北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年40号の感想

 何かのゲームとのコラボで『BLEACH』の名言集みたいなのがテレビcmで流れてくるじゃないですか。なんか有名すぎてネタみたいな域に達してるので不意に笑いそうになりました。物語を通じて読めば良いセリフなのは分かりますよ。cmで不意に投げかけられると。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in 英語。『高校生家族』よりゴメス。当然「ナーン」なんですが、英語訳が面白い。「meow」の語尾を伸ばす形になるのね。日本語圏だと「ナーンww」と草生やしてるように見えるかもしれない(見えない)。日本語読者と英語読者それぞれにゴメスの泣き真似させて聞き比べてみたい。

表紙

 100巻記念の『ONE PIECE』。そのうち発売開始になるガチャガチャ(物理)の告知も兼ねたイラスト。ルフィ、エース、ヤマトの3体を先行で応募者全員サービスだそうです。有料なので実質買い物。一般発売されたら1コ500円で、今回は3体にポストカードに3体がついて2,000円。一見高そうだけど、狙った3(4)体は出ないからこの3キャラが好きな人にとっては確実な買い物なのではないでしょうか。てか、このフィギュア、普通に可愛くて良いですね。可愛いけど原作感ばっちりなのが良い。グッズ展開の際、独自デフォルメとかされると萎えるタイプなので好き。

100巻発売記念 声優インタビュー

 ヤマト役だそうです。カラーなのに見開き2ページがっつり文字なので贅沢である。
 声優は知らんのだよなぁ……とか思ったけど、この人あれか、『ドラクエ10』のアンルシアか。めちゃくちゃ馴染み深い人であった。『ドラクエ10』世界の勇者ですよ。お世話になっております。ver.6もよろしくお願いします。

アニメ『鬼滅』のおしらせ

 フジテレビでテレビシリーズ一挙放送だって。すげぇ、夜7時だ。しかも土日&祝日。「ジャンプなのに深夜アニメかぁ」とか思ったのも懐かしいです。別に本作に限らないけど。
 んで、今月末に『無限列車編』もやるそうです。すごい、9月の『鬼滅』猛プッシュがすごい。2期(って呼び方でいいのかしら)突入に向けて盛り上げたいのでしょうね。ジャンプ読者的には、そこらへんのタイミングで何かしらの特別企画、あわよくば読切があったりして……とか考えてしまう。確実性が高いのだとスピンオフね。まぁ、学園の奴は普通に読みたいです。

読者プレゼント

 宇宙飛行士。タイトル部分のダジャレは凡庸だけど、各グッズに添えられたダジャレはヤケクソ感あって楽しい……のもある。 “大音量にテンションマック水星” とか豪腕すぎて好きですね。「す」しか合ってねぇ。あと、 “地球(アース)ばらしい座り心地” は普通にうまいと思う。
 あと、プレゼントのプラネットメーカーは超面白いらしいです。目次コメントに書いてあった。そんな推薦かなり珍しいので驚きました。

巻頭カラー『ONE PIECE

 ウソップがマムの覇王色に便乗してるので笑った。虎の威を借る狐とはこのことだ。普通に笑ったんだけど、ここで覇王色の話を出すのが、この後、本話におけるメインパートと言えるヤマトの回想シーンで利いてくる。うまかったと思います。
 そんな回想。おでんを名乗るヤマトが懲罰岩屋に入れられる。中にはワノ国の大剣豪たち。おでんシンパのヤマトを剣豪たちに会わせるってリスクあると思うんだけど、まぁ普通に剣豪たちが嫌ってヤマトを攻撃するだろうから、それをキッカケにワノ国嫌いになるのだろう、とか考えてたのかな。
 メシは1人分。武器は全員分。デスゲーム感ある緊張が生じて面白い。ちょっと『ダークナイト』思い出した。まぁ、ジョーカーは武器が1人分だから違うね。先日観ただけの話でした。
 んで、武士は食わねど高楊枝。そのまんますぎる展開を堂々をやってて胆力すごいんですが、『ONE PIECE』のメシ描写としてこれまた超王道なので親和性ばっちりなんですよね。ちゃんと『ONE PIECE』のエピソードとして違和感がない。リアルで楊枝くわえててやりすぎな気もするんですが、話の内容としてはゼフがサンジのために自分の片足食べた話と同じ。めちゃくちゃ『ONE PIECE』っぽい話。ここらへんの美学が一貫してるのでしょうね。
 この回想でめちゃくちゃ良かったのが、空気穴。カイドウが “気が変わったら天井の空気穴に叫べ……!!” と紹介するんですが、ヤマトたちはその穴から差し込む光を頼りにおでんの日誌を読む。降伏の象徴であった穴を、別の使い方しておでんの魂の継承に利用する。この転換がマジ見事でしたね。

