北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年38号の感想

 実写の『ONE PIECE』マジで面白かった。ありがとう……。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。大喜。表紙も、巻頭カラーも、背表紙もみんな大喜。しかし本編は違う(出るけど)。

表紙

 ということで『アオのハコ』。ひっそりと手を繋いでてエッチマンだ。

読者プレゼント

 ナイチンゲール。もとい、トンデモナイヒンアゲール。優勝だな……。プレゼントページに求めるオモシロがこれでもかと詰め込まれててちょっと面食らってしまうレベルであった。「期待の New フェイス in」で入院とかもう頑張りすぎてて眩しい。

巻頭カラー『アオのハコ』113話

 巻頭だけど雛回。もしくは匡。本作はまだ、巻頭には大喜と千夏パイセンの回をぶつけてくるイメージあったけど、もうすっかりそのステージからは卒業したのね。「その代わりに普通に良い回ぶつけてやるよ」という感じで最高でした。
 そんな雛。を心配する菖蒲が匡に助けを依頼。自分では役に立てないという身の引きが菖蒲の成長のようにも感じる。まぁ、単に菖蒲の前では雛が捨て鉢になってしまうから、という事情もあるんだけど。
 ということで、雛の元へ行く匡。素直で良い奴かよ。おそらく何も策はないであろうに。雛から話しかけて、そのリアクションとして匡が身を切り、その話で雛が救われる。というか、救いのキッカケを見つけるって感じか。
 匡の失恋話も面白いんだけど、基本的にメインは友達に告白して振られた場合に友達に戻れるのか問題(振られた側視点)。雛はあまりにつらいので大喜との接触を元から断とうとするが、それに対して匡が回りくどいが明確な意志を持って否定する。身を切ってるし、優しいんだけど、かなり明確に「いやダメでしょ」という旨の返事。
 そこでの匡の結論が “恋愛に支配される人間関係は” “少し寂しく思う” 。本作自体のことを指してるとも取れる良い話だし、個人的には匡を派遣した菖蒲のことを指してる(匡にその意図はないにしても)のではないかと考えちゃう。菖蒲は明らかに恋愛中心の考え方ですよね。今回の匡のセリフが本作全体のコンセプトを示してるのだとしたら、菖蒲はそこから一番遠いキャラだからこそ最も成長の余地があるキャラクターだとも言えそう。「こいつ主役でよかっただろ」的なことを考えたことが過去にあるんですが、割と遠からずだったのかもしれない。

『ウィッチウォッチ』121話

 一度現実に戻ってから、夢の中の戦い2回戦へ。第三者の夢の中へカンシを引きずり込んで仕切り直し、という展開は面白かった。いよいよ『インセプション』めいてきたな。
 第三者の夢の中なら勝因がある、という部分がちょっと苦しかったけど、カンシの中だとカンシの意志の強さで克服されちゃうので関係ない夢を都合の良い方向へ誘導することでバトルフィールドとする、ということでまぁ何とか分からないでもない。というか前回の方がかなり強引だったのでこのくらいなら全然いける。
 人の夢は曖昧なので、そこに意図的に隙間を埋めていけば好きなように誘導できる。からの異様なまでに隙間のない設定の夢が広がっていたとしたら……というツイストが面白い。まぁ強引ではあるんだけど、発想の面白さと「ここでそれかよw」というサプライズで持ってかれた。
 設定ガチガチなくせに「うろミラ」の人たちがカンシのことを普通に味方扱い(というか無視)してるのが引っかかるっちゃ引っかかるんだけど、寝る直前にカンシが彼女を助けようとしてたことの反映と考えると筋が通るのかもしれない。だったらカンシにもっと話しかけてたりしてよかったと思うけど。

