北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年51号の感想

 さすがにもうこれでジャンプ記事は今年終わりです。年間の振り返りもしたかったけど、まだ5号も読んでない状態でして……。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。うわ、ギンカの頭だと思ったらビリーだったw ギンカもう出てるやないかい。てか、ビリーってあの作品の3人目なのか。いろいろとグダグダだ。
 次。黒髪の先っちょがピンク。カラーで見るとめちゃくちゃ光ってる個性なんだけど、劇中だとそれほど言及されることないですね。そういうの嫌う人もいそうな世界だけど(偏見)。

表紙

 新連載。暗号で、上下逆さまにすると読めるんですが、イラスト内でその暗号を書いてる人物の向きを考えたら別に逆さまでも何でもないので、「これは暗号なのか……?」という気もする。

BLEACH久保帯人先生描き下ろし特別ポスター

 アニメ放送記念なんですが、「いや誰だよ!!」ってなった。アニメは観てないけど、たぶん観てても同様のリアクションになるんだと思う。まぁ、初代だとかそんな感じらしいですよ。どっかでそんな話を見かけた。「勝手に考えといて」という姿勢がすごいな。やっぱレジェンドだわ。あと単純に「いや誰だよ」な大人数のキャラデザを本気で用意してくるのがすごい。あまりに殿様商売な姿勢だと思う一方、そういう殿様仕草を求めてる部分もある。
 しかし、めっちゃ『BLEACH』関連の仕事してくれてますね。『BURN THE WITCH』の続きとかいいから直接『BLEACH』の新作描いてくれよ、とか思っちゃう。まぁ、『BURN THE WITCH』も『BLEACH』なんだけど。

読者プレゼント

 錬金術師。ダジャレはイマイチなんだけど、「大発けんじゃぁぁぁ!!(賢者)」というのは勢いがあって好き。まぁ、メインテーマである錬金術アルケミストに関するダジャレが弱いんだけど。

巻頭カラー『暗号学園のいろは』西尾維新 岩崎優次

 新連載。作者はそれぞれ原作と作画。岩崎先生は初めまして……と思ったら2016年に本誌に読切を載せてたでござる。ビックリ。どうやら西尾先生と組んでいくつか読切描いてたみたいです。別冊? プラス?
 本編。や、やばい。超苦手だ、このノリ。たぶんブログで感想書いてきた作品の中で第一印象での拒絶反応はトップ。しょうもないセリフの強調とか、伏せ字演出とか正直寒い。西尾先生の読切は過去にも読んだことあるが、連載だとこんなことになってしまうのか、きっつい……とか思ってたら、主人公が女にしか見えないので岩崎先生にも問題があったでござる。どうしよう。今回の新連載、苦手なのは前号だと思ってたんだけど、思わぬ伏兵。
 初回のメインイベントである「この中の誰か」クイズにしても、わざわざ大仰に問題を示すコマに答えである主人公が描かれてないとか、出題者としての姿勢も好かん。そういう嘘は平気でつくタイプなのか……と呆れる。あの「Q.02」は主人公が自然と映り込んでるコマでやって、あとから読み返したらそれに気づく、という仕掛けが妥当じゃろ。「劇中のセリフだけを抽出して問題を考えればいいんで嘘はついてません」という姿勢が好かん。
 ただ、その「Q.02」のコマ、3人(主に2人)の謎ポーズが楽しくて、本話で唯一良さを感じた場面でもある。謎ポーズという意味では主人公が解答を示す場面もあるから唯一ってのは嘘か。けど、ポーズの精度では問題の場面のが好き。

『SAKAMOTO DAYS』96話

 オーダーの定員は埋まったことがない。オーダーイキリとして超かっこよかったけど、よく考えたらその前に喧嘩売ってきた人が無知すぎて泣けるな。組織内のオーダーの知名度ってそんな感じなのか。
 んで、新旧オーダー対決。タイマンかと思ったらやっぱりもう1人いた、という盛り上げが熱い。特別意外なことが起きてないんだけど、それでも読んでて超気持ちいい流れ。