Dr.STONE

 ロケットにはアルミニウム。こないだの『ドラえもん』でもそんな話やってたわ。なんかタイムリー。
 コーン便からの石化装置の完成品。いや、完成品ってのは意味違うか。電池交換に成功した奴。特別な1つ、というアゲは感じるんだけど、有象無象のメデューサは結局壊れてて使えませんでしたーというオチは普通に萎えた。こないだ感じてた興奮は何だったのだろうか。死ぬ気になって頑張ったのに。実際死んだのに。
 とにかく、石化装置があるので、これでホワイマンと戦える。ので、実際にロケットができた際の話。ロケットにメデューサ積んで月丸ごと攻撃しちゃえばいい気もするんだけど、世界に1つしかないとなると不確定要素の多い作戦はとれないのか。
 ということで、乗組員は完全に片道。片道のロケットが完成し次第打ち上げたい。つまり、月面で自爆攻撃。自爆なんだけど、死ぬわけではなく、そのまま石化状態で地球が本格的に宇宙進出できるのを待つ。理屈は分かる。「そもそも宇宙行けるの?」とか思ってたので、完全な宇宙旅行じゃなくてもいい、という今回の案はリアリティのための譲歩のようにも感じられた。うまいバランスだと思う。
 じゃあロケットに乗る3人は誰なんだ!? と煽られてると思ったらイメージとして3人がっつり描かれてるので笑った。あ、そこ気にしても仕方ないんすねw

僕のヒーローアカデミア

 なんか饒舌に語り出すオッサン出てきて少し萎えたわ。学生の姿に心打たれた「市民」が動き出す、という展開が重要なのは分かるけど、そこで分かりやすさを優先してオッサンに活躍させるのは悪手だと思う。
 片目相澤がかっこよすぎて震えるんですが、そっから白雲朧の話が出てくるし、あの件もしっかり決着がつきそうで期待が高まる。祝アニメ化記念ですね、白雲朧。そういうタイミングも意識してたりするのだろうか。いつこの場面を出すかは割と融通が利きそうだし。

『逃げ上手の若君』

 騎馬兵マジ強い。漫画に限らずこの手のフィクションの世界だとどうしても騎馬兵より普通に地に足着いて戦った方が強いイメージあるんですよ。実際にそういう活躍の描写の方が多いと思うので、世界的にそういうイメージあると思うんですが、そこに現実的なロジックで騎馬兵の強さを説明してくれる。
 攻撃がめっちゃ強いってのは納得しかないんですが、歩兵からの攻撃を防げるのか、少し気になる。どうもイメージ的には刀構えた歩兵が馬に攻撃すれば成功しそうな気がする。太刀を構えるだけで40キロの速度の攻撃になるってのは別に歩兵の方にも当てはまりますよね。馬はどこに攻撃しても有効打になりそう。そんな気がしてしまう。まぁ、馬にひかれたらダメージでかいだろうから、1対1で勝てるとまでは言わないけど。カップルと原付の例えに関しては何一つ分からないです。
 名前を覚える件とか、 “オラオラうるせーのも将たる者の威勢ってやつだ” となるのは面白かった。あの大声、雑な悪役描写だと思ってたけど、ちゃんと理にかなってるのねw 言われてみれば納得しかない。
 とにかく騎馬ヤベェという話を繰り返してからの、引きずり下ろしたらあとは余裕。痛快でしたね。子供が動けない大人を殺す描写を何の言い訳も、何の歪曲もなく描くのには驚きました。慣れない。新鮮に驚いてしまう。

『呪術廻戦』

 土下座してお願いしてると、殴られた虎杖が吹っ飛んでくる。めちゃくちゃ分かりやすい展開で良い。こっちはクリアしたんで、あとは虎杖さんオナシャス! という感じの分かりやすさ。緊張感が途切れず、また次のバトルが始まるのも楽しい。まぁ、バトルって感じではなかったが。
 とか思ったら、ぐるぐるパンチしてるんで笑った。変な被り物しそう。
 メタいことを言うとここで普通にバトらなかったのは金ちゃんがどこまで強いのか、情報を出し惜しみする意味合いもありそう。漠然と強そう、特別な強さ(とにかく痛い)は分かったけど、具体的に強さがどのレベルなのかは全然分からない。虎杖を比較してーという部分が完全に抜け落ちてる。これは面白かったな。呪力がざらついてるの件は分かったようで何も分からないんだけど。