ONE PIECE』1090話

 セラフィムハンコックは本人同様にルフィに弱いらしい。石化した一味どうするのかと思ったらこんな方法でアッサリと解決であった。ハンコックがルフィのことを好きになったのは別にフェロモンとかそういう話ではなく出会い方と交流の内容によると思うので、かなり違和感のある話ではある。本人がルフィのことを好きになったあとにクローンを作ったので、記憶が少し継承された……ってことなんだろうけど、むむむ。まぁ、困ったら「悪魔の実なんで」と言ってしまえば済むからずるいw
 次の目的地はエルバフ。すごいな。マジで最終章って感じ。いや、最終章だからって今まで出てきた情報をすべて総ざらいしなきゃいけないってわけじゃないんだけど、そのアホみたいな詰め込みスタイルが『ONE PIECE』らしいと言えるのかもしれない。
 膠着状態からの黄猿カチコミ。迎え撃つのは戦闘丸。あれだな、「2年後」が始まった直後にあったようなメンツだ。敵味方の配置が微妙に変わってるが。黄猿くんには頑張ってほしい(は? お前が頑張れ似非評論家)。

『キルアオ』17話

 変声機でついに『名探偵コナン』への言及が小さく入ったのは面白かったけど、前回の爆発を考えるとちょっと大人しい回だったな。というか、十三がオッサンに戻ってしまった件があまりにどうでもいい扱いのまま終わる。無計画に大人に戻しちゃったのではないかと疑ってしまうほど。
 ただし、今日も天馬は最高。正確には天馬と部長が最高。部長は天馬にとっての良心みたいな存在なのだな。
 あと、人の心がわからない超人という意味で、天馬はちょっと『ROBOT×LASERBEAM』のロボ成分も入ってるのかも……と今号で急に思った。あの作品ではブロマンスだった2人が本作でロマンスとして帰ってきた、みたいな。

センターカラー『僕とロボコ』149話

 カラー扉が『鉄人28号』だ!!(たぶん) デザイン自体はいつも通りなんだけど、ボンドの顔が絶妙に古い。ショタコンの由来……(ほとんど関係ないらしいが)。
 本編。一度学校を描いてから、ラストで真相にたどり着くボンドたちを描く。なかなか熱い構成だ。ただ、そもそも犯人が誰なのかとか気にしてもなかったので「犯人などいなかった」というツイストの利いたオチを用意されてもそこまで乗れなかった。申し訳ないのかもしれない。まぁ、このオチ自体も王道なので、何なら最初からオチを明かしちゃってても良かったのかもしれない。普通に好きな話なので。いろいろあるけど、個人的には『サイボーグ009』が好きだなぁ(さっきから出てくるタイトルが古い)。

『SAKAMOTO DAYS』131話

 日本に帰ってきての鹿島回。なぜか鹿ヘッドを再び装着してるのが謎なんですが、特に説明がないので「そっちのが可愛いから」ということなんだと思う。
 内容は当然鹿島の光堕ち。光の誘惑を担当するのが坂本の娘、花ちゃん。「可愛いには可愛いをぶつけんだよ」という感じだ。本作史上最も可愛いの濃度が高い回だったと言える。今まで鹿島のこと、単独で可愛いとしか考えてなかったけど、幼女と敬語厳守スーツという組み合わせも最高でしたね。
 ということで完堕ち。堕ちはしたけど「スラー様しゅきしゅき」の姿勢は変わらない、ということで従来の良さも保ってて全方位的に大満足な鹿島回だったと思う。ジャンプの鹿島と鹿野、どっちが可愛いのはもはや聞くまでもないよな……。よく考えたら鹿紫雲もいたか。

『呪術廻戦』232話

 新宿都庁での五条先生の一計。都庁でしか成立しないとまでは言わないものの、都庁らしい特殊な地形を利用したトリックになってて楽しい。ここに来て新宿感モリモリのネタぶっ込んでくるとは思わなかったな。渋谷とかもあるけど、歴代の中でもご当地感はトップクラスなんじゃないかしら。
 決まったと思いきや、というラストにもう一捻り。あれはシンプルに間に合わなかったという話なのか、五条先生の攻撃は完全に決まったが、タイムリミットが止まるまでにはタイムラグがあったので別に発動してしまったということなのか。まぁ、これでスクナが終わった状態でマコラが暴れても面白くないので、完全に負けたとは思わないけど。

