北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年26号の感想

 未だに『ブラクロ』の映画を観れていない……。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。『鵺の陰陽師』まで到達しました。1周目終わり。次から2周目、その後また新連載が加わって、
3周目が加わって3周目に入る前に終了という感じでしょうか。ギリ入るかもしれないくらい。

表紙

 『SAKAMOTO』。若坂本とバイク。本編だとオモシロアクションのツールという印象でしかないけど、こういうイラストだとバイクのデザイン面へ意識が向きますね。

読者プレゼント

 週刊誌とかの番記者。ページ全体のデザインとか細かい文言とか凝ってるのは分かるのだが、ダジャレがない……。思考停止で作りました、という感じではないのだが、好みではないな。どんだけダジャレ好きなんだよって話ですが。

巻頭カラー『SAKAMOTO DAYS』120話

 坂本vs有月。ごちゃごちゃ言わずにとっとと戦ってくれるのありがたいんですが、いろいろ謎が残るので「もう少し話してくれても……」と思ってしまうワガママ。
 有月のオモシロ武器の見せ方は最高。使い方自体も面白いんだけど、有月の操作ですね。有月が持ち手にチカラを込めると、先の鞭状の部分がどう動くか、というのを丁寧に描いてて気持ちいい。ここらへんは漫画映えする要素と言えそう。溜めと放出。ゴムゴムの実のアクションが気持ちいいのとも通じる。

『夜桜さんちの大作戦』179話

 本作が急にめっちゃ前にいるので驚いちゃったけど、ひょっとしてひふみのヨーヨーアクションを有月の鞭の直後に配置したかったのではないだろうか。こちらはかなり直線的で、それがひふみの弱さであり、伸びしろでもある、という話になってて面白かった。
 モブキッズ。モブか知らんけど。めちゃくちゃ可愛いやないか。シルエットが良いのよ。デカい靴とか。やっぱ権平先生の資質はここにあったのだな……と改めて感じる。てか、今までこれを全然出さなかったのが不思議なくらいだw

『呪術廻戦』224話

 五条とスクナ。まだまだ体技メインでちょいちょい大きめの技を放つ感じだけど、明らかに今までの本作で描かれてきたバトルとは雰囲気が違う。平たく言うと街の破壊。本話ではビルをひとつ壊して終わるんだけど、これをするためのお膳立てが今までの話だったのですね。そういや、芥見先生、昔は怪獣プロレスで読切描いてるんだった。今回は人間(サイズ)同士の戦いだけど、完全にそのノリでしたね。
 ベストショットは間違いなくビルの中に突っ込んだ際の廊下の場面。速すぎるので重力から解き放たれたように見える2人を自由すぎる角度から描いてるのがかっこいい。速度感と無茶苦茶なところで戦ってるオモシロと、その場のものを使ったちょっとしたアイディアの楽しさが詰まった名場面だったと思います。

センターカラー『アオのハコ』102話

 人気投票の結果。トップ5の順位自体は割と順当という感じかしら。匡人気が意外と高い、という感じ。いやけど初期メンというのも強みになったんじゃないかな。本作のファン層知らんけど。あと、遊佐くんが6位。最近は菖蒲視点の出番が多いけど、大喜と絡めた際のスポ根感の人気もありそう。私も好き。
 本編。1.4にスキー旅行(遠足)に長野へ行く。一方、千夏パイセンは爺の提案でワカサギ釣りへ。前者が志賀高原、後者が小波湖。距離感が分からんw 雰囲気的に思ってたより近いって感じだろうけど、最後走ってたので走って往復できる距離なのかな。
 と思って調べてみたけど、小波湖が実在しなかったでござる。そっちだけ……。ググると『アオのハコ』感想みたいなのが出てきたので笑った。『名探偵コナン』における西多摩市みたいなものかw
 まぁけど、長野県民だったら「大体あそこだろうな」みたいなイメージはつくのかもしれませんね。羨ましいぜ。

