北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年30号の感想

 あまりの暑さで気が滅入り、映画館で観る映画の面白さが数割減になってる説が出てきた。そんな中でも『リバー、流れないでよ』は面白かったです。近くでやってたらオススメ。観たらブログも読んでくんちぇ。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。伏黒。勝手な感覚なんだけど、『呪術』が『夜桜さんち』より古株なのに違和感がある。
 調べてみたら、1つ古い『ブラクロ』とは3年の差があるので、『呪術』あたりから今のジャンプ連載陣の新世代という感じなのかもしれない。

表紙

 新連載。マジで「どちらさん……?」という感じなのですが、これこそがジャンプの醍醐味だぜ。まぁ、さすがに別冊とかでは出てる人だろうからそっちでお馴染みの人からしたら少し印象が違うんでしょうね。

読者プレゼント

 化石発掘。最近は変わり種とか、やけに凝った回が多かったと思うんですが、今回は非常にシンプル。とにかくダジャレを重ねていくスタイル。私好みだ。最近こういうの少なかったから助かる。ひたすら手数は多いが、レベルが全然高くないのとか「こういうのを持ってたんだ」と微笑んじゃう。
 うまそうでうまくないのでいうと、恐竜の化石のレゴセットについた「遊びながら創造力を増恐竜!」。そもそも「増強中」という言い回しが少し不自然なのに、無理矢理使う割にはそれほどハマってない。

巻頭カラー『アイスヘッドギル』蜂矢育生

 新連載。カラーページの背景良いな。たぶん今後触れることはない良さなのが残念だ(本編がカラーになることは少ない)。
 本編。めちゃくちゃ北欧だった。北欧モチーフがめちゃくちゃ出てくる。単純に目新ししくて楽しい。北欧感が初回における最大の魅力と言っていいくらい響いた。世界設定の作り込みという部分なのである意味ファンタジー作品ではめっちゃ大事な要素だと思う。
 斧。戦斧。これも北欧感だけど、好き。少年と斧というのにギャップが感じられたし、斧を使ったアクションに「回転数」という基準を持ち出したのも少年漫画らしいハッタリで良い。まぁ、初回だからといって無回転と一回転だったのは「さすがに慎重すぎない?」と思ったけど、回転斧アクションがどういうものかを丁寧に見せたかったのだと考えるとこれも適切だったのかな。初回から10とか100行っちゃってもいいと思うんだけど、そうなると回転の描写は省略せざるを得ない。
 敵は槍なので……と民衆が敵を囲って協力してくれるのもすげぇ良かった。斧と槍というジャンプでは珍しい武器の特徴をちゃんと出してくれる。ただの剣の代替物になってる作品も少なくないと思うんだけどね。
 おばさんは極寒の地だから血が固まって助かる。一方、敵は白い息を吐かないから死んでることが明らかになる。この舞台の特徴を活かした展開も見事だったし、寒さがただ厳しさの象徴ではないのも多面的で良い。白い息という極めてシンプルで、絵的なトリックなのも面白く、それが生きることの象徴とされるのも、人間の必死さがそこに現れてるようで感動的。
 終わり。正直川田先生の新作が面白かった時点ですべての興味が失われてるところからスタートしたんですが、なかなか良かったでござる……。こういうとき全作感想を書くブログやってて良かったと思うよね。じゃなきゃ読まないもの。予期せぬ出会い、事故という楽しさがあるのが雑誌の良さだと思う。

『SAKAMOTO DAYS』124話

 クマノミ。触れずに攻撃できて強い……と思ったら電磁石。豹はたまたまピアス開けまくりなのがいけなかったっていくら何でも偶然に頼りすぎだろ。まぁ、この世界だと耳がちぎれるくらい大したことないんだろうけど。
 その後の電磁石アクションは楽しかった。「そうはならんやろ」と思うんだけど、楽しいので許せちゃう。『ワイルドスピード ジェットブレイク』と同じだ。どちらも「引き寄せるものが恣意的すぎねぇ?」とか思うんだけど、楽しいからオッケーやで。
 あと、バトル漫画で磁力使いって定番だけど、本作はスーパー電磁石のオンオフだけなので、「引き寄せるだけ」でアクションを組み立ててるのが何気にすごい。『ONE PIECE』とか『マッシュル』みたいにレールガンができないんだけど、その「リアリティ」が本作らしくて良い。