センターカラー『アンデッドアンラック』171話

 チカラが日常生活を送るためには動き続ける癖を付ける必要がある。そうするとカメラの撮影が困るので、ユニオン特性の手ブレ補正カメラ。急に『テンマクキネマ』みたいなアイテムが出てきたな。そのうち『テンマク』で長回し撮る回やらないかな。
 卒業式のはずだったが、UMAのカラーが出ちゃったので、その捕獲。青春だからカラーってことなんだろうけど、言葉遊び以外の要素が現状見当たらないな。なんかあるのかしら。ただの言葉遊びにしては、劇中思いっきり青春がどうのと喋っちゃってるのでどうかと思う。

『あかね噺』74話

 一剣師匠による総括。やったぜ。ようやくスポットが当たるというか、よく喋る。 “特例は勝者の特権ですよ” はかなり今回の企画意図を剥き出しにしたようなセリフだったんじゃないですかね。上の立場だと上の立場なりのしがらみがあって動きづらいので、そこに大義名分をつけるための会。
 そんなしがらみからは少し離れたところにいる学問先生。まさか次章以降にも出てくるらしい。あかねのことがお気に入りの様子。マジか。これは意外だったな。まぁたしかに審査員の中でも核になるようなキャラクターだったけども。
 んで、次章。祭りで出店。急に『食戟のソーマ』みたいな話になったな。1人だけ食事以外の人いたけど。

僕のヒーローアカデミア』397話

 自分にハッパかける意味でも「ハイになってるのかな?」というくらいだったオールマイトのテンションに策略があったというのは面白い。悪の権化に注目させる、というのはヒーローの本質にも思えますね。わざわざコスチュームを身にまとって派手なパフォーマンスとして私的な警察行為をするのはなぜか。
 そんなオールマイトの派手さに対して「ゴミ袋」と返したAFOも良かった。
 短いページで忙しいんですが、オールマイトと先代の出会い。道具を持って勝てもしない戦いに挑もうとした、ところを先代に目をかけられる。要するに本作の第1話におけるデクと同じって話なんですが、オールマイトの場合はそこに道具が関わってくるので、今の戦いはまさにヒーローとしての原点の再現でもある。ただ、先代の助けはない。代わりにデクとは別の後代のチカラを身にまとって戦う、というのが熱い。

『アスミカケル』9話

 奈央さんの大会。優勝すればプロ。そんな決勝の相手がこれまた素敵女子(女性)なので最高。ガタイが違いすぎて笑うんですが、その分身長が低い、ということなんでしょうね。てか、寝技とかも視野に入れるMMAの場合は身長の高さって他の競技ほどアドバンテージならなかったりするのかな。マジで知らんけど、そのくらいのたのもしさを感じる。
 しかもその新キャラが二兎に対してまさかのラブコメの予感(たぶん冗談だが)というのも驚く。本気じゃなくてもいいから、いつか本作のラブコメ回、ハーレム回が見たい……。真面目に考えると二兎は未成年なので少しアレではある。まぁ冗談だからね。

