北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年04・05号の感想

 また文字数が増えてるんだけど、合併号なので参考にならないか。急いでなくても短くしたい。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。虎杖。無味無臭という感じ。別に劇的に登場しなくなっていいんだよなぁ、と自信をくれる。
 てか、『呪術』が4番目の古株ってマジか。『HUNTER×HUNTER』は除く。信じられない……。

表紙

 合併号なので集合。ゴンがいる! 超レア。そして「もうゴン主人公じゃねぇんだろ」と定番の。
 テーマはウタにちなんで歌唱なんですが、お揃いのTシャツが少し謎。チャリティライブ的なイメージなのだろうか。歌唱というテーマはバリエーションが生まれにくい、という発見がありました。正直かなり凡庸な回だったと思う。それでも一部変わったことしようとしてる人いて偉いというか、感心しちゃう。

「J連載作家超激レアオンリーワンプレゼント」

 私物(たぶん)にサインを添えてプレゼント。作品と関係ないグッズの方が私物感あって嬉しいと思うんですが、その場合関係ないグッズにサイン書いてる変な人、となってしまうのが問題ですね。それ込みで面白い。
 あと、渡辺先生のサインが緩すぎて「それでいいのか」と心配になる。書きづらかっただけと思いたい。

読者プレゼント

 年末のボクシングなのは分かるんですが、「人気すぎ也vs10名ウェザー」の前者が誰を指してるのか分からなかった。比良賀みん也先生しか思いつかない。そこそこ強そう。

巻頭カラー『僕のヒーローアカデミア』376話

 人気投票の結果。熱心に参加しない身としては代わり映えしない結果だったし、新キャラも全然入ってこないので、だいぶ凝り固まってる印象。長期連載ならではって感じ。とはいえ、ここまで同じ投票をこれだけの回数続けてきたことにこそ意味があると思うので、同じ結果にも独自の味わいがあるのでしょう。
 本編。短い!! 普段漫画を読む際のページ感覚がバカ丸出しな私でも分かるほど圧倒的に短い。数えてみたら本編で9ページ。巻頭が決まってたのと合併号だから休めなかったのかな……と余計なことを考えてしまう。話的にも惰性で続いてる感があった。いや、これはさすがに表現が悪すぎる。情報整理のような一話だった、という方が適切かな。話が動くようなイベントはほとんどないが……という感じ。
 ただ、冒頭の見開きとか絵としての派手さよりも、右から左へと視点を動かしていくことで話が展開する絵巻のような印象ですごい面白かった。頑張ったね、ありがとうよ……とか変なこと考えてしまう。良くない。

『僕とロボコ』119話

 デート。デートの約束なんてしたっけ? ひょっとして1号飛ばしちゃってるかな……と思ったら合ってた。前号で例外的なことやった弊害。
 宮崎先生が考える「存在しないジャンプ合併号表紙」。クリスマスもしくはサンタがテーマらしい。うっすらと何人か視認できるのが楽しい。しかし、実際はスーパー『ONE PIECE』忖度企画だったわけで、これは難しい。
 映画館デート。「~の戸締まり」は『すずめの戸締まり』。「~ンより愛をこめて」は『ラーゲリより愛を込めて』。この2つは分かるんだけど(「ン」が気になるけど)、ほかの「~たらヤムチャだ」「~つゾロゾロ」「~ガン」「~ガリパン」が分からん。他のコマを探しても他の情報がないけど、絶対作者の中ではネタが決まってるよなぁ。「~ガン」は『トップガン』かな? 「~たらヤムチャだ」は『転生したらスライム』? ガリパンとは……。
 あと、ジャンプ未読者にジャンプの話をする際、ボンドは『ブラクロ』を省略する。くそぅ、なんでや……。

