北区の帰宅部の意訳

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『八乙女×2』初回の感想

八乙女×2 - 氏家ト全 / 【第1話】5月の転校生 | マガポケ

 新連載!! まさかこんなにも早く新作にありつけるとは。たったの半年。これからは月イチです。よろしくねー。
 ということで感想書くんですが、作品のフォーマットが微妙に違うので、感想どうやって書こうか‥‥みたいな迷いはある。脳味噌の動きというか、ブログを書く際の行程が『生徒会役員共』の頃は完全に固定されてたので。そもそも、この記事の構成も少し違ってくる。
 と、余計な話をダラダラと書いてしまってる時点でいつもの『生徒会役員共』記事とは違ってしまっている。ソワソワ感。

第1話「5月の転校生」

 そもそも4コマなのか否かがファンとしては気になるところなんですが、カラー扉(珍しい)に続くのは非4コマ。通常のコマ割り。これは『プチたん』以来の‥‥とか思ってたら途中から4コマ。やったぜ。日常が始まると4コマになったので、冒頭のショート漫画は初回限定の特別仕様なのかな。毎回混合になる可能性もありますが、そういうのは次回以降。
 ただ、途中で場面転換(日にちが変わる)すると、上段がぶち抜きで1コマ、下段に4コマ、というページが二度差し込まれる。ひょっとしたら今月は実質一挙2話掲載だった可能性もある? 途中でこういうの入るの珍しいですよね。毎回やるのかな。
 あと、4コマ連載で、別冊スタートということで『生徒会役員共』のことも思い出してしまうんですが、だとするといつか本誌の方に移籍する可能性‥‥はどうなんだろうか。同じルートとしてはあるけど、今の少年マガジン、別の「生徒会」漫画が始まったし、本作者の太鼓判みたいな打ち出し方してたので、「いやあんたも来るんかい」みたいなことにならないだろうか。まぁ、私としては定期的に読めればオッケーです。感謝しかないのよ‥‥。

 冒頭のショート8ページ。タイトルロールの2人の出会いから始まるんですが、いきなり脱ぎがあるので笑った。初読時だと、「やっぱり下ネタなのか?」みたいなところが気になるわけですが、この脱ぎが様子見のジャブだったみたいな印象。別に下ネタってわけじゃないけど、氏家ト全作品でこういうことされると‥‥と身構えちゃう。こういう緊張感、新連載の初読時特有なのでたまらないぜ。
 結果として、下ネタはあった。まぁ、当然っちゃ当然なんですが、だとすると小学生設定が気になってくる。下ネタをやるにしてはどう考えても制限が強すぎる気がするんですよ。しばらくはここらへんの「小学生らしさ」に注目して読むことになりそう。
 劇中に「モンデス(モンスターデストロイヤー)」という『モンハン』と何かを掛け合わせたようなスマホゲームが出てくるんですが、カイの使ってるキャラがハゲマッチョかつ本名なので笑った。めちゃくちゃリアルやん。幼稚園児だろうと平然と下ネタを言う世界、とはちょっと違うリアリティを感じる。世界というか個人の問題だろうけど。とにかく異性に対する興味もまだない(恥ずかしい)というのがうっすら伝わってくるのも、本作が下ネタを扱う上では重要な情報になってきそうですね。

 2人(各母親も)の出会いが済んで、いざ登校、というところで4コマスタート。最初は5コマだが。
 先ほどのショートに続いてカイ母が下ネタ。当面は頼りになりそうなキャラだと言えそう。それに対する “小6になると意味がわかるからやめて” というツッコミも小学生設定ならではの機微があって好き。そもそもツッコミ役(カイ)が理解できるのかどうか、という一線がありますね。
 あと、学校は私服。小学校だと制服は珍しそうだけど、大人の都合とかも考えてしまった。要するに本作はオール私服。それもただの私服ではなく小学生の私服。まためちゃくちゃ手間のかかりそうなことを‥‥と感動してしまう。

 「どっち」。ハルルはジト目なのでウオミーやコンスたんからの系譜を感じてしまうんですが、ウオミーと違って年上設定がない。ウオミーはお姉ちゃんだったけど‥‥という違い。
 『妹は思春期』カナミ、『生徒会役員共』コトミ&ウオミーに続いて妹でも姉でもない同じ苗字の異性、みたいな見方もしてしまう。

 「運命の輪」。同じ学校、同じクラス、からの‥‥というオチ。ここらへんの情報量の少なさ、基本設定の提示で1本費やす感じ、連載初期って感じで好き。着々と土台作りがなされていく良さ。笑いの瞬間風速が大きくなるわけではないけど、この味わいは新連載じゃないと味わえない。

 「2人の関係」。男友達と女友達が登場。一気に4人も出てくるので驚いたし、男子が2人もいるのですごい。男友達の数がたった1話で『生徒会役員共』を越えた!! 桜才と違ってハーレム設定ないってのもあるけど、ここでも小学生という設定が利いてきてると思う。まぁ、全然ボケなくて今後出番がない可能性もあるけど、『生徒会』以前の作品を比較しても異例の存在なのでめちゃくちゃ気になる。

 「おしえてください」。泉ルイが2コマぶち抜きで自己紹介。友達で唯一本話で名前が明らかになる。もう1人の女の子も出番は多いんだけど、オチに関わる、ツッコミという出番は未だにゼロ。「ツッコミはルイちゃんに任せろ」的なことなのだろうか。森ノゾミもしくは矢野アキポジション。
 こういう、新キャラに対する「お前はどっちなんだ‥‥?」と様子見しながら読む感じ、めっちゃ良いわw
 ハルルのボケ(下ネタ)がどこまでの深さなのかというのも気になる点でして、本話だとまだまだ大人しい印象。 “赤ちゃんってどこからくるの?” 、ハルルは答えを知った上でボケてる可能性もあるけど、マジで疑問に思ってる可能性も大きそう。だとすると耳年増による下ネタというのも今までの作品とはかなり違った内容のものになりますね。