ブラッククローバー』368話

 サブタイが「こっからだ」で、本誌の連載は終了。本編もまさに「俺たちの戦いはこっからだ」って感じでしたな。一旦長い休みに入るけど、一発盛り上げて終わっとこう、という意図ではやはりあれが最適解なんだろうな。
 んで、暴牛が登場する前フリとして苦戦するのはヤミ団長とユノ。暴牛及びアスタとの関わりが深い2人、ということですね。特にユノは、彼が落ちたらバフがとけて全体が即敗北という位置づけなので大事。なので話的にはユノだけでも全然良かったと思うんだけど、まぁ団長人気なので……という感じかな。
 ということで移籍決定。残念な気持ちがないと言ったらさすがに嘘になる。今のジャンプで最大風速が最も大きい作品は本作だと確信してるので普通にショックだし、大きすぎる損失だと思うけど、それ以上に「やむなし!」と言わざるを得ない。むしろ、これを機に他の作品のことも考えてくれ……という感じ。今の連載形態は『ヒロアカ』の面白さを阻害してるとすら思うので。
 プラスなどではなくGIGAなのは社内政治とかもあるのかしら、とか考えちゃう。まぁ、いろいろ選択肢があるのは良いことですわ。おそらくだけど、残り話数とかも既に決まってるんじゃないかしら。そんなに終わりが近いのか……という意味でも少し寂しい。まぁ、これで『銀魂』みたいなルートをたどったらそれはそれで面白いけど、事情が全然違うので、そこまで面白いことにはならないと思う。

『逃げ上手の若君』122話

 珍しいほどのバトル回。面白いのは間違いないが、こういう無双アクションで戦況に影響を与えて話が進行すると、「けど歴史はこんなわけないでしょう?」という雑念が湧いてしまうな。激つよ武将として歴史に残ってるようなキャラだったらいいけど、若たちはそういうことじゃないだろうし。まぁけど、今まで描かれてきたことの延長線上にあるバトル的活躍になってるのはやはり気持ちいいですね。

『夜桜さんちの大作戦』190話

 キングななおをどう倒すか。合体を解除して小さいのを一発でしとめ続ける。まぁ分からんでもないが、別に全体の数値が増えるわけではないので、正直期待してた(1週跨ぐ)ほどのものではなかった気もする。
 一応その後に倍々になる技を踏まえて100点越えを狙った、というのは面白い。最初の数値にバフをかけて倍にし、そっから倍々になるので100を越える。ここはわざわざ強さを数値化したことの意味を感じるオモシロ。まぁ、肝心の部分では「夜桜は連携すると相乗効果」という異常な上昇が加わってフィニッシュなので、これもクイズとして楽しむべきものではなかったな、という感じ。これは私が読み間違えたというのもある。あるが、やっぱ1週跨ぐほどのことではなかった気もする。
 からの合体技の命名をめぐっての喧嘩、大人の介入、うやむやにして逃げようとしたら露骨に失望される、などの一連のくだりはめちゃくちゃ良かった。子供のリアル。

『鵺の陰陽師』14話

 決闘開始。わざわざ学校で戦うのがロマン重視って感じで良いね。せめて校庭とかで戦えばいいと思うんだけど、木造の校舎の廊下で戦ってるのがとても絵になる。
 式神を出されたら負け。ただし、出すには時間がかかるのでとにかく時間を与えない。バトルの方針がまず最初に示されて、互いにそれに従って戦うのでひたすら見やすい。優れた解説が入ったときのスポーツ観戦みたいな感じ。
 「どう時間を与えないか」のつもりでいたが、まさかの馬乗りで拘束されての召喚。意外性としても、戦術としても面白かった。突然のお色気要素には「今はいらんやろ……」とか思ったけど、まぁ意図として違和感はない。もうちょっと下がって腕とかも拘束しないとダメだと思うけどな。
 あえて召喚させ、陣を破壊するという隠し玉で逆転するはずが……という感じでピンチになってエンド。次号まさかのセンターカラーであった。やばい、めっちゃ人気ですやん。次号は表紙が『キルアオ』だけど、まさか『キルアオ』に続くような人気作になるとは。良かったですねぇ。

『暗号学園のいろは』36話

 匿名さん奪還のためにバトル。紙とインクによる出題だが、鎌で紙を作ったらしい。どこまでも手間のかかることを……(仲間由紀恵)。この理屈は面白かったけど、事前に作っておくのはルール的に大丈夫なんだっけ? それなら今まで即興で出題してたのが馬鹿らしくなるけど。
 解読も紙に関わるものになってて、炙り出し。しかし、肝心の火を用意するためには時間が足りない、というこすいトリック。これは面白い。からのペロペロで解読。さすがに無理だと思うんですが、まぁ話の流れによる推測の部分も大きいので、これはこれでありそうなバランスだったのかな。『不思議の国のアリス』ネタというのも気が利いてた。
 大問題としては「読者が参加できない」というのがあるんだけど、一応そこへの言い訳が欄外コラムでされてるので良かったw