ONE PIECE』1067話

 ベガパンクはノミノミの実の脳ミソ人間。何を言ってるのかさっぱり分からんな。まだノウノウの実の方が飲み込みやすかったが、それだと語感が尾田っちの美意識に反するのかな。ただ、ベガパンクがただの天才なのではなく、人間離れした知識量には悪魔の実という理由があるのは面白かった。そしてその知識を人類で共有しようとしてる計画も面白い。ベガパンク図書館を全人類が利用できると思うとまさに知のユートピア……だけどちょっとディストピアの予感もしない? と思ったらちゃんとそこまで言及された。ジンベエナイス。そういう問題は科学者は知ったこっちゃない、というベガパンクの身勝手な姿勢もキャラの個性があって好き。好きな人ではないが。

センターカラー『一ノ瀬家の大罪』2話

 学校行くのか。結局学園モノの側面はあるのか。まぁ、この年齢の少年が日常生活を始めたら不可避なのは分かる。
 話としては何にも意外なことがないのに、その意外でも何でもないことを「衝撃の事実!」と盛り上げてくる。裏の裏はただの表という普通。何だか不思議な話だ。大ゴマの多用もあってたしかに盛り上がりは感じるし、そここそが漫画のレトリックと言えるのかもしれないけど。意外なことは何もないのに強引に「サプラーイズ!!」としてくる感じ、ちょっと露悪な感じがして正直好きなタイプではない。
 あと、ここまで自分の記憶がない状態だと、別に学校に通うことにこだわる必要がないと思うんだけど、「逃げられない」の理屈どうすんだろ。いじめられてる絶望の記憶だけはピンポイントで戻ってきちゃった、とかそういう感じかしら。

『ウィッチウォッチ』86話

 すごい、あの緊張感から一気に「次回からしばらく日常回やりますんでよろしく」となってしまったw 乱高下がすごすぎるぜ。ただ、その経緯に関しては普通に納得できてしまう……(予言はちょっとチートだと思うけど)。
 あと、日本刀を魔女の箒に見立てるの、超かっこよかったです。中二と魔女の融合。

『アオのハコ』78話

 雛の話が面白すぎる(正確にはそれを見守る菖蒲と匡が面白すぎる)ので、突然大喜がバド始めて「なんで?」とか思ってたんだけど、ちゃんとバドをやりながらバド以外の物語へと繋げる儀式であった。まぁ、当たり前っちゃ当たり前なんだけど、正直前話の時点では「今!?」とかなってたw
 菖蒲と匡パートはやはり最高。「三浦先生 菖蒲のこと好きすぎだろ」と以前は思ってたけど、最近の見てると匡も同レベルに好きに思えてきた。筆が乗りまくってる印象。

センターカラー『僕のヒーローアカデミア』373話

 カラー扉が白雲だぁ~! 最高。
 本編。前話ラストで引っかかりまくった「スピナーが呼んでも意味ないでしょ」に対する回答があまりにも、あまりにも……だったw ずっこけるだろ。そのくせ最終的には根性見せてスピナー勝利、ってちょっと展開が雑というか、攻防もしくは勝敗のロジックが雑。
 ただ、障子くんが真摯に語ってきたことが相手に伝わった、というのは感動的だったし、それを “冷静になるな!!!” と表現したのは秀逸だった。たしかにスピナーの「知らねぇよ」はかなり限界だったよな。障子くんの粘り勝ち。
 さらには、「黙ってればよかったのかな」と落ち込む相手に “今日立ち上がった気持ちは決して無駄でも間違いでもないハズです” と返した障子くんがまた良いのよね。今人気キャラ投票やったら、障子くん、かっちゃんに勝てるかもしれない……。
 あと、復活した黒霧に白雲の面影が残ってる、というビジュアルも最高でした。

『逃げ上手の若君』87話

 庶民にオリジナル剣術を移植すると予想不可能な太刀筋になるらしい。が、正直よく分からん。剣術を叩き込まれたら常識のある太刀筋になってしまうのではないか。天才だと机上の空論も実用化できるってのは分かるんだけど、天才が考えた机上の剣術って普通に意味のある剣術になってしまうのではないか。
 馬肉が人気だったら理由は普通に面白かった。体温が人間にとっての食べやすさに関わってくるとは思わなんだ。
 んで、吹雪の策。これがまた「若に逃げさせる」なのが良い。ものすごくシンプルな発想なんだけど、「速さで負けてない→士気が上がる」というロジックが良い。そこに若のアイドル性が加わってくるから見事ですね。