『ウィッチウォッチ』114話

 小麦ちゃんのネタバラシ。魔力は発現したけど魔石が黒くなってないうちはセーフ。なので、黒くなってからはまったく魔法を使ってなく、それで不意打ちが可能。そもそも魔石が黒くなるとかアラートのルールが「知らんがな」なので、このトリックも「知らんがな」なんだけど、 “この一撃のために” は熱い。理屈ではない部分の魅力がある。
 からの幹部戦。めちゃくちゃバトル漫画っぽいことになってるので正直笑った。今時こんな分かりやすい幹部戦、本職のバトル漫画でもなかなかないだろうに。あと、ケイゴが好きな読者はこういうバトル回に興味あるのだろうか……とか変なことも気になっちゃう。篠原先生はすげぇノリノリでやってる印象なので。まぁ、様々なジャンルをこのシャアハウスの人たちで全部やっちゃう、というのが本作の魅力なのかもしれない。

センターカラー『アスミカケル』2話

 前話の時点で好きだったけど、自分で自覚してた以上に大牙さんが好き。ものすごくストレートに作者の提示した「こういうのお好きでしょ?」という部分がそのまま刺さる。「これが聴きてえんだろ?」とMACCHOに言われたときと同じくらい全面降伏(肯定)してしまう。メインの女性キャラでこんなにも正面突破で魅了されるの、意外と珍しい気がするな。『鵺』とか読んでて「作者の性癖が剥き出しだぁ~!」とかは思うものの、そのまま魅了はされない。女性主人公の『あかね』も娘属性が初期は強かったので後方腕組み親父面みたいな引いた感じだし、今は「そんなことより一剣師匠すごくないか?」って感じ。『若君』も剥き出し感ある作風だけど、「渚くんの縮小再生産ですね」と冷めたところが常にある。同じところで勝負しても永遠に勝てないので(違う魅力があるのも分かる)。その点、本作の大牙さんは描かれたものがそのままの形で「好き……」ってなる。制服のまま股開いてるのとか笑ったし、それに対する “はしたないですぅ~!” のリアクションも最高だった。私もあの場でそのリアクションしたい。このストレートにハマってしまう感覚が意外と新鮮で、そっちの驚きも込みで魅力にハマっていく。
 あと、本話で明らかになる大牙さんが主人公に執着する理由も良い。主人公は明らかな原石なわけだけど、別に彼を育てることが目的ではなく、彼(強者)と戦うことが目的なわけでもない。 “そんな君を食らって私も… また一歩「野望」に近づく” 。男女の壁があるので正式な試合で戦うことは(たぶん)ない関係だけど、互いにプレイヤーとして並列な存在として女性選手が置かれてるのが面白い。『火ノ丸相撲』ではできなかった物語だ。
 本話はその後「お義父さんへのサツアイ」となるのも良い。ひたすら大牙さんを中心に物語が進み続けてる感じ。同時に、彼女には彼女の物語があるというのも感じられる。

『鵺の陰陽師』7話

 派遣陰陽師とゲーム対決。『リーグオブレジェンド』だと思うけど、あの機材は全部鵺さんの持ち出しってことだよな。ニンテンドースイッチを人数分揃えるのでも結構な額になりそうなのにどうなってるんだ。鵺さんの自室のコレクションは長年の蓄積だからそれほど気にならなかったけど、この一瞬で作られた部室には引っかかってしまう。まぁ、ギャグで済ませるべきなのだろうが。
 普通に楽しい話をやってるんだけど、どこか本作独特のトンチキ感が生じているのは学郎のツッコミ(リアクション)が妙、というのがあるのかな。そんなことに気づいた一話であった。ボケ2人に振り回される話だったので。

『アンデッドアンラック』164話

 修行と称して何も知らないシェンを否定で初見殺ししてるわけだけど、不可避と不抜による攻撃、やってることがめちゃくちゃこすいな。否定を知らない人が戦う話が珍しい(久々だ)からってことなんだろうけど、よく今までこの人たちのバトルをかっこいいものとして見ていられたな。まぁ、もちろん、シェンがちゃんと否定に対応してからのバトルは普通に楽しいものなので問題はないんだけど、否定による初見殺ししてドヤってる2人が小悪党に見えてしまったよ。
 ムイちゃん強いらしい。トーナメントの山が特殊だから一瞬混乱したけど、シェンが順調に勝ち上がったら風子の手前あたりでぶつかる、ってことなのかな。まぁ、けどこの「勝手に守る対象だと思ってたけどめっちゃ強いやん」という反転は楽しい。

