北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『アントマン&ワスプ』の感想

 あの陰鬱な気分にさせられたMCU10周年記念作『インフィニティウォー』から数ヶ月、MCUの中でも屈指の明るさを誇る『アントマン』の続編です。新作も素晴らしく、キャラ萌え、アクション、ギャグ、てんこ盛りでした。

 いきなりネタバレになりますけど、問題は『インフィニティウォー』とどう折り合いをつけていくか、ですよ。どうするサノっさん。

 『インフィニティウォー』鑑賞前は「サノス戦に駆り出されないらしいけどアントマンさん元気?」みたいな感じもありましたが、鑑賞後は「ひょっとしてアントマンが打倒サノスの秘密兵器になったりして……」という期待も正直ありました。
 それは半分くらい正しくて、残りはまだ分からない。
 本編があまりに楽しいのでサノスの件すっかり忘れてましたが、ポストクレジットで現実に叩きつけられました。よりによってアントマンが単身量子世界に行った時に指パッチンしなくても……。半分こどころかアントマン以外みんな消えちゃいましたよ。そもそもアンドマン量子世界に取り残されてどうなんの……。
 と、どんよりした気分になりながらクレジットを眺めていたら最後にアリドラマーが出てきて救われました。ひと笑いで大分救われたぜ……。ただ、テレビ放送が不全になってたりして世界は大混乱っぽいですね。そりゃそうだ。

 『インフィニティウォー』不参戦だったのは自宅軟禁だったから。『シビルウォー』での件が原因。
 だとしたら、ホークアイが『インフィニティウォー』出なかったのも同じ理由なんですかね。指パッチンでは『アベンジャーズ』初期メンを残す、という神の意思を感じましたが、だとすると次の『アベンジャーズ』ではホークさん復活ある??
 てか、『シビルウォー』のラスト、キャップが刑務所から助けてくれた風でしたけど、あの後フツーに捕まったんですね。まぁ、家族を守ること考えたら逃げるのは難しいのかな。単身だったらピム親子のチカラで何とか出来そうな気もしますが。

 そんなピム。親の方。マイケルダグラス。めっちゃ出番あるので驚きました。超頼りになる裏方、『ホームカミング』風に言えば「座ってる人」だと思ってたらめちゃくちゃ前線についてくるし、最後にはまさかの量子世界入り。つまり、スーツですよ。初代アントマン再び。これはビビりましたね。
 もちろんミシェルファイファーが満を持して登場したのもアガりました。量子世界での暮らしを経たミシェルファイファーは、なんつーか超常的というか謎の神感あって面白かったです。強そうなドヤ顔。本作の悪役が抱える問題を手をかざすだけで解決したのには思わず笑いました。万能すぎるやろ。そして、理屈が分からんw(ミシェルファイファーの佇まいに丸め込まれた感)
 まぁ、そんなスーパー老夫婦も仲良く指パッチン消失というね……。

 本作は父と娘の物語です。大体のキャラクターが父娘のドラマを抱えている。
 前作は師弟のドラマであり、親子のドラマだったと思うんですが、続編では少し限定的になった感じですかね。
 前作、本作どちらの悪役も師弟もしくは父娘の問題が原因でヴィラン化します。事情がこじれた結果、憎しみの矛先は大体ピム博士に向くのが特徴ですね。スコットではない。本作は特に顕著ですけど、物語的にはスコット、かなり影薄いです。スーツも常に不調でもごもごしてます。
 ひょっとしたら『シビルウォー』にジャイアントマン解禁を奪われたので扱いに困ったのかもしれませんねw

 父娘の物語が幾重にも紡がれてるのと共に、本作は「閉じ込められた人が外に出る話」ですね。スコットの自宅軟禁、初代ワスプの量子世界、などなど。悪役が治療のために不思議な個室に入ってましたけど、あのアイテムも意図的なんでしょう。
 そして、それぞれが外の世界に飛び出してハッピーエンド。やったね!!と思ったらスコットが量子世界に閉じ込められる……


 ウウッ……ということで終わり。結論としては、サノス許すまじ。キャプテンマーベルはやくきてくれー!!(クリリン)