北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年36・37号の感想

 ここ数日自分でもびっくりするくらい気力がない。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。モイちゃん。あまりにシンプルなコマなので意外。実質主人公の初登場がこれでいいのか。いや、実にモイちゃんらしいんだけど。

表紙

 合併号なので集合。各作品から主要キャラツーショットからフォーショット。全部で55人らしいんだけど、ホントかどうか数える気力はない。
 当然ヒエラルキー上位の作品が人数多い。4人は『ONE PIECE』のみですね。露骨すぎる。
 キャラの人選的に3人の方が収まりがいいとか、2人の方が収まりがいい、という事情はまったくの無視。完全に上の方の作品が3人で、下は2人。2-3人の境としては、『あかね』と『一ノ瀬家』。まぁこの線引きは割と納得。ここには苦情来ないと思う。
 人選が意外だった作品でいうと、『ONE PIECE』がルフィ、ゾロ、サンジ、チョニキ。サンジじゃなくてナミだと思った。普通に登場順と特別チョニキ枠じゃないんだね。まぁ、ルフィが2人の肩に手をかける、というポーズ的にナミだと違和感がすごい、という感じかしら。
 あとは『呪術』。五条、虎杖、乙骨。どう考えても「伏黒が2人目だろぉ?」ってなるんですが、現在の伏黒さんのことを思うとまぁこの3人になるのもやむなし。一応乙骨パイセンは映画の主役ってバリューもあるし、五条は最新アニメの主役ということで主役3人が揃ってキレイだったと言えそう。しかし、乙骨が爽やかな笑みを浮かべてるだけで笑えてしまうのは何なんでしょうね。面白すぎる。

尾田っち初期読切アニメ化のおしらせ

 生前のリューマの読切ですね。本編の連載より前の読切で、本編の前日譚である作品で、『呪術』1期と映画でお馴染みの朴監督。人選が分かりやすすぎる。『呪術廻戦0』の夢をもう一度、という大人の計算が剥き出しすぎる。
 『呪術』の2期どうなるかまだ判断できませんが、朴監督が続けてたらどうなってたんだろうなぁ、と思うこともしばしばあるので、これはこれで楽しみです。どういう形で公開されるのか分かりませんけど。

読者プレゼント

 夏祭りの、射的。射的のみでやりきったのが見事だったと思います。夏祭りでいいのに。そのがネタのバリエーションもあっただろうに、射的ネタのみで各グッズのキャプション作られててちょっと感動しちゃう。
 関係ないけど、射的でよく最新ゲーム機が置いてあるけど、「取れるわけねぇだろ!」ってなるよね。祭りの最終日くらいになるとなくなってたりして当時は「誰が取ったの!?」ってなったけど、たぶん演出だったのだろうと今だと思う。

巻頭カラー『あかね噺』73話

 見開きのカラー扉。実質水着グラビアなんですが、志ぐま師匠がバキバキの腹筋してるの面白いな。気を抜くと男の裸体ムキムキになりがち、という漫画あるあるだと思うんですが、もうこれを期に「実はムキムキ」キャラとして本編でもイジってほしい。「ベストパフォーマンスを維持するには筋トレ必須!」みたいな感じであかねに筋トレ押しつけてほしい。
 本編。あかねの結果発表。惜しくもひかるに負ける。現場にいる人の評価はひかると同じか上回ってたものの、配信で大きく劣った分総合点ではひかる。配信は客が一度飽きるとそもそも画面を観ない可能性があるので、という指摘は面白かった。たしかに出番も最後だったし、トイレとか行けちゃうわけだよね。そんなのに採点させんなよ、とはちょっと思うが。
 魁生。 “高座は自分探しをする場所じゃないよ” は笑った。その通りすぎる。ただ、「最初から完成品持ってこい」という指摘は、上記の配信で負けた点とも関わってくるので、敗因分析としても鋭かったとも言えそう。

