北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年27号の感想

 髪切りに行ったんですけど、あのビニールで体覆うやつが今の時期地獄でした。忘れてたぜ……。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。ゾロ。2周目ですな。伝説の砂糖おにぎりの場面が懐かしすぎてちょっと微笑ましい気持ちになった。

表紙

 『ウィッチウォッチ』。人気投票と11巻発売記念という割とどうでもいいキッカケなので確かな人気を感じる。人気だからアニメ化間違いなしなんだけど、今のクール制の(深夜アニメ主体の)状況で、メインストーリーもあるけど、ぶっちゃけそこはそれほど重要ではない本作をどう扱えばいいのか。想像がつかない。まぁ、『SKET DANCE』も似たようなもんなんだけど、あれはまだ終わりがフワッとしてるじゃないですか。正直どうでもいいというか、特に設定されてないけど、本作は一応大きめの目標とか危機が設定されてるのに、その中で信じられないほどの量の日常回が占拠してる。

読者プレゼント

 ジューンブライド。ダジャレは少なめなんだけど、人間が2人いて、超まともにグラビア撮影してる女性と、キテレツ男性というギャップとかも含めかなりの本気を感じる。「何言ってんの?」的な楽しさという意味では、これかなり強いんじゃないのかしら。年間大賞にも関わってきそうな圧を感じる。

巻頭カラー『ウィッチウォッチ』111話

 巻頭カラーで人気投票の結果。もう意味が分からなすぎて怖い。ケイゴってそんなに人気だったのか。いや、百歩譲ってラブコメを担当してるのでそこがウケたと納得しよう。ただ、そうすると同等の人気を誇るカンシが謎すぎてな。もう正直ついていけないんでもう僕はいいです……みたいな感情になってしまう。本作のファンダムはこんな特殊なことになってたのか。今の今まで知らなかった。衝撃だ。めんどくさそぉ~~!!!(ちょっと楽しくなってきた)
 本編。カンシが一発ギャグで酷い目に遭う。最終的にモイちゃんに笑われてチャンチャンなのは分かるけど、ニコがその立場にいるのはちょっと違うんじゃないの。別に謝れとまでは思わないけど、あそこまで他人事みたいなリアクションされると戸惑っちゃうな。
 人気投票の中間発表ではカンシが1位だったので、それにあわせて単独カンシ回を作りました、というコンセプトだと思うんだけど、蓋を開けてみたらケイゴが1位なので、謎の回になってしまったな……。まぁ、ちゃんと中間発表のことを誌面で知らせてくれたのは助かるし、誠実だったと思います。

『SAKAMOTO DAYS』121話

 現在。南雲と四ツ村と昏睡状態のキンダカ。新たに動き出す坂本の場面より、過去と物理的に向き合いつつのこっちの場面の方がテンション上がった。南雲と四ツ村の関係性の逆転も面白いし、昏睡状態なのに老けたキンダカ、というのも悲哀が漂ってて良い。
 坂本側のドラマとしては、過去の清算もあるけど、晶を救うのが第一目標。これはこれで良かった。過去では下の世代だった坂本が上の世代になって、かつての赤尾一歩手前くらいの状態にいる晶を助けようとしてる。大人視点、親視点みたいなのが入ってるのが良いね。

ONE PIECE』1,085話

 イム様を見たコブラが死ぬ。が、その前にサボが介入してきて……。これでサボが世界政府にとって最も憎まれる存在になったというのがよく分かる。さすがルフィの兄貴だぜ……と納得してただけに、クッソ軽い、それこそギャグ調のまま同じ罪を背負うワポルで爆笑してしまった。あそこでビビり散らしてるのが可愛らしくて良いね。バギーと同じで愛すべき悪人という感じになってきた。いや、ワポルは今までやってきた非道がちょっと笑えないレベルなので、ここまで軽く愛らしいオッサンになることには少し抵抗もあるんだけど、最後のビビとのチームアップとかワクワクしてしまったのも事実。