センターカラー『アオのハコ』106話

 交際からの3学期スタート。学校だと一緒にいないのでそれほど影響はないが……という不意打ち的なイベントが面白い。勝手に世界の見え方が変わってしまったという感じで。
 一緒に弁当喰う。千夏パイセンから誘ってくれて、食事中の対応も確実に以前とは違うものになってるのな。やはりパイセンの方が先に彼女としての自覚ができてるという感じ。もっと初心者同士のドキドキみたいな話になると思ったけど、パイセン彼女の魅力を打ち出してきた感。まぁ、ひたすら受けに回る大喜、という方がやりやすいってのも間違いなくあるだろうな。大喜は一方的な「憧れの人」というイメージが強すぎて、交際後のイメージが全然できてないけど、向こうは交際のことを念頭に置いて「人を好きになるとは」みたいな考えを経てるので、それぞれ現状の交際観が違う。この付き合った先のことを全然想像してなかった人があっけなく交際にこぎ着けると蛙化現象に陥ったりするんだろうな。これで大喜がそうなったら面白いですね(なるわけねぇだろ)。

『キルアオ』10話

 『アオのハコ』の直後に掲載しちゃいけないタイトルだが、隣接してしまったな。よりによってあっちでカップル誕生してしまったこのタイミングで。まぁ、本作は別に「リア充爆発しろ」的なスタンスではないので安心だが。
 扉が『007』シリーズのガンバレル。ネタとしては超定番だが、本作にめちゃくちゃ合ってて最高。
 本編。中間テスト。からのスナック。スナックのママと、娘のママが揃う。ノレンがそれを目撃してしまうのも面白いが、何よりこのママ(スナックの方)のデザインが絶妙で良い。ドラァグクイーン的な極端さはないのだが、往年のバラエティ番組で重宝されそうな下ネタ解放区みたいなイヤな感じもなく、ものすごく絶妙。十三が未だに慕うのも何となく分かる良さがある。しかし体格が良いので十三とのツーショットが妙におかしい。藤巻先生の美人キャラ描写の機微に唸らされる回であった。

僕のヒーローアカデミア』392話

 普通の押し付けに苦労してきたトガヒミコ、という話は分かるんだが、正直この「普通」の話って割と定番というか陳腐でもあるので、それ一本で押し進められるとキャラクターの魅力とのバランスが取れてない気がする。ある程度単純化して寓話感を出すのは分かるんだけど、それにもなり損なってる印象がある。
 ただ、そんなトラウマ回想の最終的な結論が “だからあなたはフタをした” “抑圧し 仮面をつくった” なので最高。変身能力者の悲哀として最高だし、そのくせ未だに本名を名乗ってるという本話でされた指摘も良い。何より、トラウマからの脱却方法として「包む」というとトゥワイスですよね。奇しくも2人は同じ「包む」を精神の拠り所にしていたと分かり、2人の関係性の特別さが増して感動的。いや、奇しくもじゃないのか。トゥワイスに「包む」を教えたのはトガちゃん。

『僕とロボコ』142話

 『孤独のグルメ』回。なんだけど、最後に急に出典が掲示されるので面食らった。今更? それならチャパ王とかは? 話のフォーマットを拝借したのでこれは出典が必要、という判断なのだろうか。正直、そんなクレジットを載せるくらいならパロディとかやらなくていいのでは……とか思ってしまう。まぁ、これが単行本で、単行本の末尾に元ネタの一覧がズラッと羅列してある感じだと本編からの距離があって印象も随分違うのかな。「このネタ知らなかった!」ってオモシロも発生するだろうし。
 いやしかし、謎だ。『孤独のグルメ』パロってかなり定番で、探せばいくらでも見つけられると思うんだけど(最近だと『デビザコ』でも見た)、なぜ急に『ロボコ』はクレジットを載せたのか。謎は深まるばかりです……。
 それはさておきギャグは最高だった。チャパ王のチョイスも笑ったし、八手拳が役立つのにも笑う。なぜ『ドラゴンボール』はクレジットしないのか謎だが、その後の麻婆に麻婆、天津に天津のくだりとかも超好き。同じ味でつまらん、と普通に失礼なこと言えちゃうのがフィクションならではの無責任さだ。
 そして、謎に登場する空気階段空気階段の漫画化では『あかね』コンビがやっちゃってるのですが、漫画映えするビジュアル、漫画化したくなるビジュアルをしてるってことなのかな。面白いけどよく分からない回であった。何かの企画なのかと疑ってしまう。