『SAKAMOTO DAYS』130話

 本当に赤尾なのか問題。ここに疑いを持つのは当然だし、坂本の “恐らく×が作り出した人格の一つだ” という指摘はごもっともなんだけど、漫画的には「いやどうせ赤尾なんだから」という気もする。なので、ここで「ホントっぽいっすよ」と説得力を持たせられるシンがいるのは便利で良い。
 話の中心は赤尾もしくは晶なんだけど、本話の主役はなんと鹿島。マジかよ。嬉しい。スラーしゅきしゅきで暴走するけど、即ボコボコにされちゃう鹿島可愛い。バトル漫画だと序盤に登場したキャラは強さのインフレについていけなくて出番と少なくなったり、キャラが弱くなったりしがちだけど、鹿島はむしろキャラが濃くなってるし、強さがついていけなことが可愛さの底上げになってる。
 最終的には無害化(無武器化)した鹿島をお持ち帰り。もうおいしすぎるでしょ。事故的に魅力的に見えてしまったキャラではなく、作者が意図的に、計算して可愛く描き、主人公チームに加えた、という周到さが窺える。

ONE PIECE』1089話

 世界的な情勢、戦況を整理する回かと思ってたら、最後の最後に一気に麦わらの一味の大活躍で締められる。見事な構成だったと思うし、まんまとぶち上がってしまった。五老星を相手に情報を盗み取る一味がかっこよすぎる。最後の見開きが最高ですし、海賊という悪役としてのかっこよさが溢れてるのも新鮮。この一計はやはりナミが考えたのだろうか。五老星を手玉に取るとか大悪党すぎでしょ。ベガパンクも少しは知恵を貸した、とかもあるのかな。

センターカラー『GOD ARMS』Boichi

 読切。合併号にふさわしいビッグネームですな。
 本編。神が人類を滅ぼそうとする中、スサノオノミコトが人類を守るために舞い降りる。神は人にアイテムを託して繋がると神のチカラを使わせることができる。神が直接地上を壊滅すればいいと思うんですが、まぁワンクッション必要らしい。
 そんな設定はあるものの、正直そんなに重要ではない。シンプルながら面白そう、もしくは連載とかでありそうな設定ではあるんだけど、そこの掘り下げとかには注力せず、とりあえず一度のドハデバトルにすべてを注ぐ。そんな作品。読切の姿勢としては文句ナシだったように思います。こういうのでいい。特にビッグネームの凱旋読切とかの場合は特に。凝った話とかキャラもいいけどね。コンセプトだけで、あとは絵として楽しい、それだけ、みたいな作品も嬉しい。
 スペックでは大きく劣る戦いだが、地上での物理法則は当てはまるし、相手も人間な以上体力や知力に限界はある。それなら戦いようはあるでしょ、というロジックが最低限あるのも良い。『dr.stone』感あってファンは喜ぶだろうし、シンプルにバトル漫画らしいロジックになってて好き。
 からのドハデレールガンで勝利。またレールガンか。最近のバトル漫画レールガン大好きすぎだろう。まぁ、中二心のようなものがくすぐられるというのは少し分かるけども。
 そんなレールガンぶっぱ。冗談みたいに見開きが連発するのが良かった。別にセリフとか展開があるわけではなく、発射、着弾、リアクションという動きを丁寧に見せるだけ。そういやBoichi先生ってこういう見開き使いしてたっけな、と懐かしい気持ちになった。と同時に、このシンプルにドハデ、シンプルに高火力な描き方が痛快でした。読み終わって「とりあえずすごかったな」となる感じが良い。魅力が本当にシンプル。ひたすらハデだが作品としてはミニマムな印象もあって、そこがちょうどよかったです。