センターカラー『マッシュル-MASHLE-』158話

 イノゼロさんが最後の悪あがき。世界を破壊しようとするが、過去の友人(主に変人)、そしてマッシュの活躍を見ていた人たちの協力によってくい止められる。プロット自体はクソベタなんだけど、あの逆元気玉みたいな画は普通に感動的だったし、懐かしキャラ大喜利みたいなのも本作らしいチカラの抜け方で良い。普通にエモい再登場もあるけど、同時に出オチ的な再登場もあって、「この人はどっち?」と一瞬困惑するような緩急がやはり絶品。なかなか再現性のないバランスになってるし、それがこの重要回に飛び出るってのが良い。

『あかね噺』64話

 評論家問題についての続き。「くだらんね」という5文字の持つ意味がぐるっと反転してみせる一話の流れとかなかなか面白かったし、「クソジジイと思ったけど案外……」となる感じも良い。ただ、うるさ型の評論家どうすんの問題の結論としては少し甘いというか、評論家の方から「こんだけウケたらしょうがないよね」と迎え入れてもらって終わるのは、それでいいのかと少し心配、というか不安。もうちょっと欲しかったが、まぁ今後もこのテーマは出る余地あるからいいのか。
 それと同時に脱サラ落語家の徹底したお客様ファーストについて。過去への入り方、過去からの抜け方も最高だったし、あの一席が彼にとっての自己紹介であり、彼の人生そのものだった、というのはやはり感動的。『食戟のソーマ』における「スペシャリテ」とかなり近い概念なんじゃないかしら。『PPPPPP』のときにも感じたけど、やっぱ芸術分野の少年漫画化において『食戟』の存在はめちゃくちゃ大きいと思う。今後歴史的に振り返られる作品になるかは知らんけど、少なくとも現状のジャンプシーンにおいてはかなり影響力のある作品と言えるのでは。

『キルアオ』7話

 恋人のフリが事故的に始まったが前途多難。疲労困憊でいると話しかけてくる女子のあのダルい感じ超良いな。精神年齢どうなってんだよ、というギャップ。
 からの「幻獣組」とかいうスーパー男子たち。マジでしょうもない設定が次々出てくるので毎週笑ってしまう。タイトルの『キルアオ』ってそういうことだったんですね。あえてのクソベタをぶっ込んでる。ただ、この幻獣組に関しては『黒子のバスケ』の基本設定も大差ないと思うよ。
 子供に気を使われるとオッサンはムキになっちゃう。この理屈も良いな。やってること自体はよくある主人公のツンデレムーブなんだけど、そのロジック(心理)がオッサンらしさとして納得できる。子供相手にマジになっちゃうのではなく、あくまでも子供扱いを貫いてるからこその「子供のくせに何やってんだよ」という逆ギレ。