センターカラー『食戟のサンジ』

 カラー扉。もう本編関係ない好きなイメージイラストやるようになっちゃった、と思ったらちゃんと内容に即したものだったでござる。手から落ちたライターが山火事起こしそうで怖い。
 ということでもはやすっかりお馴染みの『食戟のサンジ』。今回で第4話です。今回はカマバッカ王国。2年間の話ですね。カマバッカに関しては『ONE PIECE』の中でも有数の黒歴史な気がするんですが、何とかうまいこと処理したように感じます。ごまかした、とも言う。基本メインで出てくるのはイワンコフで、その他とはほとんどバトル描写に近い内容でやり過ごす。サンジのメシ喰ったら美少女化、みたいな描写は避けてたのも良かった。イワンコフだけあるんだけど、あれはホルホルの実の要素を拾ってるのでニュアンスが違う。他にも、原作再現のコマとか出したりしてモブのことはうまいこと処理した気がします。キモ虫の件とか原作オマージュというか、細かく小ネタを拾ってくる感じも今回の特徴だったんじゃないですかね。そもそも原作では大きく省略されたエピソードを掘り下げてるので、いつも以上に原作の副読本としての性質が強かったように思います。要するに、めちゃくちゃ良かった。バトル的な描写が多いのも珍しいし、サンジの成長という物語の軸があるのが強い。
 まぁ、サンジの成長を真正面から描くなら、いつどのような経緯で右目から左目になったのか、をやってほしかった気もする。もちろん、それは完全に尾田っち案件なので『食戟』に期待するのはおかしな話なんですが。
 んで、今回のサンジの料理。今回はサバイバル飯。最近流行ってますよね。キャンプとかプリミティブライフ的な奴。その一環だと思います。そういうテレビで流行ってる要素を入れてくる感じは『食戟』っぽいと思う。森崎っぽいとも言う……が、このサバイバル飯というテーマ選びは佐伯附田の領域なのかもしれないですね。まぁ、雑な想像です。
 さすがに女体化イワンコフだけに頼るのは無理があるので、ナミちゃんロビンちゃんにも出張していただきました、という見開きは笑った。抜粋ネタの悪ノリな感じのギャグも『食戟』っぽくて好き……と思ったら『食戟のソーマ』より引用とか出てくるのでやられたw
 いつもと違ってサンジの成長物語でもあるので、当然サンジのドラマが濃い。その成長したサンジの姿として、 “急にそんな無邪気な顔されたら” が出てくるのも笑った。ギャグ的に面白いってのもあるけど、料理人としての成長も感じさせる場面になってて普通にうまいんだよなぁ。『食戟』コンビ侮れない……(元々侮ってないよ)
 終わり。めちゃくちゃ面白かった。佐伯先生のビビちゃん愛が炸裂した前回が『食戟のサンジ』の最高到達点だと思ってたけど、何なら更新しちゃったかもしれない。とはいえ、「2年」のとこまで話が飛んじゃったので、もうそろそろ『食戟』をやる余地がなくなってきたのではないか、という不安もある。面白くなってきたのでまだまだ読みたい。まぁ、普通に『食戟』コンビの新作も読みたいんですが。以前は「スピンオフもいいけど新作をくれ」だったんだけど、スピンオフが思いの外面白いというか、2人がモノにしてる感出てきたので怖いw

『SAKAMOTO DAYS』

 ウータンもバイト入り。決して大きくはない店の割に店員いすぎなのではw そろそろ限界な気がする。今後物語が進む度にキャラは増えるんだろうけど、どこまで店に入れるのか。
 スラーとの対決かと思いきや、スラーが脱獄させたっぽい死刑囚4人。あれじゃろ、『バキ』である有名な奴じゃろ。ネトフリでやってるアニメしか観たことないけど、ちょうどそこの話だったのでそこだけ知ってる。
 4つの殺し方と、4人。犠牲者の数がそのまま強さと比例するかは分からないんですが、漫画的なハッタリとしてはやはり犠牲者が多い方が強いってことなんじゃないですかね。その4人がどの殺し方なのか、という情報が小出しにされる流れが楽しい。とりあえず一番犠牲者が多い人はギュッとする奴。