『暗号学園のいろは』29話

 イミテーションゲーム。セリフが上下反転するやつはこないだやったばかりなのに今度は左右かよ。映写は上下反転なのにセリフが左右というのは理にかなってなくて普通におかしい。いや、答えが鏡合わせなので、あのセリフの反転がヒントになってた、というのは分かるけど、「いや発した言葉は反転しないでしょ」というマジレスがよぎってしまうんだよな。向いてない……。
 とはいえ、「実は左右反転でした」というオチは面白い。上下反転されるだけでこんなにも認識のの精度が落ちてしまうものなのかと驚いた。思考停止になっちゃうのかもね。
 面白かったけど、あんな物理的な仕掛けでやったら片方だけ薄くなっちゃったりしないのかしら。原理を分かってはいるけど、実感は全然湧かないのでそこらへんの機微がよく掴めない。目次コメントで岩崎先生が言ってたけど、実際にやってみたら超楽しいでしょうね。モノを用意するの大変そうだけど、学校でだったら意外といけるかも(と考えるのが既に楽しい)。

センターカラー『逃げ上手の若君』115話

 本編再始動。2年後だって。『ONE PIECE』かよ。2年経ったので髪は普通に伸びました、というのはちょっとずっこけた。多少の違いはあるが。あの断髪の感動は何だったのか、とか思わんでもない。まぁこれは、私が渚くんに重ね合わせすぎてるのかもしれない。こっちは別に髪切って終わりじゃないし。
 若が歴史的に正しい、知的な活躍をするんだけど、2年間という飛躍があるので読者にも違和感は生じにくい。以前の流れの中だと「急に立派になりすぎじゃない?」となりかねないけど、ちょうど今、2年後で若がどういう人物なのか一番掴めてないタイミングだからこそハマる。

『あかね噺』67話

 ひかるの「花見の仇討ち」。『あかね噺』の中の描写はさておき、めちゃくちゃ面白そう。芝居が徐々に本物になっていく、とか世界的に見ても定番、鉄板の設定と言えるのではないか。落語の世界というか、落語の世界の蓄積はさすがですね。からしが現代風アレンジとかしたがる(したがってた)のも納得ですわ。全然今のエンタメでもありそうなストーリー。学生時代のからしの落語に対して「これ『世にも奇妙な物語』の『ズンドコベロンチョ』じゃん」って感想書いたけど、今回のも『世にも奇妙な物語』とかでできそう。もちろんもっと膨らませて長編映画とかでもいいけど。
 嘘をまとい、大勢のギャラリーの中で仇討ちを狙う、という落語の内容がそのままひかるのドラマとも重なる。嘉一のときと同じで自己紹介的な側面を持つ必殺技って感じね。ただ、ひかるの場合はちょっと「今のひかる」に限定されすぎてる気もするんだけど、まぁこれは今後別の新作が生まれる余地があるってことか。

『夜桜さんちの大作戦』183話

 悪ふぁ。そのことをあるふぁは知っていて、記憶を継承するからこそ自己嫌悪に陥る。ひふみはそれがあるから悪ふぁの暴走を止めたい。あるふぁと太陽(と六美)だったら、感情移入するのは当然後者なので、「とりあえずお父さんに相談しような?」とどうしても思ってしまうな。 “こんな恥ずかしいことパパやママには言いたくない… せめて自分でなんとかできるまで…” と言ってて、子供の心理としてはリアルだと思うが、普通に「あるふぁは何も悪くないから相談しような? な?」ってなってしまう。
 からの友キッズ参戦。なかなかワクワクする構図ではあるんだけど、オチで言われてた通り、「スタンプどうでもよくなっちゃった……」でもあるなw