センターカラー『都と鬼と田舎の狸』菰田コトヒロ

 読切。増刊で好評だった人らしい。好きな漫画として『ドリトライ』が挙げられてて、ファンの私でも「嘘つけぃ!!」と言いたくなってしまうw 何だろ、アシスタントやってるとか、どこかで雲母坂先生と一緒にアシスタントやってたとかそういう縁なのかな。
 本編。妖怪の存在する世界。半妖は妖怪退治をすることで人間社会に居場所を築いている。実力は充分だがやりすぎなため田舎に左遷された鬼(半妖)の話。若干設定がややこしいというか、ストーリーのシンプルさの割には意外な複雑。妖怪と半妖の説明がない、割に冒頭が結構なセリフ量で進むので「鬼は妖怪ではない……?」とかなる。お馴染みの妖怪が冒頭の会議にいっぱい出てくるけど、あれは全部半妖。人型は半妖ってことなのね。
 田舎に左遷され、キレ気味だが、田舎も捨てたもんじゃなく……というのは分かりやすい。正直この部分自体は定番で、割と予想通りの話に落ち着く。なので、イマイチという側面もあるんだけど、田舎でのジジババとの交流のくだりとかが異様に魅力的に描かれてるので、じんわりきちゃったのも確か。あのジジババの「よく考えたらこいつら人の話聞いてねぇな?」みたいな瞬間があるのとか良いんだよなぁ。リアルでありつつ、美化もされてもいる(良い意味で)。その交流にふと鬼が涙を流す(たぶん)くだりも最高。ジジババが事の重大さに気づいてないのが最高。
 あと、市役所の化け狸。キャラデザが良い。ちゃんと狸してて、下手すると映画『キャッツ』のように不気味の谷へ突入してしまうところなんだけど、それをギリギリのところで踏みとどまってる感。かなりキワキワだと思うんですよね。やっぱ人型なのに耳をガチに配置すると急激に『キャッツ』の足音が聞こえてくる。が、本作はちゃんと可愛い。狸としても可愛いし、人間としても可愛い。
 キャラデザでいうと、ヒロインが下乳出しすぎ。前号の読切におけるミニスカート問題とまったく同じなんだけど、話と全然関係ないのに……というノイズ。本作は特に明確に下乳描写にチカラ入れてるように思えるので、「なんでこの話にした?」と困惑してしまう。クライマックスの鬼が人の心(という表現は良くないが)を取り戻しつつあるバトルシーンでの渾身の下乳とかマジで「なんで!?」。
 あとは、化け狸の病弱設定も登場シーンでは目新しくて面白かったけど、正直それほど話とも絡まずに出オチのような印象だったな。別にバトル漫画なんだからいくらでも血を出すくだりは出せたでしょ。それこそ彼が善人だから、彼が頑張ってるからこそ血が出た、という話は簡単に作れたと思う。

僕のヒーローアカデミア』390話

 荼毘との一件、というか轟家の一件が完結。正直気合いと根性と爆発と、みたいな感じで少し大味(大技)な印象で好みではないんだけど、今回荼毘がやってることがスーパー大爆発なので、こうなるのはある程度仕方ないんだと思う。
 からのトガちゃん。ヴィラン連合としての絆があるのは今ではもう残り少ない……ということで話の連結は分かる。分かるのだが、正直「オールマイトじゃないのか」という気持ちも少しある。てか、今回の轟家の話の間も頭の隅っこには「オールマイトが『アイアンマン2』してたのに……」ってのがあった。同時並行の弊害というか、魅力的な場面が魅力的すぎたことの弊害。もちろん人によっては「オールマイトとか今はどうでもいいから○○を!!」ってなる可能性もある。

センターカラー『僕とロボコ』139話

 学校の授業でダンス。ダンスはダンスでもアイドルダンス。子供のウケを気にした先生が余計なことして、一部の生徒からは「マジ勘弁してくれよ……」となる感じがめちゃくちゃリアルだ。いや、そんな話ではないが。
 アイドルダンスなのでロボコに教えを請うのだが、ロボコは何も教えてくれず、意味の分からない動作の指示が続く。それが実は……という『ベストキッド』パターン。定番の話なんだけど、宮崎先生のこだわりが感じられるのが、代表例として最初に描いたのがパーカーを取る、着る、脱ぐ、落とす、拾う。『ベストキッド』は『ベストキッド』でもジャッキーチェンのリメイクの奴!! 元の映画のワックス掛けが一番有名だけど、今回のチョイスには宮崎先生の強い意思が現れてるようで面白いな。普通に『ベストキッド』ネタやろうと思ったらほぼ100%でワックス掛けなので。
 てか、『ロボコ』で『ベストキッド』ネタって過去にファミチキ先輩でもやってましたね。気になって過去のジャンプ掘り起こしたけど、あのときは「あの動きが実は!」という漠然とした内容だったのに対し、今回は完全に『ベストキッド』リメイク版のジャケットの修行を丁寧になぞってるので気合いが違う。
 『ベストキッド』シリーズはどれも面白いので観てほしいけど、シリーズが多すぎるので、リメイクが故に1作で完結してる2010年版『ベストキッド』はオススメですね。たぶんいろんなサブスクに入ってるからよかったら……。

