北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年49号の感想

 ワールドカップ、仕切り直しでもう一回やってほしい。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。サンジでした。ぐるぐる。
 次。めちゃくちゃ分かりやすく釘崎なんだけど、それほど「これぞ野薔薇!」な記号が映ってるわけでもないので不思議。髪型と髪色のせいなのかな。意外と独自性があったのか、という発見。

表紙

 『ONE PIECE』であり『ONE PIECE FILM RED』。大人気でウタというキャラクターが祭り上げられるほど「けど劇中ではあんなことに……」って気持ちになる。『アナ雪』が大ヒットして、音楽番組でドアが開く曲をやって一同ウットリ……みたいなテレビを観て「この曲そんなロマンチックじゃねぇよ!」と笑ってたのと少し近い。まぁ、ああいうひっくり返すような仕掛けが世界的に流行ってるのかもしれない。私はどっちも初見時ぶち上がりました。チョロい。

読者プレゼント

 鵜飼い。なんでそのテーマを選んだんだw 謎すぎて笑ってしまった。テーマ選びの時点でもう負けてしまったわ。

巻頭カラー『ONE PIECE』1065話

 ベガパンクの目標は太陽。比喩的な意味での太陽といったら原爆が思いつくんですが、「消えない炎」という意味ではちょっと違うのかな。原発を持続可能なエネルギーに勘定していいのかは怪しいところですし。
 ジンベエのパシフィスタ。無愛想な子供ジンベエが可愛い。ナミの “子供ってだけで……” “手が出せないんだけど!!” から、ナミが攻撃を受けることでサンジが迷わず攻撃開始。ここらへんの展開は見事ですね。密度が濃いけど、各キャラが立ってる。キャラの魅力がある種の圧縮展開を整理してるような印象。

『アオのハコ』76話

 絵に描いたようなキャンプファイアから始まるので笑ってしまった。実際にここまでちゃんとしたキャンプファイアを経験した人ってどれだけいあるのだろうか。フィクションの世界、それも近年のジャンプのラブコメ作品ではマストと言っていいレベルで出てくる。
 キャンプファイアを眺めつつの大喜と雛、思い出トーク“はい言い訳ー” がとても『ONE PIECE FILM RED』っぽい。幼馴染のツーカーを示すセリフとして多用されがち、という感じなのか。まさか本作と『ONE PIECE』が重なるとはな。いや、この場合は『ONE PIECE』が珍しいことやってる、という方が正しい。
 雛、振られる。大喜が千夏パイセンへの好意を再確認したばかりなので言われてみりゃ当たり前な話なんだけど、普通に超ビックリしてしまった。私が現状のぬるま湯に甘えていたということか。ちゃんと体育館というシチュエーションまで完璧に整ってるのも含めて驚きの連続だぜ。

『僕とロボコ』112話

 シンデレラ。ギャグ漫画特有の突然のファンタジー回……ではなく学芸会。学芸会だったらもうちょっと背景を限定的に描くとかそういう伏線が欲しかったけど、そこを喜ぶ作品ではないのも分かってます。
 妖精役のロボコを見て、「ドラえもんってフェアリーゴッドマザーだったんだな……」と思いを馳せてしまった。物語の類型として。まったく考えたことなかったけど、一致がすごい。
 突然の『ブラクロ』ネタ、 “諦めないのが私の魔法だ!” は爆笑してしまった。シンプルに面白かったってのもあるけど、よく考えたら魔法の世界で根性論やってる『ブラクロ』がすげぇよ。改めてだけど、あれを面白くしてるんだからマジすごい。
 「プリンス・マドカ・チュワーンミング」のネーミングが天才すぎて唸る。チャーミングならぬチュワーンミング。声に出して読みたい日本語。

『SAKAMOTO DAYS』94話

 セバ催眠術かかってなかったんかーい、というオチには心底ガッカリした。催眠術ってロジックを説明しにくいんだからそういう後出しジャンケンされたらもう何でもアリだよ。
 ただ、シン対策の脳波遮断フードをいつ外したか、という部分が一種のロジック(催眠かかるかからないとは別のロジック)になってるのは良かった。ロジックというか伏線という感じでもあるか。
 催眠かかった人が交代。今度は「一度かかったら逃げられない」というロジックがあり、親父を幻視するコマがあったりして、「今度こそ本当に催眠かかってます」と自然に示せてるのはうまい。