『アオのハコ』112話

 雛。こないだ雛については「もう決着つきました」とアッサリ示されたので、そのまましばらくは退場すると思ったんですが、「そう簡単に割り切れるかい!」と話になる。これはこれで嬉しい。そりゃ振られたショックとどう向き合うか悩んで、一旦折り合いがついたと思ったら振った相手が「彼女できたんだ」だもんな。やっぱ辛ぇわ。
 そんな雛のドラマに関わってくるのが匡と菖蒲。すべてを察するメガネと、理解しようとしながら寄り添うギャル、という感じだろうか。匡が言い掛けた瞬間に遮られるのとか最高だったんですが、やはりドラマ的な意味では(ドラマの主人公になりそうなのは)菖蒲の方が強いですね。雛の話だったけど、今にも菖蒲のターンになってしまいそうなキャラの強さを感じる。基本的には常に感情剥き出しなんだけど、自分でも理解しきれない事態に直面し、彼女の中で何かが動き出す……というワクワク感がある。バカなりに必死で考えて限界ギリギリのところで決断を出して、といいうのを繰り返してる感。
 まぁ、そんな分かりやすさの横で、匡にもドラマはあるはずで、そろそろ彼も気になってきたよ、という蓄積も感じる。3人がそれぞれ思ったことを口にしない(自分で整理できてない)ので、それが交差するのがドキドキするし、一番達観してそうな匡だって……というところに鉱脈を感じる。

『呪術廻戦』231話

 基本的にはステゴロ。ただのステゴロでも五条のはひと味違って、そして同時にスクナは一発逆転を狙って虎視眈々と……という緊張感。ひたすら殴り合ってて爽快だし、ひたすら楽しい回なんだけど、これで決着がつくとは思えず、次の展開に向けた助走のようにも感じられる。
 完全に理解はできないけど……という観客席の解説が楽しいよね。説明だけど、説明になりすぎず、彼は彼らで頑張ってる感じがある。世紀の一戦を支える上でかなり良いシステムだと思います。

Jキャラクター全員集合 夏休み絵日記!!

 合併号らしい企画。絵日記ということで、漫画ほどのボリュームや情報量はないが、キャラや作品の魅力は十二分に感じられる。なかなか良い企画だったと思う。
 珍しかったのは『ONE PIECE』が扉絵じゃなくて一般参加してる点ですね。最近は特に少なかったと思うので嬉しい。まぁ、単純に「今尾田っちマジで忙しいから!」という都合もあるんだろうな。
 描かれるイベントとしては絵の部分がメインなんですが、劇中のキャラがそのことを日記として書いてる、という体なので、その文章や字まで凝ってて面白い。そういう意味では結構情報量の多い企画なのかもしれない。まぁ、どこまで凝るかは作家の判断次第ですね。
 字ネタとしては、兄弟姉妹の追加書き込みが交錯する『夜桜さんち』がサービス満点で面白かった。あと、『あかね』のギャルっぽいい丸い文字を馬上先生(たぶん)が頑張って再現してるのだと思うと可愛い。
 逆に、「劇中のキャラが書いた絵日記なんだから本編と同じ絵じゃおかしいですよね」というアプローチをしたのが『ONE PIECE』と『ロボコ』と『鵺』。『鵺』はまさかの膳野家フィーチャーなので笑った。アイディア賞というか、新人作家がやるにしてはカマしすぎだろ。やはり只者ではない。そして膳野くんの人気を川江先生が理解してる(もしくは単にお気に入り)という点が朗報ですね。本編にフィードバックされることを願います。
 内容として個人的に良かったのは『呪術』の、かき氷のジェネレーションギャップ。五条がすっかりオジサン世代になってるのが面白いし、さりげなく釘崎さんが出てる(出てない)という点もめちゃくちゃ良い。
 あとは『アオのハコ』。匡はメガネを外すと天下取りかねない、という情報はなかなか面白いし、これは本編でも見たくなってしまう。まぁ、もちろん「メガネを外したら……」というイベントの陳腐さを分かっててやってるんだろうけど。