ONE PIECE』1070話

 最終章に入って一気にSF要素が増えたんだけど、その基本となるルール説明だったような回。クローンと、悪魔の実のコピー。ロギアは難しいが、パラミシアは条件付で可能。覇気ルールの導入によって「ロギアって実は弱くね?」と一部のファンの間で言われるようになったと思うけど、ここに来てロギアの株が上がりましたね。たしかに、これで「政府が本気出せばメラメラも作れる」みたいな話になったら結構台無しなところあるし、面白い帳尻合わせだったと思う。まぁ、人工メラメラを知ったルフィとサボがキレる、みたいな話もアリか。
 幼女ハンコックによるメロメロ。当たり前だけど、幼女でもあの能力は成立してしまうのか。あれで石化して死ぬのはイヤですねw
 とはいえ、幼女ハンコック可愛かった。いや、正確には幼女ハンコックと彼女に微笑むジンベエの組み合わせが可愛かった。あれが出来るキャラって意外と麦わらの一味にいなかったと思う。ルフィが言って幼女ハンコックが照れたら本物とややこしくなるし。強いて言えばロビンが一番しっくり来る? ただ、本物との関係性も込みでジンベエが最高。

『SAKAMOTO DAYS』101話

 川に落ちる四ツ村。死んだかと思ったら生きてたパターンの超ベタなやつ……と思ったらちょっと捻ってあって面白かった。落とした本人が “運試しや” と生死不明と認識してるのも良いし、南雲が「動ける死体」目当てに救出するのも素晴らしい。助ける理由として合理的だし、生死不明が演出上だけではない意味を持つ。
 そんな南雲とシシバの四ツ村死んでる生きてる論争も最高に面白い。南雲がカマをかけたのがずる賢いし、同時に読者に対するドッキリでもある。あそこで「生きてる」と言ったことで、読者的には「シシバには事情を話す味方なのね」と安心するんだけど、そこからひっくり返る。シシバのことも信用してないのかよ……とめちゃくちゃ怖い場面でしたね。最高。
 ただ、「四ツ村が生きてる→シシバ粛正」のロジックが存在することを考えると、南雲的にはシシバを脅す(協力させる)カードを1枚手にした、とも読めるのかな。超面白いな、あの冗談。シシバ的には殺した確信はない、どう考えても「できれば生きててくれ」のニュアンスが混じった状態だったのに……と味わい深い。

『呪術廻戦』208話

 チョウソウの反省と救済。彼の自覚する過ちを “楽な道を選んだ” の一文に集約させたのがすごい。呪い(悪)に落ちることを「楽な道」と表現するのが見事だし、そこから “二人はそんなに弱くないのに” と続くのも良い。これは『ヒロアカ』とかでも成立しそうな話で超好き。
 そのあと一行は大きすぎる敗北に至るわけだけど、そこで唯一繋がれた希望がチョウソウであり……というのがとても良い。感動的。まぁ、質量バトルもっと見たかったけどね。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』160話

 アニメ化記念でカラー3ページ。発表自体はジャンプ誌面ではほとんどやらなくなったけど、大々的なお祝いはこういう形でやる。新しい形ですね。これは面白いし、今度も気になってくる。
 アニメのポスター。六美の美少女描写の方向性が「大丈夫か?」とはなるんだけど、楽しみではあるし、喜ぶ権平先生が何より可愛い。
 本編。次章の重要人物が現れて本章は終了。『ドラクエ10』ver.4のラストみたいだな! と私の中のリトルたくみが叫んでるんですが、たぶん伝わらない。ラスボスから何かを回収して去ってって、そのまま「to be continued」ってなるのよ。ちなみにそいつの正体が次章における最大のサプライズ。
 氷雪系最強に見えるが、同時にソメイニンの不活性化みたいな能力もあるのかな。目が違うので夜桜一族とはスーパーパワーの理屈が違う、と絵のみで分かるのが面白い。
 ほんで「アサ」というのも意味深ですね。数字人名大喜利が終わってしまった……(好きでした)。太陽とも関係してきそうだけど、太陽の因縁は百である程度終わっちゃった気もするのでどうだろうか。