『テンマクキネマ』18話

 主演女優のスランプ。演技指導というよりもメンタルケアに近い、というのが映画制作の実作業としてリアリティがあったし、もちろんそれがめちゃくちゃドラマチック。脚本と監督と主演俳優の三位一体みたいな関係性がよく出てて面白い。
 まぁ、追いかけたら勝手に悩みを吐露してくれたというのは少し拍子抜けではあったけど、走りながら脚本が重なっていく演出とかはとても良かった。
 姫希の悩み。母親の望む俳優業を演じてるだけ、という演じること自体が悩みになってて超厄介。渚を演じられないという悩みに対する解答が「演じなくていい」というのも納得度があって面白い。まぁ文章にするとめちゃくちゃややこしい話になっちゃうんですが。とはいえ、今回新市がやったことは過去に演技指導したときとそれほど違わない感じになってるのも飛躍しすぎない案配で良かったんじゃないかと思います。姫希を正解の演技に近づけるのではなく、姫希の演技を引き出すように、誘い出すように助演側に一言添える、という意外性もリアリティあって好き。演技としてのリアリティではなく、監督ができることのリアリティ。
 そんな誘い水としての「おかえり」を問題の根源である人に言われてしまって……というラストも最高。映画撮影よりも勝手に泊まり、しかも娘以外は全員男子というのがヤバいw

『アイスヘッドギル』8話

 決戦後のエピローグ的な回……と思ったら敵がまだしぶとくて……と思ったら味方、王国サイドの超強者が現れて瞬殺。瞬殺の見開きがかっこよかったし、何より変人すぎる剣士というのが楽しい。定番ではあるが、やはりこういうのが少年漫画の華だな。中性的なイケメンというのが蜂矢先生の絵柄と非常にハマってたと思う。自己評価がバカ高いイケメン最強キャラというと『マッシュル』でもいたばかりなんですが、それとは全然違う味付けになってるという意味でも好き。
  “その理屈だと王命がうんこになるぞ” とか最高でしたね。新キャラの魅力でもあり、サナの魅力。ギルはこういう理屈こねたようなツッコミはしないだろうからなぁ。

『人造人間100』34話

 あしび、ファイアパンチで99の氷に挑む。99の氷は空気中の水分を利用して生成するので、熱の上昇気流で空気中の水蒸気を上空に飛ばす。なんか分かったようで分からない理屈だ。ファイアパンチ撃ちまくったので空気が乾燥した、だけでいいのに。もしくは氷を出しまくったので水分が在庫切れになった、とか。いや、本作の言ってることが正しいのかもしれないけど(さすがに正しいんだろうな)、上昇気流って空気中の水蒸気だけを上に運ぶわけじゃないじゃん? てか、「空気中の水蒸気」って表現が気持ち悪くて苦手なんだよな。
 あと、身も蓋もないことを言うと、元々あんな巨大な氷塊を作れるだけの水分は空気中に存在しないのでは……とか思っちゃう(『ヒロアカ』もそうだね)。ので、今回みたいなリアルな科学をロジックにされるといろいろ気になりだしてしまう。くられ、来てくれーっ!!
 んで、あしびの治癒には実は回数が決まってるので、そのことが100にバレると協力関係が根本から崩れる。あしびが子供らしく懇願するも無慈悲に断られるラストは最高だったんですが、ここで100に “何の感情も湧かないなあ…” と語らせたのは正直余計だったかな。絵が最高というか雄弁だし、その後の行動もあるので。あしび視点だったのに、わざわざあの一言のためだけに100視点にシフトするのが余計というか、その後の冷徹な現実を突きつけられるかのような引きの絵になることを考えても100のセリフはいらなかったと思う。まぁここらへんは少年漫画の限界というか、「さすがに説明下さい!」と注文受けてそうなイメージ。
 ただ、あしびに興味を失った割にはあしびを優しく地面に置いてるので、どっちつかずで今後が気になるラストでもありますね。気にならせるためにもあのセリフは余計だったと思う、という話。