『ドリトライ』4話

 妹の現状、妹を彷彿とさせる少女、妹のために試合が必要、費用から懸賞金を逆算、対戦相手の決定、それが実は先ほどの少女の兄……という流れがアホみたいにキレイ。
 街角で意図的に因縁をつける、というのがヤクザの「仕事」としてありそうだったし、そんなことできるはずのない主人公が妹への暴力を見て立ち上がる、というのも見事。よく見るとここで妹を殴るのは左手で、商売道具の右腕は使ってない、というのも芸が細かい。さらには落とした飯を食う、という善人ムーブまで織り込んでくるからすごい。マジで隙がないな。
 てか、試合前に喧嘩しちゃダメじゃん、という話なんだけどヤクザ設定だとそれもアリになっちゃうから便利ですね。

『ウィッチウォッチ』110話

 中学組が仮面ライダーをやる。仮面ライダーを知らない人が設定を調べてきたので、参照したのがおもくそ初期の激渋設定、という冒頭は笑った。マジでありそうなすれ違いだ……。現代のライダーと初期とじゃまるで別物だからな。
 変身ベルトの設定のくだりも面白かった。さすがにネタが重なりすぎると「作り直したら?」とは思うが。それよりも、それを無理矢理ストーリーに組み込む、というクライマックスの部分がやや予定調和というか、「ああそういうパターンね」となったし、尺も短く、フリの割に面白くなりようがないというか。変身ネタの部分が面白くなって足しすぎちゃったのではないだろうか。最後の劇がもうちょっと長かったら面白そう。「ディレクターズカット版で跳ねるタイプだから!」と謎に肩入れしたくなってしまう映画みたいな感覚。

『キルアオ』6話

 冒頭のレノンの日常、それを見守る十三の日常をサイレントで描くくだりがめちゃくちゃ良かった。当たり前のように延々と繰り広げられるんだけど、その平然さとエンドレス感に嫌気がさす感覚がリアル。
 ただの日常かと思ったら、親父が余計なことをしたせいであった。それは十三のミッションと関係していた、という流れはキレイ。その愚痴を聞くことでレノンに気に入られる。そしてまさかの嘘恋人設定突入……というベタミッションにベタ設定を重ねてきたので笑ってしまった。

センターカラー『君と餃子とエイリアン』岡田大

 読切。新人賞の準入選らしい。作者名の読みはオカダチカラ。難しいぜ。
 本編。めっちゃ『チェンソーマン』好きそぉ~、というルック。実際に好きらしい(挙げてる)。マジで『チェンソーマン』って作り手というか創作意欲ある人にはめちゃくちゃ響く作品だったんだな、と無数のフォロワー読切に出会う度に感じる。私は「こいつぁグロいぜ」くらいしか受け取れなかったのですが。間違いなく何かがあったんだな。まぁ、担当編集が「そういうのやめましょうよ」と言えなくなった、みたいな外側の事情もありそう。昔だったら「ジャンプっぽくない」とか漠然としたNOを言われてたかもしれないものが、作者側から「そんなわけないでしょ」と言えるようになった、みたいな。
 無関心、無感動な主人公のキャラクターはいいんだけど、その割にはめちゃくちゃスカートが短いのな。服装に関心なさそうなイメージなんだけど、あの短さって意志がない人は選択しない気がする。いや、テキトーに買ったからこそアンバランスに短い、ということもあるのか? とにかく少し引っかかった。
 2人が揃ってからが抜群に面白くなる。それまで感じてた「中二ですね……」という感覚が中和されるというか、デコとボコがそれぞれ極端ならコンビとして魅力的。
 第三者からの「友達に見えたけど」という評価によって友情を知っていく、という流れもシンプルながら説得力があり、感動的。そして、最終的に彼女が行き着いた友情の真価が一人前の餃子5個のうちの真ん中の1個、というのが最高。この時点で本作は勝ち。一対一の人間関係の最もシンプルな形、それが5をどう分けるか。その象徴が餃子。美しすぎる。 “次はオレが二つでいいぜ” というやりとりがあったけど、彼女にとって最後の餃子1個は次や前の食事との繋がりへまで広がっていくものであって、それが友情の思い出であったり、また会いたいという感情。まさに友情じゃないですかそれ……。
 素晴らしかったんだけど、全体的にバトル描写がかっこよかった割に、クライマックスのバトルはドラマとは不釣り合いなほど普通に終わったので少し残念。苦戦もしないから駆け引きもクソもないし、そもそも「独りでも勝てたんじゃねぇ?」と思えてしまって、その考えは本作のテーマ的に絶対ダメだと思う。まぁ、けどああいう淡泊なまま終わるのが本作の良さでもあるのかしら。