『アオのハコ』83話

 問題のユメカ登場。あらやだ、目つき悪くて素敵。こういうタイプの女性キャラが本作に出てくるのはちょっと意外だった。菖蒲とは別方向の意味で期待の新人。こういうキャラデザが出てくるのは意外だったぜ。漫画家が変わったみたいなくらいの衝撃。
 回想の中だけで大満足だったんですが、なんと現在でも登場。目つき悪い&感じ悪くて最高じゃないか。おまけに彼氏(たぶん)がメガネくんでありがたい。メイド服着せてくれ。現状不自然なくらい棒立ちなんだけど、さすがにあの棒立ちにも意味があるんでしょうね。彼氏じゃない可能性も考えたけど、ユメカが千夏に突きつけてくるテーマを考えると彼氏と見るのが妥当なのかしら。
 そんなテーマが、恋愛と部活の二者択一。前回松岡パイセンが意地悪で言ってきたのはここへの布石でもあったんですね。問題提起が大喜に対してではなく、千夏パイセンに対して、というのが新章感あってブチ上がる。
 ユメカ。バスケ部時代は髪短かったのに今は長くなってるのも「言わなくても分かるよね?」感あって好き。まぁ、恋愛によって髪型を変えるってのはちょっとベタとも思うが、女子運動部における短髪問題は別個に面白いテーマだと思うので全然アリ。というか普通に納得できる。『ハイキュー』でもちょっとだけ出てきたよね。

『暗号学園のいろは』6話

 やべぇ、ワンポイントレッスンがうるさくなってきた。うるさすぎる。ただ、こういうのは正直嫌いじゃないんだよなぁ。解説じゃなくなったのは少し残念だけど、昔の漫画にあった欄外の作者ツッコミみたいな感じは好き。
 暗号解読における特殊スキル。動作が速い。高速で総当たり。たしかに、一部の問題には「とりあえず総当たりでやってみる」が正攻法になる場合もあるか。これはすごい良かった。説得力を感じる。
 ただ、白地に文字が配置された(そこそこ隙間)ジグソーパズルってそもそも無理ゲーなんじゃない? 「ダメなジグソーパズルの例」ってイメージあるんだけど、総当たりだと案外解けるものなのかしら。

ブラッククローバー』346話

 千里眼による敵の情報解析とか普通にずるいなw まぁ、それくらいないと話にならないような危機ってことなんだろうけど。
 んで、伝説の龍の復活は仕方ないのでスルー、という策が面白い。本話の冒頭で一般市民の様子を描いたのも効果的でしたね。ここらへん普通にうまい。てか、キレイ。
 千里眼に信頼されたらモチベーション爆上がり、というのも分かりやすい。初登場から日の浅いキャラなので「信頼されたらやるしかないでしょ」と熱いこと言われても、熱いだけで薄っぺらくもなりそうなんだけど、そこに千里眼という要素が加わることで説得力が増す。
 んで、5人の絶天。最初の2人がそれぞれ1ページを丸々使ったので「はいはい この感じで続くのね……」と思ったら次の2人(見開き)では横幅目一杯に高速移動する2人が描かれるので虚を突かれる。見事すぎるじゃろ。やはり『ブラクロ』は見開きが良い。

『イチゴーキ!操縦中』5話

 生徒会長。すべて命令で済ませる。なるほど、彼女もミサオとは別の意味で操縦する人間なのか。この対比は見事だな。
 正直セクシャル要素が高いと思うんだけど、設定上はあくまでも “会長のカリスマフェロモンに侵され… 陶酔し信者と化した生徒達は…” 。ミサオは肉体を直接操るが、会長は心から操る。
 んで、逆鬼ごっこ。読んでて「ゾンビ映画みたいだな」と思ったら、まさに劇中でもそう言われ、さらにひとネタ足してくるから笑った。完璧に手のひらで踊ってしまった……。
 かと思ったら「ヒソカvsクロロ」が飛び出るので笑う。ここまで直接的なのが出るとは意外。とはいえ、バンジーガムの再現が百点だったぜ……。
 あと、「ヒソカvsクロロ」であると同時にゾンビ映画『ワールドウォーZ』でもある、とも言えそうね。いろいろ難のある映画かもしれないけど、あのゾンビ津波の描写はマジで歴史的快挙だと思います。
 散々擦られてたエナドリが終盤になって「ミサオの覚醒」と「透明人間の認識」と2つの意味になるので普通にうまい。2人の女性がエナドリを飲むまでの話、とも言えそうね。序盤に「エナドリは校則違反」と無茶苦茶ななことを言ってたんだけど、それがあるからこそラストの味わいが増す。生徒会長がこっそり悪さを覚える、となると途端にエモい。

