北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』14話の感想

チャンピオンRED 2020年 11 月号 [雑誌]
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 11月に単行本2巻が出るということで来月はお休みだそうです。じゃあチャンピオンRED買うのサボっちゃおうかなぁ……と思ったら『8マンvs』の方が掲載だそうで。逃げられない……!(逃げようとするなよ)

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神話復活編⑭

 のっけからアキレス戦。ここまでバトル濃度の高い回は意外とレアですね。それこそ初期の、パリでのアポロン戦まで遡らないとないかもしれないってレベル。たぶん。
 アキレス、キャラも立ちまくってて一気に好きになっちゃったんですが、やはりというべきか、実力は劣る。アポロンの前にアキレスと戦わなきゃいけないのは、009のスタミナ的には不条理な話だと思うんですが、アポロンとの本気バトルの前に改めて009の実力を読者に見せつけるという意味ではかなり正しい展開だったようにも思います。アキレスのこと好きになってたので、ちょっと彼のことが可哀想にもなってくるんですが、前座としての機能が大きかったと思います。009の実力、今の009が出来ること、加速装置の使い方、というのをじっくり見せる良いバトルでした。これを踏まえてアポロン戦はどうなる……と期待が膨らむ。
 原作シリーズでも珍しいと思うんですが、009が格下の加速装置持ちと戦う。大体009が戦うのって格上が多いし、スーパーガンも効かない相手が多いイメージなので、今回のアキレスはそういう意味でも新鮮でした。
 速度は一緒。だけど、加速装置としての質は違う。その差は変速の精度にあり、とした岡崎版の解釈面白かったです。009が残像を見せるのって加速描写としては定番だと思うんですが、改めて「なぜ残像が発生するのか」を説明して、それが出来る009と出来ないアキレス、という扱いにしたのが見事でした。本話単独でバトル漫画として充分面白いと思うんですが、やはり『サイボーグ009』の二次創作としての魅力が高い。毎回同じような感想になってしまうんですが、発想の出発点がいちいち原作由来だったりするので原作ファンとしてホント楽しいですね。それでいて、出来上がったものとしてはかなり原作とは違った読み味の作品に着地してる。
 決着。009が3体の残像と共に十字を作るのが決め絵としてかっこいい。セリフではなく、本体はどれなのかを絵のみで示してるのもうまいし、本体が正面だったのも009の真面目さが現れてるようで面白かったです。まぁ、裏の裏を狙っただけかもしれないんですが、トドメは正面から、というのが009なりの誠意のように感じました。

 んで、005とミノタウロス。005が疑似加速によって優勢。あくまでも思考や神経が速くなってるだけで体が速くなったわけではない、というバランスを “体の 動きが… 重い…” “だが敵は… さらに動きが重い…!” に集約させたのもうまい。それを敵は “加速装置などないはず…!” と錯覚してしまう。
 ミノタウロスの切り札。完全にオリジナル設定なんですが、これまた原作の元ネタ(ギリシャ神話)から発想を広げたものなのが良い。二次創作作品におけるオリジナル要素って下手すると「知らんわ」ってなりかねないんですが、神話由来だと「むしろ神話ネタがなかった原作の方がおかしい」みたいな気にもなってくるというか。もしくは、原作でも神話ネタを掘り下げるつもりだったが、たまたま割愛されただけなのでは? みたいな気になってくる。

 暗闇と005ってめちゃくちゃ話のトーンが暗いし、重苦しくなりそうなんですが、そっからの006&007コンビに場面が移り、一気にポップに、明るくなる。てか、敵の方もちょっとノリが軽くなってるからおかしいですね。カバ男はやはりコメディリリーフなのかw
 ただ、バトル的なメインは002による空中戦。三者三様にバトルのコンセプトが違って楽しいですね。飽きないというか、それぞれ違った良さがある。

 物語的には一番重要かもしれない、最後のパート、003とヘレナ。ついにご対面。003がなぜ捜し当てられたのか、という話から “003! それじゃ あなたが…” と話が展開していくのも気持ちいいです。緊張感ある場面からワンクッション挟むだけで一気に相互理解へと進んでいく。
 意地悪な見方をすると「そりゃこの2人は戦う理由ないだろ」とメタな立場からは思うんですが、2人がそのことに気づく部分にしっかりロジックがあるのが嬉しい。その理由がそれぞれがパンと009を助けてくれた恩。003の子守がキーになるのも面白いし、ここでもやっぱり009とゲストヒロインの三角関係みたいな話になるのが最高。
 話を切り出すのもそうですが、動揺の度合いが2人は少し違って、ヘレナの方が冷静な感じありますよね。003は振り回され、動揺しつつ、受けに回る感じがある。003イジリとでも呼べそうなバランスが岡崎版の特徴であり魅力だと思うんですが、この場面でもちょっとその匂いは残ってると思います。最初はかっこよかったのに、一気に形勢逆転というか話の主導権を奪われちゃってるw そして、そのヘレナには敵意もないし、意地悪な意志もない。003が勝手に自滅、みたいな感じになってるあたりが003の可愛さだと思います。


 ということで終わり。最初にも書いたけど、来月は休みです。代わりに『8マンvs』を楽しみにしましょう。ブラックゴーストが不滅すぎるw