『マッシュル-MASHLE-』

 砂メガネ。 “そもそも差別とは生存戦略だ…” から始まる彼なりのロジック、彼の言い分がしっかりあるのが良い。ルール大好きメガネくんって漫画だとめちゃくちゃベタなキャラクターだけど、そこから差別という別の要素へとシームレスに連結していく。差別とは歴史である、とか完全にクソ差別野郎なんだけど、そこがルール大好きな要素と繋がってメガネをかけたらハイ完成、という感じで素晴らしい。素晴らしいクソ野郎である。
 人質を取られたのでタコ殴り。からの変わり身の術で逆転。 “ローブは自分が脱がれたことも気付いっちゃいない…” のかっこつけた言い回しだけど、そのマジックも数秒しか持たなくて、 “いや…どゆこと?” となるのが最高。人質取られて攻撃を受けるしかない、という問いに対する回答としては「いや結局避けるんかい」ってなるんだけど、 “そもそもそんなアンフェアなルール” “受けるわけないじゃないですか” とこれまた至極当たり前な返答になるので痛快。当然これは人質の件についてであり、差別の歴史についてでもあるわけですよね。

『僕とロボコ』

 千鶴くん。出オチ的な設定なので不安もあったんですが、無事再登場。ただ、彼がメインとなる回以外、つまり彼が脇役に回ったときにどうなるのかは気になる。
 んで、ロボコに飲み込まれる。夢みたいなものなので、夢のように飛躍のような展開が繰り返される。ナンセンスギャグに対して「夢だから」という理屈を通す。案外こういう悪夢もありがちな気がする。さすがにツッコミは入れないけど。入れたらほとんど明晰夢
 ブロードウェイミュージカル。『キャッツ』なのでロボコが猫型ロボットに……。単行本の表紙以来のヤケクソみたいなストレートきたw さすがにポケットはない、というところに宮崎先生の誠意を感じる。
 ロボえもんも面白かったんだけど、個人的には クリロナみてーだ!!” が妙にツボだった。急に現実の話が出てきたので……。ちなみにクリロナの保険は155億円らしいです。ロボコのすごさがよく分かりますね。

『アンデッドアンラック』

 ブラジルの貧困街、成り上がりのために陸上にいそしむ少年たち。こういうのってサッカーかバスケとかのイメージ(つまりプロリーグで儲かるスポーツ)だったので、陸上なのが意外だった。まぁ、己の身一つで勝負するという意味ではどのスポーツよりもピッタリなのかもしれない。実際ありそう、とは思った。
 んで、発言。止まると止まらなくなる。このルールが無駄にややこしいというか、今までのキャラとかなり毛色が違う気がする。より明確に神の悪意を感じるというか。まぁ、恣意的な人選とかは過去にもあったか。ひでぇ奴だw
 そもそも「停止」という行為が「走るのをやめる」という否定行為なんですよね。なので不停止は否定の否定。ややこしい。若干の何でもアリ感がある気もするんですが、まぁこのややこしさがあるが故に、エピソードに深みが出てた側面もある、気がする。
 スカウト隊は車で来たので、イエスの返事をする際、車を追いかけるアクションが入ったのが良かった。あそこで彼がまた走り出す、というのがエモい。

『夜桜さんちの大作戦』

 長男はとにかく強いので、他の兄姉の協力、スキル、助言をフル活用して何とか食らいつく。長男のラスボス感。試験の最終試験感としてとても良かった。ドラマチックでめちゃくちゃ面白い、んだけど同時に「いくらなんでも太陽以外のこと無視した試験じゃね?」とかは思わんでもない。まぁ、正攻法(動じない)でクリアすることも可能だったんだろうけど。
 んで、長男の開花……だよね? 目隠れキャラなので開花してんのか分かりにくいってのは面白い。この後開眼してさらにパワーアップする余地を感じる。
 そんな開花の内容が慈愛の掌ってのも良い。守るチカラという意味では太陽と近いんですよね。似たもの同士なんだけど、どうしても長男のは過保護とかそういう不気味さを感じさせるバランスになっててとても良い。