『僕とロボコ』114話

 ワールドカップ。やべぇ、分からないネタが多い。「これは何かのアレなんだろうなぁ」という場面が多すぎる。別に過去にもあったことだけど、今回は特に目立ったな。大事な何かが抜け落ちている。
 それはそうと、初戦がブラジルというのが謎だった。漠然と「超強い相手」と言いたかっただけなのだろうか。別にドイツすればいいのに。
 あと、リアル長友がビジュアルを大きく変え、されにはアモーレ以上のオモシロワードと投下してくるというサプライズが宮崎先生の計算外だったのがよく伝わってきますね。これは長友が悪いと思うw

『あかね噺』39話

 うらら師匠。やたら色気があって、いるだけで周囲を魅了してしまう、という感じだろうか。話芸以前の問題として存在感が強い、という要素は新機軸で面白いですね。独自のルーティンも、いかにも漫画的なキャラ立てに見えるんだけど、どこか「落語の世界にはこういう人いそう」と思えてしまう。
 そんな師匠に気に入られる。「志ぐま君」の衝撃は良かったですね。たった一言で「どういうこと!?」と混乱し、「つまりは……」といろいろ考えたくなってしまう。あかねのリアクションが楽しいというのもあるし、これは良い新キャラ。

センターカラー『アンデッドアンラック』136話

 サイコポッド、考えるだけでいいから手を動かす必要はないと思うんだけど、初めての実戦使用なので補助として手も使ったって感じかしら。『マイノリティリポート』みたいでかっこよかったです。
 風子。独りで不運をどう使うのか問題への解答も良かった。やたらと繰り返されてる長い年月に由来する。分かりやすいし、納得しやすい。その不運のせいで別の人がやってきてしまう、というラストも見事だったと思います。不運の内容をコントロールする方向には成長しなかったのね。

『ギンカとリューナ』11話

 二人旅に戻ってしまった。寂しい……。
 からのクソババア。結果的には超よくある「クソババアを演じて反応を見てた」というパターンなんですが、お礼に飴くれるのとか超良い。やっぱ本作は食べ物を介した交流を意図的に描いてる気がする。あとは、ババアという点も重要で、娘のリューナ、父のギンカ、その上のクソババアという構図。リューナが成長を喜んでるのを見たギンカが「立派になりやがって……」と感慨に浸るくだりとか最高。
 ちょっと本話の感想から離れる。最近のジャンプ作品は女性主人公が増えてきてると思うけど、その主人公はどれも「娘」という属性を強調されがちだと思う。本作は言わずもがなだし、『あかね』もそう。ついでに『マグちゃん』の流々ちゃんもそうじゃん。全員が計算してやってるとは思わないけど、人気出そうなものを考えた結果自然とそういう傾向が生まれてるのだとしたら興味深い。まぁ、『アンデッド』の風子は全然違いますね。

HUNTER×HUNTER』395話

 ノブナガが突然センチメンタルになって回想になるので笑った。急すぎるのと、回想の導入が意外とベタ。
 そんな旅団の回想。めちゃくちゃ面白いし、引き込まれるのは間違いないんだけど、超魅力的で謎の多い悪役集団だった旅団がほとんど主役みたいになって、あいてた穴を埋めらるので少し寂しい気持ちもある。あと、単純に今までも旅団像が消えていくので「大丈夫なのか?」みたいな心配。少年期の仲良しグループとしての姿を見せられて楽しい気持ちが7割、幻滅が1割、まぁどうせ面白くなるんだろうけどさぁ……という信頼が2割。

『大東京鬼嫁伝』11話

 カエルブラスター。めちゃくちゃ『スプラトゥーン』っぽいんだけど、まぁ彼女の能力を補完するアイテムとしては理にかなってる。うまいこと魅力的なビジュアルだけ拝借してハマってる印象。
 人造人間(たぶん)による突然の『シャイニング』パロは笑った。扉に斧が突き刺さった時点で「まさかこれは……」と思ったんですが、ページをめくったらその通りで笑う。