センターカラー『アスミカケル』8話

 第2章というか第1章がようやく始まる、という感じ。今まで描かれた細々とした問題は驚くほどスムーズに解決し、二兎がMMAの道を歩み始める、という一点に集中する。いや、「解決」は大げさで、「整理」くらいのバランスだろうか。
 それにして、兄貴の問題は二兎が思ってるほど深刻じゃなかったのかもしれない、という話には驚いた。肩透かしでもあるが、正直二兎の手には負えない問題でもあると思うので、このくらいの調整はむしろ適切だったようにも思う。
 シンプルに感心したのは、学校での問題であった不良くんが練習相手として再登場した点。単に喧嘩自慢だからちょうどいいというだけではなく、一狼のファンなので……というワンクッションを入れてクズだったはずがちょっと可愛く見えてくる、という再調整をしてるのが良い。

『ウィッチウォッチ』120話

 夢の中の戦い。急に “夢の中で負ったダメージはそのまま本体に影響する” という知らん設定をぶつけてくるので面食らった。なんだその『マトリックス』のルールが当たり前に適用される世界は。『インセプション』とか『鬼滅』だと夢の中で死んだら現実で目が覚めるんだぞ。……まぁ、そこをいちいち理論武装してたら面倒くさい、というのも分かる。
 ただ、夢の中のルールが分からないというのは夢だから何でもアリ、という話にもなって、最後のカンシ逆転のくだりは正直そんなに乗れなかった。自信を失うと弱くなるという話なので、カンシが自信を取り戻す、思い出すことで逆転するんだけど、その思い出すくだりが唐突な回想だからな。それだったらネタバラシしないで、何も知らずに自信を喪失してるカンシのことを車でひき殺すとかした方が安全だったんじゃないだろうか。あんな勝手に思い出して元気百倍アンパンマンとかされたら術者としてはたまんないでしょ。

僕のヒーローアカデミア』396話

 やったぜ。ついにオールマイトの『アイアンマン2』のやつが来た。待ってたんだよぉ。待ちすぎてそれ以外の話がちょっと気もそぞろになっちゃってたw
 しかし、アレですね。ここまで期待通りの変身シーンを見せられると、前号のハイテク忍者の読切は本当に前号で良かったな……。同じ号でも悲惨だし、次の号とかにやっても比較されてかすんじゃってたと思う。
 サポートAIと話しながら戦って、前もって準備してきたものが次々と使い捨てにされながらギリギリで戦い続ける感じは『アイアンマン2』よりも『アベンジャーズ エイジオブウルトロン』のハルク戦でしょうね。映画だと。
 そんなスーツとシステムを作ったのは……と映画『2人の英雄』キャラが本編へ本格逆輸入。堀越先生の描くメリッサは意外とレアですね。この調子で映画オリジナルキャラを出してほしいが、まぁ2作目以降は無理か。
 ハッキリとは言及されなかったけど、作ったのはメリッサということになるんだろうか。因縁とかを考えると父のデヴィットの方がふさわしいと思うけど、獄中でどうするのよ問題がある(ネタバレ)。メリッサだと少し実力不足も考えちゃうけど、まぁ『2人の英雄』の時点から大きくプルスウルトラしたと思えば納得の範疇なのかな。マイトおじさま頑張って~!

『キルアオ』16話

 模擬戦でアクションを描いたかと思えば、中学生生活ではダブルデート。端的に言ってめちゃくちゃ面白かったですね。たぶん本作史上ベスト回ですわ。やっぱこういうキャラを動かすギャグ回やったら藤巻先生強い。横綱相撲を見た気分。
 天馬が圧倒的に良いキャラで、彼の登場で本作の潮目が変わったと言えると思うんだけど、そこからの部長の跳ねっぷりがまたすごい。ダメ男に捕まってしまうバリキャリOLのくだりとかマジ笑ったし、その後の3人の「私服大喜利」を目の当たりにしてツッコミに回ることになったのも最高。十三がツッコミを降りてボケに回れるようになったのも強いですね。変すぎないけどやっぱ変、というラインが絶妙だったわ。クラッチバック脇に挟んで喫茶店に行く中学生の背中が良すぎる。
 映画。渋谷のTOHOシネマズで『シンゴジラ』だろうか。ゴジラだと最近だとレジェンダリーの方もあるし、新しいのはそっちだけど、たぶん映像の断片的に『シンゴジラ』。なぜ。古いぞ。