「ROCK THE JUMP」

 特別企画。連載作家のオススメBGM。ちゃんとアンケート採っててめっちゃありがたい。今回は前半。
 まぁ、前にもこんな企画あったらかある程度予想はできたんですが、マジでびっくりするくらい私の知らない(興味ない)方向に偏るのな。寂しくなるぜ。普段のこのコーナーに興味がないのは人選で、それは本コーナーの偏りなので仕方ないけど、作家たちの好みまでそっち方面になるとは。
 そんな中、権平先生は明らかに毛色が違ってて、それが目次コメントを通じて知ってる権平先生像と完璧に合致するので面白い。他の作家にもこういう個性が見たかった……(興味ないからみんな同じに見えてるだけだよ)。
 あと、田畠先生のB'zを選んでるの好き。『ブラクロ』はB'z感(B'z好きを公言する感)ある。それが『ブラクロ』の良さと不可分とすら思える。
 企画に難をつけるなら、選曲に対する話はもうちょっと作家を中心にした内容に偏ってほしかった。あくまでもジャンプなんだし。まぁ、本コーナーは治外法権感あるけどな。

センターカラー『ウィッチウォッチ』91話

 精神と時の部屋で修行する話かと思ったら加速装置ギャグも欠かさないのね。くられによる『空想科学読本』的計算は笑った。ただ、笑うと同時に「この魔法で加速して戦えば余裕じゃね?」という疑問が湧いてしまった。加速魔法の細かいルール覚えてないけど、そういう使い方を制限する理屈って用意されてるんだっけ? されてなかったらもう最強だろ……。
 強くなるためには筋肉が必要だが、筋肉を体内にしまい込む術があるらしい。出し入れすることで強くなるらしいけど、強くなっても(筋肉がついても)日常ギャグ回に支障がないように、というメタ的な都合をものすごく感じるw いや、これはうまい言い訳だと思います。何となくバトル漫画的にワクワクする設定ではあったし。『トリコ』の食没とかに近い雰囲気もある。

『人造人間100』4話

 扉。狂犬注意なデザインで、枠から飛び出してくる仕掛けも良いね。微笑ましくも本作の本質を描いてる。
 本編。こっちも加速能力者の危険性について語ってるので笑う。「人を殺しちゃいけない」という基本ルールを揺さぶりにくる話で面白いんだけど、今更気づいたのがものすごく恥ずかしいんですが、本作って『ターミネーター2』だったのね。少年と、その命令に従う殺人兵器。いかに人を殺さずにトラブルを解決するか、というのをコミカルに描くのとかそっくり。やば、No.100が溶鉱炉に沈む最終回しか想像できなくなっちゃったw
 んで、「善意の人」は勝負に負けるが、その後の一計で大逆転。すべてはNo.100の自業自得らしい。No.100の嘘を追求する、という当初の「2人の信頼を崩す」に成功したとも言えそう。面白いですね。何より、あの人が「実は悪人」みたいな陳腐なオチにならなくて本当に良かった。いや、次回以降もまだ疑う余地はあるか? さすがにならないと思うが……(本作そこらへんしっかりしてそう)。