センターカラー『破壊神マグちゃん』

 カラー扉、シンプルにマグチヌでめちゃくちゃ強い。ちょっと強すぎる。じっと見つめるチヌの瞳で死ねるし、一方マグちゃんはどこ見てるか分かりにくいんだけど代わりにチヌの首にはわせた触手に愛を感じる。
 本編。チヌが可愛い。ひたすら可愛い。思ってた以上にチヌ出ずっぱりなので最高。何なら流々ちゃんの出番を押しやってるレベル。ここまでマグチヌにフォーカスする内容になるとは嬉しい誤算。
 ただ、序盤で流々ちゃんがチヌと戯れる場面も描かれるのでそっちの絵面としてもおいしい。流々ちゃんよりマグちゃんに対する愛が強すぎるってのもあるけど、単純に流々マグの体格差ってのもあるよね。流々ちゃん相手だったらたとえ全力で甘えてきても「こらこら」みたいな微笑ましいバランスに収まると思う。マグちゃんだと一気にバイオレントな印象になる……んだけど可愛い。あむあむされたい。
 レアキャラのミアちゃんも登場。これはマジで驚いた。まぁ、忠犬としてのチヌ、放し飼いのミア、という対比なのかな。
 尾瀬姉妹。男児的なキャラクターかと思いきやメルヘン趣味出してくる感じとか良いよね。そもそもプロフ帳もそうだけど、たまに「女の子だ……」とびっくりすることがある。少年漫画における性の対象ではない女性主要キャラ、みたいなのが意外と珍しいってのもあるかもしれない。
 からの軽トラ。この手の軽トラ展開(軽トラに限らない)、不条理の極みというか、作劇の都合をめちゃくちゃ感じるじゃないですか。それに対して事前に、チヌに引きずられるマグちゃん(止められない)、飼い主による “車に気をつけてね” 、そしてプロフ帳回収の命令、とこれでもかとロジックを積み重ねてるので笑った。こんな丁寧な軽トラ展開見たことないw
 ここまで理屈がガチガチすぎると、正直、飼い主の “車に気をつけてね” の段階で違和感を覚えるというか、ちょっと引っかかるので「あーやっぱり」みたいな感じもある。『ウィッチウォッチ』に一見ナンセンスギャグみたいな魔法が出てきたら「どうせ後でうまい使い方するんでしょう?」と疑ってかかるのと同じ現象。それは健全な読み方と言えるのか……。ラップ聴いてて、小節のケツが体言止めだったら「これと何で踏むんだろう」と察しちゃう現象と似てる。まぁ、そう考えると別に健全の範疇な気もしてきた。ただの期待。
 ラップのたとえで言うと、終盤の展開は「もうこれ全部どこかしらとかかってるんじゃない?」という感じで圧巻だった。肉体の修復、見栄、変化した2人の体格差、そして「お手」。あれやこれやと事前の布石が利いてくるので笑う。やっぱチヌ回は作者的にも気合い入ってるんですかね。私がチヌ好きでアンテナ感度ビンビンなのかもしれないけど、いつも以上に組立が緻密な気がする。
 そして、今回最も感動的だったのが川。チヌに泳ぎというアクション的な見せ場があったのが眼福ってのもあるんですが、そもそもマグとチヌの出会いって雨の日ですからね。ずぶ濡れのチヌをマグちゃんが拾ってくるところから2人のドラマは始まってるわけです。今回水に落ちてマグちゃんをチヌが助けるのはそれを反転したものになってるわけですね。泣ける。

『アオのハコ』

 おさらいページが始動。内容は割と普通でした。てか、基本設定である同居については説明してない。まぁ、本話の内容に沿ったおさらいってことなのかな。
 本編。女バスとの交流。互いの日程を知ってるけどそのことを言わない大喜と、言う千夏。冒頭にカレンダーを見るシーンから始まったのも含め、良い場面。すげぇ地味だけど、2人の機微がうっすら感じられる。気がする。千夏先輩が日程覚えてたのはどう考えても大喜の日程だからだと思うんですが、当の大喜がすっとぼけなので笑える。ただ、学校だよりを読んでるのはガチ。
 大喜が日程言えなかったのは「なんで知ってんの?」とツッコまれるのを恐れたのもあると思うんですが、そんな大喜が勝手に考え込んでる心理が次の「千夏先輩の荷物を持ってあげる」の件と共通してるのが面白い。ただ、今度は適切な解答(ただし色恋的なニュアンスは極小)を導き出す。可愛い後輩ムーブ、素直に良かったですね。たぶんあれは男の先輩相手にやったことがあるから咄嗟にあのアイディアが思いついたんだと思う。
 からの偶然出会った先輩後輩のフリをしつつ自己紹介。めちゃくちゃエモい。このまま告白して完結!! となっても違和感ないw

『ウィッチウォッチ』

 本格バトル回。なんだけど、セリフ量の割にアクション的なコマが少なくて、本職ではないのを感じる。もちろん話としての理屈はあるので、そこまで酷いとかは感じないんだけど、意外とバトル的な絵の高揚感はない、と冷静になると気づく。本話で最も重要な情報である、 “動きに型がないんだ” を示す絵が単独の決め絵のみなんですよね。連続性のある絵ではない。要するに振り付けが細かくあるわけではない。
 ただ、本職バトル漫画家じゃないけど「俺は理屈で勝負するんだよ」、という後半の展開が篠原先生の叫びであると同時にモイちゃんの叫びでもあるので、ちゃんと本作らしいバトル回にはなってて良かったと思う。理責めになってからが本番。
 見て応援してるだけ、というのはちょっと間抜けな絵面でもあるんだけど、愚直な感じでそこまで嫌いじゃないです。そもそも魔女を倒した時点でニコチームの勝利は確定してるわけで、今回の戦いは余興というか、本人同士のロマンのための戦いみたいな感じですからね。他キャラが傍観するのは当然とも言える。
 敵を倒して捨て台詞、 “ちょっと熱くなりすぎたかな” はちょっと中二すぎて恥ずかしくもなったんだけど、「あのモイちゃんが恥ずかしいこと言ってる」の意味では魅力的な場面と言えるのかもしれない。あと、熱というテーマが今週の『呪術』と被ってる偶然も面白い。ごりっごりの本職バトル漫画だ。まぁ、今週のはバトルって感じではないか(絵はめちゃくちゃバトルだけど)。

