北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』16話の感想

チャンピオンRED 2021年 02 月号 [雑誌]
チャンピオンRED 2021年 02 月号 [雑誌]

 チャンピオンRED発売日の行動圏内の本屋にチャンピオンREDが置いてないと焦る。それが2020年のあるあるでした。
gohomeclub.hatenablog.com

神話復活編⑯

 いきなり倒れる003が1ページ丸々描かれるんですが、これピンチでサスペンスを感じる場面だと思うんだけど、ちょっとセクシーアピールみたいなものも感じてしまう。私だけでしょうか。岡崎版は003の比重がかなり大きめなのも特徴だと思います。連載開始しばらくはゲストヒロインに偏重する感じかと思ったんですが、今となっては、ですね。

 そんな003を倒したのがヘレナa.k.a.アルテミスで、ドルフィン号との同化という見開きでタイトルどん。1ページ目の003が倒れてるページで、コマ割りのように不思議な線が走ってたんですが、それが実はヘレナの肋骨だったというわけですね。ここで「肋骨」という生物感の強いワードを使った、それも本話の最初のセリフで使ったのはやはり印象的です。ドルフィン号との同化ってやってることがもう完全に機械なんですが、ヘレナはヘレナであくまでもサイボーグ。その象徴としての肋骨なんだと思います。
 岡崎版のドルフィン号といえば、加速装置のシンクロ機能が目玉だと思うんですが、同化した状態でそれを使ったらどうなるのか……とか楽しみです。いや、実際に出てくるかは知らないんですが。

 008。本話は009以外のバトルが描かれる回なんですが、008は単身で勝利(まだかも)までこじつけるので驚きでした。まぁ、加速装置の体験から頭だけ加速状態に陥れるようになったことを考えると、敵が加速装置持ちじゃない限りはそりゃ勝てますよね。その他の固有の能力がよほど厄介でない限りは。

 んで、厄介な固有能力を使ってきたのがミノタウロスの方。神話のモチーフがよりハッキリしている方がオリジナル能力を用意しやすい、というメタ的なことも考えてしまいますw
 そんな迷宮に引きずり込む能力。空間を生成して敵をその中に引きずり込むってのは超能力バトル漫画では一つのジャンルになってると思うので、かなりそっちの方に振れた印象があります。岡崎版の特徴として、ゼロゼロナンバーの能力は原作にあるものの延長、もしくは現実的な理屈で結びつけられる範疇に留めてる一方、ミュートスの方はかなりオリジナル色が強いというか、ゼロから生み出してるものも多いと思います。神話モチーフがあるから納得しやすいってのもあるし、やっぱゼロゼロナンバーだと好き勝手にやるのも気が引ける、みたいなバランスなんですかね。ここらへん公式の二次創作として興味深い部分だと思います。
 そんな迷宮能力の打破として、002の登場。やはり困ったときは仲間と協力。個々のスペックでは敵わなくてもチームプレーで上回る。『サイボーグ009』という作品のかなり根幹的な魅力だと思います。闇の迷宮の中でも、倒れている以上地面とそこに向かう重力の向きは分かるので、上空にジャンプすることはできる。そして、その上空には……という連携が見事だったと思います。無理のないロジックでバトルが展開されるのでとても好み。
 002との攻防、からの005の着地……という見開き2ページをフルに活用したコマ割りがマジめちゃくちゃかっこよかったです。最初の方はセリフが多いんだけど、徐々に減っていき、最後は完全に無言の005が決める、という流れもコントラストが利いて素晴らしかったと思います。

 最後にヘラと001。いや、実際は001のことを考えてるヘラのモノローグというだけなんですが。設定上001が参戦できなくて残念な気持ちは原作ファンなら抱いて当然だと思うんですが、そこに対する弁明のようでもありましたね。それぞれの仲間を持ち駒としたゲームで、つまり今ヘラと001は直接戦ってると言っても過言ではない。もちろん今後、ヘラと001が何か新しいことをする可能性も残ってるんですが、とりあえず現状こう言われると「たしかに2人は戦っている……」と納得できてしまうから面白いです。やっぱミュートスの続きと聞いて期待してしまうのはアポロンとヘラの2強ですよね。


 終わり。最近「ミュートス編の続き」という楽しさもあるんですが、単純にバトル漫画的な楽しさも充実してきましたね。物語がどうなるのかも気になりますが、攻防と勝利に向けたロジックの構築も単体として面白いです。
gohomeclub.hatenablog.com