮薙流々 『破壊神マグちゃん』
- ミュスカー回だけど、流々ちゃん良かったなぁ。可愛いし、マグちゃんとの日常が垣間見える感じも良かったし、最後に作品の核心を突くようなセリフを吐くのも最高。