『必要十分の私たち』逸茂エルク

 『ヒロアカ』が急遽休みなので、読切。まさかの読切2連続。ヤケクソかよ。
 作者、覚えてる。調べたら手塚賞佳作で読切載ったのが初。正直それはそこまでだったんだけど、その後ショートフロンティアでもう一度。このショートフロンティアがマジでめちゃくちゃ面白かった。死んだら石になる話。たぶんその年の年間ベストとかそういうレベルの傑作だったと思う。
 本編。王子様女子とマスク美人の友情。どちらも百点の見た目をしているが、それぞれが自身の見た目に悩みを抱えていて……というテーマは良かったし、最終的に自分(と相手)が好きになれればいいので他人の目は気にならなくなる、というタイトル通りの結論も良かった。2人の世界に閉じこもる話なので、ともすれば不健全に思えなくもないんだけど、見た目の悩みはそうなるのも仕方ないというか、そうなれたらもうハッピーエンドですよ……と非常に納得した。あくまでも自分のコンプレックスについての話なので、別に2人が恋愛関係に至る(そう見せる)、的なドラマチックな要素は特に(直接的には)ないのもとても良い。適切というか、それこそ必要十分。多くは求めない小さな幸せ。ちょっと時代性も感じるかな。
 あとは2人のビジュアルがめちゃくちゃ良かった。王子様だけど可愛らしさもあるのが伝わるし、何より憂いを秘めた表情というか、自信がないもしくは悩みを抱えてそうな表情が良い。そしてもう1人のマスク。マスク美人描写としてかなりすごい域に達してるというか、マスクしても超絶美人と納得させる登場場面もすごいし、その後の表情の豊かさがめちゃくちゃ漫画的。マスクキャラとしてちょっと見たことないレベルだったと思う。話もめちゃくちゃ良かったし、王子様女子も例の衣装もめっちゃ好きだけど、個人的に一番感動したのはあのマスクだな。
 短期読切だからこその嘘なのかもしれないけど、学校生活しててマスク姿を徹底するのって無理じゃない? 男子たちが見たがる中で、マスクを死守するって普通に不可能に思えてしまう。食事は屋上とか人気のないとこで済まして、水泳のない学校だったら可能だったりするのかしら。
 あと、告白しに突撃してくる男子たちが有害なのは言わずもがなだけど、勝手に王子様扱いしてキャーキャー言ってる女子たちもそれはそれで困りものですね……という話にはハッとした。直接ぶつかってこないだけマシ(バレンタインとかは忙しそうだが)だけど、あの人間扱いせずに、勝手にコンテンツ扱い、「推し」扱いしてくることが当人にとっては呪いになることもある、というのはかなり重要な指摘だと思う。「好意を持つことに問題あるわけないじゃん」とかあぐらをかきがちだが、実際はそうでもないよと。学園の中にあの2人の関係性萌えみたいなことを抜かしてくる人が少なくとも本編の中にはいなかったのが救いですかね。ただ、そういうのを「微笑ましい学園の光景」として受け入れがちなのも事実なので、これは気をつけるべきなのかもな……。

センターカラー『人造人間100』23話

 100の生前の、死ぬ間際の記憶と、100として生まれたときの記憶。この手のタイミングでの回想は漫画だと定番だけど、思い出すことで特殊能力が身につく、となったのでそれほど「話が止まった」とイヤな感じはしない。
 91番くんのスーパーパワーは驚異的に発達した腕力なんだけど、右腕だけ極端に大きくなったビジュアルが今号の『ドリトライ』と同じなのであった。なぜこれが被ってしまうのか。世界初のアイディアとまでは言わないけど、見せ方を含めればそこまで定番とは言えないじゃんw