『鵺の陰陽師』4話

 実は陰陽師だったパイセンと秘密の共有……のはずが鵺のことは秘密のまま。美女慣れしてないコミュ障に秘密は難易度が高い。ずっとオドオドしてるので秘密を隠す違和感を隠れたのかもしれないけど、ちゃんと秘密の扱いに苦労して頭が追いつかなくなってる様子が描かれてて面白かった。
 仕事の際はパイセンは変身。というか特別な衣装になる。主人公はかなり変身感あったけど、パイセンの方は衣装という感じがあって由来の違いというか、レベルの違いが感じられる。普通の格好ではあるんだけど、「痴女かな?」というバランスの描き方になってるのも面白かった。ただ、個人的には足の横にある謎の輪っかが中二心をくすぐられて好き。めっちゃかっこいいでしょアレ。マジ意味分かんないけど「何か強そう」というワクワクバイブスがある。

『アオのハコ』103話

 「架空地名で距離感が分からん! けど走っていける距離なのかな」とか思ってたのが前話。本話では公共交通機関が出てきたので「めっちゃ遠いじゃん!」となる。ただ、めっちゃ走るのに、距離の多くの部分は電車やバスで移動、というヤキモキする感じが青春って感じで良いですな。雪で電車が遅れ、そのせいでちょうどいい時間のバスがなくて、それだったらもっかい走るしか! となるのとか「若いっていいわね」という感慨に浸れる。今までは部活のための走りで、それによって2人は近づいたんだけど、今回は明確に直線的に、物理的に、会うために走る。
 千夏パイセン。大喜からの連絡を受け、 “まだいるよ” 。「いないのにねぇ!!」とニコニコしちゃうところなんだけど、ここで彼女も大喜同様に走ることになったのが素晴らしかった。やっぱ2人の対等性というのは大事だよね。ここで「私待ってるから」という話にしなかったのは英断。

『ドリトライ』5話

 初試合の相手との因縁。必殺の巨大右腕パンチを食らったものの、妹ちゃんを救った際の弁当箱を持ってたので助かった。この展開うますぎるだろ。青空の善人性の象徴である弁当箱で助かる。ドラマチックすぎる。まぁ、真面目に考えると「弁当箱でパンチ受けても普通に痛いのでは?」とかなるけどね。それはそう。
 んで、試合開始。ちゃんと対策はしてきた。スポーツモノらしくこういう話もちゃんとやってくれるのですね。今までは割と主人公の特長たる「何度でも立ち上がる」に頼り切った戦いが多かったので。これは嬉しい。
 アウトボクサーとインファイター。後者の弱点は前者だが、前者の弱点も後者。自分のスタイルを守った方が勝つ、という分かりやすさ。それと、おそらく体重別の階級がない闇拳闘を描くにあたって、最初に「小柄には小柄の利点がある」という話を持ってきたのは重要だと思う。

『夜桜さんちの大作戦』180話

 前回のモブキッズ、続投であった。友達コースらしくて嬉しい。太陽のファン(男子ファン)というのも微笑ましくて可愛いし、「太陽にもこういうファンが出来たのか……」と感慨深くもある。
 本話はそれだけで充分なくらい面白かったんですが、後半になると、アイさん出てきた!! アイさん11歳!! アイさんが出てきちゃったらもう正直双子への興味が1ミリも残らない!!(イナゴみたいに言うな)