『高校生家族』111話

 今週の屋敷さんも良い。セリフで直接心情を語るような場面はないんだけど、印象的な言動を残すことによって彼女の成長がたしかに感じられる。同窓会ロマンス妄想で定番の「実はあの頃好きだった」を学生時代の視点で語ってるのが超良かった。実際にそうなったら、光太郎には不倫とかしてほしいw

『マッシュル-MASHLE-』133話

 話の都合ってのは分かるけど、長男パンチを食らってフィンくんが生きてるのが気になる。まぁ、舐めプ大好きだから時間をかけて殺すことで相手(チーム)に後悔させる狙いとかあったのかもしれん。
 んで、いよいよマッシュくん到着の予告。頼もしいのはもちろんだけど、若干インフレしてる現状にマッシュくん対応できる? と少し心配ではある。ただ、長男の強さはほとんどフィジカル由来(現状)なのでマッシュの相手としてこれ以上ふさわしい人はいない、というワクワクもある。

『夜桜さんちの大作戦』155話

 長男vs父だと思ってたら船全体に大きな異変が起こり、太陽の話になったでござる。これはビックリ。いきなり六美に危険が及んでるのが良かった。太陽が動く動機としてこれ以上のものはない。父による子供たちの支配を象徴するラストショットも超かっこよかったんだけど、象徴的な食卓の絵面には前号の『一ノ瀬家』も連想してしまいますね。せっかくなら同じ号にぶつかってほしかったw 上からのカメラで、机が斜めに伸びる変則的な構図とか『一ノ瀬家』と対照的でこれまた超かっこいい。

『PPPPPP』58話

 すごい、ホントに対決終わってしまった。まだ結果出てないとはいえ、結果は後日小さいセリフで語られるのみ、でも全然あり得そうな雰囲気。ラッキーの物語としてはもう次のとこ行っちゃったからね。「チーム戦とか露骨にジャンプ漫画にコミットしてきたなぁ」とか最初は思ってたんですが、終わってみれば何もかもが本作らしいというか、全然定番とはかけ離れたものに仕上がったわw

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。11/22は回転寿司記念日ということで「かわいすぎる回転寿司店『ファンシー寿司』。どんなネタが回ってる?」。
 東の最優秀、しらんしらんさんの「ゆびハート寿司」。イラストが主役のネタとしてめちゃくちゃ好き。たしかにソーセージがリアルな指に見える瞬間ってたまにあるけど、それならこれも実現できそう……と納得しながら考えてると「いや怖いわ!」ってなるw
 カリンさんの「ツンデレ寿司」。文字ネタとしては普通にちゃんとしたネタだと思うんだけど、それのイラストが無理あるというか、イラスト化不可能という感じで超好き。寿司のイラスト自体はめちゃくちゃシンプルなのが逆におかしい。
 さばねこさんの「海栗のモンブラン」。お題とは別の季節感取り入れててすごい。すごいし、創作料理とかで全然ありそう……。
 井の線亭ぽんぽこさんの「通称らめめ」。ワードが強すぎる。そもそも「めばる」がちょっとめるるっぽいのもまた良い。
 西。プレーンシャーベットさんの「半分に切ったマカロンの握り」。何かを勘違いした回転寿司チェーンが意図的なネタとして実現してきそうな気もしてしまった。マカロンの味を本気で調整すれば普通においしくなる可能性もあるか?
 セッドあとむさんの「笑顔映し」。前衛芸術とかそういうノリを感じるw 皿を取らなくても完結してしまいそうなところも含めて好き。
 茶がゆさんの「しゃべる」。パワープレイすぎて笑った。正直お題に沿ってるのかもよく分からないんだけど、笑ってしまったから負けだわ……。

目次

皆既月食前にやろうと思ってたのにギャグ回やりすぎて過ぎちゃいました…
(『ウィッチウォッチ』)

 読みながら「偶然だけどこないだ実際にあったよね!」とか思ったけど、狙った果てに外したんかいw

総括

 新連載組がどっちもつまらなくて「どうしよう……」と頭を抱えた号でした。まぁ、次号はお馴染みの林先生なので安心。

 今週のベスト作品は、『アンデッド』。単独主人公としての風子の真価を見た。
gohomeclub.hatenablog.com