北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』454話の感想


 あけ
 おめこ
 とよろ

#454

 ※マガジンと単行本掲載の話数では1つズレが生じています。当ブログではマガジンに掲載されてる話数に準拠しますが、本来正しいのは単行本の話数です。上記の話数に+1したのが単行本版の話数になります(この段落テンプレ)。

 2018年最初の『生徒会』はスズ扉でスタート。座りながら携帯ゲーム機(ほぼ3DS)を持つスズ。ゲームオーバーして焦りの表情を見せるスズ。現代の学生を描く上でゲームって超ありふれたアイテムだと思いますが、本作の場合はめちゃくちゃ新鮮ですね。津田兄妹だと見たことあるけど。携帯ゲーム機だとさらにレア度は上がる気がします。当たり前なアイテムなのに「こんなの見たことない!」的な驚きがありましたw

 1本目。扉にある通り、今週はとにかくスズとゲーム。ゲームを誘うのは当然コトミ。スズが普段ゲームやらないってのはイメージ通りですね。スズじゃなくても生徒会はみんなゲームやらなそう。タカ兄がイレギュラーな存在。
 今年あけおめネタありませんでしたけど、話は冬休み期間中。宿題やってます。見た感じ、タカ兄の宿題を3人が見てあげてた、って感じでしょうか。「終わったー」というセリフを聞くやいなや部屋に飛び込んでくるコトミがすげぇコトミっぽい。会長とかに「コトミの宿題も見てやるぞ」って言われた可能性もあると思うんですが、そこらへんはうまいこと逃げたんでしょうねw
 んで、肝心のゲーム。スズということでホラー。ゲーム詳しくないけど「ZOMBIE HILL」は『サイレントヒル』のゾンビ版なんだろうな、とぼんやり思います。『サイレントヒル』もタイトルが有名だから知ってるだけなんですが。元々そっちにもゾンビ出てきたらごめんなさいね。

 ゲームスタート。どうやら女子学生が探索してるとゾンビに襲われるらしい。ゲームがそもそも美少女を多用しがちなんだけど、ホラーというジャンルとも相性いいからな‥‥とか考えるとリアルな感じだと思います。
 意外だったのはオチ。ゲームが怖くて云々というのは当たり前なんですが、それに対して怖がる姿が描かれるのがスズじゃなくて会長。これは驚いた。驚きつつ、スズが怖がるのは当然だけど、会長も怖がるのでいつもよりも怖がりネタよりも断然怖いってのが伝わってきますね。今週はスズがメインなので、スズは最後まで大事に温存して、みたいな効果もある気がします。主として描かれてないだけど、スズが怖がってるのは描かれてるので、最初から最後までスズは怖がり続けてる、という印象も生まれてると思います。最後に向けての下準備ですね。

 パンツ!! それも脱いであるパンツとかじゃなくて穿いてる状態のパンツだ、それもパンチラ!!! マジで驚きましたが、一応これゲームの中の映像の中なのでちょっと一線引かれてる気はします。読者から見たら同じ絵だけど、作品世界の中ではこのパンチラは非現実。ゲームの中って過剰に性的なニュアンスあったりするよね、って表現と考えることも可能だと思う。この感じはラストの「ゲーム慣れしてない人はやっかいだな!!」ってツッコミに繋がってるような気がします。もちろんこのツッコミが主といて指してるのは別の部分なんですが。
 てか、前のネタと本ネタで会長とアリアも普段ゲームしてないってのが説明っぽい説明はないのに紹介されてるんですね(会長のゲーム好き設定なんて知りません)。ここらへんの語り口めちゃくちゃうまい。たった7本の4コマで1話成立させ続けてきた職人の境地みたいなものを感じる。ここまでに「ゲームに馴染みがない」と明言されたのはスズだけなんですよ。ただ、2本目のネタでスズを差し置いて驚く会長を描くことで会長もゲームに慣れないことが分かる。説明らしい説明がなくても分かる。そんで、3本目ではその会長と同調して下ネタをぶっ込んでるアリアが描かれ、ラストに「ゲーム慣れしてない人は」とツッコミが入ることでアリアも一気に説明こなす。説明ってフリの部分ってするのが定石だと思うけど、オチの部分に持ってくるからスゴイ。アリアもスズや会長と同じなんだろうな、と思わせるようにさりげなく仕込まれてる。

 んで、そんなアリアがゲーム慣れしてない件が前提になったオチが4本目。ゲーム慣れしてないという話が繰り返されてきたけど、スズ、会長、会長&アリア、アリア、という流れになってるんですよね。うますぎる。
 そんなアリアのオチ。ゲームあるある、という感じですね。ゲームあるあるなんだけど、「ゲーム慣れてないのに」という要素が1コ乗っかるのでさらに面白くなる。
 てか、オチの部分での津田兄妹の息ピッタリな感じすげぇ良いですねw

 会長とアリアを一巡したのでスズに戻る。怖くてタカアームを掴む、というラブコメ感、からの怖すぎて掴むチカラが強くて痛い、というギャグとしてのオチ。ここで1回落ちてるのに、それだけじゃなくて、その状況を踏まえたネタがこの後2本生み出されるからスゴイ。しかも2本先のネタはしっかり時間経過を感じさせる内容になってるし。今週特にキレッキレですね。シンプルな4コマが単発で続いてるだけのように見えて、4コマ×7本という構成がキレイに組み立てられてる。やばい。

 ラストページ。ゲームクリア。スズに腕を掴まれて動けないタカくんがアリアに助けを求めたら‥‥。このオチはマジで笑った。もはやトリックアートとかそういうレベル。見事に目が騙されてしまったw 初見時3コマ目を通り過ぎた時にはオチの意味は一切感じてなかったのに、4コマ目を見て「えっ!?」と3コマ目を見返したらバッチリその通りに見える、というね。
 あと、アリアのリアクションが最高なんですよね。ただ驚くだけじゃなくて、ちゃんと誤解した上で先に進もうとしてる感じがw

 ラスト。サブタイの「ホラーオチ」は、日常に戻ったと思い主人公たちが安心してたら日常の中にホラーの余韻が残っていて……みたいな感じでエンドクレジット入るヤツですかねw
 んで、2本連続でスズがタカアーム掴んでたことの影響が最後に物理的に現れる。これまたうまいよなぁ。こんなシンプルな作品でも伏線って出来るんですね。前のネタの「水」は声出るほど驚いたり笑ったけど、こっちはうますぎて膝を打つとか、唸るとかそんな感じ。


 ということで終わり。1週休みがあったからいつも以上に沁みてるのかもしれませんけど、めちゃくちゃ面白かったですね。驚くほどにテクニカルというか、超うまいよね。「4コマってこんなこと出来たの!?」みたいな領域に達しちゃってる気がする。
 中でも抜きん出て秀逸だったのはラストページの2本だと思います。7本目の、うますぎかよ!!という衝撃もそうだけど、6本目の気持ちよく騙され結果爆笑してしまう感じは忘れがたいなぁ。
 絵的に見所あったのはやっぱパンチラだと思いますw ゲームってこういう感じあるよね、という側面もあったと思われるのが面白いです。単純にエロいんですが。

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