『鵺の陰陽師』3話

 先輩との出会い。ラブコメ的要素もちょくちょく出てきて思いの外楽しいんだけど、1ページ目に出てきた目つき悪いマスクのモブの子がめちゃくちゃ可愛いぞ。こんな細かいことを書いても7号前のジャンプなので伝わらないだろうけど(他は伝わってると想定する欺瞞)。
 卑屈コミュ障のラブコメみたいなものが面白くて意外。この手のギャグが意外なほどストレートに決まるな。もうちょっと「この笑いは作者が狙ったものなのか?」みたいなところもあって、それがチャーミングと思ってたんだけど、今回は明確に意図的なギャグがずばずば決まってた印象。忘れろビームの視覚化とかものすごい直球なのにまんまと笑ってしまった。
 主人公のキャラクターの兼ね合いもあるんだろうけど、鵺さんが既に姉御気質の年上ヒロインなので、学校内でまた先輩の女性キャラが出てくるのは意外だった。川江先生の好みを疑ってしまう偏りだ。
 それはいいんだけど、ついに膳野くんが出ない回が来てしまったな。このままたまに顔を出す友人Aくらいに落ち着くのだろうか。悲しい。初回で人気爆発して、その声が作者の耳に入りフィードバック……という奇跡のV字回復をしてもらいたいところだが。

『あかね噺』63話

 扉絵。中華コスがめちゃくちゃ可愛い。女性陣もそうだけど、男性陣も漏れなく個性を出して可愛いのが見事だ。「なんでチャイナドレスなんだよ」とは思う。
 本編。審査員問題が明確化した状態での2人目。評論家好みに修正……ではなく逆。評論家は無視。戦略的に1人の評価は捨てる、というよりは徹底したお客様ファーストが彼のスタイルなのでしょう。特に今回の審査員システムは気にしてない。
 それはいいんだけど、2人連続して評論家が嫌う落語になったので、「評論家ってクソだよねぇ」みたいな安直な話にならないか少し不安。まぁ、今回は若手の大会だからそういう結論になるのもアリっちゃアリだけど、芸術(芸能含む)を扱う作品において、結構大事なポイント、分岐点だと思うよ。

『アンデッドアンラック』160話

 フィルが地球に帰ってきてフィル編完結、らしい(フィル編だったんだ)。不感情の話だから仕方ないのかもしれないけど、若干エモーションがうるさいバトルが多くて個人的にそんな刺さらないエピソードであった。肝心の理屈の部分が、中心のフィルの設定がピンときてないので楽しめなかったんだよな。
 ジーナがフィルを抱いて助ける。「こわれない」というルビが振ってあるんだけど、壊れない否定者は別にいるからややこしいんだよなぁ。否定大喜利が進みすぎた本作ならではのややこしさが発生してて面白い。一般的な意味での否定語が使いづらくなる。