『あかね噺』44話

 口伝の現場。業界裏話モノとしてめちゃくちゃストレートで面白いな。キャラとかストーリーとか魅力は多い作品だけど、落語の世界を描く上で「あの世界ってこうなってるのね」となるオモシロ。そこに、録音するしないという2択であかねの個性、生い立ち、そして強みを描いてるのが良い。最終的に「すごいけど向いてない」という身も蓋もない着地に至る。まぁたしかにイメージは合わないわなw 前回か前々回に「うらら師匠と違ってあかね自身には女性ならではの苦悩は少ない」みたいなこと書いたと思うけど(男性主人公に置き換え可能)、その女性主人公らしさ、女性主人公ならではの何かが裏目に出た形。当たり前だけど、やっぱ本章はあかねが女性であることがキーになってくるのね。

『一ノ瀬家の大罪』7話

 妹のデート(?)を尾行。ガスト? ジョナサン? に行くも翼たちは金がないのでドリンクバーしか頼めない……それを妹を覗く2人の後ろにある注文用タブレット、という1コマで表現したのすごいですね。最近のファミレスあるあるを踏まえたスマートな構図。感動してしまった。キメキメな大コマも良いけど、こういう小さい(比較的小さめな)コマでもこういう気の利いたことしてくるのも良いですね。ここらへんはやっぱ本作の強みか。
 んで、2人の関係も分からないまま、妹の部屋オープン。「衝撃の事実!」みたいなバイブスは分かるけど、全然話が見えてこないので面白い。「いや分かりませんけど……」という感覚、ジャンプではかなり珍しいと思う。これは好き。あと、うさぎ年でめでたいですね(本号の発売は年末だけど)。

センターカラー『残り火』白川蔵

 読切。手塚賞準入選らしい。最高評価らしい。どうせ面白いやつや、というやつ。
 本編。犬が可愛い。それはもうめちゃくちゃに可愛い。最初だけかと思ったら途中にもっかい出てくるので嬉しい。準入選も納得。
 話としては、竜が人間を滅ぼしたあと、最後の人間を育てる竜とその娘の話。意味深な場面、説明的なモノローグ、からのモンタージュで一気に時間が進み……などと緩急がついてて飽きなかったし、静かな作品なのに話がかなり忙しく進み続ける。この語り口はたしかに面白い。最終的には巨大な竜同士のバトル(一瞬)まで出てくるんだから充実してる。
 あと個人的にはゲールのキャラデザが超好き。不穏で、竜の多様性を感じさせ、神々しく優雅でもある。悪そうな人に思えたけど案外柔軟な考えの人なのも良かった。別に人間が1人だけ残ってても大した脅威じゃないから「是が非でも殺す」ってなるのには違和感あると思ってたんですよね。あと、ゲールが興味を示した “娘の死後 娘の生き様を聞かせろ” というのは主人公親子が最終的に行き着く「子は持てなくても記憶に留めてもらうことで世界に痕跡を残す」という結論に彼(?)も参加してるとも言える。
 私はジャンプの読みすぎなので、「たとえ人類が俺1人でもクローンでも人工授精でも何でもやってやるよ」と千空マインドを発揮する話になるのかと思ってしまい、静かな結論には驚いたけど、母娘の物語としては普通に感動的で良かったと思います。ただの親子ではなくちゃんと母娘ならではの話になってるのにも驚いた。

『アンデッドアンラック』141話

 ジーナさんではなく、ジーナちゃん。前ループと今ループの人物を同一視しすぎるのもどうなのよ、という問題はたしかに気になるところでもあったが、そこに言及したのが良い。まぁ、今後も同一視は続けると思うし、だからこそ同じ格好するようになった(作者がさせた)んだろうけど。とはいえ、記憶を継承しても前ループと完全に同一人物になるわけではない、という扱いを明確に出したのは大事だと思う。某『ドラクエ』に足りなかった視点。
 魂を引っこ抜けば否定能力が体から抜ける。それなら風子とアンディ、イチャコラし放題じゃん、とか思ったけど、風子(肉体)は動けないのか。惜しい……。
 ボクシングの試合に殴り込み。普通に無理だと思う。追加の理屈があるといいなぁ。