『マッシュル-MASHLE-』161話

 決戦が終わって。回想のことは無慈悲にキャンセルしてたけど、しっかりイノゼロさんのことも救おうとしてあげるのね。あの回想には笑ったけど、ちゃんと本作らしい優しさは残っているのであった。「じゃああの回想なんだったんだよ」ともなるが、まぁこの「イノゼロも助ける」の方がしっくりくるのは確か。
 そんなイノゼロさんの贖罪。時間魔法の正しい使い道、という感じでこれまた感動的であった。マッシュには絶対にできない人助け、というのがシンプルに描かれててこれまた良い。ここ数話の本作、ギャグと良い話のバランスがマジで絶品だな。バランスというか反復横飛び。「全員助かりました」なんていくら何でも綺麗事すぎる結論にも思えるんだけど、時間魔法だったら仕方ないよね、と納得できちゃうのがすごい。

『一ノ瀬家の大罪』30話

 総太との思い出。長男でカメラが好きだが、学力優秀なのでジジイに目をかけられてて、ジジイの呪いが種となって決定的な不和に至る。そしてジジイは後にボケる。これは『アスミカケル』だろ……。『アスミカケル』のネタバレを読んでるんじゃないかと心配になってくるレベルだ。あっちが似たような設定をぶち込んできて驚いてたが、今度はこっちが逆に同じ話を掘り下げてきた。わざわざ長男という隠された存在を出してきたのもシンクロニシティとして芸術的すぎる。これはジャンプを読んでて最高にワクワクする瞬間。
 気になるのは、どう見てもジジイ1人が突出して悪いように思えたんだけど、最後のカメラ破壊の場面では両親&祖父母全員が悪い、という感じに描かれてた点。ちょっと唐突に思えるし、間の飛躍が大きすぎる気がする。まぁ、逆に言えば、現在の翼にとって最も信頼できる仲間は詩織ということになりますね。家族の中では。

『ドリトライ』8話

 初試合後。敗者へは容赦ない。生野妹が組に持って行かれそうになるが、生野兄が抱きかかえる。ここでは右腕が大きく見えるように描かれてて……とか当たり前の演出ではあるが感動的だな。「距離をとる」の象徴だった腕で今度は妹を抱きしめる。
 本題としては「技」。固有の特殊能力(に近いもの)があるらしい。なんて正統派なギミックを持ってくるんだ。ただ、生野戦がちゃんとボクシングらしい戦術も含めた面白さだったら、そこまで大味になりすぎたりはしないんだろうな、という信頼はある。普通のボクシング漫画だったらまずないであろう設定ということで、これも本作の醍醐味と言えそう。とりあえず、しばらくは現実の延長というバランスをキープすると思われるので、そこ匙加減にも注目だし、次第にインフレしていて「ただの超能力じゃねぇか!」となる可能性も考えておきたい。

ブラッククローバー』363話

 アスタの着地地点に現れた天秤魔法。「聖騎士が絶対正義なので絶対勝つ」の論理が無茶苦茶すぎて笑っちゃったけど、最終章のテーマを考えると案外ちゃんとしてる。ちゃんとしてるのは分かるけど、やっぱおかしいというか、「じゃあその儀式いる?」とか思ってしまうな。まぁ、独裁国家とかの裁判を考えると案外リアルなんだけど。
 からの暴牛のターン。登場シーンとラストの見開きがひたすらかっこいいのでロジックとか印象に残らないけど、正義天秤攻撃に対して、罠やら鏡やらでちゃんと対処してるのが良いな。もちろんただ火力ぶっぱで何とかしてる人もいるんだけど。

「『ブラッククローバー』ミニキャラ4コマ劇場」田代弓也

 その8、その9。本編が次号休載なのでその分ですかね。
 その8。ワノ国(違う)でのアスタの奮闘なのだが、さすが主人公と言いたくなるようなアスタの活躍ぶり(ボケぶり)が楽しい。ただテンションを高くするだけじゃない、という2本目の猫じゃらしが緩急としてとても良い仕事になってる。
 その9。勝利後の宴会。宴会の中でのワチャワチャということで、本作には珍しく「これ本編で描かれなかった裏側ってことでもいいんじゃない?」という感じになってて面白い。良い意味でのキャラ崩壊みたいなネタが少ないので、正史として採用されてもおかしくない。