『ドリトライ』15話

 ついに父ちゃんとの対話。闇堕ちした父ちゃんとの対話というのは定番ながら燃えますな。要するに『スターウォーズ』。
 んで、父ちゃんから語られる事件の真実。真実の内容自体も驚くんですが、今まで散々繰り返してきた「心の強さ」に対して “この思想には副作用があるということを…” となるのが最高。心の強さだけではどうすることもできないことはあるし、そのときにそれまで溜め込んできた痛みや不満が爆発してしまう。これ自体は「そりゃそうだろうな」というシンプルな話なんだけど、その心の強さ思想を打ち砕いたのが戦争(敗戦)ってのが重いというか、別のリアリティを生んでて面白い。心の強さ思想は父ちゃん由来のものだと今まで読者は思ってたけど、よくよく考えたら敗戦前の日本(軍)全体に蔓延っていたものなのでは……という底知れない不気味さが生まれてくる。「心の強さがあれば竹槍でも勝てる」みたいな世界観ですからね。ここに来て、戦後を舞台にした意味が過去最大に出てくるのヤバいな。しかも今号は8月発売じゃん。そういうこと考えちゃうよね……。
 まぁ、もちろんね、本作がこのまま「心の強さなんて信じちゃいけない!」なんて話になるとは1ミリも思わないし、実際に父ちゃんが現在とってる「何もしなければ平和な世界が訪れる」というのは考えるまでもなく間違ってるんですが、この問題にどう決着をつけるのだろうか……。本作は好きだけど、正直父ちゃん周りにそれほど興味は抱いてなかったんだけど、急に持ってかれてしまったな。
 事件の真相について「実は父ちゃんやってない」となる余地がもう残されてないのも地味にすごいですね。容赦なさすぎる。重い、重すぎるぞ。『アイスヘッドギル』と同じ話をやってたはずなのに、あの作品と両極端な真相が待っていたw

『一ノ瀬家の大罪』37話

 まさかの中嶋。みんなフットワーク軽いな。私が中学生の頃、そんな自由に使える金なかったよ……。
 それはさておき、翼が家から逃げてきたというのが明確にされる。まぁ以前から察しててくれよ、という話だったのかもしれないが、私としては「颯太の真相を追い求めて」が第一だと思ってたので、これはこれで面白かったし、そんな弱みを中嶋にだけ言える、というのも良い。正直物語としては何も進展しない回だったんだけど、本話はかなり良かったな。翼の弱さにフォーカスされるのが新鮮だったし、家族の問題に直面した子供のリアルというのが感じられてすごく良い回だったと思う。まぁ、そもそも物語が大きく進展しないのは割といつものことというか、「今どこにいるんだっけ?」となるのが本作の常だと思う。暗闇の中をテキトーに歩いてる感覚で不安になるんだけど、その不安感が魅力なんだと思う。ちゃんと設計されてることを祈るけど、作者の前作読んでないから分からないところもある……。
 超良い回だけど、マジで何にもない回なので、正直な話、初読時は「この中嶋はイマジナリー中嶋か!」と半ば確信を持ってしまった。と思ったら最後に翼の知らない中嶋の悩みが告げられるので「えっ 本物だったの……?」と衝撃。いやマジで「全部夢でした」でもいいような話だったし、中嶋の登場があまりに唐突で浮き世離れした話、そして翼にとって都合のいい話(だが具体的には何の役にも立たない)だからそう思うじゃん。『ゼログラビティ』のジョージクルーニーとかそういう存在じゃん!(急に強めのネタバレ)