『逃げ上手の若君』121話

 若よりも下の世代のキャラが続々と出てきて若が驚くという構図。読者的には「今更だよ」という感じではあるが、それでも若が年上となるのは新章感あって楽しい。特に、尊氏の息子が凡人で……というのは歴史モノの醍醐味みたいなワクワク。現代だったら「だから世襲制はクソなんだよ!」とかキレたくなりますが、歴史モノだとどうしようもない困難として面白い。『三国志』とか連想しちゃう。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』189話

 ダンジョンからのスライムが出てくるのには笑ったけど、七悪のことを考えると案外自然に飲み込める。すごいw
 からの攻撃の数値化。バトル漫画でその手法はあまり面白くなるイメージがないぞ。心配になってしまうが、おそらく今回の話でしか出てこないんだろうな。そうであってくれ。
 からのキングななおが強い。さてどうする、というところでエンド。何やら策は浮かんだらしいが……というのが露骨に読者への挑戦状になってますね。そうじゃなくて本作は一話の中に丁寧に伏線仕込むタイプだというのに。
 考えるべきなんでしょうけど、時間がないのとめんどくさいのと、手元に答え(次号)があるので「考えるくらいなら次号を先に読んじゃえば……」と悪魔の囁き。

『鵺の陰陽師』13話

 急な特訓で負傷したら休ませてもらえる学郎と、負傷を脅しの材料として成長を促される藤乃さん……が実は少女。この回想のくだり良かったぁ。唐突な回想で(内容も想像の範疇だと思って)正直興味はあまり湧かなかったんだけど、「子供にこんなことするなんて!」とまんまと印象を操作されてしまった。普通にうまい場面なんだけど、その演出をサラッと済ませてるのもスマート。別に話の展開的に重要な場面ではないんだけど、印象(感情)としてはめちゃくちゃ大事。

『アンデッドアンラック』170話

 チカラは写真が好き。不動の能力者が写真って気が利いてますね。使いこなせば好きな一瞬を自在に撮影できるようになりそう。スポーツの決定的な一瞬とか。まぁ競技の妨害に他ならないんですが。
 んで、不動が発現。ここが意外とあっさり終わる。若干話がどこに向かってるのか分からなくなったんですが、すぐに学校生活を諦めようとするチカラに対して “できるよ?” と返す風子がヒーローらしくて最高だった。学校生活を卒業まで過ごせるよう大人がサポートする、という構図が感動的だったし。風子がその役割ってのも良い。事故とかを考えれば現実でも全然ある話だから余計に風子のヒーローとしての言動が眩しい。

『一ノ瀬家の大罪』36話

 おおっ、可哀想な子供をサポートする学校の不気味さ、という話が直前の『アンデッド』のラストと合わせ鏡だ。すごいな、このテーマの(不)一致。
 ただ、そんな優しくしてくれる環境の不気味さが面白かった分、直後に描かれるのが「やっぱり子供は邪悪」という絵面で、驚きはするけど同時に「まだこれか」という気にもなる。正直飽きたな。その場しのぎの露悪大喜利のような印象が強いのだが、大丈夫なのだろうか。まぁ、翼が逃げた先でも同じような地獄が展開されていたという話なので筋は通る……のか? 今後のことを考えてるのか心配になるな。
 けんたが翼に対して弱みを握ってるかのような態度に出てるのは普通に謎。別にそこまでこの疑似家族に依存してるわけでもない(あんなの見たら百年の夢もさめるだろう)し、颯太にチクったらどうなるというのだろうか。けんたの嘘を信じた颯太に怒られるなら、証拠を掴めばいいし(危機管理ザルそう)、颯太が「あいつは可哀想だから不問」と言うならそれこそもう颯太への信頼が塵と化すだけでしょ。