『テンマクキネマ』11話

 新市、撮る側だとバレてた。全員にバレてたかは知らんけど、撮る側の視点を持ったオタクだから好かれた、というのは間違いないと思う。それは雪尾監督にも当てはまってるのでしょう。
 からの倉井さんの過去と、新市への思いと、その両方を知ってる監督たちの思い。ちょっとした回想ながら何重にも意味があって良かったですね。前回までは監督に対して「父親ヅラですかぁ?」と若干キモく感じていたが、あの倉井さんの過去と、 “同級生” “現場に呼んじゃだめかしら” を見たら親心が湧いちゃうのも仕方なく思えてしまう(チョロい)。
 今回のエピソードはひたすら新市の「人たらし」パワーが全方面に発揮される話でしたね。最後の倉井回想もまったく同じで統一感があった。他の新市組の子たちは元から友達なので気づきにくかったが……という再発見。

『人造人間100』27話

 遊園地という舞台がめちゃくちゃワクワクするんですが、びっくりするくらいサクサク進む。それ自体は良いことなんだけど、「もうちょっと遊園地らしさを堪能したかったな」と贅沢な悩みも湧く。ただ、次回以降の2人の絢子と対峙する話においてもこの遊園地らしいギミックは続くと思うので、ここでガッカリするのは早計なのでしょう。
 2人いて「どっちだ!?」となるのはいいんだけど、片方(兄貴が発見した方)は反射的に殺しちゃってそうな引きだったので、そもそも「どっちだ!?」よりも先の段階に話が進んでる感。あしびたちが出会った方が本物なら万事オッケーだが、ラストの “助けて?” が意味分かんなくて良いよなぁw ミラーハウスであしびたちを観察してたのだとしたら、あの絢子は偽物で、兄貴が殺そうとしてるのが本物ってことになるんだけど、そうなると二重で困る。
 偽物絢子にあしびが誘惑される、みたいなおちゃらけた展開も期待してしまうが、話がシリアスなのでそんなことにはならないんだろうな。さすがに。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 7/2は真ん中の日ということで、センターカラー特集。久々のガチ特集だ。文字多めで普通にタメになるやつ。
 衝撃的だったのは巻頭カラーとセンターカラーでは紙(質)が違う。そして、センターカラー裏の単色ページの色は担当編集の裁量で決められる。思わず今号のセンターカラーで確かめてしまった。特に後者は正直何で今も続いてるのか謎だ。無駄な行程だから切り捨ててしまいそうだけど、まぁそこまで毎回頭を捻ってる編集もいないんだろうな。

目次

ガーディアンズオブギャラクシー3を見た!近年で一番好きな映画シリーズです! <鷹将>
(『あかね噺』)

 馬上先生の初期の読切はモロに『ガーディアンズオブギャラクシー』オマージュなオープニングだったんですよね。あらすじとかキャラクターよりもそのオープニングだけやけに覚えてる。

愛読者アンケート

 新連載についてと、「推し」「推し活」について。推しと認識してる相手がいますか。古い人間なので「推しってファンとか贔屓と何が違うんですか?」と考え込んでしまい、回答が難しい。なので、「推し活」の方から考えてみる。あれだろ、コラボ喫茶とかポップアップストアとかがあったら行くやつだろ。それだったら『モルカー』だなぁ。行ける範囲は全部行く……というほどガチではないけど、負担にならない範囲では精力的に行ってると思う。8月に浦和のパルコでポップアップショップが開かれるから今から楽しみにしてる。何なら8月最大のイベントかもしれない。たぶん新規のグッズとかはないんだけど。ちなみに、キャラでいったらチョコ。love。
 推し活の内容。グッズを買ったり、イベント行ったり。推し活に費やす金額。たまにグッズ買うくらいだから月で平均しちゃったら1k以下。

総括

 月曜に始めたから水曜には終わらせたかったんですが、かなわず。やっぱむずいよ。

 今号のベスト作品。『アスミカケル』ですね。
 次点は新連載と、『マッシュル』。
gohomeclub.hatenablog.com