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。8月のお題は「夏は活動最盛期! 蚊にひとこと言ってやれ!」。正直お題だけ見たときは面白くなるイメージがあまり湧かなかったんですが、ネタを見てたらどれも面白い。めっちゃ良い回だったと思います。自分のネタ送る側としての才能のなさを実感したよね……。
 東、唐努利臼さんの「虫よけスプレーのお味はどうだい?!」。そして西、未完の貴公子さんの「飛んで火に入る夏の虫とはまさにお前のことよ フハハハ」。お題へのアプローチは同じなんだけど、それぞれ高い解像度で別のキャラクターを描いてるので2本セットで好き。前者は悪の女幹部、後者は魔王って感じで最高。
 東、井の線亭ぽんぽこさんの「ボウフラはきっと生きてる~」。そして西、ゲインズさんの「異次元のボウフラ対策に着手します」。まず右ページから読み進めて、「ボウフラ」というワードが目に入った時点でもう笑ってしまったんですが、西にも同じ人がいるのでさらに笑った。前者は原曲の「僕らは」よりも音がしっかりハマるのがおかしいし、後者は蚊の首相が言ってるのか、人間の首相がボウフラ殲滅を狙ってるのかで2つの景色があってそれぞれ好き。イーピャオコメントがセットになってるのも良い。
 東、ジャン丸さんの「もう俺、お前の羽音(こえ)が聞こえないんだ…」。前述の悪役キャラっぽいセリフと同じで、漫画のワンシーンみたいな雰囲気で好きなんですが、そこにモスキート音という現実的な現象を乗っけてるのがうますぎる。ちょっと知的な雰囲気が漂ってるのが良いんだよな。

目次

納豆といぶりがっこを刻んだものにゴマ油をかけ、それを韓国のりに乗せます。
(『鵺の陰陽師』)

 大親友の彼女の連れが作ってくれたら一目惚れ~しちゃうやつだ。川江先生の謎の料理コーナー好きになってきました。もはや「オススメです」とか「よく食べてます」という目次コメントとして成立させる文言がなくなっちゃった。

愛読者アンケート

 謎解き。本やテレビ、イベントで好きか。テレビでしか触れることはないけど嫌いです。もっと普通のクイズを出してほしい。興味ないのに時間がかかるから出ると激萎え。まぁ、クイズ番組がすべて『アタック25』になればいいと考えてる過激思想の持ち主なので。
 7月8月に行われるナツコミキャンペーンについて。ナツコミを知ってるか。アンケート質問大好きなのでさすがに知ってますけど、別に買ってはいない。ところが、今回の選択肢、「知っていて買った」「知らなくて買った」「知らない」しかないので詰んだ。
 好きなお笑い芸人。52も選択肢があるんですが、さすがに知ってる人が多い。それでも聞いたこともない名前が11もあった。そうか、お笑い芸人でこうなるのか。まぁ、お笑い好きの人でも「それはマニアックすぎるだろ……」となる可能性もなくはないけど。そうだといいな(違うと思う)。知ってはいるけど、好きかと言われると非常に悩む。空気階段とか見取り図はラジオ聴いてるので好きっちゃ好きだし、身近に感じてる部分もあるけど、下手すりゃネタは1本も見たことないので、好きと言える立場じゃない気もする。ゆりやんも「bad bitch 美学remix」最高で、リリース直後はほぼ毎日聴いてたけど、リリックで言ってるトロフィー取った件を映像では観てないし、世界のステージのジャッジ唸らした件もそう。
 何の話だということで、好きな芸人はいない。

総括

 終わり。このあともう1本別の記事を書くんですが、それが終わったらもう今月の末まではジャンプ記事以外書くことないので(映画の感想は観たときのノリ次第で書くかも)、今月中にジャンプ記事の借金なくしてみせる……。ついにラストスパートですよ。

 ということで、今号のベスト作品。『ドリトライ』かな。衝撃の事実が本当に衝撃で、その内容だけで優勝って感じ。
 次点は『ブラクロ』『アオのハコ』あたりでしょうか。
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