『呪術廻戦』203話

 お兄ちゃんとケンジャクのバトル。負けは承知だが少しでも手持ちのカードを出させたら万々歳。ただし、向こうもそれはお見通しで、しかも夏油の能力はバリエーション豊富なので、それだけで苦戦。夏油の手持ちポケモンの中にも高級と低級があって……とひたすらハードルが高い。ケンジャクはとりあえずラスボスなので「とにかく強い」になるのは仕方ないんだけど、単に「途方もなく強い」という表現になっちゃうとワンパンで終わってつまらない。今回は目標が細かくレベル分けされてるので、そのレベルをどこまで上げれるか、という話。負けなりに目標があって、それが明確で面白いですね。

センターカラー『あかね噺』37話

 『ドラクエ3』モチーフのカラー扉。女主人公なので『3』にしたんだと思うけど、からしが遊び人なのが意味深。賢者フラグなのでは?
 本編。成長の進捗と今後。からしと師匠からそれぞれ説明。怒濤の説明。センターカラーでやることかよ、と思わんでもないが、落語という世界の実状が知れるようでめちゃくちゃ面白い。ここらへんは特殊職業モノとしての強みですね。ただの育成計画についての話なのに何だかかっこよさげなワードが飛び出るのも伝統芸能らしい強み。

『ウィッチウォッチ』84話

 敵は魔女と鬼の子供。前回あたりに彼のことを「モイちゃんが闇堕ちした姿」みたいに書いたけど、実際はもっと先。モイちゃんとニコが結ばれたが、それがバッドエンドだった可能性の姿。
 「男なのに魔女ですやんw」と言いたくなるんだけど、ひょっとしたらニコの「モイちゃんが浮気してる」という誤解ギャグはこれに向けた布石だったのかな。ちょっと強引な印象あったし。

『逃げ上手の若君』85話

 過剰に鼓動する心臓はバイクのエンジン音のように聴こえる、というハッタリは面白かった。実際のバトルよりも走り出す直前の構えのコマが一番かっこよかったとも思うので、どこまでワクワクしていいのか少し怪しい気もするけど。本作はロジックとかハッタリ重視なので、実際のバトルシーンのかっこよさが他の作品と比べづらいというか、基準が1人だけ違う感じがあると思う。ハマれば唯一無二。ハマらないと単純に見劣り。

センターカラー『あやしのあやし』田上美帆

 読切。田中美帆って稲本と結婚したあの!? と思ったけど字が違った。美保。
 作者紹介ページ。愛犬家らしい。これはワンちゃん描写に期待ですな!(出ない)
 本編。妖怪ハンターが妖怪幼稚園で働く。犬が出てこないのは残念だけど、子供たちは可愛いし、何なら式紙も(紙の状態)可愛いので満足。能力のコントロールが利かないので子供だけは半人半妖、という設定も面白かった。子供の不安定さがそのまま絵的な可愛らしさに反映されてる。
 捕縛術は暴走する子供妖怪の制御に役立つ。バトルスキルが思わぬ形で機能し、それによってその場にいる全員から尊敬の目を向けられる、という展開も気持ちいい。先生から重宝がられるのも納得だし、子供たちからも真似されるのも良かった。死んだフリからの “ヨーコせんせえ しんじゃヤだァァァアア!!!” も可愛すぎる。この可愛さと幸せの満ちた空間を作れた時点で本作は勝ちですね。
 一方、主人公の成長とかそういう本筋的な部分に関しては正直とってつけたような印象もなくはない。最後のボス戦&あやしも「やると決まればあとは楽勝」という感じで消化試合みたいな雰囲気でしたし。とはいえ、「子供可愛い」だけで構成された話だったら作品全体の印象も変わってきたと思うので、あくまでも主軸にバトル要素があってのサブとして「子供可愛い」だったのが大事だった気もします。