『テンマクキネマ』7話

 学校でクランクイン。「こういう事情があって学校で撮るんだよ」というところから説明するのが楽しい。自分の学校ならではの問題が出てくるんですが、この撮影上の問題を一番分かりやすくしたのが学校なんでしょうね。
 『約束のネバーランド』の実写映画の話でエマたちのイメージカット。「佐伯先生の描くエマだ!!」とテンション上がったんだけど、贅沢を言えば「エマを演じる浜辺美波」が見たかったなw
 佐伯先生の本気が感じられる描写としては、メイクの有無が明確に感じられるというか、メイクした状態ならではの顔の圧。映画だからといってケバく見えたら台無しなんだけど、それでも「今日の倉井さんは顔の良さが殺人的……!」という強さを感じた。
 撮影開始。初めてとは思えないほど順調なのだが、「まだ粘るべきなんじゃない?」と監督の中で悪魔の囁き。このテーマ、めちゃくちゃ良かった。「バレちゃうかも」という学校で撮影してるデメリットがよく出てるし、何より芸術もしくは創作系の話において「これをオッケー(完成)にしていいのか」というテーマはマジで重要だと思う。作り続ければ永遠に結論が出ないものだけど、結論を出さなければ終わらない。一応ノルマは達成したので終わりにしてもいいが、それは予算やスケジュールなどの制作上の都合であり、それでいいのか。そのモヤモヤと衝動を「わがまま」と表現したのがまた良いんだよなぁ。「こだわり」と呼べるほどキレイなものではない。
 そもそも漫画制作も同じ。ジャンプでの連載は1週間に1話という厳しすぎる制限があるので、「これでオッケーにしないといけない」というどうしようもない制限がある。そこで睡眠時間とかを削ると体調を崩したりするわけだけど、「作家ならわがままでいろよ」とスケジュール地獄の中の2人が描いてる、というメタな状況が感動的。あの悩んだ果てに走り出す姿は自身の投影でもあるだろうし、おそらくジャンプの全作家に当てはまる話。すべての作り手に向けた教訓であり、エールでもあり、「こうでありたい」という叫び。

『マッシュル-MASHLE-』157話

 歴代の敵との共闘。何の説明もなく大技ぶっぱしてくれる感じが集大成感あって楽しい。レイルガンとかめちゃくちゃ小さい扱いになってるのが逆にアガる。
 基本的に過去の敵キャラって、その都度マッシュの天敵となるような能力だったと思うけど(主に遠距離系)、そういう人たちが今回集まることで不思議と一体感が生まれるというか、能力の使い道に一貫性のようなものが生まれるから面白い。
 んで、マッシュが届いてエンド。時間を止めるとしても、その魔法を発動するまでに攻撃しちゃえばいい、というアイディアは「要するに不意打ちですね」という感じではあるんだけど、そこに0.1秒というハッタリ的なロジックを入れたのが良さだったと思います。

『逃げ上手の若君』111話

 カリスマの意味のない行動に民衆は特別な意味を見出してしまう。カリスマ性を武器に戦う話として納得度が高いし、そこに「髪を切る」という若と同じイベントを持ってきたのが良い。2人ともビジュアルを変えてのセカンドステージ突入ってことね。
 新キャラの公家。個人的に本作のキャラデザにはそれほど惹かれることがないんだけど、この公家はめちゃくちゃ良かった。公家感と、「何か強そう」感と、本作らしいいろいろとやりすぎなワケ分かんない味の濃さが謎のバランスで調和してる。

『僕とロボコ』138話

 ロボコ、アイドルとして復帰。今(2ヶ月前だけど)アイドル題材だと「某の子」とか連想しちゃうけど、おそらくそっち系のネタは一切なかったと思う。
 てか、パロディとかやらなくても、ロボコがフリーにボケ続けるだけでも十分面白いというか、個人的にはこういう回が一番好きかもしれない……と今更ながら思った。熱湯風呂とか女子プロレスラーみたいなネタめっちゃ好き。ギャグ漫画としての地力を感じる回でした。

『一ノ瀬家の大罪』26話

 妹との軋轢と仲直り。正直仲直りする部分は雰囲気重視に感じられて個人的に物足りないところもあったけど、そこから突如として不穏な話が飛び出る展開はとても良かった。夢の中に出てきた家族外の人の名前がなぜか通じてしまう。なぜ知る由もない名前を知っていたのか、という不気味さが良い。
 からのまだ夢終わってないらしい。正直言うと「もう夢はいいかな……」と引いた気持ちにもなったんだけど、あの無数のモニターのある場面はかっこよかったので好き。またしても『マトリックス』感ありますな。『リローデッド』は傑作だよ……!

