北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』550話の感想

 あけ
 おめこ
 とよろ

#550

 扉は会長。冬のオシャレは可愛い。憧れる気持ちはある(オシャレする気力はない)。

 開幕。冒頭3コマでシノアリスズのバストアップ、背景はなし。4コマ目で引いた位置のカメラに代わって彼らの背景、置かれた状況、そしてそれまで話していたことの真意が分かる。シンプルなネタだし、言葉で説明したらオチの弱いネタではあるんだけど、4コマ漫画として読むと文句なし。制限された情報量を逆に利用した引っかけ‥‥というのは大げさだけど、演出、見せ方が見事ですね。

 コトミは寝てる。よく見ると1本目の4コマ目にコトミヘッドが見える。タカ兄ではなくスズの横で寝てるのはスペース的な問題だと思う。
 寄り添うように寝てるムラサメが可愛いです。他のネタだとタカ兄のそばにいたりして、しっかり懐いてる相手、飼い主という認識があるのが窺える。その知性、ムラサメの意志をはっきりと感じられるところに萌える。
 寝正月は太るけど、コタツをサウナ的に利用すれば痩せるはず。コトミのあのオチに対して即座に裸だと気づくタカ兄の瞬発力が素晴らしい。なかなかにセクシャルなネタでエロいと感じてもおかしくない話なんだけど、絵としては非常に簡素で、顔すらまともに描かれてないのが本作らしいバランス。行間というか、読者の想像力の中でエロい。

 お年玉の話題。からのアリアの聞き違い。コタツという近い距離感で炸裂するのが笑えるんですが、ちょっとそれも納得してしまうくらい今回の聞き違いがうまいw サブタイが「タカくんのお年玉」だったのもオチを読んだあとだと味わい深い。
 あのアリアのボケに対して「あまってないよっ」と即座に返せるタカツッコミが良いんだよなぁ。2020年も安定のクオリティーである。ボケを租借して一歩踏み込んだ角度のツッコミ。

 七草がゆ。普通の高校生は正月に集まっても七草がゆは食べないと思うんですが、食べるのが桜才生徒会。そこが良い。律儀で、優等生。
 七草がゆはお腹に優しい。からのアリア、ド級のオチ。アナルネタは定番ですけど、ちょっといつもより踏み込んだ感があるというか、「それはつまり?」と一歩踏み込んだ想像を喚起させる内容なのでビビるw いや、アナルを嗜む人の中では当然の発想なんだろうけどw
 「食事中ですよ!?」とツッコミが敬語にタカくんも良い。前のネタよりもアリアの暴走は激しいのでツッコミも比例して激しくなるのが普通だと思うんですが、ここで捻ってくる。今週は津田家ということもあり、タカツッコミがキレッキレ。

 七草の内訳。これは知ってる人だと事前にオチが予想できたりしたのかしら。直接ズバリじゃなくても「スズ関係かな」程度に。
 ということで「スズシロ」がオチ。こないだの古谷さんでもあったけど、この描写はアリなのか。まぁ、ただの線ではある。古谷さんのネタもそうだったけど、色の話をすることでただの線に情報が1つ足される、より深い想像を喚起させられるのが良いですよね。カラー漫画だったらちょっとやりすぎなバランスだったと思います。オチとしても目立ちすぎだし、本作にしてはエロすぎる。たぶん。
 てか、このオチ、秀逸なのがこの2つ前のネタの1コマ目で「萩村の着ているの新しいやつだな」と会長がスズの服について言及してるんですよ。あのネタの中ではお年玉の話題に向けた助走に過ぎないんですが、ここで読者にスズの服装のことを意識させてる。このネタだけで見たらどんな格好してるかは後出しジャンケンみたいなものなんですが、しっかりと事前にネタは仕込んである。さらにこのオチの内容だと「いつから!?」と想像させる効果もあるじゃないですか。マジ周到。

 正月といえばテレビの正月特番。友達と集合してテレビってのは本来ならあまりない状況だと思いますが、コタツを囲んでると別ですね。
 正月特番だから普段やらないことをやる、テレビ全体が浮かれてる、そんなテレビを観るのは家族全員、全世代。ということで家で起こりがちな悲劇をあるあるネタとして描いてるんだけど、そんなあるあるがこのメンツだと全然成立してない、というオチ。定番のあるあるネタに本作らしい色が加わってる。
 特に最近だと思うけど、劇中によくグラビアアイドルが出るよね。かなり好きです。

 正月といえば夢。コタツで寝落ちした場合は初夢にカウントしていいのか分かりませんが、会長の夢。寝ながら笑ってて非常に微笑ましい‥‥と思ったら。
 タカくん、「ひえー今年も思いやられるぜ」と他人事のような言い草で笑えるんですが、あのオチ、あの会長の夢について発言、なかなかの直球じゃない? 曲がりなりにも「あなたの夢を見てた」でしょ。カミングアウトしすぎじゃない? と妙にハラハラするw


 終わり。学校行ってると思ったら正月の話題でした。さっきも書いたけど、今週はタカツッコミが全体的に冴えてて素晴らしかったと思います。少なく見積もっても5つはタカツッコミ。1本目をツッコミと見るかは意見が分かれると思う。比べてみるとより意識させられますが、それぞれ全然違うんですよね。「○○かよ!」の繰り返しでは決してない。強い。桜才に津田あり。
 お気に入りととしては七草がゆの2本。どちらかといえば、アリアの方かな。想定よりも一歩踏み込んだボケと、それを包む冷静かつ上品なツッコミが良い。

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