『高校生家族』

 母、マネージャーになる。よくもまぁこんなにイヤなシチュエーションを次々思いつくよな……。くっそベタなマネージャー像を実践してる母、とう絵面がダメージでかすぎるw
 というか、マネージャーという今時どう扱っても良い話にするのが難しそうなテーマを「母が母性で成り上がる」という話にしてるのが良い。理想のマネージャー像という嘘臭さの相対化であり、「同じ学生であるマネージャーに母性を求めるってどうなの……」という批評性すら感じる。もちろんそこがメインの話とは思わないけど。
 のぶかつがマネージャーに恋する野球部員っぽく描かれるんだけど、実際に求めてるのはマジで母性。 “オレだけの母さん… いてほしい…!” と吐露するので笑った。キモいとかそういうリアクションではなく、 “お前の母さんじゃないだろ!!” とリアル息子にツッコまれるのがまた良い。特殊な事例すぎる。

『NERU-武芸道行-』

 少年漫画の運動部における女性キャラの扱いって難しいよね、というテーマが共通してるw いや、本作は運動部ではないけど。
  “運動する時用のがあるんじゃねえの” は笑った。言い分は理解するけど、絶対言っちゃダメな奴だw 「ばちこん」のコマの古臭さも良い。超好き。カエル可愛い。
 そんな「女の子どうしよう」の件と入寮の話が平行して描かれる。学内最強キャラの一角がお兄ちゃんらしい。そんなお兄ちゃんによる妹溺愛。この手の溺愛っってギャグ的に描かれがちで、微笑ましいものとして扱われがちだけど、本作のは完全に悪い意味で「女の子扱い」の極みですよね。涙をこぼしながら最低なことを言うのがマジ狂ってて最高でした。
 んで、入寮の試験。また試験かい。これで要の件がなかったらちょっとキツかったと思う。逆に言うと、今回のはキツくない。うまいと思う。ただ、矢を放つ前に瓶を割ったのが無駄に気になるアクションで気が散ったというか、意味ないので少し混乱した。

 本編後にあらすじページ。コーナータイトルが付いてるのかは分からないので今後も定期的にやる奴なのかは分からない。今回はとりあえず人物紹介。ネルってネルマなんだったけ、と基本的なこと忘れてましたw

『あやかしトライアングル』

 セル完全体めっちゃ強いって話。生命力を操るチカラは裏返せば自在に死を与えることができる。草が成長し枯れるまでの描写も含め、完全に『もののけ姫』ですね。と思ったら後半にダイダラボッチ出てきたので笑った。そのまんまやん。矢吹先生こないだの『もののけ姫』テレビ放送観たでしょ。観てこの話思いついたでしょ。
 と思ったんですが、ちょっと今回のエピソード、キャラは物語的な重要度がやんごとないので、さすがにこれはもっと計画的に、もっと前から考えてたのかもしれない。にしても『もののけ姫』が元ネタなのは疑いようがないけど。偶然だとしたらテレビ放送を知った際の矢吹先生のリアクションが知りたいw
 ママ祭里登場。この強キャラ登場は普通に熱い。熱いんだけど、敵があんだけの大物だったら出てきて当然だよね、という納得もある。
 からの巨大モンスター戦。矢吹先生この手の怪獣展開好きなのね。前もあったよね。てか、目次で『ゴジラvsコング』の話してたか。