ブラッククローバー』360話

 ノエルのバトルかと思いきや、ユノと魔法帝。ユノが相変わらずアホみたいに強いんだけど、それに対して魔法帝が「いやこんな強いなんて知らないんですけど……」とドン引きする。ユノの主人公が面白いってのもあるけど、魔法帝が突如として言い出した世界線の話が最高。まぁ、時間を操るのでこういう能力があるのは納得なんだけど、急にSF感が強い。なぜか今この世界線はみんなやたら強い。無数の未来視が各人が最も強くなる可能性はチェック済みなのですべての局面において楽勝でなければおかしいはずなのに、すべての局面において敵がやたら強い。なぜか。すべてアスタの影響によって予想外の成長を強いられたから。アスタの熱血がすべてに波及した世界だから。そのアスタの影響を魔法帝は見ることができない。なぜならアンチ魔法だから、という理屈が素晴らしすぎてね……。これだけの長期連載になっても、アンチ魔法大喜利でこれだけ新鮮なアイディアが出てくるとは。ちょっと面白すぎるでしょう。アスタが努力友情勝利の申し子すぎるというか、圧倒的なまでの主人公感。アスタ不在の回なのにアスタへの評価がひたすら上がり続ける。果てはアスタのいるこの世界、世界線、つまりは本作自体への賛歌。見事な回でしたね……。

『暗号学園のいろは』25話

 クラス対抗暗号バトルになるらしい。物語が第2章に入って、目的のスケールが急に大きくなって、新たな魅力が生まれそうな予感だったのに、結局やることはいつもと変わらないのね。大丈夫なのか。まぁ、ジャンプなんてこんなもん、と言ってしまえばそれはそうなんだけど。クラスを制して、外の世界に進出するワクワク感がだいぶ小さくなった気もする。
 学級長になったいろははクラスのみんなの特徴を吸収しまくる。ちょっとコピー能力者的な感じもあるんだけど、それを “全員の影響を受けているわよ いろは坂くんは クラスの代表だもの そうでないと困るわ” と表現したのが見事。ここすごい面白かったし、いろはがどうレベルアップしたのかが明確になって良かったと思う。今号の『マッシュル』が「昨日の敵は今日の友」をそのままの形で実行してたけど、本話のいろはもそれと同じ。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 6/3は測量法公布の日。ということで編集部内にある一番大きいフィギュアを探そうの回。謎の企画だが、実際に紹介されるフィギュアがどれも魅力的で「これがデカいとかめっちゃ良いじゃん!」とテンション上がった。当たり前に60cmオーバーなのがすごいな。うちにあるモルカーのぬいぐるみ、一番長い辺である前後が30cmなんですが、あのモルカーを立てた状態のさらに倍。もうほとんど子供とかそういうレベルなのでは。
 あと、地味に今回の見所は漫画パートにおけるイーピャオの全身像だと思う。謎に迫力があって、「イ」の面から顔が少しはみ出してるのが妙にエロいと思う。

目次

担当さんもこのタイミングで長野行ってたらしいです。私は2年間ほぼ都内から出てません
(『アオのハコ』)

ポーランドに一人旅へ。現地の人の優しさが身に染みる素晴らしい時間でした!
(『必要十分な私たち』)

 これが連載作家と読切作家の違い……!

愛読者アンケート

 読切(長い方)と、テレビについて。1日にどれくらい観るか。大体ご飯食べるときにはテレビつけるので、家で食事するような日は2時間は観ると思う。食後もだらだら観たりするので。逆にオール外食の日とかは完全に観ない。

総括

 これが終わって借金6。今週中にもう1本やりたいところですが、この次はジャンプ以外の記事を書かなくちゃいけないので、かなり怪しくなってきたな……。金土の2日でジャンプ記事1本終わればいいんだけど、最近の傾向として2日はちょっと考えづらいものがある。

 今号のベスト作品。今号はマジ面白い作品が多くて困る。ベストは『必要十分』か『ブラクロ』の2択という感じで、非常に悩むのだが、悩むくらいなら新人贔屓で『必要十分の私たち』。
 次点は『ブラクロ』、そして『君と餃子とエイリアン』。おまけに『ドリトライ』『テンマクキネマ』も入れちゃおう。