 「カラダに染み付いてるんです」。ここでもトイレ。今回、ハルルのネタにやたらとトイレが出てくる。『生徒会役員共』だとコトミやスズがトイレ関係のネタ多かった印象ですが、作者の中で「女の子と言ったら」みたいなイメージあるのだろうか。いや、スズは主人公基準で年下ではないんですが。
 泉ルイではない方の女の子、下ネタと遭遇しそうな雰囲気あったけど、無事回避です。そもそもハルルがどこまで下ネタぶっ込んでくるタイプなのかも分からず、楽しい緊張感だぜ。

 「午後の授業」。セリフが最小限で「運命の輪」と同じように言葉遊びのようなネタ。極めてシンプルなんですが、ここでハルルが寝てしまうことで今後話が展開していく。
 高校生の居眠りと小学生の居眠りだと後者の方が深刻というか、「ダメでしょ」って起こしたくなる感じあるよね。『生徒会役員共』を長期間読み過ぎたせいもあって、こういう細かいところがやたらと面白い。

 先生が介入。オチとしてはハルルの子供らしい耳年増的なものなんですが、先生がモノローグでぶっ込んでくる笑った。下ネタというほどではないけど、只者ではなさそう、という期待。
 カイの “もっと子供らしい言い訳をしては?” は小学生で下ネタをやる(たぶん)本作においてかなり象徴的なツッコミだったと思います。

 ハルルがあくび。そこに泉ルイではない方の女の子が声をかける。不用意に声をかけると下ネタがふっかけられるのでは‥‥と思ったらない。てか、彼女はハルルの前の席なのですね。左端で窓際。ハルルが最後列でその右隣がカイ。ここまでハッキリと席の位置を意識させられるのも地味に新鮮。

 8コマ。ここで話が一区切りという感じ。最後は8コマにしてまとめるスタイルが作者の中でも定着しちゃってるのでしょうね。特に『生徒会役員共』の長期連載によって確立された感のあるフォーマット。
 6コマ目で落ちた風なんだけど、そこにツッコむのではなく優しく手を差し伸べる。連載初期ならではのまったり感なのか、はたまたカイの優しさか。優しいのは間違いないけど、ツッコミ役としてまだそれほど揉まれてないので‥‥みたいなことも感じる。

 後日。5コマから始まる。この一挙2話感よ。これ続くようだったら本誌に移籍して毎週4ページの連載になるフラグ、という見方もできるかもしれない。
 後半の舞台はマンション。学校も大事だけど、やはり本作の基本設定は「隣人」なので、初回はマンション多めということなのでしょう。

 「もうタプタプ」。再び(三度?)ハルルとトイレ。彼女はそこまで耳年増じゃないので小学生女子が繰り出す下ネタはトイレ関連が多くなりがち、みたいな傾向はあるかもしれない。「ハードな下ネタやらないとかマジか!?」みたいな驚きもあるんですが、ここらへんはマジでまだ分からないんだよなぁ。

 「念のため」。ハードな下ネタはまだないが、膀胱ネタとしてはかなり踏み込んだレベルになってくるので笑った。いや、小学生だと案外可愛らしい話の範疇だったりするのかもしれない。小学生が立ちションしててもそれほど問題視されない、みたいな感じで(多少は怒られるが)。

 「黄金の雨」。マンションの階段から2人で雨を眺める、という絵面が何ともエモい。センチメンタルな雰囲気になったのに、ハルルは未だに膀胱ネタをひた走る。しかも階段である程度の高さにいることを踏まえた、結構とんでもない行為をしようとしてるので笑った。非常階段の隅っこに立ちションした方がまだ可愛いと思えてしまう。

 「まわる舌」。モンデスの話題が再び。気を逸らすというカイの優しさだったのだが、思わぬ返答で‥‥というオチ。このオチを踏まえると先ほどの「念のため」での空のペットボトルのネタがより意味深になってくる‥‥。さすがに考えすぎだと思いたいけど。そもそもスマホゲーですし。

 「おやつの時間」。8コマ。カイくんちでトイレを借りる。円環のような締めでしたね。ここまでトイレネタをこすり倒す初回になるとはw
 先ほどにも出てきたコンビニでの買い物というのがここでも活きてきて、一緒にアイスを食べる。名前は「ガリチョコ」。商品名が下ネタのダジャレになってるのかと思いましたが、たぶん違いそうですね。心が汚れている‥‥。
 オチ。マイペースで表情が崩れないハルルが最後の最後に激しく動揺。めちゃくちゃ子供らしくて可愛かった。普通の小学生という一面もしっかりあるのですね。そんな顔を初回の最後に持ってくる、というのがうまい構成だったと思います。最後の最後でハルルというキャラクターのイメージ、振り幅が一気に広がる。


 終わり。さすがに全ネタにいちいち感想書いていくのは無理があったのではないか? とどのように感想書いていくべきかマジで分からない。どう考えても感想が無駄に長いというか、もはやもう1周本編読めちゃいそうな気がする。
 ちなみに次回は「給食ネタと忘れ物ネタ」だそうです。やっぱ一挙2話みたいな感じが続くのかしら。ページ数とかも含め気になることばかりだぜ。
 あとはやっぱ下ネタだよなぁ。完全にゼロとは言わないけど、かなり意図的に減らしてくるような雰囲気は感じた。『プチたん』開始時とはまた印象が全然違う初回でした。
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