『レッドフード』

 こちらもおさらいページ。内容は普通だけど、デザイン的に一番凝ってる気がする。逆に見にくい、情報量が少ない、とも言えるかもしれないけど。
 本編。1ページ目でケイドロのルール説明なんだけど、ナレーションによる説明の直後に、セリフで “もし投獄されても 牢の外からタッチされれば脱獄できるぞ!” とまったく同じ内容の説明してるのでちょっと混乱してしまった。あまりに直後すぎるので別の新しい情報だと思ってしまった。これは普通に読みにくいだけだと思う。
 試験開始。真の強キャラは開始早々動かない。これまた『HUNTER×HUNTER』みを感じる場面だ。てか、ただ動かないだけなのにあまりに漫画的にアゲ感ある描き方してるのでちょっとだけおかしい。中二バイブスが強すぎる、とも言えるかもしれない。
 んで、狙いは手錠。その場の手錠の数がその場の試験者よりも少なかったら試験者が超有利。その場で脱獄無限ループできるから……と思ったんだけど少し違った。
 戦闘力では絶対に勝てない相手だけど、手錠を奪えばいいなら戦い方はある。これまた『HUNTER×HUNTER』みがある。手錠をかけようとしてる瞬間、別の人がその手錠を狙う、とか言い出したらさすがに一発アウトだと思う。いや、アウトとか存在しませんけど。あったら『呪術』は無期懲役

『ナミダ燃ゆる時』中野忍

 読切。ジャンプショートフロンティア。中野先生、前に1回読切載ってるみたいです。バトルファンジーの奴で主人公が鍛冶師の奴。2年半前だけど鍛冶師が特徴的すぎるので何となく思い出せた。本誌以外での活躍は知りません。
 熱血野球部漫画。スポ根ってすぐ泣くからイヤよねぇ……というのを相対化したようなキャラで面白い。感情表現が大げさすぎる、というスポ根漫画。メタ的なアプローチ、アイディアですね。これならショート読切でも勝負できる、という判断も納得。
 厳密には感情表現が大げさなのではなく、感受性が高すぎる。だから捕手としては敵の心理を細かく読み取ることができるので強い。このロジックは面白い。面白いし、かっこいい場面で泣いてるのも絵として良い。
 と思ったら物語はかなり詰め込まれてるというか、普通の尺の読切、何なら連載とかでやる話をものすごーく凝縮して15ページにまとめてるような印象。先週のとか顕著だけど、ワンアイディア勝負みたいな作品がショートフロンティア多いじゃないですか。こういう普通の漫画的なアプローチは逆に珍しいですね。いくら何でも性急すぎるとも思ったんですが、この「感情の起伏が激しすぎる」ってのは本作のメインキャラと同じなのでひょっとしたらそれも計算ずくなのかもしれない。
 んで、ある日を境に泣かなくなる。その理由が一番の見所ですね。感受性が豊かすぎて、最も関係性が深い相手にことを考えすぎた結果、泣かない。共感、同調の極みとしての不涙。いや、そんな単語はない。『アンデッド』のノリでいけるかと思った。ごめん。
 終わり。いつものショートフロンティアを考えると詰め込みすぎな気もするんだけど、まぁ15ページで普通の物語の満足度を得られたと考えるなら全然良いことな気もする。あとメインのロジックの部分がしっかりしてて個人的には好みです。

『アメノフル』

 因縁の再会が熱い……と思ったら “ダサイって言われたから変えたのか!?” なので笑った。再会で言われたくないことの極みだ。女子に言われて傷つく、という本作で定番になりつつあるギャグも面白いけど、今回は男子同士だからこそ指摘されたくないことになってて良い。あんなの立ち直れないよ……。
 からのツムギ。まさかの覚醒展開。まさかまさかの巨大ロボ。ここはマジで笑った。間違いなく今週一番笑った。最終回間際の超展開と思いそうなんですが、以前にあった「ペロペロキャンディじゃなくて棒使いになっちゃう」の件がここに繋がってくるんですよね。巨大ロボのデザインが明らかに『鉄人28号』が元になってるんですが、『鉄人28号』といえば元祖ショタ……ではなく、あの印象的なリモコンじゃないですか。あの箱から棒が2つ飛び出たデザインの奴。棒2つでどうやって操縦するんだよ、的なツッコミがお馴染みだと思うんですが、この棒2つをツムギに当て込んでくるからすごい。無茶苦茶に見えるけど、意外とツムギの(作者の)意図は読めるというか、思考の流れはしっかり理解できる。ナンセンスギャグかと思ったらその奥に理屈が見えるというか、背骨みたいなものが感じられる。めちゃくちゃ不思議な読み味で面白い。