『逃げ上手の若君』92話

 戦下手ってキャラ付けが面白かったので「実はこれが正解」となるのは残念だったな。まぁ、強敵感としてのワクワクもあるんだけど、期待してた部分が欠けてて肩透かしというか。
 あと、「信じた方が悪い!」と初手から言い出したのにはあまりの詭弁で引いたんだけど、ちゃんと詭弁と分かった上で詭弁を戦術的に利用してる、という扱いに落ち着いたのは良かった。良かったが、シンプルに「頭の良い人の言い分がそれか……」とはやはり思う。もうちょっとないのかよ。まぁ、それは次回。

HUNTER×HUNTER』400話

 ここまでカーちんの死を前提にした話になるとは思わなかった。というか、カーちん自身が死んでることを告げてくるとは。このややこしさは本作の真骨頂だと思う。「なんでそんなことすんの!?」と笑ってしまった。ここで連載が止まるのが本当に残念。正直旅団過去編よりこっちを優先した方がスムーズだったと思うんだけど……まぁ何かあるんだろうと信じたい。
 んで、センリツ視点で話が進みそうな予感。一種の探偵役になるんだけど、心音で嘘や含みを見抜くことができる、というのがこれまた事態を死ぬほどややこしくしているw ややこしさの足し算がすごいのよ。
 んで、今期の連載はここまで。次回以降は掲載形態を変えるとのこと。英断だと思う。思うが、冨樫先生のひどすぎる状況を考えたら普通に遅すぎた気もする。
 普通に考えたら一番自由が利くジャンププラスに移籍だと思うけど、そうするなら今そう書けば済む話なので、意地でもジャンプ本誌で「週刊連載ではない掲載形態」にしたいんでしょうね。『HUNTER×HUNTER』利権とかも大いにあるだろうし。
 個人的には、月イチ掲載とかの安定的な掲載になるといいなぁ。数年ぶりに「また始まるよ!」と突然告知されても正直それほどテンションが上がらないのよ。読めば楽しいけど。まぁ、月イチが可能かは知らんので、隔月でも何でもいいので、そんな感じになるといいな。

『大東京鬼嫁伝』17話

 神木から作った木刀だったが、今はヤンキーバットになる。この変換は面白かった。まぁまだなんで変わったかのロジックは謎だけど、「たしかに木刀よりバットの方が振りやすいかもしれない」と納得してしまう。元の木刀からさらに削ってバットにした、というのも考えたけど、それだと元のサイズが相当巨大になってしまうからダメかw 元が人間用じゃないならアリだったんだけど。
 最後の最後に「家内安全」というよく聞くワードに着地していくのも素晴らしい。洗濯物干すのと妖力バットで戦うのが彼の中では同列。「洗濯物干すのもHiphop」だ!! と冗談っぽく思ったけど、案外これはマジで元ネタかもしれない。48号の目次ページに、仲間先生がZORN聴いてるって情報が載ってるので(別の曲)。ちょうどの今号の「週ちゃん」にまとめられてる。
 今号の週ちゃんがなかったら、どっちの仲間先生か分からなかったんですよね。「仲間先生」としか書かれてないので。ありがてぇ……。

『高校生家族』116話

 将棋部でディズラーニンド。もっと園内でのあれこれを描くかと思ったけど、実際はエピローグのような一話でしたね。園内でも3年の引退についての話がメインで、本話のメインはその帰り道のバスの中。封じ手エンドめちゃくちゃ良かったです。少しだけ近づいたが、決着までは行かず、しかし将来へと繋がる約束は残せた。
 すげぇ良い話だったし、オシャレなエピローグだったんだけど、「小学生を独りにしちゃダメだよ!」と部長もしくは五冠に対して思ってしまったw