『アイスヘッドギル』7話

 扉が良い~。単独で良い扉だし、本編を読むとさらに味わいが増す。
 本編。サナの弓は普通の弓ではないので、矢のことを気にしなくていい。弓使いキャラのネックはここですからね。「魔法の矢なのでok」と最初に断言してきたのはそういう事情も感じる。が、矢だけでなく弦すら必要ないのは意外だったな。
 決戦は森の中。「斧で木を切るなんて斬新!」みたいな冗談を言いたくもなったんですが、それ以前に一度森の中に隠れることができたなら話の焦点である「回転数を増やす隙が作れない」問題はクリアじゃない? 回転数溜めた状態で現れればいいのであって。殺気とか音でバレちゃうってことなのかな。
 んで、ギルの父親についての真相が明らかに。早かったな。最終章にやる話だと思ってた。まぁけどそういう謎で引っ張るのはそんな好きじゃないし、今回明かされた真相も特別意外なものではないので、さっさと明かしてドラマ的な期待を煽る方が効果的だった、という判断はよく分かる。
 父の精神を挫くためにギルを殺す。なんかこういう心を挫くために別の人を殺すって話、最近別のジャンプ作品で見た気がするんだけど、思い出せない……。

『テンマクキネマ』17話

 順撮りじゃないとあらゆる作業が複雑になる。今までは役者の演技のことばかり考えてたけど、たしかにその他のスタッフもめちゃくちゃ大変ですね。意外と目から鱗だった。てか、そう考えると映画作りの漫画で、役者がメインじゃない本作って珍しいのかもしれませんね。
 紅一点なので宿では姫希が1人になる瞬間が多くなる。突然のお風呂シーンには「我慢の限界かぁ?」とか思ってしまったけど、1人になることで彼女がいろいろ考え込んでしまう、というのは何気に大事だったのかもしれん。
 ということで、スランプ。演技指導の話は以前にもあったけど、今回は相手がプロの姫希で、スランプってのが難題で面白い。役を降ろして演技する、ある種の完璧主義者だから「セリフを言うだけでいいから」という妥協が通用しない。おそらく姫希のスランプと、彼女がこの脚本に惹かれたことには何か通底するものがあるんでしょうね。

ブラッククローバー』367話

 勝ちはしたが暴牛のみんながボロボロで困った。ということでアスタの秘策。アンチ魔法の付与は突飛なパワーアップのようでもあり、今までの話からして少し納得できる要素もあって良いアイディアだったな。ユノが王都全体にバフ魔法をかけてたけど、それのアスタ版って意味でも熱い。アンチ魔法を付与できれば、インフレしまくった相手と戦っても違和感ない。さすがに暴牛の団員よりもよその団長の方が実力は高いに決まってるんだけど、それでもドラマの盛り上がり的には暴牛に活躍してほしいじゃないですか。『BLEACH』も似たような悩みに陥ってたと思うけど(インフレが進むと味方陣営の強キャラは隊長のみになる)、それの解答としても見事だったと思います。

『「ブラッククローバー」ミニキャラ4コマ劇場』田代弓也

 その11。ナハトとモルゲン、ノエルと母様、めっちゃごっちゃになる……という読者あるあるみたいな内容が4コマになっててめっちゃ笑った。優れたギャグには自然と批評性が宿ってしまう、というケース。

『僕とロボコ』148話

 シリアス長編。中盤戦という感じか。ギャグは多くて面白かったけど、話を動かそうとするときのイベントがベタすぎて面白味がなく、それでいて話の都合が前面に出てるようで正直それほど面白くはなかったな。ガチゴリラのタフさが真面目エピソードとして役に立つのは譲るとしてもモツオが捨て身で本気出したら天才美少女博士を上回るというのはさすがにやりすぎ。ボンド含む3人が特別という話はあまりやらないでほしかったな。ただ、ドラマを語ってるとガチゴリラが “…行かないウホ?” と言ってくるのは超好き。
 あとは、『テニスの王子様』ネタがそんなに分からなかった、というのもそこまで乗れなかった一因かもしれない。