『学級国宝パワースポット三上くん』長田憲之介

 読切。『ブラクロ』が急遽お休みだそうです。ただ、穴埋めを巻末に移動させる余裕はあったらしい。目次コメントもあるし。あともう一歩で読切が4本載る快挙でしたね……とか考えちゃった。
 本編。ジャンプ漫画らしく特別なパワーを持った主人公の話。パワーはパワーでも戦闘とは関係なく、パワースポット的な意味のパワー。この一発特大のアイディアで突っ走る感じはショートフロンティアっぽくもある。まぁ、ギャグ読切って大体こういうアプローチやろ、って話でもある。
 アイディアが面白かったし、雑に縁起良さそうなものが詰め込まれてるキャラデザも好き。そっから「普通の高校生活がしたい」という目的が結構普通というか、割と王道なテーマなのも意外。そんなちゃんとした話にするには出発がぶっ飛びすぎでしょ……という困惑込みで面白い。
 からの沼林くん。イジメ描写が結構陰惨というか、すげぇイヤな感じ。ただ、沼林くんのリアクションが面白すぎるというか、「だから狙われちゃうんだよ」的な納得。イヤな納得である。良い子なのも伝わってくるけど……というギャップ。 “そっちが本命かぁぁ” とかめっちゃ好きよ。好きだけどオモシロリアクションしてる場合じゃないのよ。
 沼林くんの逆襲。背中に不動明王入ってる、は笑った。高校生でいかつすぎる。不動明王自体は御利益ありそうな、縁起の良いものなんだけど、それが背中に入ってると途端に意味が変わってくるのよ……。
 終わり。主人公のインパクトで始まったのに途中から沼林くんの話になってるので笑った。ボケるべきは主人公だろうよw

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 9/6はクロスワードの日。なので週ちゃんクロスワード。こういうのはガチでやります。答えはAからIの8文字。アナグラムではないのでAから順に埋めていけば次第に答えが浮かび上がってくるんですが、4文字目あたりで「ウソだろ……?」という予感がして笑いました。5文字目以降も予感が的中。なんでそれが答えなんだ。
 なんでやねん、とここに答え書きたい気持ちは山々なんですが、答えを書いて応募するとちゃんと賞品が出るので、ここに答えを書くのは適切ではない……。めちゃくちゃ笑ったのに書けない。
 ということで、良かったら皆様もやってみてください。簡単だよ。

次号予告

 『高校生家族』が1周年だけどセンターカラー。特大センターカラーらしいので一応1周年らしさはある。
 あと、来週のショートフロンティア、以前読切掲載時に、好きな漫画として『サイボーグクロちゃん』を挙げてた人です。生涯ベスト漫画は『クロちゃん』なのでよく覚えてます。

目次

 『ONE PIECE』100巻おめでとうコメントが多いんですが、決して全員ではないので、コメントを命令された感はないかな。「書くことなかったら100巻なので……」みたいな感じだったのかもしれない。

アシスタントさんが自動車運転前にワイスピの話を始めて心臓に悪い。
(『呪術廻戦』)

 ジャンプで『ワイスピ』の話題って意外と出ないよね。有名映画で、めっちゃ長いシリーズなのに。ジャンプと親和性ある映画だと思うのに。

愛読者アンケート

 『ONE PIECE』関連メディアについて。「ワンピーズマガジン」、買ってない。公式youtubeチャンネル、存在を知らなかった。フジテレビの月1放送、存在を知らなかった。厳密に言うと、漠然とは知ってたけど月1放送とは知らなかった。tvアニメ、時々みてる。選択肢に当てはめるとこうなるんだけど、実際はもう全然観てない。その下の選択肢が「知ってるけどみたことはない」なので極端なのよ。ちょうどいい奴いないのかよ。
 夏休みに読んだ本。ほとんど雑誌しか読んでない……。たぶん雑誌は除外っぽいんですよね。だとすると2とか3、かな。全部漫画です。なんかヤバい気がしてきたw

総括

 終わり。自惚れたこと言うと、今週はなかなか良いこと書けた気がする。良いことが書けた部分が多かった気がする。たぶん私の心持ちとジャンプの内容とちょうどよく合致したんだと思う。

 今週のベスト作品。『マグちゃん』だよ。ぶっちぎりだよ。
 次点は読切。3つ全部でいいよ。あとは『ONE PIECE』と『高校生家族』。

 今週のベストコマ。『食戟』の “急にそんな無邪気な顔されたら” のとこ。サンジの方ね。サンジというキャラクターを、サンジの成長をああいう角度で描くのが新鮮でした。原作にはない、けど間違いなくサンジの物語になっててすげぇ良かったです。

 最後。今週のベストキャラ。こちら。

  • チヌ 『破壊神マグちゃん』
    • 思考停止で選んでる感あるんですが、いやけど今週の『マグちゃん』マジで良かったでしょ。今週のチヌどうかしてるレベルで可愛かったでしょ。上木先生、チヌ好きすぎでしょ。もしくは、チヌ回気合い入りすぎでしょ、というのが感じられた。たぶん。

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