ブラッククローバー』343話

 一花との本気バトル。本気バトルではあるものの、同時にアスタにとっては修行でもあり、アスタが一花のことを理解する儀式でもあり、とオモシロバトルが進行しつつそれ以外の要素が詰め込まれてて面白い。今後のアスタの伸びしろ、どのような強さを得るのかが分かりやすく、それでいて一花との和解(さらにはヤミの理解)が待っていると予感できる。
 話は特に進まんが充実した回だったな……と思ったら強引に話が進んで終わる。シスター来日。忙しいなw

センターカラー『ギンカとリューナ』9話

 最強魔術師くんとのバトル。フギンとムニンが可愛すぎて最強くんへの興味が湧かなかったんだけど、この1話でまんまと掴まれた。バトル自体も面白かったし、バトルの最中の会話、そしてオチが見事だよなぁ。言われてみれば、要所要所で「どうせギンカのことだろうなぁ」という話が出てきたんだったわ。ガラッとキャラ変して笑うんだけど、同時に彼の中で一本通ったものも感じられるので納得でもある。
 バトルの内容。呪言という感じでおにぎり話法したくなるんだけど、「呪文詠唱→発動」という流れが丁寧に描かれ、それの応用によってバトルが盛り上がる。「連呼すれば超強くね?」というアイディアは単純だが絵的にはバッチリ盛り上がるし、「別にギンカが言ってもいいんでしょ?」というラストも良い。

『大東京鬼嫁伝』10話

 たぬき忍者。愛火のことが大好きな模様。直前の『ギンカとリューナ』カルラと同じなので笑った。仲良しかよ。あと、出てくる単語が『ゆらぎ荘』フラッシュバックを引き起こすのでやめてほしい。
 厄介者だが、愛火は彼女の扱いに長けている、というくだり好き。新キャラの紹介をしながらも愛火を魅力的に描いてる。
 長けすぎててあまり困らない……と漫画的には困るんだけど、そっから愛火ブチギレに向けた流れがストレートすぎて納得するしかない。色気のないキャラから最悪レベルの下ネタが連発する。
 ただ、個人的に今回一番好きだったのは「青春どんどこ党」という名前。可愛い。

僕のヒーローアカデミア』372話

 バトルが作りにくそうな障子くんと口田くん。思いの外ストレートにかっこよくて良かったんだけど「ヒッチコック バーズ」は笑うわ。怖いのよ。あと、仲良しの鳥さんに特攻させてる気がして少しハラハラする。無事である保証はあるのか。
 ラスト。黒霧コールをスピナーがしてるように見えたけど、それじゃ意味ないよね。録音を聞かせてるってことなのかしら。

『夜桜さんちの大作戦』153話

 vs長女。毒ガスを包容で無力化するらしい。空気の流れをコントロールして毒ガスを閉じこめるってんなら分かるんだけど、部屋全体が七悪(毒)になっても無力化させられるとまでなると少し分からない。まぁ「それが開花なんです」と言われたらそれまでだけど、そこに小理屈用意するのがバトル漫画じゃない。
 ただ、「包む」を武器にする長女に対して部屋全体が七悪になる、という「物理的に包む」作戦に出たのはかなり面白かったです。

『PPPPPP』56話

 ファンタはマザコン。彼の自己愛とエンターティナーぶりは母に捨てられたことに由来する、という語り。彼の強さの根っこには心の弱さがあった。いかにも本作らしい話でめちゃくちゃ面白いです。またメンタルヘルスの話。そして、今回はファンタが抱える問題の根っこにラッキーが大きく関わっている。今までとは違う難敵感。

HUNTER×HUNTER』793話

 ノブナガ、普通に間合いを詰めるだけで勝ててしまった。まぁ、実力差を考えればそりゃそうなんだろうけどー、という肩透かしと納得の狭間w
 現状としては、未だに旅団とヒソカが最強格だが、その周囲に有象無象(と言うのも失礼だが)が現れ、旅団たちとは別の話を持ちかけ、それらが混ざり合いつつ話が進行していく。ヨークシン編は圧倒的に強い旅団が一般社会の強者たち(及びシステム)を完全に無視して蹂躙するのが痛快だったわけだけど、今回はその逆。旅団は旅団なりに社会と折り合いをつける……が、その気になれば未だにヨークシン編のように蹂躙できそうな予感。その複雑さが面白い。面白いが、「継承戦どこ行った」みたいな気持ちにもなってしまうな。いや、1人本話にも出てきたけど。マジ申し訳程度に見える。今のところ。