『暗号学園のいろは』35話

 籠城戦をしてたが捕虜を奪われる。いろはが狙われるが、いろはは自身の足枷の暗証番号を問題にしたので、負けてもメリットはある。大きすぎる敗北だが少なからずの利はある、という小さな抵抗が良かった。暗証番号を当てたくだりは正直納得できないけど。
 それに感化されたいろはがやられたのと同じように、かなり強引な方法で敵のアジトに入り込んで対決に持ち込む。いろはの運動能力頼りが、クマのカチコミよりも納得できるものなので良かった。クマはかなり苦しいが「面白くなる(主人公が苦労する)ならいっか」というギリギリの感じだったので。

『人造人間100』33話

 99の能力は氷だが、厳密には最近を皮膚に宿す、水が氷結する温度を上げてくれる細菌らしい。つまり、あの氷は冷たくない。マジか。氷結系とかクソベタな能力ながらその内容が斬新だ。そんな氷で包まれたらどんな感覚なんでしょうね。ただ透明な何かに包まれて動けなくなるだけ、という感じだろうか。まぁ、鼻と口が塞がれたら死ぬけど。
 100が敗北するが、あしびが100の炎を借りて捨て身の攻撃。熱いラストなのだが、「100の炎を宿したあしび」とアオリで明言してしまうのはちょっと語りすぎだと思う。

『ドリトライ』14話

 何とか倒した強敵から語られる父の真相。まさかの『アイスヘッドギル』との類似だ。前から似た話になってるとは思ってたけど、今号は見事なタイミングの一致だったな。いや、本作はまだ父親の凶行の真相まではいってないので微妙にズレてはいるけど。
 妹が危篤。生野は分かるけど、黒岩まで一緒に来てくれて、しかも見ててくれるとかめっちゃ優しいな。マジであり得ないほど優しいじゃん。「実は彼にも妹がいて過去に病気で亡くしていた」とかなってくれた方が納得しやすいレベル。
 そして、組長の真実。ここも妹は意外だったな。シンプルにしてやられた。この(義)兄妹だけ妹が兄を助けに行く話になってるのも熱い。 

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 8/8は集英社創立。そうだったのか。というわけでジャンプ漫画の中の集英社特集。集英社小学館が並んでる件についても語られてて導入のくだりから面白い。
 基本的にギャグ漫画では出てきがち。メタの題材として超定番って感じか。
 『呪術』はふざけた話なんだけど、集英社描写はめちゃくちゃリアルというのがおかしい。
 『アンデッド』は集英社を出しておきながらジャンプではなく少女漫画の方、というのが斬新。この切り口はマジで55年の歴史の中でも相当レアなんじゃないかしら。

目次

 井上尚弥のボクシングの話題が多いんですが、雲母坂先生は関係ないテレビの話を楽しそうにしてるので笑う。あんま時事的な話題でもないのがまた良いんだよな。事前にコメント考えて提出しちゃってた、とかそんなんだろうか。観てないってことはないと思う。

愛読者アンケート

 読切について。Boichi先生の連載について聞いてくる質問があって意外。視野に入れてるのか。あまり想像してなかったが、まぁ仕事クソ速超人ってイメージあるし、そりゃそうか。
 キミの周囲で話題になってること。周囲というのにツイッターが含まれるのならば、映画『MEG ザ・モンスター2』のエンドクレジットで流れるラップ曲に韻を踏んだ字幕が流れてその内容が心底バカバカしい、というのが話題だ。ガブリ。

総括

 手元にあるジャンプがあと2冊。山のように積み上がっていたことを考えるとなかなか感慨深い光景ではある。あるが、これからしばらくの間ペースダウンします。それでも何とか週一くらいのペースは保って借金が増えないようにはしたい。したいとは思ってる。

 今号のベスト作品。『キルアオ』。
 次点は読切と絵日記。
gohomeclub.hatenablog.com