『逃げ上手の若君』112話

 前から感じてたが、ナレーションで「資料」がどうの言うのがあまり面白くない。特殊なことをやってる割にそこまで効果が生じてる印象が少ない。特に今回はインターミッションの2話目の冒頭ということもあり、「本話もこういうのか」と印象が強いというか、意地悪な表現をすると捨て回。一応本作をこれまで読んできた読者には「なんか勝ってた」を理解できるようになってるので、そういう意味では面白いけど、ぶっちゃけ神力システムにはそこまで納得できてないので、それを理屈にされると「なんか」と大差ないんだよな。
 後半。逃げない帝に呆れてからの時行オマージュ元服名。これは歴史、歴史資料のリサーチの反映として面白かった。「ホントにぃ??」とか疑ってしまう気持ちもなくはないんだけど、『ダヴィンチコード』みたいなもんで、「それはそれで面白い」というエンタメ性が感じられる。本編後のコラムもそうだけど、歴史研究ってちょっと面白そうだな。そんな気持ちになった。

『アンデッドアンラック』161話

 香港。てことはあの人かあの人が出るんだろうなぁ~、と思わせてからの意外な3人目。これは面白いな。ループ後展開には二次創作的な印象が常にあるけど、二次創作の良い面が出てると思う。サプライズとしても面白いし、「全員助けんだよ」という決意も感じられる。
 からの天下一武道会みたいなのが始まるのでびっくり。「今時ぃ?」っていう。ただ、味方陣営が複数エントリーしてるのと、その人選の部分にやはり今の本作らしい楽しさが詰まってる。否定を使っていいなら別にジーナも出せばいいとは思うんだけど、まぁ格闘ベースの人を揃えた方がなんかテーマ性が感じられてワクワクするってのはある。

『テンマクキネマ』8話

 モブ生徒(酷い表現w)の中を歩く主人公を撮りたいが、撮影のことは秘密にしたい。無茶な制限の中でのオモシロアイディアというのは『食戟のソーマ』を思い出すノリだ。もちろんオモシロ食材ではないのでやってることとか、雰囲気はまったくの別物なのだが。
 望遠を使って被写体以外はボカす。これでいけるはず……だが、機材に限界があるので最終的には新市の根性。スポ根的なバイブスに至ってしまうのが面白いですね。おもくそ文化的な活動なのに。まぁ、結局のところ体力勝負になってしまう、というのはどの業界でもあり得る話なのかもしれない。

『暗号学園のいろは』26話

 団体戦。なのに相手は1人しか見当たらない。潜入してるらしいが実はいろはが……という話。このオチ自体はちょくちょくあるというか「一番意外なのを考えたら1人しかいない」みたいな話なんだけど、その途中に回想を挟んで本物のいろはの出番を多めに見せてるのが超うまい。思わず読み返しちゃったけど、変装いろはの出番や言動は意外に思えるほど少ない。回想を挟んだのは本物と比べて髪留めの位置が左右逆、という読者に向けた謎解きを成立させるためでもあったと思うけど、ぶっちゃけこっちはあの場面を暗号として成立させる(解けるヒントを無理矢理作る)都合の方が大きく感じられたな。あんな髪留めの位置間違えるわけないじゃん。一流なら。
 いろはがしてやられた風だけど、一番恥ずかしいのはどう考えても残りの4人の方だよ!! と思ったけど、ちゃんとそのことにブチギレてる人がいて……という話になったのは良かったw
 それはさておき、暗号バトルで出てきた「ソーマ・キューブ」なるアイテム、めちゃくちゃ面白そうですね。いろはが懐かしがってて「知らないの私だけなの!?」と驚いたけど、遊んでみたいな。贅沢を言うなら、子供の頃遊びたかったな。