『マッシュル-MASHLE-』138話

 長男の魔法。体術がメインだが、分身を重ねることで不可避の攻撃を繰り出す。『HUNTER×HUNTER』のカストロがかなり近いのかな。「最初から分身して戦った方がええやん」とどっちの作品に対しても思うんだけど、本作は本気度を徐々に上げてく舐めプ野郎で、カストロは能力を隠すことに意味がある、という理屈かな。
 マッシュのさらなるパワーアップ。その理屈がことごとく現実的。バトル漫画の説得力としても面白いんだけど、「理屈の世界観が1人だけ違うんですけど」というおかしさもある。エルボーのくだりも笑ったわ。理屈はその通りなんだけどw
 からの、ついに10割解禁。「9割→10割」のパワーアップなので、1割ちょいしか強くならないはずなんですが、それどころじゃないパワーアップをしてるように見える。まぁ、バトル漫画のこういう数字が雑になるのはよくある話なんですが(『ヒロアカ』とか)、この長男は今まで出し渋って数字を刻んできたわけで、それなら正確にしてよ、と思わんでもない。

『PPPPPP』63話

 ソラチカと未知。人の演奏を聴くことでその人の心情をズバリ言葉として聞こえるようになる、という設定からの展開が面白かったなぁ。ちょっとショート読切のような面白さがある。ソラチカを主人公に漫画を描いたらこんな感じなるんだなぁと。
 そこに絡んでくるラッキー。もしくはラッキーの天才。ちょっとホラー的な演出にもなってて引き込まれるし、ソラチカの話でありながらラッキーの異常性も際立つ。急にめっちゃ饒舌に喋り出すとことかマジでホラーの雰囲気あって最高だよね。フキダシを最大限利用した表現になってたのも好き。アニメ化したらただの陳腐な場面になっちゃいそう。

『ギンカとリューナ』16話

 シェヘラザードの切断魔法を食らってもギンカなら分裂して動けるので強い。絵的な納得度が強く、バトルがスムーズに盛り上がるんだけど、絵としてはひたすらポップで軽い。ある種この軽さをギンカが維持してるうちは安心、ってことですね。
 変幻自在で予想外、そして何より数が多い。それが今回のギンカのスタンスを象徴していて、「だから勝てる」という話になる。そういう流れがあるからこそ、あのラストの見開きが切れ味鋭くて最高なんですよね。マジで初読時の高揚感ったらない。「ざまぁ!」的な気持ちよさでもあるけど、そもそも今回のバトルにおける動機、ドラマ、エモーションはどこにあるか、というのを見失わずに最後の最後に超気持ちいい形で描いてくれる。最高かと。いや、正直言うと、リューナがキメキメすぎて「ちょっとかっこよすぎぃ!!」とはなったかなw とはいえ、右から左へと視点を移動していって最後に目に入る人物が……という興奮(&ロジックによる納得)なので、理にかなってるのは分かるんだけど。リューナもすごい大事な役割を担ったというのにも異論はないんだけどね。
 あとは、シェヘラザードの変身姿が超怖くて結構本気で気持ち悪かったw 前回もそうだけど、個人的に苦手なタイプのキモさを突き詰めてくるな。本作のこと超好きなのに生理的に苦手な要素も含むというのは困った話。いや、本作というよりはシェヘラザード個人に留まった話……だといいなぁw

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 去年の目次ページでやってた作家への「今週のエンタメ!」質問のまとめ。今号の『大東京鬼嫁伝』ではマジでお世話になりました。ここで初めてどっちの仲間先生か特定できたw(まぁ前後の流れで何となくは予想できるけど)
 マポロ3号先生がゲームとして挙げたのが『スプラトゥーン3』だったんだけど、どう考えても『ポケモン』のがハマってるよね。ここまでのポケ狂いな人は初めてかもしれない。個人的には平方先生も印象深いんですが、やっぱ度を超したバイブスがある。

総括

 終わり。また気づけば月末になってしまった。マジでショック。1月が終わってもまだ追いつかないのか……。

 今号のベスト。まぁ普通に読切かなぁ。面白かったです。
 次点は『SAKAMOTO』。秘密の扱いがめちゃくちゃスマートで感動しました。
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