『アンデッドアンラック』134話

 風子の2周目。最初に仲間にするのはニコ。否定がなくても同等に強くて、荒唐無稽な話を信じてくれる。2周目ならではの効率プレイっぷりが良いですね。科学者であることを二重三重にも踏まえた話になってて非常に面白い。正直風子がニコとバディ組んで話が始まるとか想像もつかなかったんですが、それでも本話におけるニコのリアクションを見てると「たしかにこの人にこの話を振ったらこんな感じになる」と納得できる。

『高校生家族』109話

 モブ男のモブ子への告白に居合わせる光太郎。生徒会長という役職、修学旅行の浮かれ気分(と家族旅行気分のギャップ)というシチュエーションが現れた良いエピソードだった。そこから「本当にするのか……?」となって終わるんだけど、先ほどの告白と動揺に、陰で居合わせてる人がいて……となるのが熱い。同じ居合わせだけどそこで発生するエモーションは別物。

『さっちゃんは石になった』逸茂エルク

 読切。ジャンプショートフロンティア。死んだら宝石にされる日本の話。観てないけど今年『PLAN 75』って映画が話題になったのを連想せざるを得ない。あちらは75歳で安楽死を選択できるようになる設定で、本作は宝石化を希望できる。宝石というそれ自体は何の役にも立たないモノ、売り払って初めて価値が生じるモノ、というのが意地悪ですね。宝石化というのは荒唐無稽に思えるけど、現在でも骨の炭素から人工ダイヤモンドを作る技術とかあるので、まったくあり得ない話でもないのかもしれない……という絶妙な恐ろしさ。若いほど価値ある宝石になる、という設定が地獄ぶりに拍車をかける。マジでこの設定、こんな場末(失礼)の読切で終わらせとくのもったいないわ。『世にも奇妙な物語』に持ってったら実写化いけるんじゃないかしら。『ブラックミラー』でも全然観たい。
 物語としては何かが大きく動いたりするわけでもないんだけど、最終的に主人公たちが取った選択というのは感動的。若者(それも女性)が搾取される構図のメタファーとか、そういう意味を考え出したらいくらでも思いつけそうな話だったと思います。いやぁ、マジで良かった。年間ベストでいいんじゃないかしら(あんま覚えてない)。
 強いて言うなら、宝石の供給が多くなりすぎて価値が下がりそうとか(それでも宝石化して売らないといけない地獄も面白そう)、婆さんはあんなデカい宝石呑み込めないとかは少し思った。特に後者。まぁ、刻むのも話的におかしいから難しいですね。

『マッシュル-MASHLE-』131話

 光vs長男。長男の強さは「対応」、光の強さは「逆境」と説明されたのが面白い。どっちも漠然としたバフなんだけど、だからこそ強さで相手をねじ伏せる、いかにも最強キャラっぽい特性。特に逆境パワーってのは主人公っぽい特性なので彼のキャラクターにもあってると思います。自分のこと世界の中心だと思ってそうだし。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ジャンプの謎カルチャー「総体柱」。たしかに見たことある……。巻頭にありがちな謎のノリの柱な。これはマジで有益な情報。過去イチと言ってもいいくらい助かる特集だ。ジャンプ全体についてポジティブなことを言うため、ぼんやりとしたダジャレとか謎のノリが発生する、という事情には泣いた。テーマがないと人はこうなる。
 担当するのは最若手ということで、総体柱のノリがプレゼントページと似てる気がすることにも納得。若手はああいう千本ダジャレノックがあるのね。つらいわ。

総括

 終わり。年内に追いつくのはまぁ無理だと分かってしまったのですが、ギア上げて頑張ろうと思ってます。年末年始でジャンプ2週休むと思うので、そこで可能な限り差を縮めたい。
 年間読切ベストももう無理だと思ったけど、今週のが良かったから困ったなぁ。まぁ、今週のがベストということでいいだろうかw

 今号のベスト作品。ショートフロンティアですね。圧倒的よ。
 次点はもう一つの読切と、連載枠だと『あかね』かな。
gohomeclub.hatenablog.com

鳥 (字幕版)

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