『人造人間100』24話

 発火能力に目覚めた100。バトルのその後が描かれるのかと思ったけど、実際は人造人間たちの価値観、行動原理、優先順位の異常さを描く回であった。ちょっとバトル的には拍子抜けだったけど、確実に本作らしい面白さは感じられた。1の異常さが描かれるのは予想できたけど、それとまったく同列のものとして100の意外な行動(ただし彼女にとっては意外でも何でもない)へと続いたのが面白い。
 100が裏切るとか派手な展開があるわけではない。あの暴挙に出たのにも関わらず当たり前にあしびの隣に居続けてる、という終わり方が不気味で、「あー やっぱ人間じゃないんだなぁ」という絶望感。大人が実は極めて利己的に行動していた、と少年が気づいて絶望し、社会を知り成長する、みたいな物語とも言えるのかな。あしびの少年である意味がよく出てる。

『一ノ瀬家の大罪』27話

 何度も翼が目を覚ます場面が繰り返されて、それがリズムを生むというか、映画の気持ちいい編集のようなものを感じる。同時に、いきなり目を覚ます場面に飛ぶので時制が不安定な印象で不気味でもあるし、当然何が夢なのか分からない疑心暗鬼にもなる(少なくとも読者は)。
 ラスト。手書きの「夢ヲ詮索スルナ」というメモ。手書きなのにカタカナってことある!? 変なところが気になってしまった。ここにも意味があるのでちゃんと考えた方があるのだろか。「演出上の都合なんだろうけど変だよ」という気持ちの方が勝ってるのですが。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 6/9はレス・ポールの誕生日ということで、ジャンプ作品に出てくるギターを見て村越編集が元のモデルを予想。音楽の中でも楽器自体、ギター自体が好きな人はこういう見方ができるのか。めちゃくちゃ良いな。正直ロックもギターも興味ないけど、すげぇ楽しそうで、羨ましい。
 村越編集以外にも、今回出てきたジャンプ作品に対しても「ロックがお好きなのね……」というのが実感できて興味深かったんだけど、最高だったのはオマケとして紹介されてた、なぜかアコギはギャグ漫画に偏ってる件。近年の少年漫画におけるアコギ観が垣間見えるようでなかなか残酷な話だ。ダサいもの、痛いもの、笑っていいもの、みたいな漠然とした印象がかなりの範囲で共有されてるってことなんじゃないかしら。
 楽器からは少しそれるけど、ヘヴィメタルとかだとたぶん似たような傾向あるだろうし、一昔前のヒップホップも相当酷かったんだろうな。ほとんど差別意識の話になるから調べられたら泣いちゃう。

目次

手塚賞審査会で芥見さんと初めてしっかり話した。ちゃんとした人!! 人格者!!
(『ONE PIECE』)

 『呪術』連載してかなり経つと思うけど、審査員やらないと尾田っちと話す機会ってないんだ……と衝撃であった。新年会とか賑わってるイメージあるけど、挨拶程度しかないのかな。もしくは尾田っちの周りには取り巻きが多くてメンツが固定されてるとか。
 驚きと同時に、この尾田っちの後輩に対する態度にかなり危ういものを感じるんだよねぇ。

愛読者アンケート

 読切についてと、現在(前期)放送されてるジャンプ作品のアニメについて。どれも観てない!! 『ブラクロ』の映画は観たいけど、それもまだ!!
 未来(ブログ的には現在)だと『呪術』観るし、初回は観たけど、ずいぶんと雰囲気変わってかなり興味は落ちてる。制作陣の違いによるものが大きいと思うけど、虎杖たちが出てきたらどうなるんだろ。割と普通だったりするのかな。過去だから意図的に雰囲気変えてるだけで。正直「青い春」とか言い出した時点から不信感があるんだよなw

総括

 今回はめちゃくちゃ早かったな。我ながら感動してる。偉いぞ。まぁ、週に2本更新したとしても、借金は1つしか減らないんだよね。絶望的な計算だ。

 今号のベスト作品は『僕とロボコ』。『ベストキッド』最高。リメイク版も最高!!
 次点は読切と、『夜桜さんち』。アイさん最高!!
gohomeclub.hatenablog.com